記事公開日: 2021年5月13日   
記事更新日: 2021年6月14日

普通解雇したい!無効とならない事例や手続きをわかりやすく弁護士が解説

普通解雇したい!無効とならない事例や手続きをわかりやすく弁護士が解説
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「もう働き出して何年にもなるのに、いまだに技能不足でミスばかりする職員がいる」
「何度も注意して、始末書も書かせているのに問題行動を取り続けている職員がいて困っている」
「注意をすると、逆に『パワハラだ!』と騒がれて、どうしたらいいかわからない」

 

そんな悩みを抱えている事業所は多いのではないのでしょうか。

事業所は、職員を解雇するにあたって非常に厳しい制約を課されている反面、雇用する全職員に対して、雇用契約上の安全配慮義務、職場環境配慮義務を負っています。

そのため、問題のある職員を放置したことで、事故が発生したり、他の職員に何らかの被害が生じれば、事業所としての責任を免れることはできません。

また、問題のある職員への注意指導を特定の職員に任せるうちに、過大な精神的負担から追い詰められ、その結果当該職員が離職してしまうといった事態に至ることも多いです。

事業所として、注意指導等の様々な措置を講じたにもかかわらず、やはり解雇以外に方法がなければ、その行使を躊躇してはいけません。

解雇には、大きく分ければ普通解雇と懲戒解雇の2種類があり、それぞれの解雇の趣旨の違いから、原因や要件が異なります。

そこで、この記事では、普通解雇の根拠や、普通解雇とその他の手続との違いなどを紹介した上で、普通解雇を適法に行うために必要な解雇の理由や手続を具体的な事例を元に解説します。

そして、最後まで読んでいただくことで、普通解雇を選択する際のメリットやデメリットを理解でき、問題のある職員に対する処分の選択肢として、普通解雇を有意義に利用することができるようになります。

それでは、見ていきましょう。

 

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1.普通解雇とは

普通解雇は、従業員が労働契約の本旨に従った労務を提供しないこと、つまり、債務不履行を理由として、使用者側が一方的な意思表示によって労働契約を解約することを言います。

 

2.普通解雇の根拠

それでは、普通解雇の根拠について、法律上の根拠や就業規則上の根拠を順番に説明します。

 

2−1.法律上の根拠

民法は、期限の定めのない雇用契約における普通解雇について以下のように規定していますす。

 

▶︎参考:民法

 

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

 

・参照:「民法」の条文

 

 

もっとも、このような規定では、使用者により一方的に労働契約を解除できてしまうことから、労働者の生活上の打撃を和らげるため、労働基準法20条は、民法の規定を修正し、30日前の解雇予告を必要としています。

 

▶参考:労働基準法20条

 

(解雇の予告)

第20条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

3 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

 

労働基準法20条1項の規定を見ると、使用者は、解雇理由について特段の制限なく、期間を守るか、解雇予告手当を支払えば、労働者を解雇できそうです。

しかしながら、労働基準法等の労働関係法は、差別的な解雇、法律上の権利行使を理由とした解雇として、以下のような理由での解雇を禁じています。

 

(1)差別的な解雇

 

 

(2)法律上の権利行使を理由とした解雇

 

 

これに加えて、労働契約法16条は、解雇について、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする旨規程しています。

 

▶参考:労働契約法16条

 

(解雇)

第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

・参照:「労働契約法」の条文

 

 

このように、法令上は、「どのような行為が解雇理由になるか」ではなく、「どのような行為を解雇理由にしてはいけないか」について規定しています。

 

2−2.就業規則上の根拠

一方、就業規則に解雇理由を規定する際は、具体的にどのような行為が解雇理由になるかを定めます。

例えば、以下のような規定が考えられます。

 

解雇理由の規定例

  • (1) 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
  • (2) 協調性がなく、注意・指導をしても改善の見込みがない場合
  • (3) 職務の遂行に必要な能力を欠き、他の職務にも転換することができない場合
  • (4) 勤務意欲が低く、勤務成績、勤務態度又は業務能率などが不良で、改善の見込みがなく、職員としての職責を果たし得ないと認められた場合
  • (5) 正当と認められる理由なしにしばしば遅刻、早退、欠勤をした場合
  • (6) 職務に必要な免許証等が失効した場合
  • (7) 業務上の負傷又は疾病による療養の開始後3年を経過しても当該負傷又は疾病が治らない場合であって、職員が傷病補償年金を受けている場合又は受けることとなった場合
  • (8) 重大な懲戒事由に該当する場合や服務規律に違反した場合
  • (9) 軽微な懲戒事由に該当する場合や服務規律に違反した場合であっても、改悛の情が認められなかったり、繰り返したりして、改善の見込みがないと認められた場合
  • (10) その他前各号に準ずるやむを得ない事由のある場合

 

これは例示ですが、その他にも、事業所の実情等に応じて、職員が労働契約の契約の本旨を果たせない場合を思いつく限り具体的に就業規則に列挙しておくことが重要です。

そして、「(10)」のように、ここに列挙していない事情であっても、これに準ずるような事情を全て拾えるよう、いわゆるバスケット条項を設けておくことも重要です。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

普通解雇の有効性の点でも解説をしますが、普通解雇事由については、「定めておけば解雇できる」というものではありません。

 

そのため、就業規則に普通解雇事由として定めていたとしても、実際に解雇を検討するにあたっては、それが実際に労働契約の契約の本旨を果たさないものとして合理的かどうかを検討する必要があります。

 

もっとも、解雇事由として定めることで、職員への行動指針を示すことにもなり得ます。そのため、一般的な規定だけを置くのではなく、事業所の実情に応じた解雇事由を検討してみましょう。

 

3.普通解雇と他の解雇との違い

「解雇」には、普通解雇以外にも「懲戒解雇」や「諭旨解雇」と呼ばれる解雇の種類があります。

以下では、普通解雇と懲戒解雇、諭旨解雇との違いについて解説します。

 

3−1.懲戒解雇との違い

懲戒解雇は、懲戒処分の1つであり、使用者が従業員の企業秩序違反行為に対して科す制裁罰です。

つまり、使用者が、企業の存立と事業の円滑な運営のために必要不可欠な権利として有している「企業秩序を定立し維持する権限」に基づいて、この企業秩序に反する行動をとった労働者に対して与えられる刑罰のようなものです。

普通解雇と懲戒解雇の大きな違いは、普通解雇が、従業員の債務不履行を理由として労働契約を解約するものであるのに対し、懲戒解雇は、従業員の企業秩序違反行為に対しての「制裁」を根拠として解雇をする点にあります。

懲戒解雇について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

▶参照:懲戒解雇したい!有効になる理由や事例・手続きをわかりやすく弁護士が解説

 

 

3−2.諭旨解雇との違い

諭旨解雇は、懲戒解雇と同様に、懲戒処分の1つであることから、その根拠は従業員への「制裁」にあります。

また、諭旨解雇をするためには、懲戒解雇相当の解雇事由があることが求められています。

もっとも、懲戒解雇と異なり、諭旨解雇の場合は、懲戒解雇相当の事由がある場合でも、本人に反省が認められる時に、解雇事由に関し本人に説諭し、退職届を提出するよう勧告します。

そして、当該従業員が退職届を出さない場合には、懲戒解雇をすることになります。

諭旨解雇は、本人に退職届を出させるものの、あくまで懲戒処分の中の「解雇」です。

そのため、退職勧奨による退職合意の場合とは異なり、例えば退職金の支給金額等に差が発生することもあります。

したがって、事業所としては、退職金の支給金額等に疑義が出ないよう、従業員に対して、諭旨解雇の趣旨や手続の説明をしっかりと行う必要があります。

 

3−3.整理解雇との違い

整理解雇は、普通解雇の一類型であり、法令上の建て付けについては普通解雇と同様です。

もっとも、通常の普通解雇とは異なり、使用者が経営不振などの経営上の理由により、人員削減の手続として行う解雇であり、労働者側の事由を直接の理由とした解雇ではないことが特徴的です。

そのため、通常の普通解雇に比して、より具体的で厳しい制約が課されています。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
整理解雇の有効性を判断するにあたって、裁判所は、使用者の経営上の理由については、ある程度使用者側の裁量を認める傾向にあります。しかしながら、もしある職員を整理解雇にしているにもかかわらず、一方で新規採用や中途採用を別途行っているなど、客観的にみて人員削減の必要性がない場合などには、整理解雇も無効とされる可能性があります。 

解雇は、従業員の労働者としての地位を失わせることで、その生活に大きな影響を与えるものであり、だからこそ裁判所も、非常に厳しく解雇の有効性を判断します。

 

そのため、安易に解雇をすると、不当解雇として多額の支払いを命ぜられる可能性も高くなります。解雇を検討し、実際に行う際には、事前に弁護士に相談することを強くお勧めします。

 

 

4.普通解雇を行うことのメリットとデメリット

普通解雇を選択するにあたっては、事業所側、職員側それぞれのメリットとデメリットをしっかりと把握する必要があります。

以下では、普通解雇を行うことによって発生するメリットとデメリットを、事業所側、職員側の双方から解説します。

 

4−1.普通解雇を行うことのメリット

 

(1)事業所側

普通解雇の一番のメリットは、職員の意思によらず、職員の労働者の地位を失わせることができることです。

そして、職員の債務不履行行為に対して、注意指導だけでなく、普通解雇という毅然とした態度を取ることで、事業所内の規律を守ることにも繋がります。

 

(2)職員側

職員側にとって、普通解雇をされることのメリットは、会社都合による退職として、失業保険の受給が早く受けられることです。

具体的には、自己都合退職の場合、失業保険は離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から通算して7日間の待機期間及び2か月の給付制限を経て支給されますが、会社都合退職の場合は、7日間の待機期間を経れば支給を受けることができます。

そのため、実際には自ら退職したにもかかわらず、「会社都合退職で離職票を出してくれ」と要求する職員も珍しくありません。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
近年、自ら退職をしたにもかかわらず、事業所に対して直接「会社都合退職で離職票を出してくれ」と要求する職員の他、自ら退職したその足で労働基準監督署に行き、「解雇された」と相談をする職員も後を断ちません。そのため、事業所としては、職員が退職を申し出てきたからといって油断せず、「不当解雇」を争われた時のため、その際の状況をしっかり記録する他、退職に至った経緯についても、この後説明するような方法でしっかり残しておきましょう。

 

4−2.普通解雇を行うことのデメリット

 

(1)事業所側

事業所側にとって、普通解雇をすることの最大のデメリットは、解雇無効のリスクです。

後述するように、普通解雇は、そのプロセス等をしっかり履践しなければ、無効となってしまいます。

解雇が無効になれば、バックペイや慰謝料請求などの危険に晒されることになり、このような事情から、事業所は解雇をできる限り避けるべく、退職勧奨等による解決を図るのです。

また、普通解雇が有効であるとしても、もう1つのデメリットは、「会社都合」退職をさせることで、助成金の支給要件に抵触する可能性があることです。

事業所が受けている助成金の支給要件の中には、6ヶ月以内に会社都合による離職者がいないこと、という要件のあるものが多数存在します。

助成金の内容や詳しい支給要件は、以下のページをご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「平成31年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(詳細版)」(PDF)

 

 

解雇は、事業所にとってやむに止まれず行う手続ですが、助成金の受給の可否は事業所運営に影響を与えることが予想されるので、この点の確認も解雇のプロセスの中には不可欠です。

 

(2)職員側

職員にとっては、普通解雇をされた場合、再就職の際になかなか再就職が決まらないケースもあります。

就職活動の際には、採用の際の書類として、履歴書の他、解雇理由証明書等の提出を求められることもあります。

そうなれば、当然普通解雇の事実やその理由についてもわかるため、そのような職員を雇用することには当然躊躇をすることになるのです。

 

5.普通解雇の要件【事例付き】

普通解雇の要件【事例付き】

次に、普通解雇の要件として、基準となる条件について詳しい事例や判例を紹介しながら解説します。

 

5−1.有効性の判断基準

 

(1)普通解雇の要件

解雇は、労働契約法16条に基づき、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、権利の濫用として無効となります。

つまり、解雇が有効となるためには、

 

  • 1.客観的合理性
  • 2.社会的相当性

 

の2つが必要となります。

 

1.客観的合理性とは

「1.客観的合理性」については、一般に、「① 労働者の労働能力や適格性の低下・喪失」の他、「② 労働者の義務違反や規律違反行為」、「③ 経営上の必要性」などが挙げられます。

 

2.社会的相当性とは

そして「2.社会的相当性」について、裁判所は容易には解雇の社会的相当性を認めず、労働者側に有利な諸事情を考慮したり、解雇以外の手段による対処を求めたりすることが多いです。

 

例えば、「① 労働者の労働能力や適格性の低下・喪失」の解雇事由に関しては、単に能力・能率が低いだけでなく、労働契約の継続を困難とするほどの重大な能力低下がなければならず、また使用者として具体的に改善矯正策を講じたが改善されず改善の見込みもないことが求められることが多いです。

また、「② 労働者の義務違反や規律違反行為」の解雇事由に関しても、労働者に有利な事情を考慮に入れ、総合的に解雇の合理性・相当性を判断する傾向にあります。

なお、「③ 経営上の必要性」は、「整理解雇」の場合の解雇理由ですが、裁判例上は、人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、手続の妥当性から、解雇の合理性、相当性を判断しています。

 

(2)解雇が無効となりやすいケース

普通解雇をして無効となった事案で多いのは、順を追ったプロセスを踏んでいない、または、プロセスを踏んだ記録が残っていないケースです。

例えば、それまで特段の注意指導もしていなかったのに、突然解雇をしたケースや、注意指導はしていたとしても、その記録が残っていないせいでどのような注意指導をしてきたのかわからず、プロセスを踏んでいないと判断されるケースです。

この後にも説明をしますが、解雇において最も重要なのはプロセスを踏むことです。

実際には解雇理由があるのに、プロセスを踏まなかったことで解雇が無効となるのは避けたいところです。

 

5−2.具体的な解雇理由

ここでは、普通解雇における主な解雇理由を見ていきたいと思います。

なお、普通解雇のほか、懲戒解雇、整理解雇等のそれぞれの詳しい解雇原因については、以下の記事をご覧ください。

 

▶︎参照:具体的な解雇理由から学ぶ!違法にならない解雇の条件や要件とは?

 

 

(1)職務怠慢、素行不良(遅刻、欠勤、協調性の欠如等)

介護事業所の職員として、本来行うべき職務を果たさない、例えば、夜間に利用者のナースコールが鳴っているのに駆けつけない、利用者の送迎の際に必要な声かけをしない、十分な介助をしないなどといった職務怠慢行為は、普通解雇事由となり得ます。

また、他の職員との連携、協力は、介護事業所に限らず、当然仕事をする上では必要不可欠です。特に、介護事業所では、このような連携を怠れば、利用者の生命身体の危険に直結しかねません。

しかし、そのような中で、他の職員が忙しくしていても手伝わなかったり、他の職員に対して威圧的な態度をとったり、さらにはシフトの引継の際の情報伝達を怠るなど、協調性がない態度をとる職員がいます。

このような言動をとる職員がいる場合、職場の雰囲気が悪くなるばかりか、他の職員に過度な業務上、精神上のストレスがかかり、最悪の場合には他の職員が離職してしまうリスクも考えられます。

このような場合、事業所としてはまず、粘り強い注意指導をすることが重要ですが、それでも態度が改まらない場合には、最終的に解雇を検討せざるを得なくなります。

また、欠勤は、労務不提供の最たるものですので、欠勤が続いたり、頻繁に欠勤があるような場合には解雇事由となり得ます。

もっとも、当該職員がなぜ欠勤しているのかについては、しっかりと聴取し、確認をすることが重要です。

例えば、欠勤の理由が、事業所内でのトラブルやハラスメントが原因で、体調を崩したりメンタル不調となっている場合には、事業所側での対応が必要となるからです。

そのため、職員の欠勤に対しては、診断書の提出を求めたり、面談等を速やかに実施するなどして、注意指導を行ったり、休職を命じるべき事案か、事業所内で何らかの問題解決をすべき事案かを見極める必要があるのです。

その他、遅刻、居眠り、業務中の私物のスマートフォンの利用なども、注意をしても繰り返される場合には解雇事由となり得ます。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
職員が無断欠勤をし、全く連絡も取れない状況が続いた場合、これ自体は普通解雇や懲戒解雇事由となり得ます。しかしながら、使用者が解雇をするためには、解雇の意思表示を従業員に到達させなければなりません(民法97条1項)。そのため、もし意思表示を到達させることができない場合は、民事訴訟法上の公示送達の方法を取る必要があり、非常に煩雑です(民法98条)。 

このような事態を防ぐため、就業規則の中に、行方不明や音信不通を理由として、従業員を自然退職させる規定を置くことがあります。

 

具体的には、以下のような規定です。

 

「従業員が、会社に連絡がなく30日を経過し、会社が所在を知らない時は、その日を退職の日とし、その翌日に従業員としての身分を失う。」もっとも、職員との何らの別途の同意や意思表示なく、職員の労働者としての地位を失わせるだけの強烈な効果を発生させる場合は、限定的でなければなりません。

 

つまり、あくまで、「意思表示を到達させることができない」状態、具体的には、出勤命令を出したり、解雇の意思表示ができない状態にあることを前提として、効果が発生するものと考えるべきです。

 

 

例えば、O・S・I事件(東京地裁令和2.2.4 労判1233.92)では、就業規則において「従業員の行方が不明となり、14日以上連絡が取れないときで、解雇手続を取らない場合は退職とし、14日を経過した日を退職の日とする。」との規定を適用して自然退職扱いとした職員について、出勤をしなくなった日以降、休暇届等と題する書面をファクシミリで送信したり、電子メールで休職を申し出ていたことから、「14日以上連絡が取れないとき」に当たらないとして、効果を及ぼさないものとされました。

 

もっとも、このような規定を利用することで、退職手続を円滑に行うことができる場合もありますので、まずは、皆さんの事業所の就業規則を確認してみてください。

 

 

(2)能力不足

例えば、どれだけ指導をしても、どうしても通常当該事業所で求められる職務能力を充たさない場合があり得ます。

そのような場合、事業所として、通常割り当てるべき仕事を割り当てることができなかったり、他の職員に負荷がかかってしまうなどして、職務が滞ったり、職場環境が悪化するという事態も発生し得ます。

また、雇用契約時に、当該職員に対して、ある一定の能力や役割を期待して雇用をしているケースがあります。それにもかかわらず、その期待通りの能力が発揮されない場合も、事業所としては同様に悩みを抱えることになります。

職員が、怠慢により業務を怠っているのであれば注意指導を繰り返すことは有効ですが、そうでないような場合には、事業所としても当該職員の処遇を考えざるを得なくなります。

例えば、後でも取り上げる前原鎔断事件(大阪地裁令和2.3.3 労判1233.47)では、勤続12年以上であるにもかかわらず、伝票に記載された枚数を確認しない、伝票にサインを入れ忘れる、マグネット使用不可の指示のある製品にマグネットを使用するなど、著しい不注意や技量の低さが解雇事由の1つとなり、普通解雇が有効とされています。

 

(3)ハラスメント

職員が、事業所においてある程度高い地位にある場合、他の従業員に対してセクハラやパワハラなどのハラスメント行為をしている場合は、普通解雇事由となります。

また、いわゆる「モンスター社員」による逆パワハラも、素行不良の類型の1つです。

「モンスター社員」への対応方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:モンスター社員!特徴と対応方法を事例付きで弁護士が解説【放置厳禁】

 

 

また、「逆パワハラ」など各種ハラスメントについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:逆パワハラって?判断基準や事例・正しい対処法をわかりやすく解説

 

 

(4)メンタルヘルス

近年、メンタルヘルス不調によるトラブルは多く寄せられています。

厚生労働省による実態調査によると、平成29年11月1日から平成30年10月31日までの期間で、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合は全国で6.7%、退職者がいた事業所の割合は全国で5.8%です。

一見すると小さな割合に見えるかも知れませんが、実は平成28年11月1日から平成29年10月31日までの期間を見ると、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合は全国で0.4%、退職者がいた事業所の割合は全国で0.3%であり、実に15倍以上に増えています。

 

▶参照1:厚生労働省「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」(PDF)

▶参照2:厚生労働省「平成29年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」(PDF)

 

 

もちろん、メンタルヘルス不調が業務に起因するものであれば、労働災害等の問題となるため、解雇については、むしろ制限されることになります。

 

▶参考:労働基準法第19条

 

(解雇制限)

第19条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

 

しかしながら、入社前からメンタルヘルス不調の既往症等がある場合や、業務外の事情からメンタルヘルス不調を発症した場合、これによって休職するなど、業務に支障をきたすことが数ヶ月に及ぶような場合には、本来予定されている労働契約の本旨に従った労働を提供できないことなります。

こうした場合には、事業所としても当該職員を解雇することを検討しなければなりません。

 

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

メンタルヘルス不調の場合は、普通解雇手続を取るよりも、休職命令を出し、その期間満了時に休職事由が解消していないことを理由として当然退職とする方が、手続としても明確ですし、職員からもある程度の納得や理解を得やすいと思われます。

 

その際に重要となるのは、医師との連携です。

 

例えば、職員が主治医からの診断書を提出する場合、主治医は必ずしも、「債務の本旨に従った労務の提供ができるか」という観点からは、診断書を作成しません。

 

そうなると、診断書の記載内容と、職場復帰できるか否かの判断がずれてしまうこともあります。

 

例えば、メンタルヘルス不調の例ではありませんが、業務中に右手小指を負傷して休職していた職員が、症状固定後に普通解雇されたことに対して、使用者に対して解雇の無効を理由に従業員の地位の確認を求めた東京キタイチ事件(札幌高裁令和2.4.15 労判1226.5))では、使用者は、職員が提出した診断書に、右小指に関して回復見込みが「なし(現状からの改善は見込めない)」との意見が記載されていたことをもって、職員の復職は不可であると判断して、普通解雇としました。

 

しかしながら、実際には、裁判の中で、当該主治医から「傷病以前等の慣れた作業の労作は可能である」「『労作困難』は小指に限ったものであり、他指を使用した作業は可能である。」との診断書や意見書が提出され、もし使用者が、先の診断書が提出された際に主治医への確認をしていれば、同様の回答が得られたことは明らかな状況でした。

 

このような事情から、普通解雇は無効となりました。 この事案では、医師との連携さえ取れていれば、普通解雇をする理由はありませんでした。

 

このような事態を防ぐため、事業所としては、以下のような方法で医師との連携を検討して下さい。

 

 

 

1.連携する産業医を見つける。
2.事業所側で、直接主治医と面談したり、事業所側で用意した診断書の書式を使って、主治医に診断書を作成してもらう。

 

 

 

複数の医師から診断を受けると言う意味でも、事業所側から、債務の本旨に従った労務が提供できるかどうかを判断する意味でも、「1.連携する産業医を見つける。」の方法がベストですが、なかなか信頼できる産業医が見つからないとの声もよく聞きます。

 

そこで、産業医がいない場合には、事業所側で、直接主治医と面談したり、医師に必要事項を記載してもらえるように書式を作成し、記入してもらうようにすると、復職等の判断に必要な情報をしっかり得ることができます。

 

 

6.普通解雇の具体的な手続

普通解雇の具体的な手続

次に、普通解雇を実施する際の正しい進め方について説明していきます。

以下で具体的な手順ごとに解説していますのでご覧ください。

 

6−1.解雇はプロセスが命!

普通解雇をする場合には、解雇理由が客観的に合理的かどうか、そして合理的な解雇理由があったとして、社会通念上相当かという2つの面から検討をする必要があります。

特に、解雇が社会通念上相当かどうかの判断については、注意指導や懲戒処分を積み重ねるというプロセスをしっかりと踏んでいることが非常に重要になります。

このプロセスを怠れば、仮に解雇理由があったとしても、普通解雇が無効となる可能性が著しく高まります。

ここからは、普通解雇の手段を取る場合のプロセスを、順を追って見て行きましょう。

 

6−2.普通解雇に至るまでのプロセス

 

(1)粘り強い注意指導

普通解雇に至るまでの出発点となるのは、事業所から当該職員への注意指導です。

事業所としては、まずは問題行動を繰り返す職員に対して注意指導し、自らの言動や態度を反省させ、行動の改善を促すことが重要です。

 

1.口頭

何らかの問題行動が見られた際、最も簡易で且つすぐにできる注意指導の方法は、口頭での注意指導です。

注意指導の目的は、もちろん職員の行動の改善を促す点にありますが、必ずしも客観的な証拠が残るものではない職員の言動について、「○○の行動に対して注意指導をした」という形で証拠を残すことで、職員の言動を記録するという目的もあります。

そこで、口頭での注意指導を行う際には、できるかぎり指導の状況を録音しておく、または、指導内容やその際の職員の態度などを継続的に記録しておくことで、問題行動をとった証拠を残していきましょう。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
注意指導は、職員の問題行動を現認した後は、すぐに行うようにして下さい。なぜなら、問題行動を現認したにもかかわらずその時にはこれを放置し、時間を置いてから注意すると、「あの時何も言わなかったのに急に今なんでそんなことを言うんですか?」「言いがかりです」などと、逆に反撃を受けるだけでなくよほど客観的な証拠が存在している場合でない限り、「私はそんなことはやっていません」と言い逃れをする可能性すらあるからです。 

録音機器がない場合であっても、形式な点にとらわれずに、まずはしっかりと、タイムリーな注意指導をすることを心がけましょう。

 

 

2.メール、Line等のチャットツール

最近は、事業所内での連絡方法として、メールやチャットツールを利用している介護事業所も多いと思います。

メールやチャットツールの良いところは、比較的速やかに注意指導ができることと、送った日付、時間、内容が記録され、それに対する相手からの返答内容も同時に記録されることです。

口頭で注意指導をした後、確認事項として改めてメールやチャットツールを利用して注意指導をしておくこと有効です。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
突発的な状況で注意指導をした場合には、録音を残すことが難しい場合もあります。このような場合、例えば、注意指導の記録を、自分宛のメールやチャットに打ち込んで送信しておくと、その日に注意指導をした記録を作成したことが明らかとなるので、証拠としての価値が高い記録を残すことができます。 

または、注意指導をした職員から管理者に報告を上げさせる形でメールを送信させる方法も有効です。

 

なお、LINEやその他のチャットアプリ等を利用する場合は、送信取消し等により証拠の隠滅が図られる可能性がありますので、トーク履歴を保存したりスクリーンショットをとるなどして保存しておきましょう。

 

 

3.書面

口頭やメール、チャットツール等での注意指導を繰り返しているにもかかわらず、職員の問題行動が改善されないような場合、次の手続を想定し、書面での注意指導を行いましょう。

これまでに口頭やメール等で行ってきた注意指導や、その注意指導の際の態度を含めて改めて注意指導を行います。

書面での注意指導の際には、注意指導の内容の他、当該問題行動が就業規則の服務規律に違反している旨を付け加えておくと、注意指導の理由が明確となります。

具体的には、以下のような記載です。

 

▶参考:書面での注意指導の参考例

 

○年○月○日、利用者の食事介助中であるにもかかわらず、スマートフォンを見るなどして利用者の見守りを怠っていたことから、「業務中にスマホを見るのはやめなさい」と注意すると、「見ていない」「注意されて気分が悪くなった」などと不貞腐れた態度で言い捨てると、態度を改めないばかりか、そのまま離席して控室に帰ってしまった。

これは、就業規則○条○号に定める○○に該当する。

 

 

このような注意指導書を交付する際には、これらの注意指導に対し、自らの行動をどう改善するかについて検討させ、期限を決めて提出するよう指示することも有益です。

実際に提出されれば、職員の態度も明らかになりますし、提出を拒否したとすれば、その態度自体が次の手続への根拠となります。

 

(2)懲戒処分

懲戒処分には、戒告や譴責(けんせき)といった、職員への影響が比較的小さいものから、減給、出勤停止、降格処分、諭旨解雇、懲戒解雇といった、職員の地位や労働契約の本質部分に影響のある重い処分まで順番に定められています。

懲戒処分をする際には、これまでに行ってきた注意指導や他の懲戒処分の存在も考慮の上、その内容を決めることになります。

そのため、事業所としては、注意指導によっても態度が改まらない職員に対しては、まずは戒告や譴責などの懲戒処分を行い、回数を重ねて行くようにしましょう。

粘り強い注意指導や懲戒処分を行ったことにより、その後に行った普通解雇が有効とされた例として、前原鎔断事件(大阪地裁令和2.3.3 労判1233.47)があります。

 

参考:
前原鎔断事件(大阪地裁令和2.3.3 労判1233.47)

 

事例

「就業状況が著しく不良で就業に適さないあるいはこれに準ずるもの」であるとして普通解雇された原告が、解雇が無効であるとして地位確認、未払賃金及び遅延損害金の支払い等を請求した事案。

 

判決

原告は、普通解雇までに、複数回の始末書や顛末書の提出、出勤停止を含む3回の懲戒処分、さらには度重なる注意指導を受けており、これにより、「就業状況が著しく不良で就業に適さないあるいはこれに準ずるもの」にあたることは明白であったとして、普通解雇には客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると判断された。

 

注目すべきは、書面として残っている始末書等のほか、被告の上司である主任が、原告について「教育記録」つけており、その中で、伝票に記載された枚数を確認しない、サインを入れ忘れるなど、取引先に対して迷惑をかけるような原告の日々のミスを、日付と共に詳細に記録しており、この「教育記録」に記録されていた事実が、原告の就業状況の不良さを根拠づけるものとして数多く認定されていることです。

 

(3)退職勧奨

注意指導や懲戒処分によっても態度が改まらない場合、事業所としては、退職勧奨により、職員の自主的な退職を促すことも考えられます。

退職勧奨は、解雇とは異なり、なんらの強制的な手段も伴うものではありませんが、退職時のさまざまな条件の取り決めができるなど、うまく利用ができれば非常に効果的な手段です。

退職勧奨については、以下の記事をご覧ください。

 

▶︎参照:退職勧奨とは?具体的な方法や違法にならないための注意点を弁護士が解説

 

 

6−3.普通解雇の際のプロセス

ここでは、ここまでに解説をしたプロセスを踏んできて、いざ普通解雇をするとなった場合の具体的な手続について説明します。

 

(1)解雇予告

 

1.解雇予告の法的根拠

普通解雇をする場合には、30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当を支払うことが労働基準法上義務付けられています(労働基準法20条1項)。

これは、解雇により労働者の地位を失う職員に対する生活保障として、民法627条1項の規定を修正するものです。

 

2.即日解雇の方法

整理解雇のように、職員の全員又は大部分を解雇する場合であればともかく、もし問題社員を解雇する場合、解雇通知後に30日間も職場に留まり続けるとすると、職場への悪影響が懸念されます。

そこで、解雇をする場合には、解雇予告手当てを支払って即日解雇をすることが望ましいです。

また、解雇予告手当てを支払わずに即日解雇をする方法として、労働基準法20条1項但書は、以下の例外を設けています。

 

  • ① 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合
  • ② 労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合

 

これらの事由に基づいて即日解雇をする場合には、労働基準法20条3項、同19条2項により行政官庁の除外認定を受ける必要があります。

 

(解雇制限)

第19条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

この解雇予告除外認定の申請のための書式は、以下の厚生労働省のホームページに掲載されていますので、合わせてご確認下さい。

 

▶︎参照:厚生労働省「解雇予告除外認定の申請のための書式」

 

 

厚生労働省は、事前申出が望ましいとしつつ、事後申請も認める取扱いをしていますが、労働基準監督署によっては、事後申請を受け付けないところもあるようです。

そのため、もし普通解雇において、除外認定を受けて即日解雇しようと考える場合は、手続を円滑に進めるためには、事前に労働基準監督署と調整し、確認をしておく必要がます。

また、労働基準法21条は、「① 日々雇用労働者(継続雇用期間が1ヶ月以内の場合)」、「② 2ヶ月以内の有期契約労働者(2ヶ月を超えて継続雇用されていない場合)」、「③ 4ヶ月以内の有期契約で季節的業務に従事している労働者(4ヶ月を超えて継続雇用されていない場合)」、「④ 試用期間中の労働者(14日を超えて継続雇用されていない場合)」にも、解雇予告及び解雇予告手当を不要としています。

 

▶参考:労働基準法21条

 

第21条 前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。

一 日日雇い入れられる者
二 二箇月以内の期間を定めて使用される者
三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試用期間中の者

 

 

3.有給休暇取得との関係

即日解雇をする場合にはあまり問題となりませんが、解雇予告をして30日後に解雇をする場合、職員からその期間について有給休暇を取りたい旨の主張がされることがあります。

有給休暇は、職員の権利であることから、有給休暇を取りたいとの主張を制限することはできません。

もっとも、例えば有給休暇の買取等を求めてきた場合、有給休暇の買取は法的には認められていないので、応じる必要はありません。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
有給休暇の処理は、解雇の際のみならず、合意退職の際にもよく争点となります。例えば、ある特定の日までの勤務を前提として合意退職をしたはずなのに、実際にはその間に有給休暇を取得して勤務しなかったり、退職の条件として有給休暇の買取を求めてくるなど、有給休暇をめぐってはさまざまな問題が発生します。なお、有給休暇は、平成30年の働き方改革に伴う労働基準法の改正により、10日以上の有給休暇を取得している職員に対しては、1年に5日以上を取らせなければならないことが義務化されました(労働基準法39条7項)。

 

▶参考:労働基準法39条

 

(省略)
⑦ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
(省略)

 

このことや、退職時の処理の煩雑さを踏まえ、事業所としては、職員に適切に有給休暇を取得させるよう、工夫が求められています。

 

 

(2)弁明の機会

普通解雇は、職員にとって重大な不利益処分なので、普通解雇事由に当たる事実については、弁明の機会を与える必要があります。

これは、普通解雇を通知する前に、解雇事由に当たる事実を調査し、その中で当該職員本人からも直接聴取をし事実確認をする中で行います。

もし、弁論の機会を与えずに解雇をした場合、解雇理由によっては、職員による弁明によって解雇理由を基礎付ける事実が否定されていた可能性があり、そうなれば、後日不当解雇を理由とした裁判を起こされた際に、解雇が無効となるリスクも高くなります。

面談の様子は録音や録画をしておき、後日「弁明の機会を与えられていない」などといった反論を許さないよう、準備しておきましょう。

 

(3)懲戒解雇と普通解雇の手続の関係

懲戒解雇の理由と普通解雇の理由は、重なることも多く、例えば懲戒解雇をした後に、懲戒解雇が無効となるリスクが顕在化した場合に、使用者側から事後的に「懲戒解雇の通知は普通解雇の通知を兼ねていた。そのため、懲戒解雇が無効であっても普通解雇として有効である。」などと主張されることがあります。

しかしながら、裁判所は、これを否定的に解しています。 

 

参考:
日本通信(懲戒解雇)事件(東京地裁平成24年11月30日判決労判1069.36)

例えば、日本通信(懲戒解雇)事件(東京地裁平成24年11月30日判決労判1069.36)では、被告会社を懲戒解雇された原告について、被告会社が、懲戒解雇の意思表示に普通解雇の意思表示を含む趣旨だった旨主張していましたが、以下のような理由から、普通解雇の意思表示を認めませんでした。

 

裁判所の判断

「懲戒解雇と普通解雇は、いずれも労働契約の終了を法律効果としている点で共通する。しかし民法の解雇自由の原則の中で行われる中途解約の意思表示である普通解雇の意思表示と、独自の制裁罰である懲戒解雇の意思表示とは法的性質が異なるのであるから、仮に退職金制度が存在しないなど機能の点で実質的な差異は認められないにしても、軽々に両者の間に無効行為の転換の法理を適用し、懲戒解雇が無効である場合であっても普通解雇としての効力維持を容認することは、法的に許されないものというべきである。

もっとも、上記のとおり無効行為の転換の法理の適用は難しいとしても、事実認定ないし合理的な意思解釈の問題として、懲戒解雇の意思表示の中に普通解雇のそれが含まれているものと認める余地はないではない。しかし両者の法的性質上の差違を考慮すると、普通解雇の意思表示が含まれていることが明示されているか、あるいはこれと同視し得る特別の事情が認められる場合を除いて、懲戒解雇の意思表示の中に普通解雇のそれが含まれているものと認めることはできない。」

 

このような裁判所の見解を前提とすると、もし懲戒解雇の意思表示と合わせて普通解雇の意思表示をも行う場合には、例えば以下のように、明確に普通解雇の趣旨を含むことを明示しておく必要があります。

 

「○○を理由に懲戒解雇とする。合わせて、○○を理由として普通解雇とする」

 

 

また、懲戒解雇をした後、懲戒解雇の無効を争う裁判をしている中、訴状送達から3年以上経過し、証人尋問及び本人尋問も終了した後に準備書面をもってされた普通解雇の意思表示について、普通解雇の有効性は認められなかったものの、普通解雇としての意思表示自体は有効とされた裁判例もあります(学校法人追手門学院(懲戒解雇)事件(大阪地裁令和2年3月25日判決労判1232.59)。

 

6−4.普通解雇後の手続

以下では、普通解雇をした後、事業所が行うべき手続について説明します。

 

(1)離職票の作成

退職者は、失業保険の受給申請をするために、「離職票」をハローワークに提出する必要があります。

そのため、職員からは、「離職票」を出して欲しいとの申し出がされること多いため、事業所は、職員の離職後、離職票をハローワークから交付してもらう必要があります。

具体的には、事業所は、ハローワークに対して、職員が被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内に「離職証明書」を提出します。

この離職署名所は、3枚1組の複写式となっており、その中に、「離職票」が含まれています。

事業所が、離職証明書を作成してハローワークに提出すると、この「離職票」の交付を受けられるため、これを職員に交付し、職員からハローワークに、必要事故を記載の上提出するという流れになります。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」(PDF)

 

 

(2)解雇理由証明書の交付

以下では、解雇理由の通知義務について説明します。

 

1.解雇理由の通知義務

使用者は、労働者から退職の理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付する必要があります(労働基準法22条1項)。

この、いわゆる「解雇理由証明書」は、解雇や解雇の予告を通知する書面とは異なるもので、事前に発行する必要はありませんが、請求されれば遅滞なく交付する必要があり、もし請求があったにもかかわらず発行しなかった場合には、30万円以下の罰金に処される可能性があります(労働基準法120条1号)。

2.解雇理由の通知の仕方

解雇の際に交付する解雇(予告)通知書には特段の決まりはありませんが、解雇理由証明書については、労働者の請求しない事項を記載してはいけないことになっています(労働基準法22条3項)。

労働者から、解雇理由証明書が請求される趣旨としては、解雇に納得ができず、何らかの法的措置を考えている場合の他、新たな雇用先へ提出するために請求をする場合もあります。

後者の場合に、労働者にとって不利益な事項が記載されていると、再就職等に支障をきたすことから、不必要な記載はしてはいけないことになっているのです。

これに関連して、労働者が解雇の事実のみの記載を請求した場合は、解雇理由を記載してはならないこととされています。

 

▶︎参照:厚生労働省「平成11年1月19日基発45号、第3、2号」

 

 

3.解雇理由証明書の記載例

具体的な解雇理由証明書の記載すべき事項としては、労働基準法22条1項に記載のある「使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由」のうち、労働者が求める事項となります。

解雇理由証明書の記載方法については、宮城労働局のホームページに書式が掲載されているので、参考にしてみてください。

 

▶参照:厚生労働省 宮城労働局「各種様式 ~ 労働条件・労働契約」

 

 

(3)退職金の支払い

普通解雇の場合は、懲戒解雇の場合と異なり、退職金を支給することが一般的です。

もっとも、普通解雇の理由が、懲戒解雇に匹敵するほどの非違行為によるものであった場合は、懲戒解雇の場合と同様に、退職金の一部を不支給とすることも必ずしも違法ではありません。

もっとも、退職金は、賃金の後払いという性格の面が強く、退職金の減額没収規定が有効に適用できるのは、労働者の従前の勤続の功労を抹消または減殺するほど著しい背信行為がある場合です。

例えば、KDDI事件(東京地裁平成30年5月30日判決労判1192.40)は、懲戒解雇の例ですが、就業規則で、懲戒解雇の場合には退職金を支払わない旨の規定があり、使用者は、実際に退職金を支払っていませんでした。

これに対して、裁判所は、使用者に対して、退職金のうち4割の限度で、支払い義務を認めています。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

事業所の中には、直接退職金を支払う場合でなく、中小企業退職金共済事業などを利用して退職金の積み立てを行っているところも多いのではないかと思います。

 

その際には、積み立ての期間によっては退職金の支払いができなかったり、職員自身による手続が必要となる可能性もありますので、しっかり確認の上、職員に説明するようにしましょう。

 

7.普通解雇が不当解雇と判断されたら?

ここでは、万が一普通解雇が違法となった場合にどのようなリスクがあるのかを説明した上で、普通解雇を検討する場合は必ず弁護士に相談をしたほうがよい理由を解説します。

 

7−1.普通解雇が違法となった場合のリスク

普通解雇が無効と判断され不当解雇になることにより、次の3つの問題が発生します。

 

  • (1)職員が職場に戻ってくる
  • (2)バックペイの支払い
  • (3)慰謝料の発生

 

以下、順に見ていきます。

 

(1)職員が職場に戻ってくる。

普通解雇が無効ということになれば、当該職員は労働者の地位を失っていないことになります。

その場合、実は最も恐るべきことは、当該職員が職場に戻ってくることです。

事業所として、解雇の判断をした職員が職場に戻って来れば、これによる職場環境の悪化は避けられません。

通常は、一度解雇された職場に戻ってくる職員は少ないですが、事業所にとっては最も避けたいことの1つです。

 

(2)バックペイの支払い

普通解雇が無効になるということは、職員は労務を提供できる状況であったにもかかわらず、事業所側が理由なく労務提供を拒否していたことになるため、事業所側の賃金の支払い義務は無くなりません。

そのため、事業所は解雇をした時以降の賃金を支払わなければならなくなります。

例えば以下のような事例を考えてみましょう。

 

1.バックペイの事例

 

  • 1)月給30万円の無期契約職員(当月20日締め、当月末日払い)
  • 2)令和3年4月30日付で解雇(令和3年5月分からの給与を支払っていない)

 

 

このような状況で、解雇された職員が、令和3年8月、解雇無効を理由として労働者としての地位確認及びバックペイの支払いを求める訴訟を提起したとします。

解雇無効の裁判は、事実関係の争いなどが多岐に及ぶこともあり、裁判が1年以上続くことも珍しくありません。

この件でも、最終的に判決が確定したのが、令和4年8月31日だったとします。

結果は、解雇が無効とされ、当該職員にはまだ「労働者としての地位がある」との判断がされました。

この時、判決確定時のバックペイの金額は、以下の通りとなります。

 

令和3年5月分から令和4年8月分までの16か月×月給30万円=480万円

 

 

しかし、これで終わりではありません。

判決は、当該職員に「労働者としての地位がある」と判断しています。つまり、令和4年9月分以降も、毎月30万円のバックペイが発生し続けるのです。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

実際に、弁護士法人かなめで扱った事例の中でも、解雇の有効性が争われた事案で、和解段階で裁判所から不当解雇であったとの心証が示されたことから、その後に発生するバックペイの他、当該職員が労働者として職場復帰してしまうことによる様々な弊害を防ぐ趣旨から、雇用契約を解消することを条件に一定の金額を支払う旨の和解をした案件があります。

 

この解雇は、弁護士法人かなめが相談を受ける前にすでに行われていたもので、「もっと早く相談して頂けていたら…」と非常に歯痒い思いをしました。

 

解雇を検討されている事業所の皆様は、必ず解雇をする「前」にご相談下さい。

 

 

(3)慰謝料の発生

さらに、普通解雇が違法とされた場合、このような解雇をしたことに対する慰謝料請求も発生し得ます。

特に、その解雇理由が不当なものであった場合、行為の悪質性から慰謝料額が増額される可能性もあります。

また、解雇の無効を主張しながら、職場復帰を望まない職員からは、「(2)バックペイの支払い」の相当額を加味した損害賠償請求がされる可能性があるため、事業所としては、職員が職場復帰することは避けられたとしても、結果として紛争が終了するまでの期間の給与相当額を支払わなければならなくなります。

 

7−2.普通解雇を検討する場合は必ず弁護士に相談を!

普通解雇をするためには、相当の準備や検討が必要であり、1つでもプロセスを誤れば無効となるリスクは高くなります。

すなわち、普通解雇という選択肢をとるためには、初期対応時からの計画的な準備が必要なのです。

このような時に、すぐに相談ができる労働法に強い弁護士がいることは重要です。

初期対応の段階から弁護士へ相談することで、必要な証拠を揃えていきながらも、プロセスを確実に履践することができます。

事業所として対応が難しくなるよりももっと以前に、取るべき手段がまだ数多く残されているうちに、弁護士に相談することを心がけましょう。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
初めてご相談をお受けする時、弁護士として非常に悩ましいのは以下のような状況です。・既に解雇してしまい、労働者側の弁護士から通知書が届いている。・職場環境の悪化により、解雇に向けて時間的猶予がない。
・解雇手続の前提となる注意指導をしていなかったり、そもそも就業規則が整備されていない。 

このようなご相談をお受けすると、「もう少し早くご相談をお受けしていれば…」ともどかしい気持ちになります。

 

どのような問題であっても、早くご相談を頂ければ頂けるほど、複数の選択肢から解決方法を選ぶことができ、選んだ解決方法を適法にとるための準備も十分に行うことができます。

 

例えば、「解雇しか方法がない!」という事態になる前に、注意指導を粘り強く続けることで、自ら退職をしたり、退職勧奨によって合意の上退職をしてもらうことも可能な場合があります。

 

「こんなことで…」と思わずに、気になることがあれば、すぐに相談ができる弁護士の存在は重要です。

 

8.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)普通解雇に至るまでの手続に対する指導、助言
  • (2)普通解雇に関する就業規則の策定に対する助言
  • (3)普通解雇について職員から争われた場合の法的対応
  • (4)労働判例研究ゼミ
  • (5)顧問サービス「かなめねっと」

 

8-1.普通解雇に至るまでの手続に対する指導、助言

従業員を解雇するためには、求められるプロセスを確実に踏んでいくことが重要です。

しかしながら、既に事業所内で、当該職員に関する問題が顕在化している場合、このようなプロセスを踏んだ対応が難しく、無効な解雇をしてしまうことが避けられません。

そのため、解雇を検討するかなり初期のタイミングから、専門家の意見を仰いでおくことが重要なのです。

早期に相談を受けられれば、証拠の残し方、注意指導をする際の準備などを、計画的にサポートした上、実際に解雇を行うタイミングも含め、指導することが可能です。

 

8-2.普通解雇に関する就業規則の策定に対する助言

社会保険労務士に就業規則の策定をお願いしている事業所も多いのではないかと思います。

もちろん、社会保険労務士が策定した就業規則の内容は、法的には適法かもしれませんが、それだけでは、必ずしも事業所の規模や実態とあった内容となっていない可能性があります。

事業所の実態にあった、使い勝手のいい就業規則を策定し、運用していくためには、社会保険労務士だけでなく、弁護士とも連携する必要があります。

弁護士法人かなめでは、介護事業所の労務管理に精通した弁護士が、社会保険労務士と協力の上、就業規則の策定をサポートします。

 

8−3.普通解雇について職員から争われた場合の法的対応

普通解雇は、その性質上、職員から無効の主張がされることを、ある程度織り込み済みで対応をする必要があります。

そのため、事業所としては、普通解雇に至るまでの対応の記録の保管や、職員本人からの無効主張への対応、職員が駆け込んだ労働基準監督署からの聴取への対応など、通常業務と異なる事務対応に疲弊してしまいます。

弁護士法人かなめでは、普通解雇に至るまでの対応からサポートをしていますので、記録の整理の他、労働基準監督署、職員本人との対応、交渉業務をスムーズに代行することができ、事業所の皆様が、安心して本来の業務に専念できる環境作りをサポートできます。

 

8−4.労働判例研究会

弁護士法人かなめでは、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する労働判例研究ゼミを不定期に開催しています。

ゼミの中では、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをすることで、事業所に戻ってすぐに使える知識を提供しています。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶参照:弁護士法人かなめ「労働判例研究ゼミ」開催情報はこちら

 

 

8−5.顧問サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「8−1」、「8−4」のサービスの提供を含めた総合的なサービス提供を行う顧問契約プラン「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

そして、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。

現場から直接弁護士に相談できることで、事業所内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

 

▶参照:「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

 

8−6.料金体系

現在、弁護士法人かなめでは顧問契約サービス「かなめねっと」のみのご契約のみ受け付けています。

 

(1)顧問料

  • 月額5万円(消費税別)から

 

※職員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

また、弁護士法人かなめへの法律相談料は以下の通りです。

 

(2)法律相談料

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※法律相談は、「1,弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2,ZOOM面談によるご相」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※また、法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けおります。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

9.まとめ

この記事では、「普通解雇」について、その趣旨や特徴の他、懲戒解雇や諭旨解雇との違い、具体的にどのような場合に普通解雇ができるかについて、裁判例を参照しながら事例を紹介しました。

また、「普通解雇」にあたって、解雇予告が必要な場合と必要ない場合について解説し、実際に普通解雇を進める際の手順についてもご紹介しました。

さらには、普通解雇の意思表示と懲戒解雇の意思表示との関係についても解説をしていますので、いずれの解雇を選択するか悩んでいる事業所の方は、参考にしてみて下さい。

その上で、実際に「普通解雇」を進める場合には、なるべく早期に弁護士へ相談するようにして下さい。

 

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法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応します。 現場から直接、弁護士に相談できることで、社内調整や伝言ゲームが不要になり、業務効率がアップします!

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この記事を書いた弁護士

介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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