記事公開日: 2021年7月8日   
記事更新日: 2022年7月5日

介護現場の高齢者虐待とは?種類や発生原因、適切な対応方法を詳しく解説

介護現場の高齢者虐待!発生原因や適切な対応方法・防止策まで詳しく解説
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「○○市の特別養護老人ホームで、介護職員から利用者に対する虐待が発覚しました」

そのニュースは、非常にインパクトが強く、ショッキングなものとして報道されます。

 

  • 「うちの介護事業所では虐待なんてない」
  • 「職員のモラルの問題だ」

 

などと片付けてしまう前に、一度立ち止まって、自分の事業所のことを省みてみませんか?

近年、高齢者虐待は報告件数が増加しており、特に介護事業所の職員による虐待件数は報告数に比例して増加しています。

その原因は、決して職員のモラルだけの問題ではありません。職場環境、職員への教育、指導の欠如、そして介護事業所の隠蔽体質など、様々な要素が、高齢者虐待を助長するのです。

そして、一度介護の現場で高齢者虐待が発生、発覚すると、利用者家族、行政、警察、虐待をした職員など、様々な方面への報告、調整が必要となり、介護事業所内は一気に混乱に陥ります。

このような時、いかに冷静に、一貫した対応ができるかが、これからの介護事業所の運命に関わることもあるのです。

この記事では、介護の現場における高齢者虐待についての基本的な知識について、具体的な事例と合わせて解説をした上、高齢者虐待が発生する原因を分析し、実際に高齢者虐待が発生した時の対応の流れを、フローチャートと併せて解説します。

また、最後まで読んでいただく事で、高齢者虐待が発生した場合の職員、事業所の責任の他、高齢者虐待を防止するための方法についても知ることができます。

事業所一丸となって、高齢者虐待が発生しない職場づくりを、実践していきましょう。

 

【高齢者虐待の関連記事】

身体拘束とは?行為の種類や判断基準の三原則、介護現場での実施方法

 

1.高齢者虐待とは?

高齢者虐待とは、高齢者が、親族、介護事業所の職員などの他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態に置かれること全般を指します。

身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待などが高齢者虐待の類型であり、これらは個別に行われるだけではなく、複合的に行われることも珍しくありません。

 

2.高齢者虐待の実態

近年、高齢者虐待は増加していると言われており、そのニュースが紙面を騒がせることも少なくありません。

以下では、現在の高齢者虐待の実態を見ていきましょう。

 

2−1.ニュース

近年発生した高齢者虐待のニュースの1つとして、2014年に神奈川県川崎市の有料老人ホームで、入所者の男女3人を相次いで転落死させたとして、介護職員が殺人罪に問われる事件がありました。

なお、この事件では、2018年3月22日に、横浜地方裁判所で介護職員に死刑判決が言い渡されています。

この事件では、当該介護職員の供述が変遷しており、入居者3人を転落死させた動機についてははっきりしませんが、捜査関係者からの話では、「(転落死した入居者のことを)以前から煩わしいと思っていた」「入浴介助を拒否され困った」「夜勤など仕事のストレスがあった」「分刻みの業務表でストレスがあった」などの供述をしていたことが明らかとなっています。

その一方で、当該介護職員について、「正義感が強く真面目である」との評価もあり、「なぜこのような恐ろしい行動に出てしまったのかわからない」、との声もあるようです。

殺人は、身体的な虐待の最たるものですが、この事件では、何が当該職員をそのような行動に駆り立てたのか、なぜ3人もの利用者の生命が失われるまで、事業所が虐待に気付くことができなかったのかなど、介護現場が抱える問題を浮き彫りにするような事件でした。

 

2−2.高齢者虐待に関する統計

 

(1)高齢者虐待は増加している?

厚生労働省の統計によると、養介護施設従事者、養護者による高齢者虐待の相談・通報件数は、年々増加しています。

その一方、養介護施設従業者の虐待判断件数は、相談・通報件数と同様に増加をしていますが、養護者による虐待判断件数の推移はほぼ横ばいです。

これは、高齢者虐待の存在が広く認知されるようになったことが、相談や通報数の増加に大きく影響していますが、養護者については、相談や通報数の増加に比して虐待判断件数はほぼ変化がないのに対し、養介護施設従業者は相談や通報数の増加に伴って増加していることは、1つの特徴です。

これが、元来存在していた虐待案件が、相談や通報数の増加に伴って表れるようになったとも考えられますし、実際に虐待案件が増加したため、相談や通報数も増加したとも考えられます。

どちらの理由であるにしても、養介護施設従業者の虐待判断案件は年々増加しているのであり、どの事業所にとっても他人事ではない状況なのです。

 

高齢者虐待判断件数に関するデータ

▶引用元:令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(PDF)

 

(2)新型コロナウイルスと高齢者虐待

厚生労働省老健局長が令和3年3月11日に通知した「令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果及び高齢者虐待の状況等を踏まえた対応の強化について」において、新型コロナウイルスの感染拡大時における高齢者虐待への対応として、以下のような内容が通知されています。

「外出自粛等により高齢者が外出を控え、居宅で長い時間を過ごすこと等により、養護者の生活不安やストレスの増加が予想され、養護者の介護疲れなどの要因が影響し、高齢者虐待の発生・深刻化が懸念されるため、見守りの実施や、地域包括支援センター等による訪問や電話等での状況確認など、市町村、都道府県、関係団体等が連携・協働し対応するよう留意」

 

▶︎参照:厚生労働省『令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する 法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果及び高齢者虐待の状況等を 踏まえた対応の強化について(通知)』(PDF)

 

 

ここでは「養護者」(次項で定義を説明します。)による虐待の増加の懸念が示されていますが、このような「養護者」による虐待事案の増加に伴って、介護職員として虐待の発見や通報などの対応事案が増加することが予想されます。

また、新型コロナウイルス感染症の蔓延による生活不安やストレスの増加は、介護職員も同様に抱えていることから、介護職員による虐待事案も、増加する可能性があります。

 

3.高齢者虐待に関する法令

ここでは、高齢者虐待に関係する法律について確認しておきましょう。

 

3−1.高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」は、平成18年4月1日に施行された法律であり、「高齢者虐待防止法」と省略されて呼ばれることが一般的です。

この法律は、介護保険制度の普及、活用が進む中、一方では高齢者に対する身体的・心理的虐待、介護や世話の放棄・放任等が、家庭や介護施設などで表面化し、社会的な問題とななったことを背景に制定され、高齢者の権利保護や、高齢者虐待の早期発見、早期対応の施策を国及び地方公共団体に整備させることを目的としています。

 

▶︎参考:「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」の条文

 

 

3−2.高齢者虐待防止法の概要

高齢者虐待防止法は、高齢者を65歳以上の者と定義した上、高齢者虐待の種類を以下の通り分けて定義付けしています。

 

(1)養護者による高齢者虐待

及び

(2)養介護施設従事者等による高齢者虐待

 

※養護者とは、「高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のもの」で、同居の親族が典型例です。養介護施設従業者等とは、老人福祉法及び介護保険法に規定する「養介護施設」又は「養介護事業」の業務 に従事する職員で、以下の範囲を指します。

 

高齢者虐待防止法に定める「養介護施設従事者等」の範囲の表

養介護施設 養介護事業 養介護施設従事者等
老人福祉法による
規定
・老人福祉施設
・有料老人ホーム
・老人居宅生活支援事業 「養介護施設」又は 「養介護事業」の業務 に従事する者
介護保険法による
規定
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設
・地域密着型介護老人福祉施設
・地域包括支援センター
・居宅サービス事業
・地域密着型サービス事業
・居宅介護支援事業
・介護予防サービス事業
・地域密着型介護予防サービス事業
・介護予防支援事業

 

▶引用元:厚生労働省「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本 – 厚生労働省」(PDF)

 

その上で、高齢者虐待防止法では、国及び地方公共団体、国民、保健・医療・福祉関係者、要介護施設の設置者、養介護事業者それぞれの責務を定め、さらに市町村、都道府県、国及び地方公共団体の役割について定めています。

この中で、保健・医療・福祉関係者の責務としては、以下が規定されています(高齢者虐待防止法第 5 条)。

 

保健・医療・福祉関係者の責務の規定
  • 高齢者の福祉に業務上又は職務上関係のある者は、高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めること。
  • 国及び地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止のための啓発活動及び高齢者虐待を受け た高齢者の保護のための施策に協力するよう努めること

 

また、養介護施設の設置者、養介護事業者の責務としては、以下が規定されています(高齢者虐待防止法第20条)

 

養介護施設の設置者、養介護事業者の責務の規定
  • 従事者に対する研修の実施
  • 利用者や家族からの苦情処理体制の整備その他従事者等による高齢者虐待の防止のための措置を講じること

 

3−3.厚生労働省のガイドライン

厚生労働省が公開する「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本 」では、高齢者虐待防止法の概要が整理されているほか、留意事項として以下の6つの点が指摘されています。

 

6つの留意事項

  • (1)虐待に対する「自覚」は問わない
  • (2)高齢者の安全確保を優先する
  • (3)常に迅速な対応を意識する
  • (4)必ず組織的に対応する
  • (5)関係機関と連携して援助する
  • (6)適切に権限を行使する

 

▶︎参考情報:「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本 – 厚生労働省」(PDF)

 

 

これらは、主に行政機関に対する義務を規定するものですが、基本的な虐待に対する対応スタンスや優先すべき事項について参考になります。

 

4.介護に関する高齢者虐待の種類

介護に関する高齢者虐待の種類

介護における高齢者虐待の種類には、大きくは5つに分類できます(高齢者虐待防止法2条4項各号)。

 

  • (1)身体的虐待
  • (2)ネグレクト
  • (3)心理的虐待
  • (4)性的虐待
  • (5)経済的虐待

 

以下で、順に説明して順に説明します。

 

4−1.身体的虐待

身体的虐待とは、暴力的行為によって身体に傷やアザ、痛みを与える行為や外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為のことを言います。

 

(1)具体的な事例

具体的には、殴る、蹴る、つねる、突き飛ばすなどの暴力的行為が典型的な身体的虐待です。

他にも、緊急でやむを得ない事由もないのに、立ち上がって動いたり、移動をしないように車椅子やベッドなどにベルト、柵、紐などで拘束する、介護衣やミトン型手袋を使用させる、鍵のついた居室に隔離するなど、いわゆる「身体拘束」も、身体的虐待の1つです。

但し、暴行行為が伴わない場合であっても、要介護者への介護が不十分で、その生命身体に危険が生じる状況であれば、身体的虐待に該当することもあります。

身体的虐待については、この記事の著者「弁護士 畑山 浩俊」が以下の動画で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

 

 

4−2.ネグレクト

ネグレクトとは、必要な介護サービスの利用を妨げる、世話をしない等により、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させることを言います。

介護放棄と呼ばれることもあります。

 

(1)具体的な事例

具体的には、同居しているにもかかわらず、自ら食事を作る、掃除、洗濯等の身の回りの家事ができない高齢者を放置し、食事をさせない、掃除をしない部屋で過ごさせる、何日も同じ服を着せたままにする、入浴させないなどの行動が考えられます。

これにより、脱水症状、栄養失調などを引き起こすこともあります。

また、必要な介護や医療サービスを制限したり使わせない状況も、ネグレクトの1つです。

 

4−3.心理的虐待

心理的虐待とは、脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与えることを言います。

 

(1)具体的な事例

具体的には、排泄の失敗を嘲笑したり、それを人前で話すなどにより高齢者に恥をかかせる、怒鳴る、罵る、悪口を言う、侮辱を込めて子供のように扱う、高齢者が話しかけているのを意図的に無視する、などの行為が考えられます。

 

4−4.性的虐待

性的虐待とは、本人が同意していない、性的な行為やその強要を言います。

 

(1)具体的な事例

具体的には、排泄に失敗したことを理由に下半身を露出させて放置したり、キス、性器への接触、性行為の強要などが考えられます。

 

4−5.経済的虐待

経済的虐待とは、本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限することを言います。

 

(1)具体的な事例

具体的には、日常生活に必要な金銭を渡さない、本人の自宅や財産を無断で換価する、年金や預貯金を、本人の意思、利益に反して使用する行為などが考えられます。

 

経済的虐待について、発生原因をはじめ、具体的な事例、発生時の対応や防止対策など、詳しくは以下の記事で解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参照:高齢者の経済的虐待とは?介護事業所で発生時の対応や防止対策を解説

 

 

4−6.どの虐待がいちばん多い?

これらの虐待のうち、経済的虐待は、在宅の高齢者に対して、ご家族から行われることが一般的な類型です。

一方、身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待は施設サービス、居宅サービスのいずれの介護サービスにおいても起こり得る虐待の類型です。

特に、身体的虐待や心理的虐待は、身体拘束など、介護事業所の職員が、自覚なく行ってしまうケースも存在します。

厚生労働省による調査では、養介護施設従業者等による虐待において特定された被虐待高齢者1060人(令和元年度)のうち、身体的虐待が60.1%、心理的虐待が29.2%を占めています。

 

虐待の種別の割合のグラフ

▶引用元:『令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に 基づく対応状況等に関する調査結果』(PDF)

 

5.高齢者虐待の基準は?

高齢者虐待と言っても、「うちの事業所では虐待なんてないよ」と考えている事業所の方がほとんではないでしょうか。

もちろん、まず前提として、前述した5つの種類の行為などに対して、介護職員が故意または意図して行っている場合は虐待に該当すると判断されることが多いでしょう。

もっとも、高齢者虐待は、高齢者が、親族、介護事業所の職員などの他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態に置かれること全般を指します。

介護職員にとっては、場合によっては悪気がなかったり、軽く考えてとった言動であっても、そにれよって利用者の権利利益が侵害される可能性があります。

 

5−1.自己チェックしてみよう!

和歌山県のホームページでは、高齢者虐待防止に向けて、施設従事者、管理者・経営者のための自己チェックリストを公開しています。

ここでは、虐待の5つの類型に関して、それぞれ具体的な例が記載されており、このチェックを行うことで、どのような行動が虐待に当たり得るのかを同時に知ることができるようになっています。

ぜひ、試してみてください。

 

虐待防止に向けたチェックリスト

▶︎参考1:高齢者虐待防止に向けた施設従事者のための自己チェックリスト(PDF)

▶︎参考2:高齢者虐待防止に向けた管理者・経営者のための自己チェックリスト(PDF)

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

 

このようなチェックは、職員、管理者、経営者がバラバラに個別に行うのではなく、事業所内で行う虐待防止の研修の際などに一緒に行い、このチェックリストを利用して、この中に出てくる虐待事案と類似する事象を目撃したり、自分がしてしまったことがないかなどの情報交換を行うことが非常に有効です。

 

漠然と、「虐待をしたことがありますか?」と尋ねられれば「ありません」と答える職員が多いと思いますが、例えば「利用者に親しみをこめて、「ちゃん付」で呼んだり愛称で呼ぶことがよくありますか?」と聞かれれば、あると答える職員は少なくないのではないかと思います。

 

この時、なぜこのような行為が虐待にあたることがあるのかを、職員間で考え、意見を交換し、理解を深めることが、虐待の防止に繋がるのです。

 

 

6.介護の現場で虐待はなぜ起こる?発生する原因を分析

「虐待をするような職員は、そもそも人間性が問題だ!」

そのように考える経営者や管理者もいるかもしれません。しかしながら、介護の現場で発生する虐待は、そのような単純な個人の問題ではありません。

実際に、厚生労働省による「令和元年度『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』に 基づく対応状況等に関する調査結果(PDF)」によると、虐待の原因としては、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が366件(56.8%)で最も多く、次いで「職員のストレスや感情コントロールの問題」が170件(26.4%)、「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ、管理体制等」が132件(20.5%)、「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」が81件(12.6%)であったとの結果が出ています。

見て頂くとわかるように、職員への教育、職場環境、人員不足など、事業所側の問題がかなりのウエイトを占めているのです。

以下では、介護の現場で虐待が発生する理由を、さらに具体的に見ていきます。

 

6−1.職員の精神的ストレス

介護サービスの提供は重労働であり、高齢者の生命や身体を預かるという重い責任を有している他、特に認知症の利用者の方と接する中で、心ない罵倒をされたり、「物を盗んだ」などと疑いをかけられたり、暴力やセクシャルハラスメントを受けることも珍しくありません。

そして、介護現場においては、このようなことが「当たり前」であると認識される傾向があり、職員が、精神的なストレスを抱えていてもこれを誰にも相談できない、相談しても取り合ってもらえないなどの理由から、さらにストレスを増幅させるという悪循環に陥っているケースがあるのです。

そうなれば、介護職員も人間であり、どれだけ介護に対する知識があっても、心のコントロールができなくなり、つい罵声を浴びせたり、無視をしたり場合によっては手が出てしまうということも発生し得るのです。

 

6−2.人手不足等の労働環境

介護現場では、恒常的に人手不足であり、人員基準をかろうじて充足するような人数しか現場に配置できない事業所も多いのではないでしょうか。

そうすると、1人であっても対応が難しい利用者について、一度に複数人に対処しなければならない事態が頻繁に発生し、それによる職員の心身のストレスは過大なものとなります。

さらに、施設系サービスやショートステイなどでは、少数の職員、場合によっては1名の職員で夜勤対応をしている例もあり、仮眠を取るように指示を受けていたとしても、ナースコールが鳴ればすぐに対応しなければならないという状態に常に置かれ、休息を十分に取ることができないケースが多いのではないでしょうか。

そして、利用者の中には、夜中に何度もナースコールを押す方もいます。また、昨今、センサー技術の発達も相まって、利用者の所作に応じてコールがなるシステムも多数開発されており、より一層業務が煩雑になっている現状も見受けられます。

このような恒常的な人手不足による過重労働で、職員は心身ともに疲労し、余裕を持って介護サービスを提供することができなくなるのは必然的です。

加えて、例えば転倒しやすい利用者などを、人手不足のために常に見守ることができないため、立ち上がらないようにするために車椅子、椅子、ベッドなどに拘束することが常態化するなど、身体拘束が当然のように行われることも予想されます。

 

6−3.介護知識や教育の不足

介護職員の中には、経験の浅さ等から、介護に関する知識に乏しい者もいます。

高齢者の病気や心身の状況についての理解が乏しいと、「この人は自分に嫌がらせをしている!」などと思い込んで腹を立てて冷たく接してしまったり、「どうせ何を言っても認知症だから何もわからないだろう」などと誤った考えから平気で暴言を吐くなど、虐待につながる言動をとってしまうこともあります。

さらには、知識がないゆえに、自分の言動が、「虐待」であるとすら認識していない職員も存在します。

これは、職員自身のスキルや知識量の問題もありますが、介護職員に研修を受けさせたり、教育をすることは、適切な介護サービスを提供する義務を負っている事業所としての義務です。

このような教育を怠れば、職員は誤った知識を持ったまま利用者と対応をし続けることになり、虐待のリスクがかなり高まることになります。

 

6−4.事業所の隠蔽体質

例えば、事業所が、事業所内で発生した虐待事案を把握したにもかかわらず、そのことを通報せず、ご家族にも報告をしない上に「この件については誰にも話してはならない」などと職員に口止めをするような隠蔽を行った場合、1度でもそれを目の当たりにした職員は、仮に他の職員が虐待をしている場面を目撃しても見て見ぬ振りをすることになります。

中には、勇気を出して報告をした職員に対し、事業所の和を乱したり、評価を下げさせようとする悪であるかのような態度を取り、その結果良心のある職員が離職してしまうということもあります。

虐待をした職員からすれば、そこで処分がされなかったり、虐待が公にならなかった場合、同じことを繰り返す可能性は著しく高まります。

風通しの悪い、虐待を隠蔽する体質が、虐待を助長する最大の原因なのです。

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

 

身体拘束との関係では、特に職員が、それを違法であると考えていない例が多くあります。

 

しかし、冷静に考えてみれば、椅子から立てない状態にする、ベッドに固定する、外から部屋の鍵をかける、などの行為は立派な逮捕、監禁罪(刑法220条)ですし、睡眠薬や向精神剤などを服用させて1日中ぼんやりとした状態にさせるのは、傷害罪(刑法204条)に当たる可能性もある行為です。ただ、難しい法律問題を考えなくても「自分がそれをされたらどう感じるか」という想像力を持てば、何がしていい行為で、何がしてはいけない行為かは誰でも理解ができるはずです。

 

研修の中で、このような認識を培っていくことが、職員の教育への第一歩になるのです。

 

 

7.介護施設などで発生する高齢者虐待の発覚の経緯

事業所が、高齢者虐待を認識する経緯には、いくつかの類型があり、どの経緯で判明したかにより、対応方法や緊急性も変わってきます。

以下では、介護施設などで発生する高齢者虐待の発覚の経緯について解説します。

 

7−1.利用者や利用者家族からの訴え

高齢者虐待が発覚する経緯として、まずは利用者からの訴えが考えられます。

例えば、利用者から介護職員に対し、他の職員から叩かれた、暴言を吐かれた、食事を取り上げられた、などの訴えがされることは珍しくありません。

また、利用者から話を聞いた利用者家族から、「うちの母が職員から殴られたと聞いている」「持ってきた私物がなくなっていて、本人に聞いたら職員にとられたと言っている」などの苦情の形で、報告がされることもあります。

この時、話を聞いた職員1人だけで「認知症の利用者が言うことだから信用できない」などと即断してはいけません。事業所に報告の上、必ず事実確認等の調査を行う必要があります。

このような報告や調査を怠り、訴えを漫然と放置したことで、虐待がエスカレートし、取り返しのつかない状況になることも予想されますし、利用者や利用者家族との信頼関係も失われます。

仮に、調査の結果、虐待の事実自体は確認されなくても、虐待に対して厳正に対応するという事業所の姿勢を職員に見せることにもなりますし、事業所内で虐待と疑われるような行動をとっていなかったかなどを検証する機会にもなります。

 

7−2.他の職員による発見

実際、介護職員が高齢者を殴ったり、暴言を吐いているような現場を、他の職員が目にすることで、高齢者虐待が発覚することがあります。

この場合、まさに今、目の前で虐待が起きているので、まずは状況をその是正することが最優先事項となります。

具体的には、当該職員を利用者から引き離し、直ちに管理者等の責任者へ報告し、利用者の怪我などの状態を確認して、医療機関の受診等を行います。

調査を行うことはもちろん重要ですが、まずは利用者の安全確保を行うことが重要になります。

 

7−3.利用者の傷病の発見

利用者の入浴や着替えなどを介助している際に、利用者の身体に、特に事故等の報告がない痣があったり、精神的に落ち込んでいる様子が見られたりしているのを発見した時、その原因が身体的虐待や心理的虐待を受けていることにある場合があります。

このような傷病を発見した際には、介護職員としてはまず管理者等に報告の上、当該傷病の治療を行うことが先決です。

その上で、傷病を負っている利用者本人から可能な限り聴取をしたり、防犯カメラ等の映像を確認するなどの調査を行う必要があります。

 

7−4.行政からの指摘

行政から、突然実地指導や監査の通知があり、その通知の中で、通常定期的に行われている実地指導よりも、通知から実施日までの期間が短く、さらに通常求められる書類とは異なる書類の準備が求められていたり、具体的な利用者を指定して利用記録等の開示を求められているケースがあります。

このような場合には、行政に対して、当該利用者に関するなんらかの通報があった可能性が高く、その通報内容は「虐待」である可能性が高いと言えます。

「いつもと違う気がする」という通知が届いた場合は、可能な限り事前に調査を行えるよう、行政に問合せをし、実地指導の趣旨を確認してみましょう。

実地指導については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参照:実地指導とは?当日の流れ・必要書類・事前対策など介護業界に強い弁護士が解説

 

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

行政からの指摘がされる事案の中には、実際には虐待の事実も、虐待があったことが疑わしい事実すらもない場合があります。

 

実は、利用者や利用者家族からのカスタマーハラスメントや理不尽なクレームの一環として、行政への通報が行われる場合があるのです。

 

ただ、事業所としては、対象となる利用者がカスタマーハラスメントや理不尽なクレームを行っている相手方であったとしても、初めから無視をしたり、調査を怠ることはあってはいけません。

 

求められる調査を誠実に行った上、やはり虐待に関する事実がない場合には、対象となる利用者やその家族からのクレーム等の内容も含めて行政に報告し、毅然とした態度で臨むようにしましょう。

 

カスタマーハラスメントや理不尽なクレームへの対応方法については、以下の記事でも解説をしているので、併せてご覧ください。

 

 

▶参照:カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?その意味や対応方法、防止対策までを解説

 

▶︎参照:理不尽なクレーム!介護施設のモンスタークレーマーの対応方法を解説!

 

 

8.介護現場で虐待が発覚したら?具体的な手続を解説

介護現場で虐待が発覚したら?具体的な手続を解説

それでは、ここからは虐待が発覚した場合の具体的な手続を、以下それぞれに分けて解説します。

 

  • 虐待の事実がはっきりしている場合
  • 虐待の「疑い」であった場合

 

8−1.隠蔽は絶対にNG

まず、いずれの場合であったとしても、虐待の事実を隠蔽することは絶対にあってはいけません。

例えば、職員から、他の職員に関して、利用者に暴力を振るっている、言葉遣いが荒く暴言を吐いているなどの報告があったにもかかわらず、積極的に「そのことは誰にも話さないように」と口止めをする、消極的に、話を聞いたのに何らの調査も行わない、というような態度で臨むと、実際に虐待を行っている職員の行動はエスカレートし、次に虐待の事実が発覚した時には、利用者が重篤な怪我をしてしまっている、家族から行政や警察に通報され、もはや事業所側では何らのリカバリーもできない状態になっている可能性は非常に高いです。

そして、事業所として、虐待に関する情報を得ていたのに、これに対応していなかった、むしろ積極的に隠蔽していたということになれば、事業所に生じる悪影響は計り知れません。

何より、虐待を報告したにもかかわらず、これを揉み消されるような職場では、介護に真剣に取り組もう、サービスの質を向上させようと努力する職員が育つはずはありません。

このような職員から順に離職していき、後には、虐待を容認し、またはその自覚もない職員だけが残り、事業所の提供するサービスの質は低下の一歩を辿るでしょう。

虐待は非常にインパクトの強い事件ですが、事業所としては、真正面から対応する他に道はありません。

虐待等を放置したり隠蔽した場合の問題点については、この記事の著者「弁護士 畑山 浩俊」が以下の動画で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

 

 

8−2.虐待の事実がはっきりしている場合

では、まずは、職員が直接、他の職員による虐待の現場を目撃したなど、虐待の事実がはっきりしている場合の対応方法について確認しましょう。

 

(1)利用者の状況確認、治療等

まず、身体的虐待の場合のように、職員が利用者に有形力を行使しているような場合には、利用者が何らかの怪我を負っている可能性があります。

虐待の場面では、まずは利用者の安全が最優先ですので、まずはすぐに他の職員の他、看護師や医師からの確認、診察を受け、怪我をしている場合にはすぐに治療を行ってください。

 

(2)対象職員の処遇

まず、対象職員に関しては、少なくとも、虐待発覚以後、はっきりとした事実関係の調査が完了するまでの間、他の利用者のサービスを担当させることはできません。

そのため、事業所としては、速やかに人員配置、シフトの変更を速やかに行い、他の利用者へのサービスに影響が出ないよう努めなければなりません。

その上で、対象職員からは、虐待発覚後、まずはその日のうちに、すぐに事実関係等の聴取りを行うことが重要です。

これは、翌日以降、対象職員との連絡が取れなくなったり、行方不明になると言ったことが発生する可能性もあるためです。

少なくとも、後から他の職員へ聴取をしたり、防犯カメラ映像等から裏付けを取ることができるように、虐待の具体的な内容や日時、回数、場所等を、聴取しておくようにしましょう。

その上で、対象職員に関しては、少なくとも事実関係の調査が完了するまで、業務停止命令を出し、必要な調査以外の時は別室に待機させるか、自宅待機をさせるようにしましょう。

この業務停止命令や自宅待機命令の間の給与に関して、懲戒処分上の「出勤停止」等に該当すると考えれば支給しないという考え方もありますが、実際には、懲戒処分に当たるか否かを検討する機関でもあることに鑑みれば、必ずしも給与を支給しないという運用をすることは問題があります。

例えば就業規則の中に以下のような規定を置いておけば、このような事態に対応しやすくなります。

 

▶参考:就業規則の規定例

服務規律、懲戒等この規則に違反する行為があったと疑われる場合で、調査・処分決定までの前措置として事業所が必要と認めた場合は、職員に対し自宅待機を命ずることがある。自宅待機を命じられたものは、自宅待機自体が労務の提供であり、勤務時間中自宅に待機し、事業所が出勤を求めた場合には、ただちにこれに応じられる体制をとるものとし、正当な理由なくこれを拒否することはできない。ただし、自宅待機期間中は、平均賃金の60%の給与を支払うものとする。

 

 

平均賃金とは、原則として事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金 の総額を、その期間の総日数(就労日数ではなく、暦日数)で除した金額です。(労働基準 法第12条)

 

▶︎参照:「労働基準法」の条文

 

 

例えば、月給が20万円、過去3ヶ月(4月、5月、6月)の暦日数が91日の場合、1日あたりの平均賃金の金額は、以下となり、この6,593円に自宅待機期間中の日数をかけ、0.6を乗じた金額が、支払うべき給与の額となります。

 

●平均賃金:20万円 × 3ヶ月÷ 91日 ≒ 6,593円
●支払うべき給与:6,593円 ☓ 自宅待機期間中の日数 ☓ 0.6 = 自宅待機期間中の給与額

 

 

このような暫定的な措置を取った上で、調査を進め、最終的にどのような処分とするかについては慎重に検討をする必要があります。

具体的には、注意指導にとどまるのか、懲戒処分を行うのか、普通解雇または懲戒解雇を行うのか、などについて判断をする必要があります。

なお、普通解雇、懲戒解雇を行う際の注意点については、以下の記事を併せてご覧下さい。

 

▶参考:普通解雇したい!無効とならない事例や手続きをわかりやすく弁護士が解説

▶参考:懲戒解雇したい!有効になる理由や事例・手続きをわかりやすく弁護士が解説

 

 

(3)ご家族への連絡

一通りの事実確認が終わった後、まず報告をすべきなのはご家族です。

その理由は、先に行政や警察へ通報することで、予期せぬ形でご家族に虐待の事実が知れてしまうことになりかねないからです。

介護事業所での虐待事案は注目度が高く、通報をした段階でその情報がマスコミ等の知るところになれば、報道されたり、ご家族への取材が行われるということが容易に想像されます。

状況が全く飲み込めない状況の中で、このような取材がされれば、利用者本人への心配、状況がわからないことへの不安などで、冷静でいられなくなることは必然です。

その上、事業所としては、「必要な調査をしていただけである」、といくら弁解をしたとしても、ご家族からすれば、事業所が虐待の事実を隠蔽しようとしたのではないか、まだ隠していることがあるのではないか、などの不信感が募り、冷静な対応をすることは難しくなるでしょう。

そのため、まずは暫定的な調査の結果であっても、ご家族にご報告をし、その後は状況に応じて、誠実に説明や報告をしていくことが重要です。

 

(4)通報

養介護施設従事者等に対しては、養介護施設従事者等による 高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した際には、速やかにこれを市町村に通報しなければならないとされています(高齢者虐待防止法第21条第1項)。

そのため、ご家族への報告後は速やかに市町村に通報し、市町村の指示に従う必要があります。この通報と並行して、高齢者虐待用の事故報告書も併せて作成し、提出をする必要があります。

なお、警察への通報については、法律上の義務はなく、行うかどうかはご家族とも相談の上、慎重に行う必要があります。

後述する通り、介護職員の行為そのものが刑法上の犯罪に当たる可能性はありますが、虐待の内容や程度、ご家族のご意向によっては、警察の捜査等により事が大きくなることを避けたいと考えている方もいます。

「警察に通報する」、との意向を有するご家族を止めることは絶対にあってはいけませんが、通報してほしくないというご家族の意向を無視してまで通報をすることはありません。

しっかりと、ご家族とのコミュニケーションを取るようにしましょう。

 

(5)行政の立ち入り調査

市町村は、高齢者虐待を受けたと思われる高齢者について、通報があったときは、都道府県に報告の上協力体制を取り、立入検査等の監督処分権限を行使して、虐待に関する調査を行います。

例えば、職員への聴取調査、利用者の個人記録等の確認、事故報告書やヒヤリハット報告書の確認、研修記録の確認など、様々な調査が行われます。

聴取調査は、行政職員が事業所に来ることもあれば、職員が市役所等に赴いて行われる場合もあり、様々です。

具体的な調査事項等については、以下の厚生労働省の資料にも詳しく説明されていますので、併せてご覧ください。

 

▶︎参考:「養介護施設従事者等による虐待への対応(厚生労働省)」(PDF)

 

 

事業所としては、それぞれの調査に真摯に対応することが重要です。

 

8−3.虐待の「疑い」であった場合

次に、虐待の「疑い」はあった場合の、事業所としての対応について解説します。

この虐待の「疑い」について調査をした結果、虐待があったと判断された後の対応については、「8−2.虐待の事実がはっきりしている場合」と同様です。

 

(1)虐待の有無の調査

虐待発生の「疑い」が生じる場面としては、他の職員からの報告があった場合や、利用者が虐待の事実の存在を、はっきりとは言わないものの仄かしているような場合など、様々な場面が想定されます。

共通した状況としては、「虐待があったとのまことしやかな状況があるものの、事業所側としてその客観的証拠等を得られておらず、確信できていない」という状況であることです。

そのため、まず第一に必要なのは、虐待の有無に対する調査です。

 

1.職員への聞き取り

職員への聞き取りは、大きくは2種類に分けられます。

 

  • ① 虐待を行ったとされる職員本人への聞き取り
  • ② ① 以外の職員に対する聞き取り

 

この聞き取りについては、順番や、誰に確認をするかについては慎重に行う必要があります。

虐待の事実がはっきりとしていない中で、「② ① 以外の職員に対する聞き取り」を広範に行い過ぎると、虐待を行ったと疑われている職員が職場でいづらくなったり、口裏を合わせて虐待の事実を隠蔽しようとするなどの弊害が発生し得ます。

そのため、順序としては「② ① 以外の職員に対する聞き取り」→「① 虐待を行ったとされる職員本人への聞き取り」で行うべきですが、「②」で聴取をする職員は、例えば通報をしてきた職員がいる場合はその職員と、他にできる限り少数の、信頼のおける職員に限って行う事が重要です。

「②」や、以下で説明する防犯カメラの確認等の客観的証拠を固めた上で、虐待を行ったとされる職員本人への聞き取りを行うようにしましょう。

聴取するときは、聴取したい事実について、以下の観点を意識しながら、整理をするようにしましょう。

 

  • いつ(年月日、時間帯など)
  • どこで(居室内か、利用者の自宅か、送迎中か、食事中かなど)
  • 誰が(虐待を疑われている職員本人か、それ以外か)
  • 何を(虐待の態様、発言内容など)

 

また、聴取をする際には、必ず録音を取るようにしてください。

録音は、相手に了解を得る必要ありません。

詳しくは、以下の動画も併せてご覧ください。

 

▶︎参考:【無断録音】こっそり録音することは違法か?

 

▶︎参考:【無断録音!】実際にあったミス3選!弁護士が解説します!

 

2.防犯カメラの確認

ある程度の虐待の場所や日時がわかり、その場所に防犯カメラがあれば、客観的な証拠としては非常に有用です。

もっとも、防犯カメラを確認するにあたっては、以下の点を注意する必要があります。

 

  • 防犯カメラの年月日、時間はずれていないか
  • 映像が鮮明で、誰が映っているかや、何をしているかはわかる状態か
  • 防犯カメラの動画の保存期間内か

 

防犯カメラには形式等によって、音声を録音していないもの、画像が白黒のもの、画質が悪いものなど、様々なものがありますので、証拠としての価値があるかについては慎重に判断する必要があります。

また、防犯カメラの動画の保存期間等からは、速やかに確認をする必要があり、動画自体をダウンロードするなどの他、念のため、タブレットやスマートフォンなどで、映像を動画で撮るなど、複数のバックアップを取っておくことをお勧めします。

 

3.利用者からの聞き取り

実際に虐待を受けている可能性のある利用者からの聞き取りも重要です。

利用者に聴取をする際にも、以下を意識しながら聴き取りをする必要があります。

 

  • いつ(年月日、時間帯など)
  • どこで(居室内か、利用者の自宅か、送迎中か、食事中かなど)
  • 誰が(虐待を疑われている職員本人か、それ以外か)
  • 何を(虐待の態様、発言内容など)

 

さらに、当該利用者の認知機能の状況、実際に体に、痣や擦り傷などの傷がないかなどを慎重に確認する必要があります。

 

(2)調査中の対象職員の処遇

まず、利用者からの訴えがあった場合には、対象職員の業務停止までは求めないまでも、まずは一時的に利用者の担当から外すことは必須です。

これは、利用者と対象職員との間の信頼関係を考えたとき、虐待の実際の有無にかかわらず、適切な介護サービスを提供できる関係性にはないと言える状況であるからです。

その上で、調査期間にどの程度職務を限定するかについては、疑いのある虐待の程度や疑いの程度にもよりますが、「言動を注視する」、と言う措置から、先に説明したように、「業務停止命令を出す」という方法まで考えられます。

 

8−4.対応のフローチャート

これらまで解説してきた対応方法を、図にすると以下のようなイメージです。

 

対応フローチャート

高齢者虐待の対応フローチャート

 

身体的虐待が発生した場合の対応方法については、この記事の著者「弁護士 畑山 浩俊」が以下の動画で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

 

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】
このような、調査結果等によって刻一刻と状況が変化する虐待の事案においては、職員、利用者、利用者家族、行政など、様々な関係者との対応や段取りが求められます。これを、その場凌ぎでやってしまうと、事業所としての方針が統一されないまま一貫性のない対応になってしまったり、情報が管理されないまま流出し、ご家族の耳に入ってしまったりと、非常に難しい状況に陥ります。このような時に、虐待案件への対応に精通した顧問弁護士がいれば、虐待案件の発生直後から相談し、対応についてアドバイスをもらう事が可能です。既になんらかの対応をしてしまってからでは遅い可能性があります。虐待が発覚した時点から、弁護士に相談し、適切な初動を取れるようにしましょう。

 

 

9.高齢者虐待が発生したらどんな責任を負うの?

介護現場で高齢者虐待が発生すると、事実上の責任だけではなく、さまざまな法的な責任も発生します。

以下では、虐待をした職員及び介護事業所が負う責任をそれぞれ見ていきたいと思います。

 

9−1.虐待をした職員が負う責任

まず、虐待をした職員が負う責任としては、以下のの2つがあります。

 

  • 刑事責任
  • 民事責任

 

(1)刑事責任

刑事責任は、刑法上の刑事罰に科されるという責任です。

例えば、身体的虐待により、利用者に暴行を加えていれば暴行罪(刑法208条)として2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に、暴行を加えて怪我をさせていただ場合には傷害罪(刑法204条)として15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

また、身体拘束として、車椅子に固定するなどして移動ができない状態にしたとすれば、逮捕罪(刑法220条)、部屋の鍵をかけて外に出られないようにした場合には、監禁罪(刑法220条)により、3月以上7年以下の懲役に処せられることがあります。

さらには、介護が必要な場合であるにもかかわらずこれを放置すれば、保護責任者遺棄罪(刑法218条)として、3月以上5年以下の懲役に処せられることも考えられます。

もし、経済的虐待で、利用者の金銭等を不当に使い込んだような場合であれば、態様によって、窃盗罪(刑法235条)や業務上横領罪(刑法253条)が成立する可能性もあります。

 

▶︎参考:「刑法」の条文はこちら

 

 

(2)民事責任

職員としては、利用者に対して権利侵害行為を行い、これにより利用者に損害が発生していれば、不法行為(民法709条)に基づいて、利用者に対して損害賠償義務を負うことになります。

 

▶︎参考:「民法」の条文はこちら

 

 

9−2.介護事業所が負う責任

次に、介護事業所が負い得る責任としては、以下が考えられます。

 

  • 刑事責任
  • 民事責任
  • 行政上の責任

 

(1)刑事責任

高齢者虐待が刑事責任に問われる場面は、介護職員の行為が犯罪行為にあたる場合であり、これにより介護事業所自体が刑事責任に問われることはありません。

 

(2)民事責任

もっとも、職員が虐待を行い、利用者に損害を負わせた場合は、介護事業所も、使用者として損害賠償責任を負います(民法715条)。

民法715条は、以下のような規定です。

 

▶参考:民法715条

 

(使用者等の責任)

第715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

(2項以下省略)

 

 

これは、被用者を使用して事業を行う使用者は、被用者を使用することで利益を得ており(報償責任)、さらに危険を作出している(危険責任)ことから、被用者の不法行為について使用者も責任を負うべきである、という考えから定められている規定です。

加えて、個人である被用者に比べ、使用者の方が損害賠償請求をするにあたって、賠償金を回収できる可能性が高い、という面も、使用者責任の特徴です。実際、介護事業所は介護事故等に備えて、賠償保険に加入しています。

そのため、被用者が業務中に利用者に対して虐待を行っているような場合には、使用者である介護事業所が、損害賠償請求をされる可能性が高くなります。

 

(3)行政上の責任

介護事業所にとって、もっとも懸念されるのは行政上の責任です。

行政からの調査、実地指導、監査などの後、虐待の事実がはっきりすれば、介護保険法による権限の行使として、以下が行われます。

 

  • ① 改善勧告
  • ② 改善命令
  • ③ 指定の効力の全部または一部停止
  • ④ 指定の取消し

 

具体的には、「① 改善勧告」は、文書により基準を遵守すべきことを勧告し、期限内に文書により報告を求めることを言います。

そして、これに対して正当な理由なく勧告に係る措置を取らなかった場合、「② 改善命令」を発出します。これは、期限を定めて、勧告に係る措置を取るべき命令であり、期限内に文書による報告を求めるものです。

さらに、この命令に従わなかった場合は、聴聞・弁明機会を付与した上「③ 指定の効力の全部または一部停止」に進みます。

このような一連の権限行使を行っても是正されず、指定継続が看過できない場合、「④ 指定の取り消し」が行われることになります。

必ずしも、このような流れで進むわけではありませんが、行政による権限の強さの順に行われる場合は、このような経過を辿ることになります。

以下で紹介する詳しいフローチャートは、引用元の資料でも見ることができるので、参考にしてみてください。

 

1.都道府県が指定権限を有する介護保険施設・事業所の場合の対応フローチャート

都道府県が指定権限を有する介護保険施設・事業所の場合の対応フローチャート

 

2.市町村が指定権限を有する地域密着型介護保険事業所の場合の対応フローチャート図

市町村が指定権限を有する地域密着型介護保険事業所の場合の対応フローチャート図

 

3.介護保険事業所として未指定の養護老人ホーム、有料老人ホーム(含む未届施設)の場合の対応フローチャート図

介護保険事業所として未指定の養護老人ホーム、有料老人ホーム(含む未届施設)の場合の対応フローチャート図

 

 

【弁護士 畑山 浩俊のコメント】

 

行政による処分について、必ずしも権限の弱いものから順を追って行われるわけではないと説明をしましたが、よっぽどの悪質なケースでない限り、何らの勧告や命令もないまま、突然指定の一部が停止されたり取り消される、というケースは多くありません。

 

これは、事業所として、真摯に行政からの調査に臨み、勧告や命令に従って改善報告をしていくことで、業務を停止しなければならないという最悪のケースを防止できることを示しています。

一方、調査時に虚偽の報告をしたり、改善勧告を受けたにもかかわらずこれに対する改善を行わないなど、不誠実な態度を繰り返すと、業務停止や、最悪の場合は指定の取消しまで処分が進む可能性もあります。

 

そのため、高齢者虐待が発覚した場合には、決して隠蔽などせず、弁護士に相談の上、真摯かつ誠実に対応するようにしましょう。

 

 

10.介護現場で高齢者虐待を防止するには?

高齢者虐待は、発生させないことが一番です。

ここでは、高齢者虐待のリスクを減らすための方法について解説します。

 

10−1.職員のストレスケア

虐待を防止するために一番重要なことは、職員のストレスを軽減することです。

虐待に手を染めてしまう職員の多くは、職場での悩みを抱え、誰にもそれを相談できないままストレスが溜まって…というケースが多いです。

例えば、職員1人1人が、日頃の悩み等が相談できるような雰囲気づくりをすることは非常に有効です。

また、利用者や、利用者家族からのセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントが発生している場合には、介護事業所としては毅然とした態度をとり、職員を守るための行動を取るようにしましょう。

 

10−2.職場環境の改善

慢性的な人手不足は、身体拘束などのリスクを上げる他、職員の心身に多大なストレスを与えます。

例えば、夜勤の職員を複数名として、交代でしっかりと休憩を取ることができる環境を整えるなど、事業所側として可能な限りの配慮を検討するようにしましょう。

また、定期的に会議を開催し、職員同士が、「それって虐待にあたるんじゃないの?」と声を掛け合い、行動をチェックし合
て介護サービスを改善していけるような機会を提供することも、介護事業所としての務めです。

 

10−3.虐待防止のための研修の実施

虐待には、様々な類型があり、中には自分の行為が虐待に当たり得ることを気づかない介護職員がいます。

また、経験の浅さから、高齢者の心理状態等が理解できず、嫌がらせを受けているなどと勘違いして、利用者に対してその怒りや苛立ちをぶつけてしまう職員もいます。

虐待防止は、まずはこれらについての知識を得ることで実現できます。

高齢者虐待に関する研修を実施し、何故、利用者がそのような行動を取るのか、何気なく行う行動に一体どんな問題があるのか、などを丁寧に、かつ、繰り返し学ぶことで、職員の意識にもこれらが身に付、介護サービスの質を向上させることが可能です。

また、研修の際には、例えば虐待をすることでどんな責任を負いうるかなど、法的なシーンからの解説も不可欠です。

そのため、研修の外部講師としては、介護業界に精通した法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいです。

 

10−4.虐待防止マニュアルの作成

虐待防止の研修の他、虐待を防止するためのマニュアルを作成しておき、虐待が発生しそうな場面等での対処法などを常に確認ができるようにしておくことも有益です。

虐待防止マニュアルは、行政も雛形等を公開しており、例えば、神奈川県のホームページでは、高齢者虐待についての考え方等から詳しく解説をしています。

 

▶︎参考:「虐待防止マニュアル(神奈川県)」

 

 

10−5.職員による虐待報告窓口の設置

もし、虐待が発見された場合、これを職員が見てみぬふりをしてしまっては意味がありません。

そこで、職員が虐待を報告できる窓口を設置、周知し、虐待や虐待の恐れのある場合にすぐに通報が受けられるようにしておきましょう。

 

介護現場における高齢者虐待の防止対策については、以下の記事で具体的な対応方法などを詳しく解説していますので、あわせてご参照下さい。

 

▶参照:高齢者虐待を防止する対策とは?具体的な対応方法を解説【具体例付き】

 

 

11.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)虐待発生時の対応サポート
  • (2)虐待防止の研修
  • (3)ヒヤリハット研究会
  • (4)顧問サービス「かなめねっと」
  • (5)弁護士費用

 

以下で、順番に説明します。

 

11−1.虐待発生時の対応サポート

実際に虐待が発生した際には、事業所としてただでさえ混乱が大きい他、発生当初から、多くの関係者との間の調整が必要となります。

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、虐待が発生した直後からご相談をお受けし、段階に応じて行うべき措置やその順序などをアドバイスすることができます。

 

11−2.虐待防止の研修

虐待の防止には、職員への教育が不可欠です。

弁護士法人かなめでは、事業所において虐待防止についての研修を行い、職員の提供する介護サービスの質の向上等を図ることが可能です。

 

11−3.ヒヤリハット研究会

弁護士法人かなめでは、介護事業所の方々と共に、実際に生じた事例、裁判例を元にゼミ形式で勉強する機会を設け、定期的に開催しています。

実際に介護事業所の現場から得た「気づき」を参加者で共有し、それぞれの参加者の介護事業所の現場にフィードバックができる機会として、ご好評を頂いています。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶参考:「ヒヤリハット研究会」について

 

 

11−4.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「11−1」ないし「11−3」のサービスの提供を総合的に行う顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入しています。事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参考:顧問弁護士サービス「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

 

以下の記事でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

 

11−5.弁護士費用

また、弁護士法人かなめの弁護士費用は、以下の通りです。

 

(1)顧問料

  • 月額8万円(消費税別)から

 

※職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

(2)法律相談料

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。

※法律相談は、「1,弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2,ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※また、法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けおります。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方か らのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

12.まとめ

この記事では、高齢者虐待について、その具体的な内容や原因の他、高齢者虐待が発生した場合に職員、介護事業所が負うべき責任をそれぞれの立場から解説しました。

そして、高齢者虐待が実際に発生した場合の手順について、高齢者虐待の発生が確実な場合と、「疑い」の場合に分けて解説しました。

さらに、介護現場における虐待を防止する方法についても解説していますので、防止対策を検討されている経営者、管理者の方は是非参考にしてみてください。

そして、自社で解決できなければ、必ず弁護士に相談するようにしてください。

 

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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