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カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?対応方法などを詳しく解説

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?その意味や対応方法、防止対策までを解説
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あなたの働く介護事業所に、「職員に暴言を吐いたり暴力を振るう」、「無理難題や言いがかりをつける」、「体を触ってきたり義務のないことを要求する」ような利用者や利用者の家族はいませんか?

近年、顧客からのハラスメント、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の問題は深刻化しており、無視できない問題となっています。

介護事業所の利用者の方の多くは、認知機能に問題があったり、身体が不自由な方であることから、職員としても、その要望を無視できず、さらにハラスメント行為を我慢しなければならないと考えがちです。

しかしながら、利用者や利用者家族からのハラスメント行為を放置すると、円滑な介護事業所の運営が妨げられ、対応を迫られた職員の方が精神を病んでしまうこともあります。

そして、介護事業所は、職員に対して安全配慮義務を負っていますので、利用者や利用者家族からのハラスメント行為を認識しながら放置したことで、職員が精神疾患を発症したような場合、損害賠償義務を負う可能性もあります。

さらには、厚生労働省が令和2年6月1日に出した「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)では、事業主は、顧客等からの著しい迷惑行為(暴行、脅迫、ひどい暴言、著しく不当な要求等)により、その雇用する労働者が就業環境を害されることのないよう、雇用管理上の配慮をすることが望ましい旨定められ、「カスタマーハラスメント」への適切な対応をすることが急務であることが明らかとされています。

 

▶参照:「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)(pdf)

 

 

以下では、カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義やその見分け方などについて、具体的な事例を紹介した上で、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応方法について詳しく解説します。

また、カスタマーハラスメント(カスハラ)を放置した場合に事業所が負う責任や、防止するための方法についても解説しますので、カスタマーハラスメント(カスハラ)に強い事業所を作っていきたいと考えている事業所の方は、ぜひ参考にしてください。

それでは、見ていきましょう。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】
介護に関するハラスメントとして、「介ハラ」「ケアハラ」という言葉もあります。これは、介護に関する制度の利用等を理由とするハラスメントであり、いわゆる利用者、利用者家族などを相手とするカスタマーハラスメントではなく、社内におけるハラスメントの1つです。介護が社会問題となっている中、ハラスメントの種類も多様化しており、対応すべき問題も山積しています。

 

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1.カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?意味や定義について

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?意味や定義などを解説

カスハラとは、カスタマーハラスメントの略称であり、顧客からの要求内容、又は、要求態度が社会通念に照らして著しく不相当であるクレームや 顧客からの迷惑行為のことをいいます。例えば、以下のような行為があげられます。

  • 欠陥があった商品の代金より、高額な賠償を要求する
  •  謝罪として土下座を要求する
  •  職員の解雇を要求する
  • 不当な返品を要求(返品期限を過ぎている返品など) する
  • 実現不可能な要求(法律を変えろ、子どもを泣き止ませろなど)する
  • 発生した事実に対して担当者が相応に対応しているにもかかわらず、上司を出せと要求 する
  • 暴力をふるう、身体を触る
  • 性的な発言をする、女性蔑視の発言をする

 

カスタマーハラスメントは、近年録音や録画が容易にでき、SNSも普及したことから、コンビニの店員に土下座をさせている動画や、レストランで店員を誹謗中傷するような動画や音声が出回ることも増え、社会問題となっています。

 

2.現状に関する統計について

では、実際にカスタマーハラスメントに関する現状の統計を見てみましょう。

 

2−1.カスハラは増えている?

2020年10月に、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)が、「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果」を発表しました。

このアンケートは、「サービス業に従事しているUAゼンセン所属組合員」を対象に行われ、2020年7月10日から同年9月23日までの間に、全国233組合から2万6927件の回答がありました。

このアンケートで、直近2年以内に迷惑行為の被害にあったと答えたのは全体の「56.7%」であり、その迷惑行為内容として印象に残っていると挙げた内容、人数、その割合は以下のようになっています。

 

▶参考:「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果」(サービス業に従事しているUAゼンセン所属組合員より)

内容 件数 割合
暴言 5,988 39.3%
同じ内容を繰り返すクレーム 2,610 17.1%
威嚇・脅迫 2,287 15.0%
権威的態度 1,711 11.2%
長時間拘束 1,194 7.8%
セクハラ 350 2.3%
金品の要求 322 2.1%
暴力 207 1.4%
土下座の強要 90 0.6%
SNS、ネット上での誹謗中傷 47 0.3%
その他 449 2.9%

 

これらの迷惑行為に対応した所要時間としては、1時間以内と回答した人が「61.6%(9400件)」と最も多いものの、1日、1回では終わらず、7日から1ヶ月以内と回答した人は「2.8%(430件)」、さらに半年以上と回答した人も「1.3%(197件)」に上りました。

そして、直近2年以内で、迷惑行為が増えていると感じるか、という質問に対しては、増えていると回答した人「46.5%(12,500人)」、変わらないと回答した人は「25.7%(6,905人)」、減っていると回答した人は「3.3%(884人)」でした。

このアンケート結果によれば、実に半数近くの方が、迷惑行為、すなわちカスタマーハラスメントが増えていると感じていることがわかります。

アンケートの詳しい結果は、以下の資料の30ページ以下をご覧ください。

 

▶︎参照元:厚生労働省「顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議資料」(pdf)

 

 

また、株式会社エス・ピー・ネットワークが、2021年2月26日から同月27日の間に実施した、職種を問わず企業でクレーム対応を行なった経験のある会社員1030人を対象に行なったカスタマーハラスメントに関する調査では、過去2年間でカスタマーハラスメントが増えたと感じている人は、全体の「31.7%」でした。

詳しくは、以下のホームページをご覧ください。

 

▶︎参照元:株式会社エス・ピー・ネットワーク「【プレスリリース】カスタマーハラスメント実態調査(2021年)」

 

 

2−2.カスタマーハラスメントと新型コロナウイルス感染症の流行

UAゼンセンのアンケートで、直近2年以内に迷惑行為被害にあったと回答した人の中で、新型コロナウイルス感染症の影響による迷惑行為があったと回答をした人は、「35.9%」でした。

また、株式会社エス・ピー・ネットワークの調査では、在宅時間の増加や新型コロナウイルス感染症禍におけるストレスがカスタマーハラスメントの要因となっていると考えている人が多く、具体的には以下のような回答があったと紹介されています。

 

  • 過度な報道によりカスタマーサービスへの要求度が上がり権利主張がおかしな人が多くなっている。
  • 主に量販店向け食品製造業界だが在宅の時間が増え、商品の使用頻度が増えた一方で、その分クレーム件数も増えているのではないかと感じる。
  • ストレスのはけ口として購入元や取引先に対して執拗なクレームを言ってくる人が増えた

 

 

このような回答からは、新型コロナウイルス感染症は少なからずカスタマーハラスメントの増加に影響を与えていることがわかります。

 

3.カスタマーハラスメントの特徴

カスタマーハラスメントの特徴としては、以下の2つに集約されます。

 

  • 義務のないことを求められること
  • 義務の有無にかかわらずその態様が異常であること

 

一見すると「クレーム」という形式が取られているものの、その実は全く義務のないことを求めていたり、義務のあることであっても、要求の対応が理不尽であることの他、要求の有無に関わらず暴言、暴力、セクハラ等を伴う異常な行為が行われるのが、カスハラの特徴です。

理不尽なクレームについては、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:理不尽なクレーム!介護施設のモンスタークレーマーの対応方法を解説!

 

 

3−1.「通常の」クレームとカスハラの見分け方

「通常の」クレームとカスハラの見分け方のポイントの1つ目は、以下の点に注目することが重要です。

 

・そもそも何かを要求されているかどうか

 

 

そもそも、なんらの要望や要求があるわけではないにもかかわらず、職員を執拗に怒鳴ったり、暴力を振るったり、体を触るような行動を取られる場合には、そのような行為が正当化される理由は全くありません。

このような場合には、迷いなくカスタマーハラスメントへの対応に切り替える必要があります。

一方、一応はなんらかの要求がある場合は、以下の2点から検討する必要があります。

 

・その要求は事業所にとって義務のある行為か
・義務のある行為である場合、その要求態様が理不尽であるか

 

 

そもそも要求内容が、事業所にとって義務のない内容であった場合、そのことを説明したにもかかわらず要求を続ける場合には、カスハラと判断すべきです。

そして、仮に要求自体は、全く義務がないとは言えないことであっても、その要求態様が、執拗で、昼夜問わず長時間の対応を要求をしてきたり、責任者や職員全員の謝罪を要求してきたり、不必要に職員を罵倒したり暴力を振るって来るような場合には、カスタマーハラスメントと言えるでしょう。

 

3−2.「通常の」クレームとの見分けが重要である理由

このような見分けをする必要があるのは、クレーム自体は、本来はサービスに対する苦情や改善要求として、介護事業所にとって、サービスの行き届いていなかった点を改善し、利用者の方やそのご家族とコミュニケーションを図ったり信頼関係を築く上で重要な指摘だからです。

その際には、もちろん言葉がキツくなったり、多少は声を荒げることもあるでしょう。

しかしながら、「通常の」クレームであれば、介護事業所としては耳の痛いことであっても、まずはクレームの内容をしっかりと聴き取り、真摯に受け止め、事実関係を調査の上、改善に繋げようという姿勢が必要となります。

次の段落でも説明するように、「通常の」クレームの初期対応を誤ることが、カスタマーハラスメント(カスハラ)につながることもあるのです。

 

4.カスハラが起きる原因

カスハラが起きる原因として、先に紹介したUAゼンセンのアンケートによれば、以下のような原因が挙げられています。

 

  • 顧客の不満のはけ口、嫌がらせ
  • 接客やサービス提供のミス
  • 消費者の勘違い
  • 商品の欠陥
  • システムの不備

 

これを見ると、「顧客の不満のはけ口、嫌がらせ」のように、もっぱら顧客側の事情によるものもありますが、実はその発端の大部分は、会社、店側にあることが多いのです。

すなわち、初めは通常のクレームだったものが、初期対応のミス等によってハードクレーム、カスタマーハラスメント(カスハラ)へ繋がったり、「元はこちらのミスだから」という意識から、つい相手方からの要望を受け入れてしまったり、ハラスメント行為を我慢してしまった結果激化してしまうのです。

 

5.介護現場でのカスタマーハラスメントについて

カスタマーハラスメントといえば、コンビニエンスストアやスーパー等も接客の現場で発生するイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。

しかしながら、介護現場でのカスタマーハラスメントは「介ハラ」「ケアハラ」と名付けられるほど深刻です。

以下では、介護現場でのカスタマーハラスメントについて解説します。

 

5−1.介護現場での「介ハラ」「ケアハラ」の現状

厚生労働省は、ホームページに「介護現場におけるハラスメント対策」というページを設け、マニュアルや手引き等を公開しています。

 

▶︎参照:厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策」

 

 

このマニュアルによると、近年、介護現場では、利用者や家族等による介護職員への身体的暴力や精神的暴力、セクシュアルハラスメントなどが少なからず発生していることが様々な調査で明らかとなっていることが挙げられています。

具体的には、平成30年に行われた「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究事業」実態調査によれば、なんらかのハラスメントを受けたことがあると回答した職員の割合は、業態によって異なるものの、利用者からのハラスメントが4割から7割、利用者の家族等からのハラスメントが1割から3割であり、どの業態でもハラスメントを受けているという実態があります。

 

 

平成30年に行われた「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究事業」実態調査の「ハラスメントを受けたことのある職員の割合」

▶︎参照元:株式会社三菱総合研究所「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」9頁(pdf)

 

5−2.介護現場でのカスタマーハラスメントの行為者

介護現場でのカスタマーハラスメントの行為者は、大きくは利用者本人と利用者の家族に分けられます。

 

(1)利用者本人

通常のカスハラと同様、まず行為者となるのはサービスを受けている本人です。

職員に対する暴言や暴力、セクハラなど、様々なハラスメントが考えられます。

 

(2)利用者家族

介護現場でのカスハラの大きな特徴は、サービスを受けている本人だけでなく、その家族が行為者となることが多いことです。

例えば、利用者本人に特には問題がないにもかかわらず、家族からの無理な要求、暴言などが繰り返され、職員が疲弊しているケースもあります。

 

5−3.介護現場でのカスハラへの対応の困難さ

介護サービスは直接的な対人サービスが多く、「利用者宅への単身の訪問や利用者の身体への接触も多いこと」、「職員の女性の割合が高いこと」、「利用者本人の認知機能等に問題がある場合が多いこと」、「生活の質や健康に直接関係するサービスであり安易に中止できないこと」等から、非常に対応が難しく、事業所や職員も、ある程度は感受しなければならないものとして、サービス提供を実施していることが多いです。

また、例えば、訪問介護やデイサービスのような居宅サービスの場合は、一時的にサービス提供を中止することも可能かもしれませんが、特に特別養護老人ホームなどの施設サービスの場合は、現実的に施設からすぐに退去してもらう、と言うことが非常に困難です。

このような状況から、介護現場でのカスハラはこれまで目を瞑られてきた部分が多く、これにより多くの事業所、職員が被害に遭ってきたのです。

 

6.実際によくある事例紹介

実際によくある事例紹介

カスタマーハラスメント(カスハラ)の種類は多岐にわたりますが、これを大きくに3つに分類し、それぞれの具体例について紹介します。

 

  • 身体的暴力
  • 精神的暴力
  • セクシュアルハラスメント

 

6−1.身体的暴力

身体的暴力は、身体的な力を使って危害を及ぼす行為全般を指します。これは、職員が回避をしたために、危害を免れたケースも含みます。

具体的には、以下のように主に利用者本人から受ける行為がこれに当たります。

 

  • コップを投げつけられる
  • 蹴られる
  • 手を払い除けられる
  • 叩かれる
  • 手を引っ掻く、つねる
  • 首を絞める
  • 唾をはく
  • 服を引きちぎられる
  • 眼鏡を割られる

 

6−2.精神的暴力

精神的暴力は、個人の尊厳や人権を言葉や態度によって傷つけたり、貶めたりする行為です。

ここには、いわゆる通常のクレームとの境目が難しいものも含まれます。

具体的には、以下の行為が挙げられます。

 

  • 大声を発する
  • サービスの状況を覗き見する
  • 怒鳴る
  • 気に入っているホームペルパー以外に批判的な言動をする
  • 威圧的な態度で文句を言い続ける
  • 刃物を胸元からちらつかせる
  • 「この程度できて当然」と理不尽なサービスを要求する
  • 利用者の夫が「自分の食事も一緒に作れと強要する」
  • 家族が利用者の発言を鵜呑みにし、理不尽な要求をする
  • 訪問時不在のことが多く、書き置きを残すと「予定通りサービスがなされていない」として、謝罪して正座するよう強く求める
  • 「たくさん保険料を支払っている」と大掃除を強要し、断ると文句を言う
  • 利用料金の支払いを求めたところ、手渡しせずに、お金を床に並べてそれを拾って受け取るように求められた
  • 利用料金を数ヶ月滞納。「請求しなかった事業所にも責任がある」と支払いを拒否する
  • 特定の訪問介護員に嫌がらせをする

 

これらには、利用者だけではなく、利用者家族からの行為も多く含まれています。

 

6−3.セクシュアルハラスメント(セクハラ)

セクシュアルハラスメントとは、意に添わない性的誘いかけ、好意的態度の要求等、性的ないやがらせ行為をいいます。

具体的には、以下などの行為が挙げられます。

 

  • 必要もなく手や腕を触る
  • 抱きしめる
  • 女性のヌード写真を見せる
  • 入浴介助中、あからさまに性的な話をする
  • 卑猥な言動を繰り返す
  • サービス提供に無関係に下半身を丸出しにして見せる
  • 活動中のホームヘルパーのジャージに手を入れる

 

主には、利用者本人からの行為ですが、「例えば家族が、女性のホームヘルパーが自宅へやってくる時にアダルトビデオを放映する」、などといった事例もあります。

介護現場におけるカスタマーハラスメントのよくある事例や、実際に弁護士法人かなめが対応した事例など、より詳しい事例紹介をご覧になりたい方は、以下の記事をご参照ください。

 

▶参考:カスタマーハラスメントの事例!介護現場でよくあるカスハラを徹底解説

 

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】
これらの具体的な事例を見て、ほとんどの事業所の方が、「これは体験したことがある!」と思うのではないでしょうか。また、「これってハラスメントだったの?」と驚かれる方もいるかもしれません。事業所として、カスタマーハラスメントに対応していくためには、まずはどのような行為がカスタマーハラスメントなのかについて知る必要があります。

 

その上で、定期的な事例研究や弁護士などの専門家か研修を受けることにより、職員1人1人がカスタマーハラスメントに対する認識を新たにし、対応方法を学んでいただく必要があるのです。みなさんの事業所でも、例えばアンケートを取るなどして、カスタマーハラスメントの実態を調査することから始めましょう。

 

 

7.カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する正しい対処方法

カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する正しい対処方法

カスタマーハラスメント(カスハラ)に対しては、初動より粘り強く計画的な対策が必要です。

以下では、カスタマーハラスメント(カスハラ)が発生した場合の対処方法について説明します。

 

7−1.正確な事実確認が重要

 

(1)職員からの聴き取り

カスタマーハラスメント(カスハラ)の発生を知る端緒のほとんどは、職員からの相談です。

 

  • 「食事介助の際、いつもスプーンを払い除けて怒鳴られる」
  • 「居室へ行くと体を触られる」
  • 「訪問時になかなか家から出してもらえず、次の訪問に遅刻した」

 

など、実際に業務に支障をきたしている場合や、まだ現実化していないものの今後業務への支障が生じそうな場合などがあり得ます。

重要なことは、まずは職員から、正確に情報を聞き取ることです。

例えば、スプーンを払い除けられる理由について、「実は介助の方法が悪く、誤嚥しそうになることから、思わず払い除けていた」、と言うような場合であれば、職員側が気を付ける必要がある可能性もあります。

職員に対して、「実際にあったこと」、そして「その原因を正確に聞き取ること」が、今後の対策の前提となってきます。

 

(2)証拠の収集

そして、聞き取りと併せて、初期段階から証拠の収集をしておく必要があります。

例えば、カスタマーハラスメント(カスハラ)を受けた職員以外の職員からも聞き取りを行い、記録化しておくことに加え、もしその現場が防犯カメラ等に映っていたり、電話の録音機能で録音されているような場合には、保管期間がすぎて消えてしまう前に保全をしておく必要があります。

また、身体的暴行を受けているような場合で、その傷が残っている場合には写真に残しておおいたり、診断書を取得しましょう。また、壊れたものがある場合はその現物や写真を残しておくなど、時間が経過すると証拠収集が難しくなるものについては、速やかに証拠を保全するようにしましょう。

 

7−2.カスタマーハラスメント(カスハラ)と判断した場合の対応の基本

7−1.正確な事実確認が重要」により、カスタマーハラスメント(カスハラ)である、またはその疑いがあると事業所で判断した場合、まずは以下のような対応を心がけて下さい。

 

(1)カスタマーハラスメント(カスハラ)を受ける職員のケア

カスタマーハラスメント(カスハラ)を受けた結果、職員によっては精神疾患を発症したり、その恐れがある状況となり、業務継続が難しくなるケースもあり得ます。また、カスタマーハラスメント(カスハラ)では、特定の職員がターゲットとされることもあります。

そのような場合には、まずは当該職員を、行為者から引き離すことを優先して下さい。

例えば、訪問介護であれば担当を変更する、デイサービスの場合は、当該利用者が利用する日時のシフトを外すようにする、一時的に他の施設等へ異動するなど、できる限り当該職員がの負担を事業所として軽減する措置を取るようにしましょう。

 

(2)録音や録画の周知徹底

カスタマーハラスメント(カスハラ)により、事業所の運営などに支障を来す場合には、何らかの法的措置をとる必要が出てきます。

しかしながら、行為を行う相手の中には、自らの言動を認めない方もいる他、弁護士や警察に相談する場合や、実際に裁判になった場合などには、証拠が必要となってきます。

そこで、カスタマーハラスメント(カスハラ)、または、その疑いのある相手に対応する場合には、録音や録画をとっておくよう心がけて下さい。

なお、録音や録画をする際、相手方から許可をもらう必要はありません。

録音については、以下の動画で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

▶【無断録音】こっそり録音することは違法か?

 

 

▶【無断録音!】実際にあったミス3選!弁護士が解説します!

 

 

(3)複数対応をする

(1)カスタマーハラスメント(カスハラ)を受ける職員のケア」で説明した通り、カスタマーハラスメント(カスハラ)が行われる際、誰か1人がターゲットにされることは多々あります。

また、カスタマーハラスメント(カスハラ)を行う相手は、様々な要求を通したり、職員に思い通りの行動をさせるため、職員を委縮させたり怯えさせることを目的とした過激な行動をとる人も少なくありません。

そのようなカスタマーハラスメント(カスハラ)に、職員1人に対応をさせてしまうと、当該職員の精神的なストレスが大きくなり、短期間であってもメンタル不調を発症することがあります。

そこで、カスタマーハラスメント(カスハラ)が疑われる場合には、2人以上で且つ必ず相手の人数以上の職員で対応をすることを心がけて下さい。

具体的には、相手が1人であれば2人、2人であれば2人以上で対応することで、ストレスの分散になる他、相手方の言動を記録する人、対応する人というように役割分担をすることも可能となります

 

(4)カスタマーハラスメント(カスハラ)を撃退できる法律の根拠を確認する

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、その態様によっては、刑法上の犯罪になり得ます。

以下のような態様の場合は、警察への通報も視野に入れるようにしましょう。

 

1.脅迫罪(刑法222条)及び強要罪(刑法223条)

例えば、相手が「殴るぞ」「施設に火をつけるぞ」「暴力団の知り合いを呼びつけるぞ」「夜道に気を付けろ」などと、職員や介護事業所に危害を及ぼすこと又は危害を及ぼすことを仄めかすような内容を告知してきた場合、脅迫罪が成立する可能性があります。

さらに、このような危害を及ぼすことを告知して脅迫し、自らの要求を通そうとした場合には、強要罪が成立する可能性があります。

 

2.暴行罪(刑法208条)及び傷害罪(刑法204条)

例えば、相手が実際に職員を殴ったり、物を投げるなどしてきた場合には、暴行罪が成立する可能性があります。

さらに、これにより職員等が怪我をすれば、傷害罪が成立する可能性があります。

 

3.不退去罪(刑法130条)又は監禁罪(刑法220条)

例えば、介護施設で、職員が「お引き取り下さい」とはっきりと伝えているにも拘らず、居座って帰らないような場合には、不退去罪が成立する可能性があります。

また、訪問介護等で居宅を訪問した際、鍵をかけられたり、行く手をはばんだりなどして居宅から出られないような状況にされた場合、監禁罪が成立する可能性があります。

 

4.強制わいせつ罪(刑法176条)又は準強制わいせつ罪(刑法178条1項)

例えば、居宅などを訪問した際、無理矢理体を触ったり、お茶に睡眠導入剤等を入れ、抵抗できない状態とした状態でわいせつな行為などに及んだ場合は、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪が成立する可能性があります。

実際に、令和元年10月には、訪問介護にきた女性介護士に対して、わいせつ行為の目的で睡眠導入剤を入れた飲み物を飲ませ、急性薬物中毒にさせたとして、準強制わいせつ致傷罪で書類送検された(起訴は傷害罪)という事件が発生しています。

 

▶参照:「刑法」の条文はこちら

 

 

7−3.具体的な対応

次に、カスタマーハラスメント(カスハラ)に対して、電話・対面・メール等の書面などのケースごとに順番に対応方法を説明していきます。

 

(1)電話の場合

電話でのカスタマーハラスメント(カスハラ)対応は、相手方の顔や状況が見えないことから難しく、電話を切るタイミングを逃してつい長時間の対応に至ってしまうことが多いです。

まず重要なことは、電話に出るにあたって心の準備をすることです。

具体的には、繰り返し電話を架けてくる相手の電話番号は登録をし、このことを事業所全体に周知をした上で、電話がかかってきた場合には録音は必ずとるようにしましょう。

事業所内で利用している電話によっては、電話機自体に録音機能が付いているものもありますが、もし、咄嗟に録音の準備が出来ない場合には、一旦は出ないか、担当者が不在であるとして折り返す旨述べて一度電話を切り、録音の準備ができてから折り返すようにしましょう。

その上で、以下の手順を徹底するようにしましょう。

 

  • 手順1:まずは名前と用件を尋ねる
  • 手順2:適切な用件に対してはしっかりと対応したり、説明をする
  • 手順3:名乗らなかったり、用件を言わなかったり、以前から説明をしている内容を繰り返し尋ねてきている場合には、「用件をお話しいただけなければこれ以上の対応をすることはできません」、「そちらにつきましては以前にご説明させていただいておりますので、他に要件はないようでしたらお電話を切らせていただきます」などとしっかりと伝え、実際に電話を切る
  • 手順4:再度かかってきた場合も同様の方法をとる

 

このような対応を行うためには、事業所として、「この人は要注意である」という共通認識をもった上、それぞれが行った対応について情報を集約し、いつ誰が電話に出ても確認ができるようにしておくことが重要です。

また、これに関連して、電話の対応窓口を一本化することも有効です。

相手によっては、電話口で「○○はこう言っていた」などと、他の職員が対応をした際の話を持ち出して攻撃をしてくる場合があり、このような内容をその場で速やかに確認することは困難であることが多いです。

このような場合に、窓口を一本化していれば、一貫した対応を取ることが容易になりますし、他の職員も、「担当に代わります」、「担当が不在なので折り返します」という形で相手からの電話を置くことができ、日常業務への支障が軽減されます。

例えば、複数の事業所を運営しており、本部機能があるような法人であれば、1つの施設でカスタマーハラスメント事案が発生し、現場が度重なる電話対応で疲弊しているような場合に、カスタマーハラスメントの対応窓口として法人本部を指定することも有効です。

 

(2)対面の場合

まず、サービス提供中のカスタマーハラスメント(カスハラ)の場合には、「これ以上続けるようであればサービス提供はできません」とはっきり告げた上、それでもハラスメント行為を続ける場合には「一旦サービス提供を中止させていただきます」と告げ、実際にサービスを中断しても構いません。

その上で、上司へ報告をしてもらい、改めて複数人で対応するなど、方策を練るようにしましょう。

また、クレームを発端にしたカスタマーハラスメント(カスハラ)の場合には、必ず別室等に通し、複数で対応をするようにしましょう。

録音又は録画をとることも重要です。

対面での対応の場合には、相手方から何らかの書面を示され「一筆書け」と迫られることがあります。

例えば、以下のような内容の書面に、署名を求められることがあります。

 

  • 介護事業所が謝罪すること
  • 介護事業所がすべての責任を負うこと
  • 介護事業所が損害をすべて賠償すること

 

このような書面については、決裁権限のない職員であっても、絶対にサインはせず、きっぱりと拒否して下さい。なぜなら、相手は、「一筆書かせる」ことによって、自分の要求が通ったことに味を占め、さらに要求を激化させてきます。

また、事業所の管理者等、責任者がサインをしなければ、必ずしも法的な効力はありませんが、職員であっても、担当者として対応している以上、法人が何らかの法的義務を引き受けてしまう可能性があります。

そのため、カスタマーハラスメント(カスハラ)の証拠として、写しをとるなどして、書面の原本は相手方に返却するようにしてください。

また、長時間の居座りや、暴力的な言動が目立つ場合には、「(4)カスタマーハラスメント(カスハラ)を撃退できる法律の根拠を確認する」で説明した通り、刑法上の犯罪が成立する可能性がありますので、躊躇うことなく警察へ通報して下さい。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】
録音や録画については、相手方から同意を得る必要はありませんが、むしろ録音や録画していることを伝えた方が、過激な言動等を抑えられ、冷静に話ができる場合もあります。他方、証拠を確保するという観点からは、むしろ相手の素の状況を記録化することが最重要ですので、録音や録画をしていることを告げるべきではありません。ケースバイケースではありますが、カスタマーハラスメントへの対応時には、一度事業所内で検討したり、弁護士などの専門家に相談して、対応を検討してみて下さい。

 

 

(3)メール等の書面の場合

メールや書面などは、ハラスメントの態様とそれに対する対応状況が記録として残るため、カスタマーハラスメント(カスハラ)の記録化には最適です。

もっとも、メールなどを、職員が自らの判断だけで返信してしまうと、後々の対応に支障を来したり、事業所側がカスタマーハラスメント(カスハラ)の存在に気付けない結果、対応が遅れるといった事態が発生し得ます。

そのため、職員が社用で利用するメールについては、必ず管理者や直属の上司等、複数の職員を「CC」に入れてやり取りするようにしましょう。

また、メール、ショートメール、チャットアプリ、LINEなどは、気軽に返信等を行ってしまいがちな媒体であるものの、書面として残るという意味では細心の注意を払うべきものです。

そのため、特にカスタマーハラスメント(カスハラ)が疑われる相手との連絡の際には、事業所内で内容を練った上で返信するようにし、そのやり取りは、書面のやり取りと同様、事業所内で共有するようにしましょう。

また、LINEやチャットアプリの場合は、送信取消し等により証拠の隠滅が図られる可能性がありますので、トーク履歴を保存したりスクリーンショットをとるなどして保存するようにしましょう。

 

(4)法的手続の検討

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、「(4)カスタマーハラスメント(カスハラ)を撃退できる法律の根拠を確認する」で説明したように刑事罰の対象となることがある他、不法行為(民法709条)として損害賠償の対象にもなり得ます。

 

▶︎参照:民法709条

(不法行為による損害賠償)

第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

さらに、カスタマーハラスメントは、介護事業所が平穏に業務を遂行する権利を害していると言えるため、カスハラそのものを差し止める訴訟を提起することも考えられます。

法的手続を取るにあたっては、証拠化や段取り決めが非常に重要となります。法的手続を検討するにあたっては、必ず弁護士に相談するようにして下さい。

 

カスハラに対しての法的手続については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

▶参考:介護現場でのカスタマーハラスメント(カスハラ)を訴える!具体的な方法を解説

 

 

7−4.弁護士へのすみやかな相談

カスタマーハラスメント(カスハラ)に適切に対応し、早期に解決するためには、弁護士へのすみやかな相談が不可欠です。

弁護士への相談が後手にまわればまわるほど、相談時には既に取り返しがつかない状況になっており、トラブルが深刻化しているケースが多いです。

そのため、「これはおかしいぞ」という気配を感じた時点で、弁護士へ相談できる体制を構築しておくことが重要です。

 

(1)職員だけでの対応から専門家対応への切り替える目安

カスタマーハラスメント(カスハラ)を行う相手方としても、「この事業所にはどれだけ言ってもこれ以上要求は通らない」、「本当に法的措置を取られるかもしれない」などと考えれば、手を引くことも多々あります。

しかしながら、中には、初動の対応を誤ったことでカスタマーハラスメント(カスハラ)を受け入れてしまい、これに味を占めてハラスメントを繰り返してくることもあり得ます。

このような対応を続けていれば、職員は疲弊していき、事業所としての業務遂行への支障は免れません。

そのため、カスタマーハラスメント(カスハラ)の兆候が見えた段階で弁護士に相談し、初動の段階から対応方針を協議していくことが望ましいです。

 

(2)弁護士による対応で実現が出来ること

弁護士が、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応として行う方向性としては、以下の2つがあります。

 

  • 1.弁護士が書面等の作成をしたり、助言することで介護事業所によるカスタマーハラスメントへの対応をサポートする方法
  • 2.弁護士が窓口となり、カスタマーハラスメントに対応する方法

 

以下で、それぞれの方法について説明していきます。

 

1.弁護士が書面等の作成をしたり、助言することで介護事業所によるカスタマーハラスメントへの対応をサポートする方法

「1」は、あくまで窓口は介護事業所が行い、弁護士がその対応をサポートする方法です。

カスタマーハラスメント(カスハラ)の相手は、この事業所はどんな要求をしても思い通りにならないと思えば、態度が軟化することも多いです。

そのため、初動から対応を誤らないよう、弁護士が逐一助言をしたり、相手方に出す書面を作成して介護事業所名で送付させることで、カスタマーハラスメントがおさまるケースもあります。

そして何より、弁護士の助言を受けながら、介護事業所が自ら対応することで、介護事業所自体にカスタマーハラスメント対策のノウハウが蓄積されていくことになります。

その上で、もはや介護事業所だけでは対応が難しいとなれば、状況を見て「2」に切り替えることになります。

 

2.弁護士が窓口となり、カスタマーハラスメントに対応する方法

「2」は、弁護士が交渉の窓口を引き取り、モンスタークレーマーと介護事業所が直接やり取りをしなくていい環境を作る方法です。

弁護士が入ったということだけでトーンダウンすることもありますし、仮にトーンダウンしなくても、少なくともカスタマーハラスメント(カスハラ)の相手方に直接対峙する機会が減り、介護事業所が本来の事業所運営に専念することが出来ます。

 

8.放置するなど適切な対策を怠った際のリスク

事業所内で、職員がカスタマーハラスメント(カスハラ)を受けているにもかかわらず放置するなどし、適切な対策をとらなかった場合、事業所としてどのようなリスクを負うことになるかについて説明します。

 

8−1.職員が対策に疲弊すると、うつ病などの精神疾患の発症につながることも!

職員がカスタマーハラスメントへの対応を続けると、メンタル不調を訴え、うつ病等の精神疾患を発症するおそれが高まります。

これは、介護事業所の事例ではありませんが、2006年には東京都で、小学校の新任女性教師が、「モンスターペアレント」への対応を原因として自殺をするという痛ましい事件が2件立て続けに発生しています。

 

8−2.職員の離職

そして事業所が、カスタマーハラスメント(カスハラ)やこれによる職員のメンタル不調を放置すれば、職員としては、自分を守ってくれない事業所に対する信頼を失ってしまいます。

そうなれば、離職の可能性が高まり、人材不足の介護業界においては大きな痛手となります。

やる気があり、カスタマーハラスメント(カスハラ)に率先して対応してきたような職員が離職していくと、残った職員の業務はさらに逼迫し、職員は心身ともに疲弊していき、また離職をする、という悪循環に陥るのです。

 

8−3.事業所が負うリスク

職員が、カスタマーハラスメント(カスハラ)の対応でメンタル不調となり、これにより精神疾患に罹患すれば、事業所としては、労働契約上の安全配慮義務に違反したものとして、損害賠償責任を問われる可能性があります。

安全配慮義務違反とは、詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

▶参考:職員への安全配慮義務違反とは?罰則や事例、訴えられた際の対応を解説

 

 

事業所としては、一職員に対応を任せてよしとするのではなく、事業所全体として対応するという姿勢を見せていかなければなりません。

カスタマーハラスメントの事案ではありませんが、長崎の保育園で起きた虐待騒動の中で、1人の先生がうつ病を発症し、自ら死を選んでしまったことに対して、保育園の責任が認められた事件があります(長崎地方裁判所令和3年1月19日判決)。

この先生は20年以上のキャリアを持つベテランであり、決して経験の浅い保育士ではありませんでしたが、園が保護者対応、マスコミ対応を含む虐待事案への対応を誤った結果、最悪の事態を招いた上、保育園自体も多額の賠償義務を負うことになったのです。

事業所としての問題に、事業所全体として取り組むことを怠った場合、このような最悪の結末を迎えることもあります。事業所としては、自分たちだけで悩むのではなく、弁護士などの専門家に相談の上、真摯な対応を模索する必要があります。

 

9.カスタマーハラスメント(カスハラ)を防止するには?

カスタマーハラスメント(カスハラ)の中には、事業所側の努力では防ぐことができない場合も多々ありますが、防止や軽減ができるものもあります。

ここでは、カスタマーハラスメント(カスハラ)を防止するための方法について説明します。

 

9−1.カスタマーハラスメントに対する指針の策定【書式テンプレート付き】

近年、ホームページに「カスタマーハラスメントに対する指針」を公開している企業等が増えてきています。

カスハラを行う顧客の中には、自分の行為がカスハラだと認識していない(顧客として当然だと考えているなど)ために、問題のある行動をとる方もいます。

また、不当な要求等をすることによって、対策ができておらず、言いなりになってしまう相手に対しては、行為者も執拗な態度を取りがちになります。

そのため、まずは事業所として、「カスタマーハラスメントに対する指針」として、事業所のカスタマーハラスメントに対する考え方や、事業所が考えているカスタマーハラスメントの定義、これに対して事業所がとっている対策などを公開しておくことが重要です。

以下に、「カスタマーハラスメントに対する指針」のテンプレートを掲載しますので、皆さんの事業所の状況に応じてアレンジしてみてください。

 

▶︎参照:「カスタマーハラスメントに対する指針【所職テンプレート】(docx)」ダウンロードはこちら

 

 

9−2.職員、利用者への周知

カスタマーハラスメントに対する指針を策定するにあたっては、職員から、実際に体験したハラスメントの内容等をヒアリングするなどし、事業所一丸となって策定をする必要がありますが、出来上がった後にも、必ず職員への周知が必要です。

せっかく事業所としての指針を定めたのに、職員がこれを知らなければ、実際に現場でカスタマーハラスメントに対峙する職員を守ることができません。

そこで、カスタマーハラスメントに対する指針を策定し、公開するにあたっては、職員への周知や説明を必ず行うようにしてください。

また、利用者や利用者家族に対しても、指針を見てもらえなければ意味がないことから、ホームページに掲載してよしとするのではなく、利用契約書や重要事項説明書の説明にあったって、しっかりとその趣旨を説明するようにしましょう。

「別紙」として、配布をすることも検討してください。

 

9−3.利用者情報の収集とそれを踏まえた担当職員の配置や引継ぎ

利用者や利用者の家族のによっては、契約時に、既にカスタマーハラスメントその片鱗が見えている場合もしばしばあります。

そのような場合、初期対応をした職員は、疑いであっても、その懸念点等を確実に他の職員と共有し、事業所全体として対策を検討しておく必要があります。

もちろん、初めから「カスハラをする相手」というような接し方をするということではなく、「念のため職員間で情報を常に共有しておく」、「なるべく複数対応をするようにしておく」、「セクハラが疑われる場合にはなるべく男性職員が対応するようにしておく」など、初期段階で取ることができる対策もあります。

これにより、カスタマーハラスメントが顕在化しない場合もありますし、仮に顕在化した場合でも、迅速な対応が可能となります。

 

▶参考情報:カスタマーハラスメントの防止対策について詳しくは以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

カスハラ対策!カスタマーハラスメントのマニュアルや指針策定、防止策を解説

 

 

10. 研修や相談窓口など事業所内のフォローやサポート体制の構築

以下では、カスハラが発生してしまった時に備えて、事前にできるフォローやサポート体制について解説します。

 

10−1.職員に対する研修

最終的には、弁護士に相談するとしても、どのようなカスタマーハラスメントに対しても、最初に対応するのは各職員です。

そのため、カスハラへの対応方法は、管理者等が知っているだけでは足りず、各職員が理解し、実践できる組織体制を構築する必要があります。

そこで、事業所としては、カスタマーハラスメントへの対処法について、研修を実施するなどして、各職員の知識や理解度を合わせておく必要があります。

この研修は、1度だけはなく、実際にあった事例などを情報共有しながら、定期的に行われることが望ましいものです。

 

▶参考情報:介護の現場におけるカスタマーハラスメントの研修は、以下の記事で必要な研修内容や実施方法などについて詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

介護業界のカスタマーハラスメント研修!必要なカスハラ研修内容や実施方法を解説

 

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】
カスタマーハラスメント対策などのセミナーは数多くありますが、介護業界の事情を理解した上で、業界に特化したアドバイスをしてもらえることは多くありません。そこで、介護業界に精通した弁護士などの専門家へ依頼することで、実践的な対策を学ぶことができます。弁護士法人かなめでは、介護特化型弁護士による研修講師サービスを提供しています。全国の介護事業所の顧問サポートによる豊富な実績と経験から実践的な現場主義の研修を実施させていただいております。研修講師サービスについては、以下のWebサイトをご覧ください。 

▶参考:「介護特化型弁護士による研修講師サービス」はこちらから

 

 

10−2.職員がすぐに相談できる組織作り

職員の中には、責任感などから、カスタマーハラスメント事案を1人で抱え込んでしまったり、現場だけで対応しようとして、メンタル不調や離職につながってしまうことも多々あります。

そのため、事業所としては、職員誰もが、発生したカスタマーハラスメント事案を相談し、情報共有できる環境を作ることが重要です。

具体的には、カスタマーハラスメント事案は、実際にハラスメントを受けた職員だけの問題ではなく、事業所全員で一丸となって解決しなければならない問題であることを周知し、意識改革を行うことの他、「相談窓口を設ける」、「相談フォームを整備する」、「定期的な面談を行う」など、実際に相談をしやすくするための方法を、職員と意見交換しながら整えていくことになります。

 

10−3.顧問弁護士にすぐに相談できる外部への相談窓口を設置

カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応は、初動がなによりも肝心です。そのため、カスタマーハラスメント(カスハラ)の兆候が顕れた場合には、すぐに初動の相談をできるよう、顧問弁護士との日々の繋がりを密にしておくことが必要です。

また、相談の際、法人の決裁を仰がなければならないとすると、相談すること自体を躊躇したり、相談までに時間がかかってしまうケースがあり得ます。

そのため、現場のリーダーや管理者層の声が直接顧問弁護士に伝わるような相談窓口を設置することが望ましいです。カスタマーハラスメントの相談窓口の開設や整備については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

▶参照:カスタマーハラスメントの相談窓口の整備・開設方法を弁護士が解説

 

 

また、実際の介護業界に強い顧問弁護士の探し方などについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

▶︎参照:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

 

11.カスタマーハラスメント対応に関して弁護士法人かなめに相談したい方はこちら

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)カスタマーハラスメント発生初期段階からの対応サポート
  • (2)カスタマーハラスメントへの対応窓口
  • (3)カスタマーハラスメントの相手方への法的措置
  • (4)事業所内での研修や体制構築のサポート
  • (5)顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

以下で、順番に説明します。

 

11−1.カスタマーハラスメント発生初期段階からの対応サポート

 

(1)内容

カスタマーハラスメントへの対応は初動が肝心です。初動を誤ることで、カスタマーハラスメントの態様をより激化させることもあり、解決が困難となるケースもあります。

最も重要なことは、「ややこしくなってきたから」相談するのではなく、「おや、何か変だぞ?」というタイミングで専門家の意見を仰ぐことです。

そして、相談、回答、実践、反省、というサイクルを回していくことで、事業所自体にもカスタマーハラスメント対応へのノウハウが蓄積され、組織として成長することが出来ます。

弁護士法人かなめでは、カスタマーハラスメント対応の初期段階から、現場の責任者から相談を受け、初動からきめ細やかにサポートすることで、円滑なクレーム対応を実現します。

 

(2)ご相談プラン

まずは、一度、弁護士法人かなめにご相談ください。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。
※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。
※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

法律相談の申込みは、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

11−2.カスタマーハラスメントへの対応窓口

 

(1)内容

どれだけ気を付けた対応をしていても、どうしてもハラスメントがおさまらない場合や、職員が既に疲弊しており、すぐにでも対応窓口を変えたいという場合もあります。

弁護士法人かなめでは、介護事業所では対応しきれないカスタマーハラスメント対応の窓口となり、交渉等を行います。カスタマーハラスメントの対応を専門家に任せることによって、職員のストレスが軽減し、本来の業務に専念することができます。

 

(2)ご相談プラン

まずは、一度、弁護士法人かなめにご相談ください。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。
※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。
※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

法律相談の申込みは、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

11−3.カスタマーハラスメントの相手方への法的措置

 

(1)内容

カスタマーハラスメントが激化し、弁護士が窓口になるだけでは収まらないような場合には、カスタマーハラスメント行為自体をやめさせるための差止訴訟や、カスタマーハラスメントにより事業所の業務が妨害されたとして損害賠償を請求するような場合が考えられます。

また、カスタマーハラスメントの激化により、利用サービスを解除したような場合、利用者側から、解除が無効であることを前提とした請求(損害賠償請求等)がされることがあります。

このような場合には、証拠収集等の準備や、実際の訴訟追行など、専門的だったり技術的な判断や作業が多いため、専門家への相談が不可欠となります。

弁護士法人かなめでは、カスタマーハラスメントに付随して発生する法的手続への対応を行います。

 

(2)ご相談プラン

まずは、一度、弁護士法人かなめにご相談ください。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。
※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。
※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

法律相談の申込みは、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

11−4.事業所内での研修や体制構築のサポート

 

(1)内容

カスタマーハラスメント対応には日頃からの備えが重要です。

そのためには、事業所内で、カスタマーハラスメント対応について職員の研修をしたり、事業所ごとのマニュアルを作成して備え置くなどして、事業所全体でクレーム対応をする、という体制を構築する必要があります。

そして、カスタマーハラスメントに適切に対応できる事業所体制を構築するためには、例えば利用契約の段階で、契約書の文言を工夫することや、事業所内で発生し得る労務問題等へ対応していくことも重要です。

弁護士法人かなめでは、介護事業に特化したカスタマーハラスメントへの対応に関する研修の他、事業所で作成するカスタマーハラスメント対応マニュアルの作成もサポートします。

さらに、利用契約書のチェックの他、日頃の事業所運営の中で発生する労務問題等への対応も行っています。

 

(2)研修サービス

  • 1回あたり11万円/1時間30分〜2時間+交通費等実費

 

※ただし、研修内容、研修時間により費用についてはご相談させて頂きます。
※詳しくは、以下のページもご覧ください。

 

▶︎参照:弁護士法人かなめ「介護事業書向け研修のご依頼について」

 

 

研修をご希望の事業所様は、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

(3)ご相談プラン

介護事業所での労務問題等にお困りの方は、まずは、一度、弁護士法人かなめにご相談ください。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。
※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。
※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

法律相談の申込みは、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

11−5.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

(1)内容

弁護士法人かなめでは、「11−1」及び「11−4」のサービスの提供を総合的に行う顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入しています。

事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参照:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

(2)料金プラン

  • 顧問料:月額8万円(消費税別)から

 

職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

12.まとめ

この記事では、カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義やその見分け方などについて、具体的な事例を紹介した上で、その対応方法について解説しました。

また、カスハラを放置した場合に事業所が負う責任や、防止するための方法についても紹介し、「カスタマーハラスメントに対する指針」のテンプレートも掲載しましたので、カスタマーハラスメントに強い事業所を作っていきたいと考えている事業所の方は、ぜひ参考にしてください。

カスハラに対しては、初動からの粘り強い対応が必要です。まずは、事業所内で、速やかにカスタマーハラスメントが把握される環境を整備した上、把握された場合には、速やかに弁護士相談するようにしましょう。

 

13.介護事業者向け「カスタマーハラスメント」セミナー開催情報

【理不尽なクレーム事例から学ぶ】カスタマーハラスメント実践対応オンラインセミナー(参加無料/参加者特典あり)

 

今回の記事テーマ「カスタマーハラスメント」に関するオンライン(Zoom)無料セミナーの開催情報をご案内します。

弁護士法人かなめ運営の「かなめ介護研究会」で開催する今回のセミナーは、介護事業者向け「【理不尽なクレーム事例から学ぶ】カスタマーハラスメント実践対応オンラインセミナー(参加無料/参加者特典あり)」です。

講師は、介護特化型弁護士の「畑山 浩俊」(弁護士法人かなめ 代表弁護士)が担当します。

このセミナーでは、「カスタマーハラスメントの定義やその見分け方」「カスハラの具体的な事例」などをご紹介した上で、「カスタマーハラスメントへの対応方法のポイント」「カスハラ問題を放置した場合の事業所の責任について」「カスタマーハラスメントを防止するための方法のヒント」などを解説いたします。

また、今回のセミナーには参加者特典(以下、参照)もありますので、現在カスタマーハラスメントでお困りの介護事業者の方は、是非ご活用してください。

 

  • 特典1:弁護士による無料の個別相談会
  • 特典2:顧問弁護士サービスの無料の個別相談会

 

「カスタマーハラスメント」セミナーについての開催情報や開催日時、参加申込みについては、以下の「セミナー詳細ページ」をご覧下さい。

 

【事例から学ぶ】カスハラ(カスタマーハラスメント)実践対応オンラインセミナー(参加無料/参加者特典あり)の開催情報はこちら

 

 

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「かなめねっと」では、弁護士と介護事業所の関係者様、具体的には、経営者の方だけでなく、現場の責任者の方を含めたチャットグループを作り、日々現場で発生する悩み事をいつでもご相談いただける体制を構築しています。

法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応します。 現場から直接、弁護士に相談できることで、社内調整や伝言ゲームが不要になり、業務効率がアップします!

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介護施設の経営や現場の実戦で活用できるテーマ(「労働問題・労務管理」「クレーム対応」「債権回収」「利用者との契約関連」「介護事故対応」「感染症対応」「行政対応関連」など)を中心としたセミナーです。

弁護士法人かなめでは、「介護業界に特化した弁護士」の集団として、介護業界に関するトラブルの解決を介護事業者様の立場から全力で取り組んで参りました。法律セミナーでは、実際に介護業界に特化した弁護士にしか話せない、経営や現場で役立つ「生の情報」をお届けしますので、是非、最新のセミナー開催情報をチェックしていただき、お気軽にご参加ください。

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介護特化型弁護士による研修講師サービスのご案内

介護特化型弁護士による「かなめ研修講師サービス」 介護特化型弁護士による「かなめ研修講師サービス」

弁護士法人かなめが運営している社会福祉法人・協会団体・自治体向けの介護特化型弁護士による研修講師サービス「かなめ研修講師サービス」です。顧問弁護士として、全国の介護事業所の顧問サポートによる豊富な実績と経験から実践的な現場主義の研修を実現します。

社会福祉法人の研修担当者様へは、「職員の指導、教育によるスキルアップ」「職員の悩みや職場の問題点の洗い出し」「コンプライアンスを強化したい」「組織内での意識の共有」などの目的として、協会団体・自治体の研修担当者様へは、「介護業界のコンプライアンス教育の実施」「介護業界のトレンド、最新事例など知識の共有をしたい」「各団体の所属法人に対して高品質な研修サービスを提供したい」などの目的として最適なサービスです。

主な研修テーマは、「カスタマーハラスメント研修」「各種ハラスメント研修」「高齢者虐待に関する研修」「BCP(事業継続計画)研修」「介護事故に関する研修」「運営指導(実地指導)に関する研修」「各種ヒヤリハット研修」「メンタルヘルスに関する研修」をはじめ、「課題に応じたオリジナル研修」まで、介護事業所が直面する様々な企業法務の問題についてのテーマに対応しております。会場またはオンラインでの研修にご対応しており、全国の社会福祉法人様をはじめ、協会団体・自治体様からご依頼いただいております。

現在、研修講師をお探しのの介護事業者様や協会団体・自治体様は、「かなめ研修講師サービス」のWebサイトを是非ご覧ください。

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この記事を書いた弁護士

介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。
介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

中野 知美なかの ともみ

弁護士

出身大学:香川大学法学部法律学科卒業/大阪大学法科大学院修了(法務博士)。
介護現場からの相談を数多く受けてきた経験を活かし、一般的な法的知識を介護現場に即した「使える」法的知識に落とし込み、わかりやすく説明することをモットーとしている。介護事故、カスタマーハラスメント、労働問題、行政対応など、介護現場で発生する多様な問題に精通している。

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