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運営指導(実地指導)とは?当日の流れ・必要書類・事前対策を弁護士が解説

実地指導とは?当日の流れ・必要書類・事前対策など介護業界に強い弁護士が解説
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「実地指導のお知らせが来たけど、何かうちの事業所の運営に問題があったのでしょうか?」

顧問先の介護事業所から、そのような相談を受けることが年に何度かあります。

実地指導は、行政の担当者が事業所を直接訪れ、適正な介護保険サービスが運営されているかどうかについて調査するものであり、多くの介護事業所に緊張が走る瞬間ではないかと思います。

実地指導で介護保険法や指定基準上の違反が発覚すれば、監査へ発展し、指定の効力に影響する行政処分がされたり、受領していた介護報酬の返還を求められることもあり得ます。

とはいうものの、実地指導自体はどの事業所にも平等に実施されるものであり、決して事業所の不正を暴くことを目的とした手続きではありません。

むしろ、実地指導の機会を、適正な事業所運営ができているかを見直す場と捉え、前向きに捉えながら、対応をしていくことが重要となります。

この記事では、実地指導とはどのような根拠に基づいて行われるどのような手続きであるかの基礎知識の他、監査との違いや実際の統計、実地指導の流れ、開始までの具体的な準備から当日の対応方法、実地指導後の対応方法などを詳しく解説します。

また、違反が発見された場合、どのようなペナルティや効果があるか、また専門家に相談することのメリットなども解説しますので、これらを踏まえて、実地指導をスムーズに乗り切るための事前対策もできるようになります。

実地指導対策を通して、適正な事業所運営を目指していきましょう。

 

【あわせて読みたい関連情報】実地指導で介護保険法や指定基準上の違反が発覚した場合の関連情報として、以下の行政処分や行政指導について詳しく解説した参考記事も併せてご覧ください。

▶参考記事:介護事業所が受ける行政処分・行政指導の内容や対応方法を事例付きで解説

 

 

1.実地指導とは?その意味や対象介護サービスについて

実地指導とは、法目的の実現のために、都道府県等の担当者が介護サービス事業所へ出向き、適正な事業運営が行われているか確認するものです。

行政が行う指導には、大きくは集団指導と実地指導があり、集団指導は、指定申請先となる管轄行政が実施し、介護事業所を1箇所に集めて開催するものです。

一方、実地指導は、個別の介護サービス事業所において行われる点に特色があります。

実地指導の頻度については、事業所の指定有効期間に最低でも 1 回以上は実施することを基本としていることから、すべての事業所において、定期的に実施されるものとなります。

 

1−1.実地指導の対象となる介護サービス

実地指導の対象となる介護サービスは、介護保険給付に係る介護サービスです。

具体的には、居宅サービス、地域密着型サービス、居宅介護支援、施設サービス、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス、介護予防支援などを指します。

 

2.根拠について

まずは、実地指導の根拠法令を確認しましょう。

 

2−1.根拠法令

実地指導の根拠となっているのは、介護保険法23条と24条です。

まず、介護保険法23条は、市町村に対して、保険給付に関して必要があると認めるときに、「文書その他の物件の提出若しくは提示を求め、若しくは依頼し、又は当該職員に質問若しくは照会をさせる」ことを認めています。

次に、介護保険法24条は、厚生労働大臣又は都道府県知事に対して、介護給付等に関して必要があると認めるときに、介護サービス事業者が行った居宅サービス等に関し、「報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させる」ことを認めています。

このような文書や物件の提出を求めたり、質問や照会をすることが実地指導の内容となります。

 

▶︎参照:介護保険法の条文

 

(文書の提出等)

第23条 市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者若しくは当該保険給付に係る居宅サービス等(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)、施設サービス、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)若しくは介護予防支援(これに相当するサービスを含む。)をいう。以下同じ。)を担当する者若しくは保険給付に係る第四十五条第一項に規定する住宅改修を行う者又はこれらの者であった者(第二十四条の二第一項第一号において「照会等対象者」という。)に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を求め、若しくは依頼し、又は当該職員に質問若しくは照会をさせることができる。

 

(帳簿書類の提示等)

第24条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、介護給付等(居宅介護住宅改修費の支給及び介護予防住宅改修費の支給を除く。次項及び第二百八条において同じ。)に関して必要があると認めるときは、居宅サービス等を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った居宅サービス等に関し、報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、介護給付等を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該介護給付等に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

3 前二項の規定による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 

・参照元:「介護保険法」の条文はこちら

 

2−2.2019年の改正

2019年に、実地指導の標準化・効率化及び指導時の文書削減を図り、実地指導の実施率を 高める観点から、「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」が定められました。

具体的には、以下のような点について定められています。

 

  • ① 実地指導の標準確認項目等
  • ② 実地指導の所要時間の短縮
  • ③ 実地指導の頻度
  • ④ 同一所在地等の実地指導の同時実施
  • ⑤ 関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
  • ⑥ 運用の標準化
  • ⑦ 実地指導における文書の効率的活用

 

注目すべき点としては、留意事項として、行政の職員に対して以下のような指摘がされていることです。

 

  •  実地指導にあたっては、担当職員の主観に基づく指導や、当該事業所に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意すること。
  •  個々の指導内容については具体的な状況や理由を良く聴取し、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行うこと。
  •  高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導やより良いケア等を促す助言等について、事業者との共通認識が得られるよう留意すること。

 

これは、これまでの実地指導において、行政の職員による高圧的な態度や、主観に基づく一方的な指導が横行していたことを暗に示唆しており、それを明示的に排除しようとするものと考えられます。

また、ここで定められた標準確認項目等では、各事業における人員、設備、運営面で各標準確認項目を定め、さらにそれらを確認するための具体的な文書が紹介されています。

詳しくは、以下の資料をご覧ください。

 

▶︎参照:介護保険最新情報Vol.730「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」(PDF)

 

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】
今後、実地指導のオンライン対応が容認される可能性があります。

 

もし、オンライン対応が容認されると、行政担当者が現地に直接赴く必要は無くなるので、実地指導の頻度が増える可能性もあります。

 

今後の動向が注目されます。

 

▶︎参照:厚生労働省「資料 介護分野の文書に係る負担軽減について[PDF形式:5.0MB]」(参照:29ページ)

 

 

3.目的について

実地指導の最大の目的は、高齢者の尊厳を保持し良質なケアが提供される体制を継続させること及び高齢者への虐待を防止することにより、介護保険制度への信頼性を維持し、制度の持続可能性を高めることにあります。

「良質なケアが提供される体制を継続させること」は、サービスの利用者、社会はもちろん、介護事業者自身にとって非常に重要な課題です。

つまり、実地指導は、「VS行政」ではなく、行政との協力関係の下、介護保険制度、介護保険サービスの健全な継続のための営みなのです。

 

4.実地指導の内容

実地指導の内容

実地指導の主な内容は、運営指導と報酬請求指導です。

 

4−1.運営指導

運営指導は、高齢者虐待防止、身体拘束禁止等の観点から、虐待や身体拘束に係る行為及びそれらが与える影響についての理解、防止のための取り組みの促進について指導するものです。

ここでとりあげている高齢者虐待や身体拘束とはどのような行為を指すのか?など、これらに関する具体的な解説は以下の記事をご参照ください。

 

▶参照:介護現場の高齢者虐待!発生原因や適切な対応方法・防止策まで詳しく解説

▶参照:身体拘束とは?行為の種類や判断基準の三原則、介護現場での実施方法

 

 

加えて、 利用者毎のニーズに応じたケアプランの作成からケアプランに基づくサービス提供、計画の見直しまでを含む一連のケアマネジメントプロセス(以下、「一連のケアマネジメントプロセス」という。)の重要性について理解を求めるためのヒアリングを行い、生活支援のため のアセスメントとケアプランの作成等が適切に行われ、個別ケアの推進について、「運営指導マニュアル」を用いて運営上の指導を実施します。

運営指導マニュアルは、以下をご覧下さい。

 

▶参照:介護保険最新情報Vol.145「厚生労働省老健局総務課介護保険指導室」(PDF)

 

 

4−2.報酬請求指導

報酬請求指導は、各種加算等について、

 

  • 報酬基準に基づいた実施体制の確保
  •  一連のケアマネジメントプロセスに基づいたサービス提供
  •  多職種との協働によるサービス提供の実施

 

等の基本的な考え方や基準に定められた算定条件に基づいた運営及び請求が適切に実施されているか、ヒアリングにより確認し、不適正な請求の防止とよりよいケアへの質の向上を目的とする指導を「報酬請求指導マニュアル」を用いて実施するものです。

各種加算等の報酬請求指導の実施に当たっては、自己点検シートを事前に事業者等に送付し、事業者等が自己点検を行うことにより、加算等に必要とされる報酬基準上の体制や実施内容が十分理解されるとともに、 適切なサービスが確保されるよう指導します。

報酬請求指導マニュアルは、以下をご覧下さい。

 

▶参照:介護保険最新情報Vol.145「厚生労働省老健局総務課介護保険指導室」(PDF)

 

 

また、自己点検シートについては、以下のページもご覧下さい。

 

▶参照:厚生労働省「介護保険施設等実地指導マニュアルについて」

 

 

5.実地指導で引っかかり違反が見つかるとどうなる?

実地指導で引っかかり違反が見つかるとどうなる?

以下では、実地指導で引っかかり違反が見つかった場合、どのような手続きが取られるかについて説明します。

 

5−1.指導

実地指導の中で何らかの違反が発見されたとき、その場で行われるのが事実上の指導です。

例えば、勧告には至らない程度の軽微な瑕疵であったり、必ずしも介護保険法や指定基準等に違反していないものの、その方法が不適切であった場合、既に改善がされようとしている場合などに、口頭でその改善を指導されたり、口頭で指導したことを確認するために、後日書面が交付されたりすることがあります。

この指導は、事業所運営にとって非常に重要な指摘ですが、これによって、改善報告等の義務が発生するものではありません。なお、中には書面指導として、指導内容を記載の上、改善や報告期限と共に改善を求められる場合もあります。

このような指導に従わない場合には、違反の内容によっては、改善勧告以下の手続に進むことになります。

 

5−2.改善勧告

実地指導の結果、指定の際に付した条件に反していたり、運営基準を満たさなくなっているような場合、期限を定めて是正を勧告されることがあります。

各事業類型によって条文の記載は異なりますが、具体的には、それぞれ以下のような措置を取るべきことを勧告されます。

 

改善勧告の参考例

当該指定を行うに当たって付された条件に従わない場合 当該条件に従うこと。

(ただし、指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定介護予防サービス事業者、指定介護予防支援事業者のみ)

指定基準または条例に定める人員基準を満たしていない場合 当該都道府県の条例で定める基準又は当該都道府県の条例で定める員数を満たすこと。
指定基準に従った事業運営ができていない場合 当該指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定居宅サービスの事業の運営をすること。
事業の廃止又は休止の届出をした際に必要な引継ぎ(便宜の提供)が行われていない場合 当該便宜の提供を適正に行うこと。

 

根拠法令は、各事業によって以下の通りです。

 

根拠法令について

指定居宅サービス事業者 介護保険法76条1項各号
指定地域密着型サービス事業者 介護保険法78条の9、1項各号
指定居宅介護支援事業者 介護保険法83条の2、1項各号
指定介護老人福祉施設 介護保険法91条の2、1項各号
介護老人保健施設 介護保険法103条1項各号
介護医療院 介護保険法114条の5、1項各号
指定介護予防サービス事業者 介護保険法115条の8、1項各号
指定地域密着型介護予防サービス 介護保険法115条の18、1項各号
指定介護予防支援事業者 介護保険法115条の28、1項各号

 

▶参照:「介護保険法」の条文

 

 

また、都道府県知事は、勧告をした場合において、その勧告を受けた介護事業所が期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができます。

これは、勧告について定める各事業類型に関する上記の条文の、いずれも2項に規定されています。

公表は、地方公共団体のホームページ等に、事業所の名称、場所、改善命令の内容等を掲載する方法で行います。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

5−1」の書面指導と、「5−2」の改善勧告は、一見すると違いが分かりづらいですが、見分け方としては、指導票に根拠条文が記載されているかどうかがもっともわかりやすいと思います。

 

単なる書面指導は、介護保険法上の手続きではありませんが、改善勧告は説明したように介護保険法上の手続きであり、従わなかった場合のペナルティも存在します。

 

そして、もしどうしても指導票を見てもどちらであるかが判然としない場合、直接行政の担当者に確認するようにしてください。

 

もちろん、どちらの場合であっても、真摯に是正改善を行う必要はありますが、その後の手続きや流れが変わることがありますので、しっかりと確認するようにしましょう。

 

 

5−3.改善命令

都道府県知事は、勧告を受けた介護事業所が、正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該介護事業所に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができます。

これは、勧告について定める各事業類型に関する上記の条文の、いずれも3項に規定されています。

改善命令が出された場合、改善勧告の場合と異なり、必ず公示されます。

これは、勧告について定める各事業類型に関する上記の条文の、いずれも4項に規定されています。

 

5−4.指定の効力の停止・指定取消し

介護事業所は、都道府県知事から指定を受けて介護保険法上の介護事業を行っています。

つまり、この指定がなくなってしまったり、効力が停止してしまうと、介護事業所は介護保険法上の介護事業を営むことができなくなります。

そのため、指定取消しは介護事業所にとって最も重い処分です。さらに、指定の効力の全部または一部停止も、指定取消しに次ぐ非常に重い処分となります。

具体的には、実地指導の結果、以下などの事情が判明した場合に、その程度に応じて、指定の取り消しや、指定の効力の全部または一部停止が行われます。

 

  • 指定事業者の指定禁止事項に該当するに至った
  • 指定にあたって定めた条件に違反した
  • 運営基準をみたさなくなった

 

根拠法令は、各事業によって以下の通りです。

 

根拠法令について

指定居宅サービス事業者 介護保険法77条1項各号
指定地域密着型サービス事業者 介護保険法78条の10、1項各号
指定居宅介護支援事業者 介護保険法84条1項各号
指定介護老人福祉施設 介護保険法92条1項各号
介護老人保健施設 介護保険法104条1項各号
介護医療院 介護保険法114条の6、1項各号
指定介護予防サービス事業者 介護保険法115条の9、1項各号
指定地域密着型介護予防サービス 介護保険法115条の19、1項各号
指定介護予防支援事業者 介護保険法115条の29、1項各号

 

指定の取消しと、指定の効力の一部停止との大きな違いは、処分後に改めて介護事業を始めたいと考えた場合に、指定の再申請が必要かどうかです。

指定の取消しは、当然のことながら、指定が取り消されてしまう以上、改めて指定を申請する必要があります。一方、指定の効力停止の場合は、停止の期間が経過すれば、事業を再開することができます。

また、指定の効力の停止には、一定期間、指定事業者としての事業活動の全部が制限される全部停止と、特定の事業活動が制限される一部停止があります。

一部停止の例としては、一定期間、新規の利用者の受入れ停止などが考えられます。

指定の効力の停止・指定取消しに関しては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参照:介護事業の指定取消し・指定の効力停止!処分内容や影響、争う方法を徹底解説

 

 

5−5.介護報酬の返還、加算金

実地指導の結果、事業者が偽りその他不正の行為によって保険給付を受けていたことや報酬請求の要件を欠いていたことが判明した場合には、市町村は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができます。

これに加え、当該偽りその他不正の行為によって受けた保険給付が

 

  • 特定入所者介護サービス費の支給
  • 特例特定入所者介護サービス費の支給
  • 特定入所者介護予防サービス費の支給
  • 特例特定入所者介護予防サービス費の支給

 

であるときは、市町村は、厚生労働大臣の定める基準により、その者から当該偽りその他不正の行為によって支給を受けた額の100分の200に相当する額以下の金額を徴収できます(介護保険法22条1項)。

さらに、これらの市町村は、

 

  • 指定居宅サービス事業者
  • 指定地域密着型サービス事業者
  • 指定居宅介護支援事業者
  • 介護保険施設
  • 指定介護予防サービス事業者
  • 指定地域密着型介護予防サービス事業者
  • 指定介護予防支援事業者

 

が、偽りその他不正の行為により市町村から法定代理受領サービスの実施によって介護給付支払を受けたときは、当該指定居宅サービス事業者等から、その支払った額につき返還させるべき額を徴収するほか、その返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を徴収することができます(介護保険法22条3項)。

具体的なケースとしては、介護報酬を請求する基礎となっている介護サービスの提供が書類上認められない場合や、加算を受けているにもかかわらず、加算の要件を充足していないことがわかった場合などに、返還や加算金の問題が生じ得ます。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

返還が発生する場面では、行政から事前に自主返還について指導がされることがあります。

 

これは、市町村から返還を求められる前に、実地指導等で指摘された内容を前提として、介護事業所の方で返還金を計算し、自主的に介護報酬を貰いすぎていたことになる点等を是正する方法です。

 

自主返還をすることのメリットとしては、自主的に介護報酬の返還をすることで、積極的に運営状況を是正しようとする事業所として、指導の後に行われる行政処分を免れることができる可能性が高くなることが挙げられる反面、デメリットとしては、事業所の側で、不備があった部分を点検し、介護報酬の計算をし直さなければならないことで、非常に手間と時間がかかることが挙げられます。

 

指摘される内容が、明らかに事業所側のミスによるものであれば、自主返還も検討すべきですが、指摘内容が腑に落ちない場合や、根拠がはっきりしない場合には、自主返還には慎重になる必要があります。

 

行政から自主返還が求められた場合には、まずは弁護士に相談をするようにしましょう。

 

 

6.統計情報

この段落では、実施指導に関する統計データをはじめ、実際に実施された結果についてや、またコロナ禍での実地指導についてをご紹介します。

 

6−1.実地指導の件数

実地指導は各都道府県で行われることから、件数の統計は都道府県ごとの統計になります。

例えば、東京都では、令和元年度の実地指導の対象となる施設としては、

 

  • 介護保険施設が452件
  • 高齢者施設等(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅であり、特定施設入居者生活介護(介護予防を含む。)を含んだ数)が1310件
  • 介護保険在宅サービス(福祉系)が1万3723件
  • 介護保険在宅サービス事業(医療系)が3572件

 

であるのに対し、実際に実地指導を行った件数は、以下の通りでした。

 

  • 介護保険施設では167件(実施率36.9%)
  • 高齢者施設等では230件(実施率17.6%)
  • 介護保険在宅サービス(福祉系)が803件(5.9%)
  • 介護保険在宅サービス事業(医療系)が418件(11.7%)

 

▶︎参照:東京都福祉保健局指導監査部「令和元年度指導検査報告書」(PDF)

 

 

一方、令和2年度の実地指導の対象となる施設としては、

 

  • 介護保険施設が481件
  • 高齢者施設等(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅であり、特定施設入居者生活介護(介護予防を含む。)を含んだ数)が1373件
  • 介護保険在宅サービス(福祉系)が1万3503件
  • 介護保険在宅サービス事業(医療系)が3507件

 

であるのに対し、実際に実地指導を行った件数は、以下の通りでした。

 

  • 介護保険施設では0件(実施率なし)
  • 高齢者施設等では22件(実施率1.6%)
  • 介護保険在宅サービス(福祉系)が77件(0.6%)
  • 介護保険在宅サービス事業(医療系)が58件(1.7%)

 

▶︎参照:東京都福祉保健局「指導検査報告書」

 

 

6−2.実地指導の結果

令和元年度の東京都の例を見ると、実地指導(監査を含む)による介護報酬の返還金等の額は、全事業所含めて、合計で金5139万2759円(141件の事業所)でした。

また、令和2年度では、実地指導の件数自体の少なさもあり、介護報酬の返還金等の額は、全事業所含めて、合計で金28万2878円(15件の事業所)でした。

その他、各事業類型における具体的な指導内容については、以下のページをあわせてご覧下さい。

 

▶︎参照:東京都福祉保健局指導監査部「令和元年度指導検査報告書」(PDF)

▶︎参照:東京都福祉保健局「指導検査報告書」

 

 

6−3.新型コロナウイルス感染症下での実地指導

新型コロナウイルス感染症は、高齢者の身体、生命に大きな危険を及ぼします。そのため、どの地方公共団体でも、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症のまん延状況を踏まえ、十分な感染防止対策を前提として、利用者の安全安心を確保しつつ指導検査を実施しまし た。

具体的には、 実地検査に当たっては、

 

  • 検査員の検温、健康観察
  • 検査時のマスク着用、手指消毒の徹底
  • 検査員の人数抑制、検査時間の短縮
  • 検査会場スペースの確保及び換気等の協力依頼

 

などを行い、さらには一部の種別に対しては、実地指導に代えて、書面による運営状況等の確認を行いました。

このような状況から、一部の施設等への指導検査は中止または延期とし、例年と同規模の検査を実施しない自治体がほとんどでした。

実際に、「6−1.実地指導の件数」で例に挙げた東京都では、令和元年度と令和2年度を比較するとわかるように、実施率は著しく低下し、介護老人保健施設については新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、実地指導は行わず、4件の書面指導に止めています。

 

▶︎参照:東京都福祉保健局「指導検査報告書」

 

 

7.実地指導と監査は何が違う?

行政から通知が来たとき、それが実地指導なのか、監査なのかについて、一見してわからないこともあります。

以下では、実地指導と監査の違いについて解説します。

 

7−1.根拠法令

監査は、介護保険法70条以下で、各事業類型毎に「報告等」として定められています。

具体的には、都道府県知事又は市町村長が、介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、各事業者等に対して、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、介護サービス事業者の従業者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該介護サービス事業者の当該指定に係る事業所、事務所その他介護サービスの事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる旨が規定されています。

根拠法令は、各事業によって以下の通りです。

 

根拠法令について

指定居宅サービス事業者 介護保険法76条
指定地域密着型サービス事業者 介護保険法78条の7
指定居宅介護支援事業者 介護保険法83条
指定介護老人福祉施設 介護保険法90条
介護老人保健施設 介護保険法100条
介護医療院 介護保険法114条の2
指定介護予防サービス事業者 介護保険法115条の7
指定地域密着型介護予防サービス 介護保険法115条の17
指定介護予防支援事業者 介護保険法115条の27

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

実地指導と監査を見分ける方法でもっともわかりやすいのは、この根拠条文を確認することです。

 

以下で説明するように、監査の場合は事前通知がないことがほとんどなのですが、仮に事前通知があった場合には、明確に、実地指導とは異なる根拠条文が記載されています。

 

また、実地指導の場合であっても、まれに事前通知がされないことがあります。

 

そのため、事前通知なく事業所に行政の担当者が調査に現れた際には、中には、実地指導と監査の言葉を、正確に使い分けていない担当者がいることもあるため、必ずこの根拠条文を確認するようにしましょう。

 

 

7−2.実施の目的

実地指導が、事業者等が指定等の基準を遵守し、介護サービスを適切に提供し、 適正な介護報酬等請求を行うために行うものであるのに対し、監査は、入手した各種情報により人員、設備及び運営基準等の指定基準違反や不正請求が認められる場合、又はその疑いがあると認められる場合に実施されます。

 

▶参考:不正請求とは?以下の記事で事例や対処法について詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

介護報酬の不正請求を指摘されたら?事例をもとに発覚理由や対処法を解説

 

 

7−3.実施の端緒

監査の実施の端緒としては、例えば、以下があげられます。

 

  •  通報、苦情、相談等に基づく情報
  •  国保連、地域包括支援センター等へ寄せられる苦情
  •  国保連、保険者からの通報情報
  •  介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す事業者
  •  介護サービス情報の公表制度に係る報告の拒否等に関する情報

 

すなわち、原則としてどの事業所にもランダムに行われる実地指導とは異なり、少なくとも、何らかの具体的な人員、設備及び運営基準等の指定基準違反や不正請求の疑いがある場合に実施されることになります。

なお、実地指導の実施の中で、何らかの具体的な人員、設備及び運営基準等の指定基準違反や不正請求の疑いが発覚した場合には、実地指導から監査に切り替わることがあります。

 

7−4.実施の方法

実地指導と監査の最も大きな違いは、監査は原則として、事前予告がないことです。

そして、具体的な運営基準等の指定基準違反や不正請求の疑いに基づいて行われることから、調査内容もそれに応じて具体的であり、かつ、厳しいことが多いです。

事前準備が出来ない、という点で、心理的な圧迫感も強いですが、その場ですぐに回答出来ないことについては、明確な報告時期等を伝えた上で、確認を求め、後日報告をするようにしましょう。

 

監査については、以下の記事でさらに詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参考:介護事業所の監査は抜き打ち?引っかかるとどうなる?わかりやすく徹底解説

 

 

8.実地指導ではどんなことが指摘される?

実地指導で指摘される事項は多岐にわたり、各サービスによって特色もあります。

ここでは、どの事業所でも指摘されることの他、大きく居宅系サービスと施設系サービス(高齢者住宅を含む)に分けて、特に指摘されやすい指摘事項について解説します。

 

8−1.どの事業所でも指摘されること

事業類型にかかわらず、指摘される事項としては、介護報酬の算定に関するものが多いですが、その他にも以下のような点がよく指摘されています。

 

▶参考例:

  • 介護報酬の算定等について、誤り(不備)があるので、是正すること
  • 人員基準等を遵守した職員配置を行うこと
  • 秘密保持のために必要な措置を講じること
  • 勤務体制を確保すること
  • サービス計画を適切に作成すること
  • 変更した事項について速やかに届出を行うこと。
  • 掲示物が適切に掲示されていること。

 

8−2.居宅系サービス

居宅系サービスの場合は、ケアプランやこれに基づく具体的な計画、計画に基づく具体的なサービス提供などの整合性が、特に確認されています。

また、サービス内容の変更の際の手続など、杜撰になったり失念することの多い手続に関して、指摘がされることが多いです。

 

▶参考例:

  • 居宅サービス計画の内容に沿った計画を作成し、サービスを提供すること
  • 提供したサービスの具体的な内容等を適切に記録すること
  • アセスメントを適切に実施した上で計画の作成や変更を行うこと
  • 1か月に1回以上、モニタリングを実施し、その結果を記録すること
  • 担当者から専門的見地からの意見を求め、要点等について記録すること

 

8−3.施設系サービス

施設系サービスは、利用者を施設でお預かりすることから、利用者と接する時間が長く、生活が施設に依存することになります。

そのため、これに伴う身体拘束や財産管理、事故等への対策についての指摘が多いです。

 

▶参考例:

  • 資金の運用は適正に行うこと
  • 建物設備等の管理を適正に行うこと
  • 身体拘束等の適正化を図ること
  • 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会が3月に1回以上開催されていない。
  • 事故の発生及び再発を防止するため、必要な措置を講ずること
  • 災害対策を十分に行うこと
  • 事故報告を適正に行うこと
  • 入浴等に関し、適切な介護を行うこと

 

事故報告書の書き方や、身体拘束に関しては以下の記事も合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:事故報告は義務!介護事故報告書の書き方など作成方法を解説【書式付き】

▶︎参照:身体拘束とは?行為の種類や判断基準の三原則、介護現場での実施方法

 

 

8−4.実地指導での指導のポイント

実地指導については、「1−1.実地指導の対象となる介護サービス」で説明したとおり、2019年の実地指導の標準化・効率化等の運用指針の公表がされた際、標準確認項目と標準確認文書が指摘されています。

例えば、訪問介護事業所における人員基準の標準確認項目としては、訪問介護員等の員数に関し、

 

  • 利用者に対し、職員数は適切であるか
  • 必要な資格は有しているか

 

といった点が挙げられ、これを確認するための標準確認文書として、

 

  • 勤務実績表/タイムカ ード
  • 勤務体制一覧表
  • 従業員の資格証

 

が指摘されています。

この標準確認項目と標準確認文書を確認することで、実地指導においてどのようなことが確認され、そのためにどのような文書を準備しておけばよいかの参考になります。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶︎参照:介護保険最新情報Vol.730「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」(PDF)

 

 

9.実地指導までの準備・対策について

それでは、具体的な実地指導の準備や対策を見ていきましょう。

 

9−1.書類を準備しよう

実地指導での調査の内容の主たる部分は、事前に準備を求められる書類関係のチェックです。

まずは書類の準備について解説します。

 

(1)用意する書類は何年分?

まず、準備を求められる書類については、行政から通知される「お知らせ」を確認しましょう。

このお知らせには、事前に提出しておく書類や、実地指導の当日に確認する書類などが記載されており、具体的にいつの年度の書類を準備するかについても記載されています。

通常は、2年程度の期間の書類の提示を求められるのが一般的です。

もっとも、書類等の保管期間は、自治体によって2年から5年となっていることから、この保管期間に該当する書類については、いつでも提示できる状態にしておきましょう。

 

(2)しっかり「お知らせ」を確認しよう

このように、行政からの「お知らせ」には、実地指導の準備において必要な事項が全て書かれています。

そこで、まずはしっかりとお知らせを確認し、必要な書類を確認しましょう、

この時、もし記載されている書類の内容がわからない場合は、お知らせの中に担当部署や担当者名が記載されていますので、問い合わせをして確認しておきましょう。

なお、大阪府であれば、事前提出書類についてホームページでも公開されており、提出のための書式がダウンロードできるようになっています。

 

▶︎参照:大阪府「2 実地指導の「事前提出書類」の提出について」

 

 

(3)必要書類がない?!書類の偽造は絶対N G

事前提出書類を準備している中で、書類の不備が発覚した場合、一番やってはいけないことは、書類の「偽造」です。

例えば、ケアプランセンターを例にあげると、ケアプランセンターでは、1か月に1回、モニタリングを行う必要があります。

それにもかかわらず、もしモニタリングシートが抜けている月があった場合、実際にはモニタリングは実施しており、メモ等を残していたものの、モニタリングシートへの書き写しを失念していた、というような状況であれば、改めてモニタリングシートを作成することも問題はありません。

しかしながら、実際には、モニタリングそのものを行っていなかったにもかからず、あたかもモニタリングを実施したかのようなモニタリングシートを作成することは、立派な「偽造」です。

監査の場合、介護事業所が、報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたときには、それ自体が指定の効力停止や指定取消処分の理由になります(ケアプランセンターの場合、介護保険法84条1項7号)。

実地指導は、具体的な不正の疑い等が判明すれば監査に切り替えることができます。

そのため、実地指導においてこのような偽造が発覚すれば、非常に厳しい行政処分を受けることは免れません。

逆に、仮に書類に不備があっても、真摯に反省し、改善する姿勢や取り組みを見せれば、通常は指定の効力停止や指定取消処分などの重い行政処分がされることはまれです。

もし、実地指導前の事前の確認で不備を発見した場合は、指摘される前に改善策を示すことを検討しましょう。

実地指導を、事業改善のきっかけとポジティブに捉える姿勢が重要です。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

実地指導のお知らせが来てから、慌てて書類の確認を始めると、その分だけ日常業務は圧迫されますし、不備が見つかった時に、既にその時点では取り返しがつかないことになっている場合もあります。

 

そのため、重要なことは日々の書類の管理です。

 

例えば、毎月作成が必要な書類、定期的に作成が必要な書類、利用者から同意を得る必要がある書類であれば、利用者の記録の表紙にその一覧と作成を必要とする時期、作成した場合にチェックをする欄などを設けた管理簿を綴っておくことで,書類の有無がひと目でわかります。

 

この管理簿を適切に運用することで、書類の取りこぼしが防止できることはもちろん、実地指導の当日に、行政の担当者に対して、書類の管理が適切にできている、との好印象を与えることもできます。

 

事業所や業種によって必要な書類は異なりますが、実地指導の通知が来る前に、是非資料整理の方法を見直してみましょう。

 

 

9−2.実地指導の場所を確保しよう

実地指導をする際には、利用者の利用記録、事故、ヒヤリハット、苦情報告書のファイル、職員の勤務状況がわかる資料など、多くの資料を確認したり、事業所運営に関する様々なことを聞かれますので、利用者のいる場所とは離隔した、ある程度の広い机のある部屋を用意し、案内することをお勧めします。

例えば、利用者やご家族と面談をする際に利用する面会室や相談室、空いている居室などを利用し、できる限り、事務スペースや利用者等が行き交うような場所は避けるようにしましょう。

その理由としては、行政の職員に集中して作業を行ってもらうことの他、行政の職員に対して、不必要な注意を払わせないようにする、というメリットがあります。

具体的には、例えば利用者のファイルやその他事業所運営に関わる記録が存在する事務スペースで作業を行っていると、実地指導の事前通知では通知されていなかった確認する予定ではない資料も目に入り、不必要に閲覧を求められる場合もあり得ます。

さらには、「この資料はないですか?」と聞かれた際、その場で、行政の職員が見ている状態の中で探す必要があることから、心理的な圧迫感もある上、咄嗟にどこに保管しているのかわからず混乱したり、資料がうまく整理できていなかった場合には、すぐにそれが露見し、印象が悪くなることも考えられます。

一方、事務スペースとは別の、しかもある程度離隔した場所を実地指導の場所とし、必要な資料を運ぶという方式をとれば、行政の職員は、手元の資料に集中する他、資料の追完等を求められた場合でも、落ち着いて探した上で、準備した資料に疑問点等がある場合には、他のスタッフや、場合によっては顧問弁護士等に電話で相談などをしてから行政の職員へ開示することができます。

また、周りに利用者や利用者の家族がいるような場所で、行政の職員が出入りをしたり、スタッフに話を聞いていたりすると、通常の実地指導であっても、「何かあったのだろうか?」との不安を抱かれたり、根拠のない噂が立ってしまうこともあり得ます。

なかなかスペースを確保することが難しい場合もあるかもしれませんが、事前に実地指導が行われる日もわかっているので、可能な限り準備をするようにしましょう。

 

10.当日の流れ

当日の流れ

ここからは、実地指導の具体的な当日の流れを見てみましょう。

 

10−1.実地指導の流れ

例えば、大阪府が公開している標準的な実地指導の流れは、以下の通りです。

 

▶参考:大阪府の例

 

・10:00 挨拶、職員紹介、スケジュール説明等
・10:15〜 実地指導(午前)、敷地内確認(ラウンド)、書類等確認
・12:00 休憩等
・13:00 実地指導(午後)、書類等確認
・16:30 講評
・17:00 実地指導終了

 

 

 

実際には、調査の状況や資料の揃い具合などにより段取りや時間帯は前後するものと思われますが、概ねこのような流れで実地指導が行われることになります。

もっとも、例えば当日に入所者等への緊急対応が発生した場合には、速やかに敷地内確認等は中止したり、現在の新型コロナウイルス感染症の状況などから、施設内でのマスク等の着用の義務付けなど施設の取組みがある場合は、事前に担当者に伝えておくことで対応をしてくれます。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】
2−2.2019年の改正」でも説明した通り、2019年に、実地指導の標準化・効率化高める観点から、「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」が定められましたが、実際には、やはり1日かけて実地指導を行う自治体も多いようです。

 

標準化・効率化が図られたとはいえ、実地指導の指摘事項が多岐に及ぶことや、行政側の手が回らず、実地指導が適時に行えないことなどから、ある程度やむを得ない点はありますが、行政指導の標準化・効率化には、まだまだ課題がありそうです。

 

10−2.実施指導の当日に関するQ&A

 

(1)当日は何人の職員が来る?

当日に来所する職員の数、氏名、担当部署などは、事前通知の中に記載があります。

部署ごとに調査に来ている場合もあるので、人数が多いからといって身構える必要は必ずしもありません。

 

(2)質問には全て答えないといけない?

実地指導は、事前に日時がわかっていることから、当日は、シフト等を調整の上、事業所の運営担当者、人員担当者、利用者担当者など、事業所のサービス提供状態等を把握している職員に可能な限り出勤しておいてもらい、適宜質問事項を確認し、回答をする必要があります。

その場でしっかりと回答をすることにより、「これだけすぐに回答ができるということは、事業所として適切に運営に取り組んでいるんだな」という印象を与え、事業所の信頼度も増しますし、細かいところまであえて追及をしないという効果もあります。

もっとも、質問に対する回答に自信がない場合には、必ずしもその場で回答をする必要はありません。

例えば、基本的には質問に対して真摯に回答していることを前提として、一部の質問に対して、「正確な回答のため、書類を改めて確認したいので、後日回答させてください」などと明確に伝えることで、その場での追及を免れることができる場合もあります。

なお、多くの質問に「わからない」で回答してしまうと、「この事業所は大丈夫か?」と不信感を与えてしまうので、その点には注意してください。

 

(3)実地指導にはどれぐらいの時間がかかる?

実地指導にかかる時間の目安は「10−1.実地指導の流れ」の通りです。

時間は、初めに送付されてくるお知らせにも記載されていますが、基本的には丸一日時間を取られると考えておいた方が良いかと思います。

ですので、対応予定の職員については、シフトを調整するなどして、可能な限り時間を取れるようにしておいて下さい。

 

10−3.専門家の立会い

実地指導の際、案内や質問に答えるなどの対応をするのは職員ですが、その際に、弁護士、税理士、社労士などの専門家に立ち会いを求めることも有益です。

もちろん、これらの専門家も、必ずしも介護に関する知識を全て持っているわけではないので、行政職員の指摘の1つ1つが正しいかどうかをその場で判断できるわけではありません。

もっとも、これらの専門家は、少なくとも法律や文書を読むプロであり、行政職員の指摘に対して根拠を尋ねることで、指摘事項を明確にしたり、当該指摘が根拠を持って行われているものなのか、行政職員の感覚だけで指摘されているものなのか、などを判断することができます。

また、その場で答えていいか、それとも精査の上回答した方がいいかなど、その場で判断しなければならないことをすぐに相談できる意味でも、専門家の立ち会いは心強いです。

実地指導に臨むにあたって、検討してみてください。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

弁護士法人かなめでも、実地指導への立会い等を行っていますが、例えば弁護士の日程が会わなかったり遠方の顧問先であった場合には、事務所に滞在する弁護士がいつでも電話やチャットワークでの連絡を受けられる状態にしておき、タイムリーに相談を受けられる体制を整えています。

 

その場にいなくても、事前に指摘されそうな事項を検証し、打ち合わせをしておいた上で、当日もすぐに弁護士に相談できる環境を作っておくことで、実地指導に安心して臨むことができたという声を多くいただいています。

 

実地指導の通知が届いた際には、まずはご相談ください。

 

 

11.実地指導後の対応

実地指導は、職員が帰れば終わりと言うことではありません。

ここでは、実地指導で行われた指導等の内容によって、事業所がどのような対応をする必要があるかについて解説します。

 

11−1.口頭での指摘の場合

実地指導の中では、調査の間、職員からさまざまな質問や指摘がされます。

この時、すぐに改善が可能であることや、既に実地指導の準備をしている段階で判明していた書類等の不備があった場合、当日にその旨を申告し、実地指導時にはすでに改善を始めていることなどを説明することで、口頭での指摘にとどまり、あえてそれ以上の指導等をされない場合もあります。

この場合、事業所としては、特段行政への対応は必要ないものの、受けた指摘は、事業所の運営に当たって非常に有意義なものです。

そのため、書面等での指導内容の指摘等がない場合でも、必ず事業所内で指摘事項は共有し、改善に活かすようにしましょう。

なお、口頭で指導した内容も、指摘事項とその根拠を記載した書面を交付してくれることもあります。

その際には、説明として「今後の運営について留意してください」などといった記載がされていることが多いので、以下で説明する改善勧告と区別するようにしましょう。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

指導をされた際、「行政の職員が言うことはすべて正しい」と思わないことも重要です。

 

介護保険法は難解であり、行政の職員は、無数にある法令、指定基準、通達などを基に指導や指摘をします。しかしながら、行政の職員も、長期間当該部署にいるわけではなく、異動もあり、介護保険法を詳しく知らない職員も担当となります。

 

そのため、地方自治体の介護保険課などでは、先任者が作成したマニュアルなどに沿って実地指導に臨むことが多いです。

 

しかしながら、このマニュアルの内容は、必ずしも法令に根拠を持ったものではなく、先任者や行政の担当者の主観で作成されていることも多々あります。さらには、法令等の改正が反映されていないことすらもあり得ます。

 

そのため、指摘を受けた際には、わからないところはわからないとはっきり伝える、さらに指導内容の根拠がわからない場合には、その時点でパニックにならず、まずは根拠等を具体的に尋ねる、という姿勢で、実地指導に臨みましょう。

 

 

11−2.書面指導、是正勧告の場合

口頭での指摘を書面化したものとは異なり「実地指導の結果、是正改善を要する事項が認められましたので、下記の通り通知します。」と記載された上、是正改善を要する事項と根拠条文が記載され、期限を決めて「是正改善報告書」の提出が求められている場合は、「5−2」で説明した「改善勧告」に当たります。

なお、「5−1」の書面指導の場合も、同様の文言で通知がされる場合もありますが、その際には、介護保険法の条文の引用がありませんので、ご注意ください。

この場合、是正改善報告書を期限内に提出しない場合、その旨を公示されたり、さらにその後の改善命令が出される可能性があるため、しっかりと指摘事項の是正改善と是正改善報告書の提出を行う必要があります。

是正改善報告書は、自治体によって書式は異なることがあるものの、多くの場合、指導事項が欄の左側に記載されており、右側の改善結果を記載する形となっています。

基本的には、この右側の改善結果の欄に改善結果の報告を記載しますが、足りない場合は別紙を添付したり、初めから「別紙の通り」と記載して全て別紙に記載をしても問題ありません。

仮に、指定された期限までに改善ができない場合は、まずは是正改善報告書の提出期限までに、現在の改善状況と指定された期限までに改善ができない理由を明確に記載するようにしましょう。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

このように、是正勧告がされてしまうと、定められた期限までに是正改善を行い、さらに是正改善報告書を提出しなければならなくなります。

 

このような書面の作成は、通常業務に支障を来す他、期限が定められることで計画的な業務の是正が難しくなります。

 

内容によっては避けられない改善勧告もありますが、できる限り口頭での指摘にとどまるよう、実地指導前に問題点を洗い出し、改善を進めておくことが重要なのです。

 

 

12.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)実地指導へのサポート
  • (2)顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

12−1.実地指導へのサポート

 

(1)サポート内容

実地指導へのサポートとしては、

 

  • 1.実地指導の準備サポート
  • 2.実地指導への立会い
  • 3.実地指導後の改善報告作成サポート

 

を実施しています。

 

1.実地指導の準備サポート

実地指導の通知が来ると、書類の準備、対応する職員の確保の段取りを立てる必要がある他、当日に向けて、どんな手続きが行われるのか、どのように対応すればいいのかについて調べて心の準備をするなど、非常に慌ただしくなります。

不安の中で準備をすることで、通常業務への影響が出たり、準備の中で書類等の不備が見つかり、不安な思いを抱くこともあるかもしれません。

弁護士法人かなめでは、実地指導の通知が届いてから当日までの、さまざまな準備についてサポートします。

例えば書類に不備があった際にどのように対応すれば良いかなど、タイムリーに疑問点を相談できることで、準備の上での不安が減り、日常業務への影響を最小限にしながら準備に臨むことができます。

 

2.実地指導への立会い

しっかり準備をしていたとしても、やはり実地指導の当日は、どんなことを聞かれるのか、わからないことを聞かれたらどうしよう、と当然不安になります。

弁護士法人かなめでは、実地指導へ立会い、その場で行政の職員の対応をしたり、事業所の皆様からの質問をお受けしています。

また、日程の関係で立会いが難しい場合には、常に事務所で電話対応ができる弁護士を配置し、質問等が発生した際にはすぐに対応ができる状況を確保します。

 

3.実地指導後の改善報告作成サポート

実地指導において、なんらかの具体的な指導がされ、改善報告書の提出を求められた場合、弁護士法人かなめでは、報告書の書き方の他、事業所に変わって報告書の作成を行います。

 

(2)弁護士費用について

「1.実地指導の準備サポート」「2.実地指導への立会い」「3.実地指導後の改善報告作成サポート」など、実地指導に関するサポートのご相談方法と弁護士費用についてご案内いたします。

 

1.ご相談方法

まずは、「弁護士との法律相談(有料)※顧問契約締結時は無料」をお問合わせフォームからお問い合わせください。

 

▶参照:お問い合わせフォームはこちら

 

 

※法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けております。

※法律相談は、「① 弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「② ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※顧問契約を締結していない方からの法律相談の回数は3回までとさせて頂いております。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

2.弁護士との法律相談に必要な「弁護士費用」
  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

 

12−2.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、実地指導へのサポートを含んだ総合的な法的サービスを提供する、顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。

法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参照:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

また以下の記事や動画でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

 

 

 

 

(2)顧問料

顧問料:月額8万円(消費税別)から

 

※職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

13.まとめ

この記事では、実地指導とはどのような根拠に基づいて行われるどのような手続きであるかの基礎知識の他、監査との違いや実際の統計などを紹介した他、実地指導の流れ、開始までの具体的な準備から当日の対応方法、実地指導後の対応方法、違反が発見された場合のペナルティなどについて詳しく解説しました。

また、専門家に相談することのメリットなども解説しましたので、実地指導のお知らせが来て、不安を感じている事業所の皆さんは、是非参考にしてみて下さい。

実地指導対策は、日頃からの対策が重要です。一過性の対策にとどめず、事業所運営の適正化に努めていきましょう。

 

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。
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中野 知美なかの ともみ

弁護士

出身大学:香川大学法学部法律学科卒業/大阪大学法科大学院修了(法務博士)。
介護現場からの相談を数多く受けてきた経験を活かし、一般的な法的知識を介護現場に即した「使える」法的知識に落とし込み、わかりやすく説明することをモットーとしている。介護事故、カスタマーハラスメント、労働問題、行政対応など、介護現場で発生する多様な問題に精通している。

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