記事公開日: 2022年3月28日   
記事更新日: 2022年7月5日

新型コロナウイルス感染症が発生したら?介護施設のクラスター対応など事例付きで解説

新型コロナウイルス感染症が発生したら?介護施設のクラスター対応など事例付きで解説
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2020年からの新型コロナウイルス感染症の蔓延により、介護事業所では、利用者への対応、感染症への対策の他、スタッフのやりくりなどに非常に苦労されているのではないでしょうか。

このような中、介護事業所に対しては、2021年4月から「BCP(事業継続計画)」の策定が義務化され、この中では、災害の場合はもちろん、新型コロナウイルス感染症のような感染症流行下での対策も義務付けられています(3年間の猶予があるので、完全義務化は2024年4月からです)。

または、介護事業所の利用者は高齢者であり、新型コロナウイルス感染症に罹患すると、重症化等のリスクも高いため、蔓延の防止は急務である他、事業継続のための職員の確保や、その際の労務問題など、新型コロナウイルス感染症の陽性者が一度発生すれば、多くの問題に並行して対応しなければならなくなります。

この対応を誤り、例えば利用者が新型コロナウイルス感染症が原因で亡くなってしまった場合には、事業所の安全配慮義務違反が問われる可能性がある他、職員との労務トラブルにより、離職等の問題も発生し、事業継続が困難となることが予想されます。

そこで、この記事では、まずは介護施設における新型コロナウイルス感染症の現状について知った上で、実際に利用者からコロナ陽性患者が出た場合の対応方法について解説します。

そして、最後まで読むことで、新型コロナウイルスが発症した際の事業継続についても、具体的な方法についても解説しますので、新型コロナウイルス感染症の対策に悩む事業所の皆さんは、参考にしてみてください。

それでは見ていきましょう。

 

1.介護施設における新型コロナウイルス感染症の現状

発生から既に2年以上が経過しても、新型コロナウイルス感染症の勢いは衰えず、様々な株に姿を変えながら、2022年3月現在においても現在においても猛威を震い続けています。

ここでは、まずは新型コロナウイルス感染症の現状について解説します。

 

1−1.新型コロナウイルス感染症に関する統計

厚生労働省が発表する国内での新型コロナウイルス感染症の陽性者は、空港、海港検疫や、チャーター便帰国者も含め、2022年3月20日時点で合計606万1939人であり、死亡者数は既に7万7045人となっています。

 

▶︎参照:厚生労働省「国内の発生状況」

 

 

介護施設に限っての全国的な統計はありませんが、各都道府県では、介護施設で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生すると、各都道府県のホームページなどで公表しています。

また、性別、年齢別陽性者数を見ると、累積人数では、20代から50代の感染者数が、60代から90代までの感染者数を大きく上回っているものの、重傷者数は圧倒的に60代から90代までの割合が多くなっています。

 

参考1:性別・年代別陽性者数(累計)データ

性別・年代別陽性者数(累計)データ

 

参考2:性別・年代別重傷者数データ

性別・年代別重傷者数データ

・参照元:厚生労働省「データからわかるー新型コロナウイルス感染症情報ー」より

 

つまり、介護事業所を利用する60代から90代の層では、新型コロナウイルス感染症に罹患すると重症化がしやすい傾向があり、より一層の感染症対策が必要であることがわかります。

 

1−2.新型コロナに関するニュース

新型コロナウイルス感染症が流行を始めた当時、まだ感染のメカニズムやウイルスそのもののことが現在より明確でなかったことから、介護施設において新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生すると、報道の加熱等により多くの風評被害が発生しました。

また、2020年に、新型コロナウイルス感染症が原因で82歳で亡くなった広島県三次市の女性の遺族が、同市の訪問介護事業所の運営会社に計4400万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した、という事件について、ご記憶に新しい方もいるのではないかと思います。

この事件は、三次市で一人暮らしをしていた女性が、2020年4月3日に新型コロナウイルス感染症を発症し、PCR検査の結果9日に陽性と判明しましたが、その後19日に新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなった、と言うものです。

問題となったのは、当時女性宅を訪問していたヘルパーが同年3月31日に発熱をしたものの、同年4月1日には症状が改善したことから、3月23日、27日、30日、4月2日及び6日に女性宅を訪問しましたが、同年4月10日に新型コロナウイルス感染症の陽性が発覚していたことでした。

争点となるのは、大きくは以下の通り

 

  • 亡くなった女性が新型コロナウイルス感染症に罹患した原因と
  • その原因がヘルパーの訪問によるものであった場合の運営会社の責任の有無

 

でしたが、事件そのものは審理前に訴訟が取り下げられたため、法的な判断がされることはありませんでした。

この事件については、以下の動画でも解説しているので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参考動画:【コロナ訴訟!】介護事業所が取るべき対策とは?

 

 

新型コロナウイルス感染症の流行下における介護サービスの提供のあり方や、これに伴う事業所の責任について、非常に考えさせられる事件です。

 

2.介護施設でクラスターが発生する原因

介護施設でクラスターが発生する大きな理由の1つは、まず複数人の利用者が、共同生活をしたり、共同利用するという介護施設そのものの性質です。

ある程度の集団で行動をすることが前提となっている以上、1人でも感染者が発生すると、感染の可能性が高くなり、そのスピードはどうしても速くなります。

また、介護サービスの性質上、利用者と職員との接触が避けられないため、職員、利用者のどちらが感染しても、双方に感染させる可能性が高くなるのです。

さらには、利用者の中には認知機能等が低下している方も多く、事業所側で気を付けていても十分な感染症対策が難しいこともあります。

このような理由から、介護施設での新型コロナウイルスのクラスターが度々発生しており、事業所側としてはこの「1人」を感染させないように、利用者家族との面談の禁止や制限を徹底するなど、細心の注意を払って感染症対策に取り組んでいるのが現状です。

 

3.新型コロナウイルス陽性者の発生時の対応

新型コロナウイルス陽性者の発生時の対応

では、新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した際、何が起き、どのような対応が求められるでしょうか。

 

3−1.新型コロナウイルス感染症発生時の対応の流れ

新型コロナウイルス感染症が発生した場合には、まずは以下のことを行う必要があります。

 

(1)「発生状況の把握と対応」

  • 利用者と職員の健康状態(症状の有無)を、発生した日時や症状のある利用者の居場所(施設であれば階あるいはユニットまたは居室)ごとにまとめる。
  • 利用者と職員の受診状況と診断名、検査、治療の内容を記録する。

 

(2)「感染拡大の防止」

  • 発生時は、衛生学的手洗いや嘔吐物、排泄物等の適切な処理を徹底する。
  • 職員を媒介して、感染を拡大させることのないよう、特に注意を払う。
  • 利用者にも手洗いを促す。
  • 職員自身の健康管理を徹底し、症状があったり感染が疑われる場合には、上司に報告し、対応について相談する。
  • 医師や看護職員の指示を仰ぎ、必要に応じて介護施設等の消毒を行う。
  • 医師等の指示により、必要に応じて、
    *施設系のサービスでは感染した利用者の個室隔離等を行う。
    *通所系のサービスでは、治癒するまで利用を控えてもらう等の対応をする。
  • 感染が疑われる利用者だけではなく、今は症状がなくても、今後、体調が急変する場合があるため、全ての利用者の健康管理に注意を払う。

 

(3)「行政への報告」

  • 施設長による以下の点の報告
    *感染症が疑われる利用者の人数
    *感染症が疑われる症状
    *上記の利用者への対応や施設における対応状況 等
  • 市町村等の介護保険主管部局への報告については、各市町村指定の様式がある場合は、それにしたがう。

 

(4)「関係機関との連携」

  • 状況に応じて、次のような関係機関に報告し、対応を相談し、指示を仰ぐ等、緊密に連携をとる。
    *医師(嘱託医)、協力医療機関の医師
    *介護施設等の看護職員
    *保健所
    *地域の中核病院のインフェクションコントロールドクター(ICD)
    *感染管理認定看護師(ICN)
    *感染症看護専門看護師
  • これらに加えて、 職員への周知や、家族への情報提供も行う
  • 日頃から、保健所や協力医療機関、市町村・都道府県担当局等の報告を行う機関のほかに、気軽に感染対策について相談できる事業所間での連携体制を構築しておく

 

対応フローとしては、施設系サービス、通所系サービス、訪問系サービスで、各々以下の通りです。

 

▶参考1:新型コロナウィルス感染症が施設系サービスで発生した際の対応の流れ

新型コロナウィルス感染症が施設系サービスで発生した際の対応の流れ

 

▶参考2:新型コロナウィルス感染症が通所系サービスで発生した際の対応の流れ

新型コロナウィルス感染症が通所系サービスで発生した際の対応の流れ

 

▶参考3:新型コロナウィルス感染症が訪問系サービスで発生した際の対応の流れ

新型コロナウィルス感染症が訪問系サービスで発生した際の対応の流れ

・参照元:厚生労働省「介護現場における 感染対策の手引き」(pdf)

 

介護現場における感染対策の技術的なポイントや、実際の事例については、以下のページでも詳しく説明されていますので、詳しくは、以下のページもご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「介護現場における 感染対策の手引き」(pdf)

▶︎参照:「新型コロナウイルス感染症 病院・高齢者施設感染クラスター ケーススタディ2020 -大阪-」(pdf)

 

 

また、介護現場等における各種の対応指針は、随時厚生労働省や各地方自治体によりアップデートされていることから、最新の事務連絡や通達を見落とさないよう、目を光らせておきましょう。

以下では、新型コロナウイルス感染症に関する自治体・関係団体向け事務連絡について、厚生労働省ホームページの「介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について」のページで、「1.基本的な事項」「2.感染拡大防止に関する事項」「3.職員の確保に関する事項」「4.衛生用品の確保に関する事項」「5.要介護認定に関する事項」「6.介護サービス事業所等の人員、施設・設備及び運営基準等の臨時的な取扱いに関する事項」「7.感染症発生に備えた対応等に関する事項」「8.その他に関する事項」ごとに、それぞれ最新情報が掲載されていますので、定期的に確認しておきましょう。

 

▶︎参照:厚生労働省「介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について」

 

 

3−2.利用者との関係

利用者の中から感染者が出た場合には、施設サービスの場合、まずは当該利用者の治療や隔離などが急務となります。

例えば、コロナ対応のできる病院へ搬送する他、施設内で隔離のための措置(共同の居室の場合には個室へ移動させるなど)をとる必要があります。

そして、利用者の他、職員から新型コロナウイルス感染症の陽性者が出た場合には、早急に当該感染者の濃厚接触者を特定し、隔離、サービスの一時停止、検査など、必要な措置を講じる必要があります。

また、当該利用者が居宅サービスの利用者であった場合には、当該利用者に対するサービス提供を停止する必要があります。

さらには、濃厚接触者となった他の利用者の他、感染者、濃厚接触者が多数発生したことによる職員の不足や感染症の蔓延対策に必要である場合は、居宅サービスの提供を取りやめたり、利用を控えてもらう必要があります。

 

3−3.利用者家族との関係

居宅サービスに関しては、「3−2.利用者との関係」で説明した通り、陽性者となった利用者だけでなく、濃厚接触者になった利用者や、そのいずれでもない利用者に対しても、サービス提供を停止せざるを得ない場合があります。

そして、その間、サービス提供を受けられない利用者のケアは、利用者家族が行う必要があることから、できるだけ早期に、利用者家族と連絡をとり、協力と理解を求める必要があります。

もっとも、利用者家族には事前に、このような場合があり得ることを通知し、説明をしておく他、各ご家庭の状況を確認しておくことが重要です。

具体的には、居宅サービスの提供に関して、利用者や職員から感染者が発生した場合に、当該利用者が陽性になったり、濃厚接触者となる場合以外にも、サービス提供を停止せざるを得ない場合があることを通知した上、その場合に利用者家族がどのような対応が可能かを、確認しておくのです。

例えば、

 

  • 利用者の介護度が低かったり、利用者家族と同居しているなどの理由から、しばらくの間サービス提供を受けなくても生活が可能
  • 利用者家族が、毎日は難しいものの数日毎に様子を見に行くことが可能であることから、サービス提供数を減らすことが可能
  • 利用者家族が県外にいるなど、利用者を介護することが難しく、サービス提供の停止が困難

 

などの事情を事前に確認しておくことで、実際にサービス提供を制限せざるを得なくなった場合に、ケアプラン等の変更により他の事業所の居宅サービスが受けられるように手配をしたり、回数を変更するなどの対応がスムーズになります。

 

3−4.職員との関係

職員については、職員自身が陽性者または濃厚接触者とならない限りは、「4.感染者やクラスター発生後の事業の継続」でも説明をする通り、原則として出勤をしてもらう必要があります。

もっとも、新型コロナウイルス感染症を疑うような諸症状がある場合など、陽性が疑われる場合には、事業所から自宅待機を命じ、検査により陰性が確認されるまで自宅待機をしてもらう必要がある場合もあります。

新型コロナウイルス感染症の陽性者については、都道府県知事が行う就業制限による欠勤であるため、通常の欠勤と同様に扱い、傷病手当を受けてもらう必要がありますが、濃厚接触者や、新型コロナウイルス感染症を疑うような諸症状がある場合に自宅待機をさせる場合などは、労働基準法26条に基づいて、平均賃金の100分の60以上の手当を支払う必要があります。

 

▶参考:労働基準法26条

(休業手当)

第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

 

・参照:「労働基準法」の条文はこちら

 

 

労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」とは、簡単に言えば、会社都合による休業のことを言います。

新型コロナウイルス感染症が関係する休業の場合、果たして「会社の帰責性はあるのか?」と疑問に思われる方も多いのではないかと思います。

しかしながら、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」の範囲は広いことから、このような場合であっても、一定の休業手当を支払うことは想定しておく必要があります。

なお、「新型コロナウイルス感染症を疑うような場合」にもバリエーションがあり、内容によっては、平均賃金の100分の60ではなく、事業所からの一方的な休業として、全額を支払わなければならない場合もあります。

介護職員が新型コロナウイルス感染症の陽性者や濃厚接触者になった場合の職場の対応については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

 

▶参考:介護職員が新型コロナ感染!陽性者や濃厚接触者、職場の対応をケース別に解説

 

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

新型コロナウイルス感染症に罹患した職員に対する給与の支払いの考え方は、事業所によって様々です。

 

例えば、原則通り、事業所からの給与は支払わず、傷病手当で対応をする事業所もあれば、新型コロナウイルス感染症を理由に休業している期間について、年次有給休暇とは別の特別な有給として処理をする事業所もあります。

 

後者の考え方は、新型コロナウイルス感染症という、誰がいつ罹患してもおかしくない病気について、しっかりと且つ早期に療養することを促し、職場復帰後はまた全力で業務に臨んでもらうため、事業所として、金銭的な補償をしようとする考え方です。

 

事業所によって状況は異なりますので、どちらの方法が正しいということはありませんが、職員への福利厚生の1つの手段として、検討してみることをお勧めします。

 

 

3−5.新型コロナウイルスが発生したら公表すべき?

新型コロナウイルス感染症が発生した場合の公表に関しては、厚生労働省から保健所設置市等の衛生主管部宛に、「新型コロナウイルス感染症が発生した場合における情報の公表について」との事務連絡が出されています。

 

▶︎参照:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症が発生した場合における情報の公表について」(pdf)

 

 

ここでは、保健所等が新型コロナウイルス感染症に関する情報を公表する場合の基本的な基準が示されており、「感染者に接触した可能性のある者を把握できていない場合に、感染者と接触した可能性のある者を把握するため及び感染症をまん延させないための適切な行動等を個人がとれるようにするため、「不特定多数と接する場所の名称」、「他者に感染させうる行動・接触の有無」等を公表する」こととされています。

また、この公表に際しては、関係者の同意は不要とされているものの、感染者等に対する不当な差別及び偏見が生じないように、個人情報の保護に留意する必要がある旨が指摘されています。

これは、国や地方公共団体の基本方針ではあるものの、介護事業所として、自社のホームページ等で公表をするかどうかに関しては、慎重に検討すべきことになります。

もちろん、利用者や利用者家族に対する通知は必要ですが、特別な感染防止対策等を採用し、それ自体を公表するなどの別の目的がない限りは、あえて公表をする必要はありません。

 

3−6.弁護士へ相談を!

新型コロナウイルス感染症が発生すると、技術的な対応はもちろんのこと、ここまでで解説した通り、利用者、利用者家族、職員などの対応が必要となります。

特に、職員の欠勤の際の給与の支払い方法などは、状況に応じて判断は様々であって、画一的に定まるものではありません。

また、「4.感染者やクラスター発生後の事業の継続」で説明する通り、職員には可能な限り出勤をしてもらわなければならないにも関わらず、不安を訴える職員に対して「休んでもいい」などと安易に返答をしてしまった結果、職員数を確保できなくなったり、感染症への罹患のリスクを負いながら最前線で働いている職員と、それらの職員との格差が生じるなど、後々大きな禍根を残します。

そこで、新型コロナウイルス感染症が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談し、利用者や利用者家族への対応の他、職員への対応に関して相談し、初期対応を誤らないように努めることが重要です。

他にも、事前、事故の各種通知なども、弁護士に添削をしてもらうことで、必要な記載等の漏れや、誤解を招かないような内容にすることが可能となります。

感染症対策と言うと、あまり「弁護士」の出番を想像できないかもしれませんが、まずは相談をしてみましょう。

 

4.感染者やクラスター発生後の事業の継続

次に、新型コロナウイルスの感染者やクラスターの発生後の事業の継続について、その必要性や具体的な事業継続の方法について見ていきましょう。

 

4−1.事業継続の必要性

介護サービスは、利用者にとって必要不可欠なサービスです。

そのため、たとえ事業所内で感染者やクラスターが発生したとしても、途絶えさせることができないサービスの1つです。

そのため、介護事業所においては、BCP(事業継続計画)の策定が義務付けられるなど、事業を継続することを前提とした取り組みが必要とされているのです。

このBCP(事業継続計画)に関しては、2021年4月からBCP(事業継続計画)の策定が義務化されたことや、BCP(事業継続計画)策定の手順や具体的な方法について、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご覧ください。

 

▶︎参照:BCP(事業継続計画)とは?介護事業所で義務化!対策と対応方法を詳しく解説

 

 

4−2.事業継続の方法

事業継続のために最も重要であるのは、職員の確保です。

3.新型コロナウイルス陽性者の発生時の対応」でも説明をした通り、職員自身が新型コロナウイルス感染症の陽性者となったり、濃厚接触者となった場合などを除き、原則として、職員には出勤を義務付ける必要があります。

もっとも、職員の中には、「コロナに感染するのが不安なので仕事を休みたい」と申告をしてくる人がいます。

しかしながら、事業所が十分な感染症対策をとっていることを前提として、このような申告に対しては厳しく対応すべきです。

つまり、「コロナが不安だから」という理由だけで欠勤をする職員に対しては、欠勤または有給休暇の処理で対応した上、欠勤を続ける場合には、業務命令を出し、速やかに出勤をするよう義務付ける必要があります。

介護事業所として、感染と隣り合わせの中で必死で業務に励む職員と、その職務を放棄する職員を同様に扱うべきではありません。

事業継続のため、職員の勤怠管理は非常に重要となります。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

介護事業が利用者との接触が避けられないサービスであることに鑑みれば、職員が不安になることは避けられません。

 

そこで、情報提供の1つとして、「業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となる」ことを、職員に伝えることも1つの方法です。

 

労災保険給付と聞くと、事業所になんらかの過失や不手際があったような印象を受けられる方も多いかもしれませんが、労災保険給付はあくまで、「業務に起因して」発生した損害を補填するための制度であり、事業所の責任を認めるものではありません。

 

そのため、職員に安心してもらうための材料の1つとして、このような情報提供をすることも検討してみてはいかがでしょうか。

 

以下の厚生労働省が公開している「業務によって感染した場合、労災保険給付の対象となります」のリーフレットも参考にご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「職場で新型コロナウイルスに感染した方へ(リーフレット)」(pdf)

 

また、職員が感染した場合の補償については、以下の動画でも詳しく説明していますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:【新型コロナBCP】職員が感染した場合の補償とは!?

 

 

5.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)新型コロナウイルス感染症発生時の対応への助言
  • (2)BCP作成に対する助言
  • (2)顧問サービス「かなめねっと」

 

5−1.新型コロナウイルス感染症発生時の対応への助言

新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生すると、ここまでに説明してきたような、利用者や利用者家族の対応、職員対応などの様々な問題が同時に発生します。
特に、利用者は高齢者であり、新型コロナウイルス感染症に罹患すると、重症化等のリスクも高いため、早期の対応が必要となる他、介護サービスを必要としている利用者へ、隙間なくサービスを提供するための事業継続も非常に重要となります。

弁護士法人かなめでは、事業所に寄り添いながら、新型コロナウイルス感染症の陽性者の発生直後から助言やアドバイスを実施します。

 

5−2.BCP作成に対する助言

新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した場合、介護事業所は最も事業継続が求められる職種であって、実際に素早く事業を立て直すためには、 事前のBCP(事業継続計画)の策定や運用が不可欠です

弁護士法人かなめでは、BCPの策定に関して、法的な助言を行い、より実効性の高いBCPの策定のお手伝いをします。

 

5−3.弁護士費用

弁護士法人かなめへの法律相談料は以下の通りです。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。

※法律相談は、「1,弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2,ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※また、法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

 

5−4.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入しています。事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参照:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

以下の記事、動画でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

 

 

(1)顧問料

  • 顧問料:月額8万円(消費税別)から

 

※職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

6.まとめ

この記事では、介護施設における新型コロナウイルス感染症の現状の他、実際に利用者からコロナ陽性患者が出た場合の対応方法について、様々な立場からの解説を行いました。

また、新型コロナウイルス感染症が発症した際の事業継続についても、具体的な方法と併せて解説しましたので、新型コロナウイルス感染症の対応に悩んでいる事業所の皆さんは、ぜひ参考にしてみてください。

そして、特に利用者家族や職員への対応などでお悩みの場合は、速やかに弁護士に相談するようにしましょう。

 

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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