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協調性がない人は解雇できる?対処法や注意点を事例付きで詳しく解説

協調性がない人は解雇できる?対処法や注意点を事例付きで詳しく解説
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介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」に今すぐ相談はこちら!

「就業時間内に行う朝礼(業務連絡を含む)へ参加しない」
「他の社員がいるところで、特定の社員を誹謗中傷する」
「折り合いの悪い上司からの指示を無視する」
など、社内の規則に従わず、周りの職員と協力しないことにより、業務を停滞させ、職場の雰囲気を著しく悪くするような社員はいませんか。

事業所の円滑な業務の遂行には、職員同士の協力や連携などチームワークが重要であり、協調性がない職員が職場に1名でもいる場合、業務が停滞し、他の職員の業務負担が増えるだけではなく、職場環境が悪くなり、利用者への十分なケアやサービスが行き届かず、思わぬクレームや事故に繋がります。

また、少ない人数で運営している事業所などでは、協調性がない職員の身勝手な言動により、事業所の正常な運営が妨げられる可能性もあります。

他方、職員の協調性のなさについては明確な基準を設けることが難しく、客観的な判断も容易ではありません。協調性のなさの程度や基準が判然としないまま、さらには、適切な注意指導を行うなどのプロセスを経ないまま、解雇などの懲戒処分をすることは、処分後に「不当な処分を受けた」と訴えられる可能性もあります。

このようなリスクを回避し、協調性がない職員の解雇を検討する際には、必ず事前に弁護士に相談したうえで、正しい手順を踏みながら対応することが肝要です。協調性がない職員の態様は様々であり、その基準も明確ではありません。

この記事では、協調性がない職員の具体的な態様や裁判例をもとに、注意指導から懲戒処分まで、具体的な対応方法について解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、協調性がない職員に対する適切な対応と処分に至るまでの正しいプロセスについて知ることができ、問題解決に向けて、動き出すことができます。

協調性がない職員を減らし、職場環境の改善に役立てましょう。

 

▶参考:介護業界に特化した弁護士法人かなめの協調性がない問題職員の対応サポートについてはこちら

 

 

1.協調性がない人とは?

協調性とは「他人と協力し、様々な状況のなかで考え方などを調整しながら、物事を前に進める力」のことを言います。つまり、協調性がない職員というのは「他人と協力することが難しく、様々な状況を調整することができずに、業務を進める力がない人」のことです。協調性がない職員がいる職場では、職員同士の関係が悪く業務効率も下がり、職場の雰囲気も悪化するため、当該職員に関わる職員だけではなく、職場全体に悪い影響を及ぼします。

 

2.職場で協調性がない職員が生まれる原因とは?

職場で協調性がない職員が生まれる原因とは?

職場で協調性がない職員が生まれる原因は、問題となる職員の性格や能力、また仕事に対するモチベーションに起因することがほとんどです。

まとめると以下の通りです。

 

  • 性格的要因
  • 能力・スキル不足
  • 能力は十分にあるがプライドが高い
  • モチベーションの問題

 

順番に詳しく解説していきます。

 

2−1.性格的要因

能力に問題がないにもかかわらず、職員本人の性格上、協調性を保てない場合があります。

例えば、以下のような場合です。

 

  • 他人の心情に配慮することが苦手で強い口調で指示を出す
  • 自分なりの方法や考え方に固執し、他人にそれを押し付けてしまう
  • 自身の能力や業績と他人のそれを比べ、不必要に他の職員にマウントをとる
  • 他の職員からのアドバイスを聞き入れず、自分のやり方を押し通す

 

性格に起因する協調性のなさは、本人が無自覚でこれまで周りから指摘されたことがないケースもあるため、注意指導の際は、具体的にどういった行為において協調性が欠けているか、を丁寧に指導する必要があります。

 

2−2.能力・スキル不足

性格的要因とは別に、能力に特性があり、業務指示を誤って解釈してしまうなどコミュニケーションスキルに問題がある場合もあります。

例えば、以下のような場合です。

 

  • 相手の意図していることを推し量ることができない
  • 指示を言葉通りの意味でしか捉えられない
  • 応用力がなく、何度も同じような質問をしたり、同じようなミスを繰り返す

 

コミュニケーションスキルに特性がある場合は、当該職員が具体的にどういった特性をもっているかを周りも知ったうえで、業務上の指導だけではなく、特性に合った指示の出し方をするなど、配慮が必要になります。

また、応用力がなく、何度も同じような失敗をしたり、質問を繰り返すような場合は、周囲の職員も疲弊する可能性が高く、早期の対応が必要です。業務の内容や当該職員がしたミスを体系立てて表にして指導するなど、丁寧な対応が必要となります。

 

2−3.能力は十分にあるがプライドが高い

業務能力には問題がないにもかかわらず、本人のプライドが高く、他の職員の意見を聞かず、自己中心的な方法で業務を進めるなど、周りの職員と協力して業務に当たることが難しい場合もあります。

本人は自分の能力に自信があり、業務の処理能力はあるため、周囲もその点は評価せざるを得ないために、指導のタイミングや方法が難しいケースです。具体的にどういった状況で協調性に欠けるかを記録に残し、注意指導に繋げていく必要があります。

 

2−4.モチベーションの問題

そもそも仕事にやる気がなく、必要最低限の仕事だけをすればいいと考えている場合、事業所全体の人手が不足していたり、明らかに業務量が多い人がいるなど、周りの状況に気が付かず周囲と協力しないため、協調性が欠如していると言われる場合もあります。

一方で、やる気があり、なんでも積極的にしたいと考えていることが要因で、周りの業務状況と足並みを合わせることが難しく、周囲を困らせる場合もあります。

 

3.協調性がない人の特徴とは?

協調性がない人の特徴とは?

協調性がない人の特徴と一言でいっても、様々なタイプがあります。例えば、自分の能力を過信していたり、プライドが高く、他の人の意見を聞き入れることができないような人や、そもそも性格が自己中心的で自分の考えを曲げないなど、コミュニケーションをとることに問題があるような人もいます。

まとめると以下の通りです。

 

  • プライドが高く、自分が優秀だと思い込んでいる
  • 性格が攻撃的
  • 自己中心的
  • ルールや集団への意識が低い
  • 自分の担当範囲以外は関与しない
  • コミュニケーションの欠如
  • 融通が利かない

 

ここでは、それぞれのタイプ別に協調性がない職員の特徴を具体的に紹介します。

 

3−1.プライドが高く、自分が優秀だと思い込んでいる

自分が優秀だと思い込んでいる職員は、他の職員のアドバイスを聞かず、指示に従わないといった特徴があります。また、自身のする仕事に自信があり、プライドが高いため、指示に従わないばかりか、アドバイスされること自体に嫌悪感を示すなど、グループで協力して行わなければならない業務の場合、周りの職員を混乱させ、疲弊させる可能性があります。

一方で、自分が優秀だと思い込んでいる職員は、他人の意見を聞かないものの、自立心が高く、自分自身で業務を完遂できるという良い面もあります。

何度も繰り返し行ってきており、ミスなく進めることのできる業務であれば、当人だけに任せ、周囲と関わることなく業務を進められるようにすることも、対応策の一つの方法です。
また、プライドの高い職員は、自身の業務や成果を褒められることで、それ以降の業務への意欲が高まり、積極的に取り組むようになります。マイナス面の指摘を繰り返すのではなく、プライドの高い職員を褒めることで、他職員のアドバイスを聞きやすい環境作りに繋がります。

 

3−2.性格が攻撃的

そもそもの性格が攻撃的な職員の場合、本人が自身の短所に気が付いていない可能性もあります。業務中に攻撃的な性格が顕著に表れるのは、主に言動です。どういった言葉遣いや態度が他の職員を委縮させ、傷つけるのか、など具体的な文言や態度を提示し、別の言い方や表現方法をアドバイスするなど、まずは本人に気づかせ、改善させることが必要になります。

 

3−3.自己中心的

自己中心的な考え方の職員は、他の職員の業務状況や繁忙具合などについての理解が乏しく、自身の業務状況や繁忙具合のみに着目して、業務を遂行しようとする傾向にあります。また、他の職員の業務の進行状況によって、自身の業務が遅滞するような場合、態度が悪くなったり、言動が攻撃的になるような場合もあります。

自己中心的な考え方から、「3−2.性格が攻撃的」な職員へ繋がるケースも多いため、自己中心的な考え方が見受けられる場合、早い段階で注意指導を行うことが肝要です。

 

3−4.ルールや集団への意識が低い

ルールや集団への意識が低い職員は、規範意識が不足しています。

規範意識とは、社会や集団のルール・道徳・価値観を理解し、自ら守ろうとする心の働きのことを言います。規範意識が低い職員は、就業規則や社会通念上の善悪などへの判断が脆弱で、守ろうという意識が低いため、業務に支障が出るだけでなく、就業規則違反や私生活上の犯罪行為など、会社の社会的信用を失墜させるような行動をとってしまう可能性があります。

規範意識が低い職員については、他の協調性がない職員よりも早い段階から注意指導を行い、小さなルール違反なども細かく注意する必要があります。

 

3−5.自分の担当範囲以外は関与しない

業務は通常、担当者や担当部署があり、業務分担されています。一方で、事業所だけでなく、一般の企業においても、1名の利用者を複数人で担当したり、1つのプロジェクトをチームで協力して遂行することが一般的です。チームで業務を行う場合、チーム内の業務は自身の担当業務でなかったとしても、ある程度理解し、急な人員不足などに対応する必要があります。

自分の担当業務以外には関与しない職員がいる場合、チーム全体の正常な業務遂行に悪影響が出るだけでなく、職場環境も悪くなります。

 

3−6.コミュニケーションの欠如

コミュニケーション能力が低い、また、極端にコミュニケーションをとらない場合、それは、職員本人の性格に起因する場合と、何らかの特性による場合の2種類があります。

本人の性格が極端に消極的でコミュニケーションの取り方が下手な場合やコミュニケーションをとる必要性を理解していないような場合、周りの職員からの積極的な働きかけが非常に重要になります。業務上必要なコミュニケーションだけでなく、人間関係を築く上で必要なコミュニケーションがあることなど、説明し、理解してもらうよう努めます。

また、何らかの特性がある場合、コミュニケーションが通常よりも取りにくい場合も考えられます。当該職員に合ったコミュニケーションの取り方を確認し、業務上の指示などの齟齬がないよう、気をつける必要があります。

 

3−7.融通が利かない

融通が利かない職員は他の職員と協働して業務を行うことが難しかったり、状況に応じて対応を変更するなどの臨機応変な対応が出来なかったりします。

介護事業所では、各利用者や各施設の設備に応じて柔軟な対応が必要な状況が多くあります。融通が利かない職員が1名いるだけで、通常の業務が滞るだけでなく、ミスが誘発される可能性も高くなり、利用者や利用者の家族からのクレームに繋がりかねません。

 

4.介護現場でよくある協調性がない職員の例

ここでは、介護の現場でよくある協調性がない職員の例を紹介します。

 

4−1.上司の指示に従わない

介護事業所において、上司の指示・命令に従わない職員がいる場合、業務効率が悪くなるだけではなく、利用者の身体や命に直接的に関わる問題に繋がりかねません。

労働契約上、事業所や職員に対し、業務命令権を有し、事業所は業務の遂行全般について、職員に対し、必要な指示・命令を発することができます。ただし、上司の指示・命令は、業務上必要なもので不当な目的によるものではないことや就業規則に則った合理的なものである必要があります。

例えば、介護事業所では、始業の際の朝礼で、利用者の状況の共有など、業務連絡を含めた業務上の指示・命令を行うことがあります。朝礼に参加しない職員がいる場合、業務連絡が行き届かず、業務に支障が出るほか、必要な情報がない状態で介護サービスを提供することになり、利用者や利用者家族からのクレームに繋がります。

始業時の朝礼については、就業規則に定める就業時間内に行われており、業務遂行に必要な業務連絡がされている場合は、業務命令権の及ぶ範囲と考えられます。

ここでは、勤務態度不良で協調性がない職員に対し、注意指導及び業務態度改善の命令を出したものの、その指示に従わず、上司を愚弄するメールなどを送信したため、企業側が業務命令である転勤命令を拒否した職員に対し、企業側が懲戒解雇をした事案を紹介します。

本件では、企業側に「懲戒権の濫用はなかった」と裁判所が認めており、使用者と労働者との間に労働契約締結時に職種・勤務地限定合意がなかったことから、使用者に配転命令権の裁量を認めたうえで、配転命令権の行使に権利の濫用はなかったと結論付けています。

 

▶参考裁判例:神戸地裁平成21年1月30日判決

 

●事案の概要

被告会社Yに勤務していた原告Xが、自身の職場規律違反や職務能力不足を理由に、数回の書面による注意指導、2回の懲戒処分(出勤停止)を受け、さらに普通解雇されたことに対し、その無効を主張して、労働契約上の地位確認及び賃金(バックペイ)の支払を求めるとともに、本件解雇以前に正当な理由なく減給されたとして、差額金の支払を求めた事案。

 

●裁判所の判断

裁判所は、認定事実によれば、原告Xは、注意、警告及び懲戒処分の理由とされている各事実の存在が認められるのに加え、注意、出勤停止等の処分を受けても勤務態度を改めないどころか、かえって上長に反抗し、揶揄し、愚弄するようになっており、自らの行為によって被告との信頼関係を破壊したといえるから、本件解雇は合理性・相当性を備えている上、本件減給についても、職群、等級及び成果の格付けが恣意的ないし客観性を欠くものではないとして、本件各請求を棄却しました(普通解雇は有効と判断しました)。

 

 

一方で、休憩時間に任意で行われている体操や掃除、親睦を深めるための飲み会やスポーツ大会などは、業務遂行に不可欠ではなく、就業時間外に行われるため、業務命令権の範囲外と考えられることが多くなります。

上司の指示に従わず、協調性がない職員に注意指導を行う場合は、上司の指示や命令が業務上必要なものであり、かつ就業規則に定める合理的なものであることを明確にする必要があります。

 

4−2.攻撃的な態度

コミュニケーションの取り方に問題があり、攻撃的な性格のため、他の職員や利用者との間に軋轢ができてしまう職員が事業所にいる場合、不要なクレーム処理に追われたり、職場の雰囲気が悪くなって正常な事業所運営ができなくなることがあります。

事業所には、職場の秩序を維持し、確保するために必要な行為をする権限があり、企業秩序の定立や維持のために必要な事項を規則に定め、職員に指示・命令をするとともに、違反者に対して懲戒処分をすることができます。

一方で、懲戒処分する場合、当該言動が就業規則に違反する行為であるか否かの判断は慎重にされる必要があり、適切なプロセスを経なかった場合、無効と判断される場合もあります。

ここでは、攻撃的な性格により通常業務を阻害し、職場環境を著しく悪化させた職員を懲戒解雇したところ、それ以前に適切なタイミングで懲戒処分が行われておらず、懲戒権の濫用であり無効とされたものの、予備的に行われていた普通解雇が有効とされた事案を紹介します。

 

▶参考裁判例:東京地裁令和2年2月19日判決

 

●事案の概要

入社後、配属された部署において顧客対応がうまくいかずに声を荒げるなどのトラブルや、上司や先輩社員からの注意指導に対し、感情を高ぶらせるなどし、顧客と接点のない部署へ異動したにもかかわらず同僚職員や上司との間でのトラブルが継続していた原告(ここまでに懲戒処分はなし)が、さらに異動した先の部署で気に入らない業務を断ったり、座席のレイアウト変更を理由に、自傷行為などを行うふりをして、上司や同僚に不安を与え、社内秩序を乱したため、諭旨解雇(のちに懲戒解雇)となったが、原告が被告会社の行った処分が「懲戒権の濫用であり懲戒処分は無効。また、処分により精神的苦痛を受けたため損害賠償を請求する」と訴えた事案。

 

●裁判所の判断

裁判所は、本件諭旨解雇以前にも、懲戒事由にあたる業務命令違反や問題行動があったにもかかわらず、懲戒処分はされておらず、本件諭旨解雇が初めての懲戒処分であることは、懲戒権の濫用であるとして、諭旨解雇及びその後の懲戒解雇を労働契約法15条により無効と判断した。

一方で、入社後配属された複数の部署においてトラブルを起こし、最終的に職場でカッターの刃を持ち出すなどの事件を起こしたことからすれば、被告会社としては、職場秩序を著しく乱した原告を職場にそのまま配置しておくことはできないと考えるのはむしろ当然である。また、それまでにも、被告会社が、トラブルを起こす原告に対し、その都度注意・指導を繰り返し、いくつかの部署に配転して幾度も再起のチャンスを与えてきたことは明らかであり、本件懲戒事由の発生で、原告には改善の余地がないと考えるのも無理からぬものであり、予備的に行っていた本件普通解雇については、客観的に合理的な理由があり、かつ、社会通念上も相当であると認められた。

 

 

5.協調性がない職員が仕事に与える影響とは?

協調性がない職員が職場にいる場合、コミュニケーション不足が原因で他の職員の業務効率が落ちたり、業務上のミスなどから利用者からのクレームが増えるなど、精神的にも肉体的にも負担がかかってしまい、他の職員のメンタルの不調や離職に繋がる可能性があります。

 

6.協調性がない職員への対処法

協調性がない職員への対処法

協調性がない職員への対応は、次のような方法で行います。

協調性がないと一言で言っても、様々なケースがあり、業務にどのように影響しているか等を客観的に評価するのは難しく、どの程度の懲戒処分をするかの判断は非常に慎重に行う必要があります。また、当該職員の性格や特性に起因する場合、配置転換などの対策をとり、業務への影響を抑えつつ、労務関係を継続させることも可能になります。

そこで、協調性がない職員への対処法としては、以下の流れで行うことをお勧めします。

 

  • (1)事実確認と記録
  • (2)粘り強い注意指導
  • (3)懲戒処分
  • (4)退職勧奨
  • (5)懲戒処分の検討

 

具体的な対処法について、確認しましょう。

 

6−1.事実確認と記録

「協調性がない」と言っても、様々な要因によって引き起こされており、その態様も様々です。曖昧な情報や主観だけで判断するのは非常に危険ですので、まずは客観的な事実を記録し、それが事実であるかを確認する必要があります。

事実調査をし、記録に残す場合は、以下の点を意識し、可能な限り詳細に記録します。

 

  • 日時
  • 場所
  • 相手方
  • 具体的な文言や態度
  • 職場や他職員に与える影響

 

その他にも、動画やメール、SNSは時刻や具体的な言動などが正確に記録されているため、客観的な証拠として非常に有効です。動画を証拠として保存する際は、改ざんの疑いを排除するため不必要な加工や編集、消去などは行わないようにします。
メール、SNSについては、データが消去されてしまわないよう、スクリーンショットで記録する、印刷しておくなどして保存しましょう。

また、状況を整理するために、他の職員からの聞き取り調査も行います。聞き取り調査を行う際には、公平性・正確性を担保するため、録画や録音しながら行います。また、聴取する職員と記録する職員の複数名で行い、調査内容に齟齬が生じないよう、確認しながら行います。

 

6−2.粘り強い注意指導

協調性のない職員に対して、まず最初にとるべき対応は、丁寧な注意指導です。

対象となる職員によって、協調性のない態度をとってしまう理由は様々ですが、まずは当該職員が自身の言動に協調性がないことを理解できるよう粘り強く注意指導を行い、状況の改善を促しましょう。その際、具体的にどのような態度が協調性がないと判断されるのか、そして、どのように改善するのが望ましいのか、具体的に指導することが肝要です。また、注意指導を繰り返し行うことで、次にとるべき対応(主に懲戒処分の検討)に繋げることが可能です。

一般的に、懲戒処分を行う場合は、口頭やメール、書面などで注意指導を行い、その指導状況や経緯を、可能な限り客観的な証拠となる形(録音、書面など)で残しておくことが非常に重要となります。

注意指導を行う際は、職場環境に悪影響が出ていることが判明した時点からあまり時間を空けずに行いましょう。また、後日、懲戒処分の検討をする可能性も念頭に、注意指導の方法と頻度などの記録を残すほうが望ましく、注意指導の際に録画や録音をしなかった場合も、メモなどで時系列にまとめておくことが重要です。

 

▶参考:注意指導に関しての正しい手順や注意点などは、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

問題職員の指導方法とは?正しい手順と注意点などを指導例付きで解説

 

 

6−3.懲戒処分

再三の注意指導によっても、状況が改善されず、当該職員にも努力する様子が見られないような場合、懲戒処分を検討します。

 

▶参考:懲戒処分についての全般的な解説はこちらをご参照ください。

懲戒処分とは?わかりやすく解説

 

 

懲戒処分をするためには、就業規則に懲戒処分として規定されていることが必要です。一般的に、就業規則には下記の6種類の懲戒処分が規定されていることが多く、処分によって、その程度の軽重に差があります。

懲戒処分の選び方

 

(1)戒告・譴責

戒告・譴責は、注意指導してきた問題とされている態度が是正されない場合に懲戒処分という形式で改めて注意し、場合によっては始末書を提出させる処分です。通常は、書面で実施します。

 

▶参考:戒告については、以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

戒告とは?わかりやすく解説

 

 

(2)減給

減給処分は文字通り、給与を一部減額する処分です。減給については、労働基準法91条による制限があり、具体的には、減給処分の限度は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払いにおける賃金の総額の10分の1を超えてはならないことになっています。

 

▶参考:減給については、以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

減給処分とは?わかりやすく解説

 

 

(3)出勤停止

出勤停止は労働者の労務提供の権利を剥奪し、労務提供されない期間の給与を支払わない処分です。出勤停止期間中は、労務提供がないため、事業所はその期間の給与を職員に支払う必要はありません(ノーワークノーペイの原則)。給与の減額は出勤停止期間に相当する部分だけにとどまりますが、減給処分のように、給与の減額幅に法令上の制限はありません。

ただし、出勤停止期間が長期間にわたる場合、公序良俗の観点から、違法となる可能性もあるため、期間の決定には慎重な判断が必要です。また、就業規則上に日数の制限があることが多いので注意しましょう。

 

▶参考:出勤停止については、以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

出勤停止とは?わかりやすく解説

 

 

(4)降格

さらに一歩踏み込んだ処分として、降格処分があります。これは、職員にこれまで与えられていた役職や資格、職務上の権利を剥奪する処分であり、役職・資格の剥奪に伴い給与も減額される可能性がある処分です。

 

▶参考:降格については、以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

降格処分とは?わかりやすく解説

 

 

(5)諭旨解雇・懲戒解雇

諭旨解雇、懲戒解雇は、処分の程度は異なりますが、いずれも労働者の「労働者としての立場(会社で働く権利)」を奪う処分になるため、職員に与える影響は最も大きい処分と言えます。

諭旨解雇は、懲戒解雇相当の事由がある場合でも、本人に反省が認められる時に、解雇事由に関して本人に説諭し、退職届を提出するよう勧告する懲戒処分です。一方で、懲戒解雇は企業の信頼を失墜させるような重大な非違行為や職場環境を著しく毀損する問題行動のある職員を一方的に解雇する処分であり、懲戒処分の中では最も重い処分です。

 

▶参考:諭旨解雇や懲戒解雇については以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。

諭旨解雇とは?わかりやすく解説

懲戒解雇とは?わかりやすく解説

 

 

【弁護士 畑山浩俊からのコメント】

 

「協調性がないこと」のみを理由とする懲戒処分をする場合は、非常に慎重な判断が必要であり、一般的には、職場秩序を著しく乱し、他の従業員の士気に悪影響を及ぼしている場合に初めて懲戒事由となり得ます。

 

適切な処分の選択にあたっては、行為の性質や態様、過去の処分歴、改善の機会の付与、弁明の機会の提供といった「相当性」の判断が不可欠です。重大な企業秩序侵害がない限り、まずは戒告や減給などの軽い処分から段階的に行いましょう。

 

 

6−4.退職勧奨

退職勧奨は、懲戒処分の解雇とは異なり、強制力のあるものではありませんが、問題となっている職員に自主的な退職を促し、職員の納得を得られた場合、職員の意思により退職手続きに進む手段です。

協調性がなく他の職員の業務効率を下げるだけでなく、再三の注意指導や懲戒処分を行っても態度が改善されない場合には、職場環境が著しく乱されている状況と言わざるを得ず、事業所としても他の職員にとっても非常に良くない状況です。また、問題職員本人も、自分自身の状況を変えることができず、困っている可能性もあります。環境を変えるという意味でも、退職勧奨することは、問題職員・事業所・他の職員の三者にとって非常に有効な手段になり得ます。

退職勧奨を行う場合、事業所と職員の双方で協議し、職員の自主的な意思により、退職手続きを行うため、退職時のさまざまな条件の取り決めができるなど、うまく利用することができれば、非常に効果的です。

 

▶参考:退職勧奨の進め方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

退職勧奨とは?具体的な進め方、言い方などを弁護士が解説

 

 

また、「問題行動を繰り返す職員に退職勧奨をする方法を解説」の動画でも退職勧奨を進めるにあたっての注意点や、円満に進めるためのポイントについて解説しています。こちらも参考にしてください。

 

 

6−5.「協調性がない」を理由に解雇はできる?

協調性がないことだけを理由に解雇することには、高いリスクを伴います。

「協調性の欠如」を理由にした解雇が有効と認められるためには、労働契約法第16条に基づき、解雇が客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる必要があります。

 

▶参考:労働契約法第16条

(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

・参照:「労働契約法」の条文

 

 

「協調性の欠如」を理由として解雇が有効と判断される場合というのは、協調性のない職員の言動により、以のような一人の職員の言動により、職場環境が悪くなっており、他の職員への影響も多大で、業務上大きな支障が出ている場合に限ります。

 

  • 職場の規律が著しく乱れ、他職員の業務遂行に支障が出ている場合
  • 企業秩序の維持が難しく、他職員の士気に影響が出ている場合
  • 事業所の指示・命令に従わず、業務上の混乱を招いている場合

 

さらに、解雇に至るまでの過程では、以下のような事業所側が行える対応を適切なプロセスを踏んで行っており、それでもなお状況が改善されていない場合、解雇を検討します。

 

  • 事実確認
  • 丁寧な注意・指導
  • 配置転換
  • 軽度の懲戒処分
  • 退職勧奨

 

解雇には、普通解雇と懲戒処分による解雇があり、いずれの解雇もその内容について就業規則に定めておく必要があります。一方で、その性質は大きく異なります。

普通解雇は、労働契約上の解約です。就業規則に定めている場合、労働能力の欠如や成績・適格性の不足を理由として職員を解雇することが可能で、悪質性がそれほど高くない事案でも選択することが可能です。

他方、懲戒処分による解雇(諭旨解雇・懲戒解雇)は、非違行為に対する制裁罰であり、懲戒処分のなかでも最も重い処分です。職場秩序を著しく乱すなど就業規則上の非違行為としての悪質性が特に高い場合に検討が可能です。ただし、普通解雇に比べて、解雇予告手当が支給しなくてよい場合があることや退職金の支給に影響がある場合があるなど、当該職員に不利益な部分が多く、解雇後に「不当解雇であった」と訴えられる可能性があります。

ここでは、協調性のないことを理由とする解雇が有効と判断された事案を紹介します。

 

▶参考裁判例:東京地裁平成19年9月14日判決

 

●事案の概要

従業員Xが、協調性に欠ける言動や態度により職場秩序を乱したとして解雇されたのは、懲戒解雇でありかつ無効であるとして、雇用契約を締結していたY社に地位確認の仮処分を申し立てた事案。

 

●裁判所の判断

裁判所は、本件においては、Y社が行った懲戒解雇の意思表示のなかには普通解雇をも包含するものと解釈することが可能であり、普通解雇は通常の民事契約上の契約解除事由の1つとして位置づけられ、就業規則に逐次その事由が限定列挙されていなければ行使できないものではなく、労働者Xの職場における言動は会社という組織の職制における調和を無視した態度で周囲の人間関係への配慮に著しく欠けるものであり、同人の勤務態度は客観的にみて自己中心的で職制・組織無視の考え・行動が著しく、非常識かつ度を越したものと評価せざるをえないレベルにあり、社内における組織規律違反が顕著であることとそのことによる従業員としての適格性の欠如が顕著であることから、懲戒事由に当たるものを普通解雇したものと考えることができ、同普通解雇を解雇権の濫用として無効とすべき事情は見当たらないと判断し、普通解雇を有効と判断した。

 

 

また、「4−2.攻撃的な性格」で紹介した判例を参考に確認すると、攻撃的な性格で協調性がない職員のした問題行動は職場に著しく悪影響であり、他の職員に与えた恐怖感や衝撃は大きかったと考えられるため、就業規則に定めた「職務上の指示命令に従わず、職場の秩序を乱すとき」に該当すると認められるものの、当該職員の問題行動に対し、職場が行った1度目の懲戒処分が諭旨解雇であることは、やや重きに失するとして「諭旨解雇は無効」と判断した。一方で、当該行為に対して、予備的に「普通解雇」の意思表示をしており、その点については異動や出向などを経て改善されなかった状況などから「普通解雇を認めるに足る合理的な理由があり、社会通念上も相当」と判断しています。

なお、先の事例では、懲戒解雇の意思表示の中に普通解雇の意思表示が包含されていると判断されましたが、本来、普通解雇と懲戒解雇は、全く異なる根拠で行われるものなので、懲戒解雇の意思表示をしていたとしても、必ずしも普通解雇の意思表示をしたことにはなりません。

そのため、後の事例のように、懲戒解雇の意思表示をしていたとしても、普通解雇の意思表示は別途行っておくことが肝要です。

 

▶️参考:懲戒解雇は普通解雇とセットで実施すべき理由について詳しくは、以下の「懲戒解雇は普通解雇とセットで実施すべき!事例と注意点を弁護士が解説!」の動画で解説していますので、併せてご覧ください。

 

 

懲戒処分による解雇も、職員の労働者としての立場を奪うものであり、その判断は慎重に行われることが必要です。

 

6−5.協調性がない職員へのやってはいけない対応・注意点

協調性がない職員は、能力が高い場合も少なくなく、事業所側の注意指導や懲戒処分に反論してくる可能性もあるため慎重で適切な対応が求められます。

協調性がない職員に注意する際は、次のような点に注意して行います。

 

(1)感情的にならず、人格を否定するような注意指導は避ける

協調性がない職員は注意指導を素直に受け入れないケースが多く、注意指導する側も感情的になってしまう場合が多くあります。注意指導する場合は、当該職員のどの言動が協調性がなく、職場環境に悪影響を与えているかを客観的に伝え、今後の改善策を提案するなど冷静な対応をとります。

当該職員の素直ではない態度に感情的になり、人格否定ともとれる指導は、後々、「パワハラがあった」「適切な注意指導が行われていない」などと反論され、懲戒処分などを行った際に「手続きが不当」と訴えられかねません。

 

(2)大勢の前で注意指導しない

協調性がない職員はプライドが高い場合も多く、大勢の前での注意指導は当該職員が指導内容自体ではなく、状況に反発する可能性があり、逆効果です。また、前述の注意点同様「パワハラ」と訴えられる可能性もあるため、注意が必要です。

 

(3)問題行動を見過ごさない

協調性がない言動は、その性格や特性によることも多く、当該職員もその言動が職場や他の職員に悪影響であることに気が付いていない場合もあります。問題行動に気が付いた場合は、適切なタイミングで注意指導を行い、見過ごさないようにしましょう。

注意指導をする際は、前述の3点に注意し、直接、口頭でする場合には録音や録画をするなどして、後から「手続きが不当」であったと訴えられないように注意します。また、書面で行う場合も、ただ書面を発行するだけではなく、口頭での説明を付け加えるなど、丁寧な指導を心掛けましょう。

 

7.協調性がない人を放置するリスクとは?

協調性がない職員を放置した場合、職場の人間関係のトラブルが増え、職場の士気が下がって職場環境が悪化するだけでなく、業務効率や生産性も下がります。また、事業所が協調性がない職員への対応を怠ると、他の職員が当該職員の業務フォローや注意指導に追われ、通常業務を行うことができず、他の職員のメンタルヘルス問題や、優秀な職員の離職に繋がりかねません。

具体的なリスクについて、次に説明します。

 

7−1.他の社員の不満が高まり、士気や生産性が低下する

協調性がない職員は、上司の指示に従わなかったり、反発するような場合も多く、仕事の進め方が独断的なため、業務上必要な情報共有ができずにミスや確認漏れなどのリスクに繋がります。特に、介護事業所など、利用者の身体や生命を預かる業務の場合、情報共有や職員同士のコミュニケーションの希薄さが、大きな事故に繋がりかねず、通常の業務だけでなく、クレーム処理に追われるなど、他の職員の不満が高まります。

また、注意指導が行われない場合「どのような業務態度でも咎められない」など、職場の規律が緩み、職場の士気が下がり、業務効率が落ちます。

 

7−2.人間関係のトラブルが増え、職場環境が悪化する

協調性がない職員は、コミュニケーションの取り方に自信がなく、コミュニケーションが希薄になりやすいため、情報共有が難しく、職場の人間関係のトラブルだけではなく、業務ミスや業務停滞に繋がります。

介護事業所では、職員間の業務連絡のためのコミュニケーションだけでなく、利用者とコミュニケーションをとるなかで体調管理や今後のケアの方針を決めるなど、職員と利用者間のコミュニケーションは非常に重要です。協調性がなく、スムーズなコミュニケーションをとることが難しい職員がいることで、利用者の要望がかなえられず、クレームに繋がることも少なくありません。

 

7−3.他の社員が離職する原因になる

協調性がない職員は、他者の気持ちに配慮することが難しかったり、自分の業務方針を変更することができない人も多く、協力して、業務を遂行することができません。

介護事業所では、グループで一人の利用者のケアをすることも多く、情報共有や意思の疎通が難しい職員がいる場合、周りの職員の精神的負担が増し、優秀な職員のメンタルヘルスの悪化や離職に繋がる可能性があります。

 

8.弁護士法人かなめの弁護士が協調性がない問題職員の対応をサポートした事例

ここでは、実際に弁護士法人かなめの弁護士が、介護事業所で発生した協調性がない問題職員トラブルに関しての対応をサポートした解決事例をご紹介します。

 

8−1.事案の概要

ある介護事業所の管理者より、総務の事務を担当している職員Aが、他の職員と円滑なコミュニケーションを取れず、他の職員から「Aと話すのが怖くて、わからないことがあっても聞くことができず、手続きが滞ってしまう」「Aから手続きに不備があると言われ、謝罪をしたら「謝ってすむ問題ではない」「何度言っても同じミスをする、社会人としてどうか」など、メールや電話で激しく叱責された」と相談を受けている、この職員Aへの対応をどうすればいいかとの相談を受けた。

弁護士法人かなめでは、職員Aの対応について、以下の流れで対応することをアドバイスをした。

 

  • 書面による明確な注意指導
  • 面談による注意指導及び退職勧奨

 

書面による注意指導をし、面談時にはその書面をもとに改めて注意指導しながら、退職勧奨をした結果、何度かの面談を経て、職員Aは自主退職するに至った。

 

8−2.事例のポイント

この事例では、相談当時、職員Aは当該介護事業所の中でも勤務歴が長く、他の職員はもちろん、管理者でさえ十分に注意指導ができていない状況がありました。実際、職員Aは、管理者に対してさえ反論をしたり、業務命令に従わない態度を見せている状況でした。

そのため、まずは明確に注意指導をする、というスタンスをはっきりさせるため、書面での注意指導をした上、長年の管理者との関係性(長い間介護事業所を支えてきた職員の1人であること)を踏まえ、粘り強い面談を重ねていきました。

これにより、職員Aも、今回の注意指導がこれまでの曖昧なものとは異なることや、自分の立場を明確に認識し、自主退職に至りました。その後、職員Aからは、特段の労務上の訴えもなく、円満に退職手続きが完了しました。

 

▶参考:介護業界に特化した弁護士法人かなめの協調性がない問題職員の対応サポートについてはこちら

 

 

9.協調性がない問題職員の対応は早い段階から弁護士に相談すべき理由

協調性がない職員がいる事業所では、健全な職場環境を維持することができず、安定した業務遂行が難しくなり、通常の業務を継続させるだけでも精一杯で、当該職員への対応まで丁寧に行うことが難しいことがほとんどです。

一方で、協調性がない職員への対応は、職場環境の整備や適切な注意指導など、初歩の段階から、丁寧に行わなければ「きちんと指導されなかった」「不当な取扱いを受けた」などと訴えられかねません。

協調性がない職員に対し、適切な対応をするためには、協調性がない職員を生まないよう日常的な業務指導が必要であり、万が一、当該職員への懲戒処分を検討するにあたり、正しいプロセスを踏むことが重要になりますので、すぐに相談ができる労働問題に強い弁護士、そして介護業界に明るい弁護士がいることは、どの事業所にとっても心強いものです。

また、懲戒処分に至る前の注意指導段階から弁護士へ相談することで、協調性がない職員に適正に業務指導を行うことはもちろんのこと、今後の懲戒処分への対応が必要になることも見据えて必要な証拠を揃えていくことが可能です。

事業所として対応に苦慮する状況にならないよう、取るべき手段がまだ数多く残されているうちに、介護業界の現場に精通した労働問題に詳しい弁護士に相談することを心がけましょう。

 

10.協調性がない人を生まない職場作りの対策について

協調性がない職員を生まない職場作りには、チームワークの重要性や業務に関する情報の共有の必要性を指導することが重要ですが、事業所側がある程度、職場環境を整え、協調性がない職員が生まれないようにすることも重要です。

 

具体的には、

  • 業務内容や手順について、具体的に明文化する
  • 個々の評価だけでなく、チーム全体の評価も行う
  • 上下関係があるなかでも、意見を言える環境を整える
  • 個々の特性を見極め、配置や異動などを行う
  • 協調性のない態度が発現した場合、早期に注意指導する

など、職場全体での環境の整備に取り組むことが重要です。

 

11.協調性がない職員の対応を弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、今回の記事で取り上げた協調性がない職員の対応について、問題解決までの適切なプロセスから処分後のトラブルの対応まで、以下のような充実したサポートを行っております。

 

  • 1.協調性がない職員への対応の後方支援
  • 2.協調性がない職員に対する窓口対応
  • 3.介護事業者の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

11−1.協調性がない職員への対応の後方支援

協調性の欠如については、職員の他の問題行動よりも客観的な評価が難しく、懲戒処分をした際に対応が適切ではなかった場合、当該職員から「不当な処分を受けた」「懲戒処分に至る手続きが適切ではなかった」などと訴えられる可能性があります。

そのため、協調性がない職員に懲戒処分をする際には慎重な判断と対応が必要です。

一方で、協調性がない職員の存在は、健全な職場環境に悪影響を及ぼし、他の職員の業務負担だけでなく心的負担も増大するため、早急な対応が必要になります。また、通常の業務と並行して、協調性のない職員へ注意指導を繰り返すことは、注意指導を行う職員にとっても時間的にも精神的にも非常に大変な業務です。

そのうえ、注意指導を行ったにもかかわらず、状況が改善されない場合は、懲戒処分の検討や退職勧奨、解雇を行うことも考えられます。懲戒処分や退職勧奨、解雇は客観的証拠がきちんとそろっているか、これまで適切なプロセスを踏んで対応して来たか、など総合的な観点から慎重に判断をしなければなりません。

弁護士法人かなめでは、職場の状況の確認や注意指導の際のサポートから、懲戒処分や退職勧奨などの問題解決までの適切なプロセスを踏んだ対応、また、懲戒処分後に法的手続きが取られた場合、代理人として対応することにより、事業所の皆さんの心理的、物理的な負担を軽減することができます。

協調性がない職員への適切な対応や、懲戒処分などの手続に関するサポートやアドバイスなどを行っておりますので、ご相談ください。

 

11−2.協調性がない職員に対する窓口対応

弁護士法人かなめでは、事業所の皆さんでは対応が難しくなった職員に対して、事業所の代理人として窓口となり、対応することが可能です。

協調性がない職員への対応に疲弊してしまい、事業所運営に支障をきたすような状態とならないための対策や、対応に苦慮する場合には、介護業界、労働分野に精通した弁護士が窓口となり、事業所に寄り添いながら、当該職員の解雇に向けたプロセスを実施します。

 

11−3.介護事業者の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「11−1.協調性がない職員への対応の後方支援」や「11-2.協調性がない職員に対する窓口対応」のサービスなど介護事業者の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。そして、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。直接弁護士に相談できることで、事業所内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参考:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

また以下の記事、動画でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参考:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

▶︎参考:【介護事業者の方、必見】チャットで弁護士と繋がろう!介護保育事業の現場責任者がすぐに弁護士に相談できる「かなめねっと」の紹介動画

 

 

【弁護士 畑山浩俊からのコメント】

 

弁護士法人かなめでは、顧問先様を対象に、懲戒処分の手続をはじめとして退職勧奨など、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する「かなめゼミ」を不定期に開催しています。
研究会の中では、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをすることで、事業所に戻ってすぐに使える知識を提供しています。

 

 

弁護士法人かなめには、介護業界や労働問題の分野に精通した弁護士が所属しており、丁寧なアドバイスと適切なサポートを行うことで、介護事業所の皆様の問題解決までの負担等を軽減させることができます。現在、協調性のない職員など問題職員への対応についてお悩みの事業所の方は、早い段階でお問い合わせ下さい。

 

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11−5.弁護士費用

 

(1)顧問料

  • 顧問料:月額8万円(消費税別)から

※職員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、以下のお問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

また、顧問弁護士サービス以外に弁護士法人かなめの弁護士へのスポットの法律相談料は、以下の通りです。

 

 (2)法律相談料

  • 1回目:3万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.Zoom面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方か らのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

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12.まとめ

この記事では、協調性のない職員について、具体的な特徴や職場に与える影響、具体的な対処法などを紹介しました。また、協調性がないことを理由とした解雇までのプロセスや、解雇以外にも退職勧奨や懲戒処分など、職場環境の整備のために必要な手続きについてもご紹介しました。

協調性がない職員がいる職場では、事業所の正常な運営が停滞するだけではなく、職員間や利用者とのコミュニケーションの不足により、利用者の身体や命にかかわる重大事故に繋がりかねません。また、重大事故やクレームなどの通常業務以外の対応に追われ、周りの職員が疲弊し、メンタルヘルスや離職につながる可能性もあるため、協調性のない職員を生まない職場作りや協調性のない職員への適切な注意指導、場合によっては懲戒処分をするなど、適切な対応が必要です。

この記事を参考にすることで、協調性がない職員に対する適切な対応をすることができ、事業所の正常な運営を確保することができます。一方で、事業所主導の注意指導や適切なプロセスを経て客観的な証拠を収集するなどの対応は難しいのも事実です。協調性のない職員への対応に不安がある場合は、専門家である弁護士に早期に相談し意見を仰ぐことをおすすめします。

介護業界に特化した弁護士法人かなめでは、協調性がない職員の対応など、さまざまな問題職員対応に関するご相談に対応してきた実績があります。迅速で的確なアドバイスをするだけでなく、懲戒処分・退職勧奨・解雇後に法的手続きが取られた場合などの代理人としての対応サポートも行っています。協調性がない職員への対応だけでなく、問題職員の対応にお困りの場合は、弁護士法人かなめまでご相談ください。

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弁護士法人かなめが運営している社会福祉法人・協会団体・自治体向けの介護特化型弁護士による研修講師サービス「かなめ研修講師サービス」です。顧問弁護士として、全国の介護事業所の顧問サポートによる豊富な実績と経験から実践的な現場主義の研修を実現します。

社会福祉法人の研修担当者様へは、「職員の指導、教育によるスキルアップ」「職員の悩みや職場の問題点の洗い出し」「コンプライアンスを強化したい」「組織内での意識の共有」などの目的として、協会団体・自治体の研修担当者様へは、「介護業界のコンプライアンス教育の実施」「介護業界のトレンド、最新事例など知識の共有をしたい」「各団体の所属法人に対して高品質な研修サービスを提供したい」などの目的として最適なサービスです。

主な研修テーマは、「カスタマーハラスメント研修」「各種ハラスメント研修」「高齢者虐待に関する研修」「BCP(事業継続計画)研修」「介護事故に関する研修」「運営指導(実地指導)に関する研修」「各種ヒヤリハット研修」「メンタルヘルスに関する研修」をはじめ、「課題に応じたオリジナル研修」まで、介護事業所が直面する様々な企業法務の問題についてのテーマに対応しております。会場またはオンラインでの研修にご対応しており、全国の社会福祉法人様をはじめ、協会団体・自治体様からご依頼いただいております。

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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