予定より早くの独立開業でした。
私の実家は、肥料商店です。自営業者の商売人の息子として育ったので、どこかに勤めて勤務するということをあまりイメージできず、弁護士になったときから、独立開業することは心に決めていました。
当初は2年間、修行させて頂こうと思っていたのですが、私の友人で、既に法律事務所を経営している弁護士が、「十分な経験を積んで準備万端な状態になってから独立しよう、という考え方は甘い。そんなことではタイミングを逃してしまう。誰でも独立するときは、清水の舞台から飛び降りるような気持ちなんだから、早い方が良いよ。」と教えられ、「それもそうか。」と思い、1年9カ月で独立することにしました。
また、勤務弁護士のとき、経営者の法律相談を受けていると、経営者と同じ視点で物事を考えることができていない自分に気付き、何度も悔しい想いをしました。億単位の借入れをしてチャレンジしている経営者の気持ち、何百人、何千人の従業員を抱えている経営者の気持ち、スピード感を持ってビジネスを発展させ、ワクワクしている経営者の気持ちをもっと理解したいし、自分もそうなりたいと強く思いました。
さらに、独立への決意が揺るぎ無いものになった理由は、副代表の米澤晃の存在です。彼とは司法修習時代、とあることがきっかけで仲良くなったのですが、弁護士になった後も、彼は様々な面で私をサポートしてくれていました。彼は、縁の下の力持ちとしても力を発揮することができるし、組織のトップを張る素質も兼ね備えている人物です。冷静沈着でありつつも大胆な決断・行動ができ、とても信頼のおける男で独立するときには絶対に彼を巻き込もうと考えていました。3か月間説得し続けた結果、一緒に独立することを承諾してくれたので、独立したときには、「怖いものはもう無いぞ。あとは思う存分やるだけだ!」という強い気持ちを持つことができていました。