記事公開日: 2021年2月27日   
記事更新日: 2021年4月2日

介護事故が発生したら!原因や対応方法、防止策を事例付きで弁護士が解説

介護事故が発生したら!原因や対応方法、防止策を事例付きで徹底解説!
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介護事業所を運営する中で、事業所の皆さんが最も恐れていること。その1つは「介護事故」ではないでしょうか?

そのため、介護事業所にとっても、最も対策をすべき事項として優先順位が高いものだと思われる反面、事業所運営にあたって日々発生する問題に直面しているうちに、思うような対策が出来ていないと考えている経営者や責任者の方も多いのではないでしょうか。

もともと、介護サービスを利用されるのは、身体的な不自由があったり、認知機能の低下により、自らの行動のコントロールが難しい高齢者の方です。

職員の方も、1対1で常に見守りができるわけではありませんし、目を離さないことは不可能なので、どれだけ気を付けていたとしても、事故は起こってしまいます。

ただ、介護事故の中には、しっかりと事前の対策をすること防ぐことができた事故も存在し、介護事業所の過失が認められれば、当然、利用者に対して損害賠償義務を負うことになります。

介護事業所では、介護事故に対応するため、任意保険に加入していますが、内容によっては損害額が保険金の金額より多額となることもあります。

そして、金銭的な面だけではなく、サービス提供に携わっていた職員に刑法上の犯罪が成立したり、行政から介護事業者としての指定の停止や取消しがされるケースもあります。

さらには、介護事故が発生した場面では、結果の大小を問わずクレームにつながることも多々あります。もちろん、通常のクレームもありますが、中にも理不尽なクレームもあり、そのような場合には特別な対処が必要となります。

 

▶参考情報:介護施設の理不尽なクレーム!モンスタークレーマーの対応方法を解説

 

 

加えて、事業所内での介護事故のインパクトは強く、職員の中には責任を感じて気を病み、精神疾患を発症してしまう方もいます。

この記事では、介護事故について、その原因や、事故発生時に介護事業所が負うべき責任、その対応方法を事例を通じて紹介した上で、日々の事業所運営の中でできる具体的な防止策についても説明します。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

介護事故は、どの事業所でも発生しますし、事故発生時には、現場は混乱状態に陥ります。このような中で、介護事故発生時の初動を誤ると、結果の増幅の可能性がある他、利用者の方やそのご家族との関係がこじれ、最終的には裁判沙汰となり、多くの時間を割かれてしまうこともあります。

 

そのため、一番は、可能な限り介護事故が起こらない体制を事業所内で構築することですが、仮に事故が起こった場合には、事業所全体としてどのように連携し対処していくかをしっかりと決めておく必要があるのです。

 

そこで、介護事故の予防や発生時の対応については、研修を実施するなどし、職員全員がしっかりと共通認識を持つ必要があります。

 

例えば、介護事故の予防や事故発生後の対応についての研修を弁護士が実施し、そして実際に、介護事故が発生した場合に、同じ弁護士へすぐに相談できる環境を構築しておくことで、対応する職員の負担を軽減し、初動を誤ることなく、自信をもって対応ができるようになります。

 

介護事故が発生した場合に備えた体制が構築できるようになれば、介護事故が起こった後も、適切に対応できるようになるのです。

 

介護事故が起きる前と後、両方の観点から、介護事故に強い介護事業所を作りましょう。

 

 

この記事の目次

1.介護事故とは?

介護事故とは?

 

介護事故とは、施設内及び職員が同行した外出時、職員が訪問した利用者の自宅等において、利用者の 生命・身体等に実害があった、または、実害がある可能性があって観察を要した事案のことをさします。(職員、施設側の責任の有無は問わない。職員の被害は含まない)

介護事故というと、定義づけによって広く捉えることもできますし、狭く捉えることもできます。

もっとも、今回取り上げる介護事故については、厚生労働省による高齢者の介護、介護予防、生活支援、老人保健及び健康増進等に関わる先駆的、試行的な事業に対して補助を行い、老人保健福祉サービスの一層の充実や介護保険制度の基盤の安定化に資することを目的とする補助金事業として、平成24年に株式会社三菱総合研究所から出された「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」での定義を参考に、以下のものをさすこととします。

 

  • 施設内及び職員が同行した外出時、職員が訪問した利用者の自宅等において、利用者の 生命・身体等に実害があった、または、実害がある可能性があって観察を要した事案
  • 職員、施設側の責任の有無は問わない
  • 職員の被害は含まない

 

▶参照:「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」(PDF)

 

 

2.数字で見る介護事故の実態

次に介護事故の実態について、「全国で発生する介護事故の件数」データを紹介します。

 

2−1.全国で発生する介護事故の件数

介護事故が発生した場合、介護事業所は市町村にその旨を報告しなければなりません。

もっとも、市町村から国に対して、介護事故の件数を報告する制度がないことから、全国の介護事故の件数は、実は正確には把握されていません。

そこで、平成29年度老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業として、公益財団法人介護労働安定センターから出された「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書では、消費者庁より厚生労働省老健局に報告され276事例の介護事故の傾向と分析がされているので、この統計を紹介したいと思います。

なお、この統計は重大事例として、概ね30日以内の入院を伴うものとして消費者庁に報告されている事案となります。

 

1.事故状況分類

転倒・転落・滑落 181 件(65.6%)
誤嚥・誤飲・むせこみ 36件(13%)
ドアに体を挟まれた 2件(0.7%)
盗食・異食 1件(0.4%)
送迎中の交通事故 7件(2.5%)
その他 16件(5.8%)
不明 33件(12%)

 

2.事故傷病分類

骨折 70.7%
死亡 19.2%
あ ざ・腫れ・擦傷・裂傷 2.5%
脳障害 1.1%
その他不明 6.5%

 

3.転倒、転落事故が発生した際の業務詳細(181事例)

見守り中 46.7%
他の利用者を介助中 7.2%
室内移動中 5.0%
目を離した際 3.9%
車いす移乗時 3.9%
トイレ移動中 3.9%
ベッド移乗中 2.8%
付添介助中 2.8%
おしめ交換中 1.1%
送迎時 1.1%
徘徊中 1.1%
リハビリ中 1.1%
排泄中 0.6%
入浴中 0.6%

 

▶参考情報:「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(PDF)

 

 

3.介護事故が発生するシチュエーション

介護事故が発生するシチュエーション

介護事故が発生するシチュエーションについて、代表的なものを紹介します。

 

3−1.送迎時の事故

利用者の送迎時には、施設又はご自宅内から玄関までの移動、車椅子への移乗、移動車への乗り降りなど、利用者の様々な身体的な活動が伴います。

そのため、転倒、転落、滑落などの事故発生が危ぶまれます。

 

3−2.食事中の事故

食事中には、利用者の嚥下機能の低下等により、誤嚥事故の発生が危ぶまれる他、人の物を食べてしまう、食べ物ではないものを誤飲してしまう、食前食後に服用する薬の種類等を誤るなど、利用者の生命、身体に直接関係する事故の発生が危ぶまれます。

特に、1人の職員が複数の利用者を介助しているような場合、利用者の中には自ら心身の異常を訴えることができない人も多いことから、誤嚥により窒息状態になっていることに気付くタイミングが遅れるといった事態も発生し得ます。

 

3−3.入浴中の事故

入浴中には、浴槽等への移動時に転倒、転落、滑落などの事故発生、浴槽内では、お湯の中に体が滑るなどした際に、水を飲んで溺れるなどの事故発生の他、入浴による体温や血圧の上昇により、ヒートショック現象が発生するなどの事故発生が危ぶまれます。

 

3−4.トイレでの事故

トイレについては、利用者の状態により介助内容が異なるところ、本来介助が必要であるにも拘わらず1人でトイレへ移動することによる転倒、転落などの事故発生が危ぶまれます。

また、トイレ内で転倒した場合には、室内の備品に体をぶつけるなどして怪我をしやすい他、室内での転倒により発見が遅れてしまうという事態も発生します。

 

4.介護事故はなぜ起こる?発生する原因を分析

介護事故はなぜ起こる?発生する原因を分析

介護事故は、「1.介護事故とは?」で定義づけをしたとおり施設側の責任の有無を問わず発生します。

事故の発生原因は各事故によって様々ですが、ここでは、法的な責任の有無を問わず、事故が発生する根本的な原因を紹介したいと思います。

 

4−1.避けられない事故もある!

介護サービスを利用するのは、身体的な不自由があったり、認知機能の低下により、自らの行動のコントロールが難しい高齢者の方です。

また、介護サービスにおいては、利用者の状態に合わせて、可能な限り自分でできることは自分で行い、これにより心身の機能を維持することも目的とされています。

そのため、すべての介助を職員が行うことは予定されていませんし、1対1で常に見守りができるわけでもありません。

 

例えば、利用者に食事を提供する際、本人や家族の希望、意思や看護師などの指導により、普通食を提供していた利用者が、職員が見ていない間に突然ご飯をかきこむように食べ、誤嚥した場合、元々食べ物をかきこむ傾向のある利用者であると事業者側が把握できていなければ、事業者側としては対応のしようがありません。

 

 

このように、どれだけ気を付けていたとしても、避けることのできない介護事故もあります。

 

4−2.人手不足

介護事業においては、各介護サービスごとに、利用者の人数に基づいて人員基準が決められています。

この人員基準に反しているような場合は当然問題ですが、人員基準を充たしていたとしても、実体として、必ずしも職員の数が足りているわけではありません。

 

例えば、食事の際には、1人の職員が一度に複数の利用者を介助したり、見守りをしなければいけない状態が発生しますし、利用者の1人が何らかの傷病を発症して病院に行くことになり、職員が急に付き添わなければならなくなった結果、事業所内の職員が見守りをすべき利用者の数が増えるといった事態は日常的に発生するのではないかと思います。

 

人数の余裕をもった人員配置ができることが望ましいものの、介護事業所の経営状況等によって、最小限の人員を置くことしかできないケースがほとんどです。

しかし、見守りの目や介助の手が慢性的に少ない状況は、やはり介護事故の原因の1つとなってしまいます。

 

4−3.職員間の情報共有不足

介護事故の中には、まったく予想だにしないところで発生するものもありますが、多くは、何らかの予兆があります。

 

例えば、職員の1人が、移動に介助が必要な利用者が、職員に声を掛けずにトイレに行く様子を見かけたとします。その職員は、たまたまその様子を見かけたことから、利用者に声を掛けてトイレの介助をしましたが、日々の忙しさもあり、他の職員への共有をしていませんでした。

そうしたところ、同じ利用者が、別の日に職員に声を掛けずにトイレへ行き、トイレの中で転倒してしまいました。

もちろん、この利用者は、職員に声を掛けずにトイレに行ってしまう方だったため、防ぐことが出来ない事故だったかもしれません。

しかし、もしこの職員が、この利用者が、「職員に声を掛けずにトイレに行くことがある」人だと職員間で共有していたら、各職員がこの利用者を注視し、事故が防げていた可能性があります。

 

 

最終的に事業所の責任が問われるかどうかは別として、職員間で情報共有ができていないことは、介護事故の大きな原因となります。

 

4−4.施設内の整理整頓不足

例えば、床に物があったり、濡れていたりすれば、躓いたり滑ったりして転倒する可能性が高まります。

1枚の折り紙が落ちているだけでも、踏んでしまえば転倒の原因となります。

また、食後やおやつの後には、食べ物や飲み物が床に落ちて滑りやすくなることから、速やかに掃除をすることが必要です。

ちょっとした普段との違いで、介護事故のリスクは高まってしまうことから、常に施設内は清潔に且つ整理整頓された状態となっていることが大切です。

 

5.介護事故が発生したらどんな責任を負うの?

介護事故が発生しても、必ずしも事業所に責任があるわけではありません。

ここでは、介護事業所が責任を負うべき場合と、責任を負う場合にはどのような責任が発生するかについて解説します。

 

5−1.介護事業所が負う責任

介護事業所が負う責任は、主に2通りのケースがあります。

以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

(1)民事上の責任「損害賠償」

民事上の責任とは、介護事業所が利用者との間で締結した利用契約に基づいて負う債務を履行しなかった場合に負う金銭賠償の責任です。

根拠となるのは、民法415条1項です。

 

▶参照:民法415条1項の条文

 

(債務不履行による損害賠償)
第415条
1 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 

・参照:「民法」はこちら

 

 

ここで問題となる「債務の本旨」とは、それぞれの事案によって、具体的に介護事業所がどのような注意義務を負うべきであったか、という観点で設定されます。

 

例えば、入浴中の転倒事故により、利用者が骨折した事案では、「浴室という湯水や洗剤等により滑りやすい危険な場所において,一般的に身体能力が低下し刺激に対する反応性も鈍化している高齢者に対して入浴介助を行う際には,対象者の見守りを十全に行うなどして対象者の転倒を防止する義務がある。」(青森地裁弘前支部平成24年12月5日判決、出典:ウエストロージャパン)と設定されています。

 

 

この事案では、介護事業所の注意義務違反が認められ、「832万4698円」の損害賠償義務が認められています。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

この事案では、介護事業所が、利用者との間で通所介護契約を締結してから約1年間継続的に利用者の状況を現認し,その際,利用者が家人の留守中に一人で歩行を試みることがあること,デイサービス開始時に比べ下肢機能が回復しており,つかまり立ちや簡易トイレへの移乗などを行うことができるようになっていたこと,車椅子への移乗の際は待ちきれずに不安定な体勢で移乗を試みることがあったことなどの事情について十分に認識していました。

 

そのため、このような利用者については,より転倒の危険が高いとして、自立歩行可能な利用者に比べて更に高度の注意を払う必要があったとして,具体的には,利用者から目を離さないようにするとか,一時的に目を離す場合には,代わりの者に見守りを依頼したり,ひとまず利用者を転倒のおそれのない状態にすることを最優先とするなどの措置を取る義務があったと認定されました。

 

それにもかかわらず、入浴介助を担当していた職員は,利用者を不安定なパートナー椅子に座らせたままの状態で、他の担当者に見守りを依頼することもせず、一時的に利用者から目を離して別の利用者の洗身を手伝っていたため、これらの注意義務に違反したと認定され、介護事業所に損害賠償が認められました。

(2)行政上の責任「指定取消」

介護保険を利用した介護事業を運営するためには、都道府県又は市町村から「指定」を受ける必要があり(介護保険法70条等)、その結果として、行政からの監督を受けています。

そして、介護事故の発生を通じて、「①当該指定に係る事業所の従業者の知識若しくは技能又は人員について、都道府県の条例で定める基準又は都道府県の条例で定める員数を満たすことができなくなったと判断されたとき」、「②指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定居宅サービスの事業の運営をすることができなくなったとき」には、指定の取消しや指定の効力の一時停止の処分がされることがあります(介護保険法77条1項)。

 

▶参照:「介護保険法」の条文はこちら

 

 

指定の取消しや指定の効力の一時停止は、事業所の運営に直結する非常に厳しい処分です。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

介護保険法上、介護事故そのものが、何らかの処分事由になっているわけではありません。

 

しかし、介護事故の発生を契機として、行政からの調査や監査が入り、それまで明らかにならなかった指定基準違反等が発覚した結果、指定取消や指定の効力の一時停止まではいかなくても、勧告や公表(介護保険法76条の2)を受けることがあります。

 

公表を受ければ、介護事業所としての社会的信頼は大きく低下します。日頃からの法令遵守が重要なのです。

 

5−2.職員が負う責任

次に職員が負う責任について、詳しく見ていきましょう。

 

(1)刑事上の責任「業務上過失致傷罪」

平成25年に、長野県安曇野(あづみの)市の特別養護老人ホームで、入所者の女性(当時85)にドーナツを与えて窒息死させたとして、准看護師の女性が業務上過失致死の罪(刑法211条)に問われた事件は、記憶に新しいところです。

業務上過失致死の罪は、業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立するものであり、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処するものとされています。

この事件では、利用者に配膳すべき間食の形態の確認を怠り、誤ってゼリーではなくドーナツを配膳した過失により、利用者に窒息を生じさせ、結果、死亡させたという業務上の過失があったとして、第一審判決では有罪となりました(長野地裁松本支部平成31年3月25日判決)。

しかし、控訴審では一転、ドーナツで利用者が窒息する危険性ないしこれによる死亡の結果の予見可能性は相当に低かったといえる上、利用者に対して食品を提供する行為が持つ意味も併せ考えるならば、本件において職員が間食の形態を確認せず本件ドーナツを提供したことが刑法上の注意義務に反するとはいえないとして、無罪となりました(東京高裁令和2年 7月28日判決)。

 

▶参照:「刑法」について

 

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

介護事業所においては、誤嚥事故は珍しいものではありません。

 

そのため、この事件で准看護師の女性が起訴された時、このような介護事故で個人の刑事責任が問われたことに対して、介護業界からは「現場が萎縮する」と批判の声が上がり、無罪を求める約73万筆の署名が裁判所に提出されるなど、社会的に大きなインパクトがありました。

 

6.介護事故が発生したらどう対応したらいいの?

介護事故が発生すると、事業所だけではなく、利用者の方や利用者のご家族も混乱状態に陥っています。

ここでは、事故後の対応について、以下の4点を紹介します。

 

  • 1.家族への謝罪の方法
  • 2.今後の手続をしっかり説明しよう!
  • 3.嘘の説明や隠ぺいは絶対にNG!
  • 4.「理不尽」な要求には注意せよ!

 

6−1.家族への謝罪の方法

 

(1)まずは誠実に謝罪せよ!

「介護事故が発生した時、謝ったら責任を認めたことになるんじゃないの?」という質問をよく受けます。

しかし、これは誤解です。

確かに、実際に事故直後に、施設長が利用者や利用者家族に謝罪したことから、責任を認めたとして、損害賠償を請求され、裁判になっているケースもあります(東京地方裁判所立川支部平成22年12月8日判決判タ1346号199頁)。

そうはいうものの、事業所が、例えば怪我をした利用者の方に、謝罪すること無く「うちには責任はないので…」などと言えば、反感を買うのは当然です。

むしろ、「うちに来てもらっている中で、怪我をさせるような事故が発生してしまい申し訳ありません」などと、謝罪をし、寄り添う気持ちを見せた方が、利用者や利用者家族の感情も落ち着くことが多いです。

そして、実際にこのような謝罪をしたとしても、法的責任を認めたことにはなりません。

まずは事業所として、誠実に謝罪をすることが、交渉の出発点になります。

謝罪については、以下の動画でも詳しく解説していますので参考にご覧ください。

 

 

(2)していい謝罪と、してはいけない謝罪

謝罪には、「道義的な責任を認める謝罪」と「法的な責任を認める謝罪」があります。

 

1.道義的な責任を認める謝罪

事情所側がする謝罪は、あくまでも「道義的な責任を認める謝罪」であり、積極的に行うべきです。

「道義的な責任を認める謝罪」は、事故が発生したことへの遺憾の意を示す行為であり、このような謝罪をしたとしても、責任を認めたことにはなりません(東京地方裁判所立川支部平成22年12月8日判決判タ1346号199頁)。

 

2.法的な責任を認める謝罪

しかし、「法的な責任を認める謝罪」となると、話は別です。

法的な責任があるかどうかは、裁判所が判断することであって、事業所や職員が判断できることではありません。

 

例えば、事故が発生した後、利用者や利用者家族が、事業所のスタッフに対して「事業所に責任があると一筆書け!」「治療費をすべて支払うと約束しろ!」などと迫ってくることがあります。

このような、何らかの合意を伴うような謝罪を求められた場合には、決して何か書面を作成したり、口約束であっても約束をしてはいけません(録音されているケースなどもあるからです。)。

もちろん、職員の1人が責任を認めたからと言って、必ずしも事業所として責任を認めたことにはなりません。

しかし、このような約束を言質に、より強い態度で臨んでくることも考えられますし、仮に裁判になった場合に、事故自体には事業所の責任は無くても、利用者との間で具体的な金額を支払う旨の合意をした、といった認定を受ける可能性もあります。

「道義的な責任を認める謝罪」は積極的に、「法的な責任を認める謝罪」は慎重に行うようにしましょう。

なお、事故直後にお金の話ばかりされたらどう対応すれば良いかについては、以下の動画で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

6−2.今後の手続をしっかり説明しよう!

 

(1)任意保険を利用することを説明しよう

介護事故が発生した際、利用者や利用者のご家族が最も不安なことは、行き先が見えないことです。

介護事故により、利用者が何らかの怪我をしていた場合には、ただでさえ、治療がどうなるか、無事回復するのかなど、不安なことだらけです。

そこで、介護事業所としては、介護事故後の流れについて、明確に説明するようにしましょう。

 

参考例:具体的な説明方法について

具体的には、介護事業所は、介護事故が発生した時のために任意の賠償保険に加入しており、介護事業所の過失により発生した事故の場合は、保険を通じて賠償金が支払われることになります。

しかし、賠償金が支払われる前提として、まずは保険会社による事故調査が必要です。その際、職員や利用者・ご家族等から調査が実施されます。

さらに介護事業所に責任があったとしても、治療費や慰謝料の金額は、症状固定しなければ定まりません。

そのため,例えば症状固定までに1年要した場合には,事故発生時から1年以上経過した後に賠償がなされることになります。

このような、保険を利用した賠償金の支払いの流れについて、明確に説明をし、理解を得るようにしましょう。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

介護事故が起こった後に説明をしても、利用者ご本人、ご家族共に感情的になり、説明をしても聞き入れてもらえないというシーンがあるかもしれません。

 

そのため、保険を利用した賠償金の支払方法については、事故後に説明するのは勿論、利用契約締結の時点など、事前に説明をしておくことが重要です。

 

信頼関係を構築するにあたって、事前に介護事故後の手続等についても説明をしておくことで、利用者の方やご家族も安心されますし、不幸にも介護事故が発生してしまった後に、改めて説明する場合にも、「契約時にお話したように」と、一度説明をしている前提で、ある程度冷静にお話をすることができます。

 

6−3.嘘の説明や隠ぺいは絶対にNG!

介護事業所では、常に、介護事故が起きないように日々気を付けながら運営をしていますが、何度も説明した通り、介護事故をゼロにするのは不可能です。

そして、介護事故により、多額の賠償金が請求されることなどをおそれ、事故状況等を隠したくなる気持ちも起こるかもしれません。

しかし、嘘の報告をしたり、事故があったにも拘わらずこれについて十分な対処をしないことで、行政からの指導や処分を受け得る他、さらに大きな事故に繋がる可能性もあります。

事業所としては、起きた事故については確実に対処した上、その検討を怠ってはいけません。

 

6−4.「理不尽」な要求には注意せよ!

 

(1)通常の要求と「理不尽」な要求の違い

介護事故の発生時、自分の大切な家族が怪我をしたという状況から、冷静になれず、声を荒げてくることがあります。

そのため、このような場合にはもちろん説明をしっかりした上で、理解を得られるよう努力する必要がああります。

しかし、ご家族からのクレームが明らかに法的義務のないことを求める内容であったり、必要以上に対応する職員を罵倒するなど、内容面、態様面から見て不当な場合は、「理不尽」な要求であると判断し、対応をする必要があります。

 

(2)「理不尽」な要求の場合は、対応方法を弁護士に相談しよう

「理不尽」な要求への対応も、初動が大切です。

1度でも理不尽な要求に応じてしまうことで、要求がエスカレートし、さらに対応に苦慮することにもなります。

初動を誤らないように、早い段階から弁護士に相談し、対応方法を検討するようにしましょう。

理不尽な要求への対応方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

▶参照:理不尽なクレーム!介護施設のモンスタークレーマーの対応方法を解説!

 

 

7.事故報告書の作成

事故報告書については、どの事業所でも、行政への報告のために作成していると思います。

しかし、形式的に欄を埋めるだけでは、せっかく作成する事故報告書を、今後の事故防止に役立てることができません。

そこで、以下では事故報告書を作成する意義から、作成の際のポイント、活用方法をご紹介します。

 

7−1.事故報告書を作成する意義

事故報告書を作成する最も大きな目的は、事故の原因を分析し、今後同じような事故が発生しないように対策をすることにあります。

例えば、同じような事故が、同じ事業所で繰り返し発生しているような場合、もし先に発生したの事故の後に、対策がとられなかった結果、後の事故が発生したとすれば、事業所は責任を免れることはできません。

不幸にも発生してしまった事故について、これを記録し、原因を分析し、今後の対策を検討し、実践する、というルーティーンができれば、これらのノウハウは事業所の財産になるのです。

そして、事業所全体でノウハウを共有することで、「こういう時どうしたらいいんだろう?」などと、スタッフが1人で悩むことも少なくなります。

事故報告書は、まさにその事業所内で発生した事故について、その内容や原因をまとめたものです。つまりは、その事業所にとってはオリジナルの事例集です。

事故報告書しっかり作成することは、次の事故を防ぐことに繋がるのです。

 

7−2.再発防止のために事故報告書を作成する際のポイント

事故報告書を作成する際のポイントとして、以下の点についてそれぞれ説明します。

 

  • 1,時間は正確に!
  • 2,別紙を利用する
  • 3,事故原因を分析する
  • 4,対策を検討する

 

(1)時間は正確に!

事故の発生時間や発見時間を記載する際には、必ず分単位で記載するようにしましょう。

例えば、「午前10時ごろ」という記載があったとき、これを見た人は、基本的には「午前10時に事故が発生したんだな」と感じると思います。

しかし、実際の時間は、午前9時50分かもしれませんし、午前10時10分かもしれません。書いた人の感覚によれば、15分前後のタイムラグがあっても「午前10時ごろ」と記載していることあるかもしれません。

そうなると、最大で、30分もの時間差が生じ得ます。

このようなことが起こらないよう、事故が発生したり、事故を発見した際には、時計を確認し、分単位まで記録しておくことを心がけましょう。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

記録を残す意義は、実際にその出来事を体験していない人に情報を共有することにあります。

 

そのため、記載内容が多義的だと、正しい情報が読み手に伝わらなくなってしまいます。

 

誰が読んでも同じ情報が得られる記録が、有意義な記録なのです。

 

 

(2)別紙を利用する

事故態様や事故の場所を記録するとき、文章を書くのに不慣れだと、なかなかうまく説明が出来なかったり、記載をする際に膨大な時間を要してしまうことがあります。

そこで効果的なのが、「別紙」をつけることです。

例えば、事故現場の場所や、事故状況を再現してその様子を写真に撮り、別紙にはりつけて添付しておくと、文章で表しづらい内容も、視覚的にわかりやすくなります。

 

(3)事故原因を分析する

今後発生する事故への対策のためには、原因分析が不可欠です。

原因分析をするにあたっては、直接的な原因を分析し、さらにその原因が発生した原因を考える、というように、順序だてて考えていくことを心がけましょう。

 

1.参考例:原因の分析方法について

具体的には、例えば施設で転倒事故が発生した際、利用者の方が転倒した直接的な原因が、「床が濡れていたから」だとします。

次に、なぜ床が濡れていたのかを考えると、その原因は、おやつの際、お茶を運ぶ際に床にお茶がこぼれ、それをすぐに拭かなかったからだと分析ができます。

そこまでの原因分析ができれば、対策も具体的にたてることができます。

 

(4)対策を検討する

しっかりと事故原因の分析ができれば、最後は対策の検討です。

対策は、原因の除去に直結するところから、検討していくことになります。

 

1,参考例:対策の検討方法について

例えば、先ほど例としてあげた、利用者の方が濡れた床ですべって転倒してしまったという事案では、お茶を運んだ際にお茶をこぼしたのに、それを拭かなかったことに原因があったことがわかりました。

そうなれば、この原因の除去に直結する対策としては、「床が濡れた場合はすぐに拭く」というものになります。

ただ、「床が濡れた場合はすぐに拭く」ということができなかった理由を考えてみると、おやつの時間には、職員が利用者の方を介助しているために人手が足りず、すぐには対処できなかった、ということも考えられます。

また、掃除道具が遠くにあり、取りに行く前に利用者の方が転倒してしまったということもあり得ます。

そうだとすれば、対策としては、「床が濡れたことを認識したものの、すぐに対処ができない場合、手が空いている人に床を拭いてくれるよう頼む」「掃除道具を、手が届くところに設置しておく」など、具体的な方法を考えることができるようになります。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】
私がある施設で見せてもらった報告書の中に、大きな音がしたので居室に駆けつけたら、居室内のタンスが倒れ、その横で利用者の方が座り込んでいたという事案がありました。その際、今後の対策として書かれていたのは、「利用者がタンスをあけないように、タンスの向きをかえる」というものでした。しかし、これでは同様の事故が再発することが目に見えています。タンスを開けようと必死になり、タンスを動かすことが想定されるからです。 

何より、「開けられないようにする」、という方策自体、利用者の尊厳を無視していると言わざるを得ず、高齢者虐待の疑義すら生じます。原因の分析、対策の検討は、様々な視点から行われる必要があるのです。

 

 

7−3.職員会議での検討

事故原因の分析や対策の検討は、1人で考えていてもなかなかまとまらず、時間だけが過ぎてしまうということもあります。

そのため、まずは事故発見者による分析や対策の検討をした上で、職員会議で事故の報告をし、職員同士で意見交換をすることが重要です。

例えば、事故報告をした際、「私も以前、事故にはならなかったけど同じようなことがあった」「滑った際に、床がもし柔らかければ、体への衝撃が少なくてすむのではないか」など、様々な情報や、意見が出る可能性があります。

1人で悩まず、介護事故には組織として対応していきましょう。

また、職員会議で出た情報や意見についても、事故報告書に追記しておきましょう。

 

8.ヒヤリハット事例の研究から介護事故の防止対策を!

介護事業所では、事故にまで至らなくても、様々なひやっとした出来事が日々発生しています。

このひやっとした出来事を分析していくことが、介護事故の予防にもつながります。

以下では、いわゆる「ヒヤリハット」事例への対応について、説明してきます。

 

8−1.ヒヤリハットとは

ヒヤリハットとは、その名の通り、「ひやっと」したり「はっと」した出来事のことをいいます。

つまり、介護事故までには至らないものの、ひとつ間違えれば事故になっていいたかも知れないような事例のことを、ヒヤリハット事例といいます。

例えば、実際に以下のような事例が報告されています。

 

  • 施設に入居している利用者が、1人で玄関から出ようとしていたところを、職員が気が付いて引き留めた。
  • 歩く際に杖が必要な利用者が、杖を持たずに立ち上がり移動しようとしているところを、職員が発見して杖を持たせた。
  • 食事の配膳の際、嚥下機能が低下しているため、お米はお粥にして出さなければいけない利用者に対し、通常の白米を提供したが、利用者が食べる前に気が付いて取り替えた。

 

8−2.ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則とは、介護事故においては、1つの重大事故に対し300回のヒヤリハット事案が隠れている、という法則です。

ハインリッヒの法則は、5,000以上の事例を調査したハインリッヒ氏が1929年に発表したものです。

すなわち、その300回のヒヤリハット事案を見過ごしていけば、その先には1つの取り返しの付かない介護事故が発生し得るということです。

 

8−3.ヒヤリハット事例の研究の意義

事故が発生すると、当然のことながら、原因分析と再発防止策を考えます。

これを、それを事故発生前の「ヒヤリハット」の段階で先取りするのが、ヒヤリハット事例の研究です。

ヒヤリハット事例を、結果が発生しなかったからといって漫然と放置すれば、次は重大な介護事故が発生する可能性があります。

ヒヤリハット事例を整理し、事故報告書と同様の手順で分析し、介護事業所内で共有しておくことで、重大な介護事故の防止につながるのです。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

弁護士法人かなめでは、介護事業所の方々と共に、実際に生じた事例、裁判例を元にゼミ形式で勉強する機会を設け、定期的に開催しています。

 

実際に介護事業所の現場から得た「気づき」を参加者で共有し、それぞれの参加者の介護事業所の現場にフィードバックができる機会として、ご好評を頂いています。ヒヤリハット研究会の詳細は、以下のページからご確認下さい。

 

「ヒヤリハット研究会」の開催情報・参加方法について

 

 

8−4.ヒヤリハットの記録方法

ヒヤリハットの記録方法としては、必要事項を記載するための用紙を準備し、手書き又はパソコンを利用して記載していくとう方法もあります。

しかし、日々の忙しい業務の中で、1日に多数発生するヒヤリハット事例をすべて記録してくのは手間ですし、ハードルが高いかもしれません。

そこで、弁護士法人かなめでは、ヒヤリハットを音声で記録できるアプリ「うさみさん」を運用しています。

 

1,ヒヤリハット記録アプリ「うさみさん」

「うさみさん」は日々発生するヒヤリハット(気づき)をその場ですぐに音声入力し、現場での共有スピードをアップするツールです。

現場での気づきを、スマホやタブレットに話しかけるだけで、現場で起こったヒヤリ(気づき)をその場でデータ化することができ、そのデータは他職員も閲覧、コメントができ、情報が簡単に共有可能となります。

 

▶参照:気づき共有システム「うさみさん」の紹介はこちら

 

 

サービス内容を知りたい方は、弁護士法人かなめのお問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。

 

▶参照:「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

9.職員へのサポート体制を構築しよう

介護事故には、軽度のものから、利用者の方が何らかの怪我をしたり、最悪の場合には亡くなってしまうような重度のものまで様々なものがあります。

利用者の方が怪我をしたり、亡くなってしまうような事故が起きれば、その責任が事業所にあるかないかに拘わらず、職員は混乱し、精神的に追い詰められることも少なくありません。

ここでは、介護事故に組織として取り組むための職員へのサポート体制について紹介します。

 

9−1.介護事故は職員も傷付く

介護事故は、どれだけ注意を払っていても発生してしまうことがあります。

そして、これにより、日頃からサービスを提供している利用者の方が、怪我をしたり、亡くなってしまった場合、職員へのインパクトは相当に大きいものとなります。

そして、介護事故が発生した際には、利用者のご家族も感情的になり、厳しい言葉を掛けられることも当然あります。

これらの出来事を通じて、職員の中には、「自分が悪かったのではないか」と思い悩み、責任を感じ、精神的に追い詰められた結果、適応障害、うつ病などを発症したり、誰にも相談できず、自死してしまうようなケースすらあります。

介護事業所としては、介護事故への対応を特定の職員のみに任せてしまうのではなく、仮に事業所の責任がない場合であっても、介護事業所として対応をし、特定の職員に過度な負担がかからないよう心がける必要があります。

 

9−2.ヒヤリハット、事故原因について定期的な検討会を開催しよう

職員の精神的ケアのために重要なことは、発生した介護事故を、当該職員だけのものとして終わらせないことです。

事故が発生した場合には、その原因や対策の分析に職員全員で取り組むことで、当該職員だけが事故の原因ではないことをしっかり認識し、今後は各職員がどのように行動をしていくべきかを考えていく必要があります。

そのためには、日頃から定期的にヒヤリハット事例について検討する機会を設けておき、職員同士が意見交換できる環境づくりをしておきましょう。

忙しい業務の間を縫って時間を作るのは大変かもしれませんが、例えば毎月決まった日時を検討会の日として決めておいたり、定期的に開催されている事業所内での会議の際、1つずつであっても、事例を検討する時間を設けるだけでも、職員の意識は変わります。

日々の積み重ねが、介護事故に強い事業所を作ります。

 

9−3.事故後の対応マニュアルを作ろう

介護事故が発生した後は、誰であっても混乱します。

そのような場合に拠り所となるのが、事故後の対応マニュアルです。

事故が発生した場合に、まずは誰に連絡を取るか、病院、ご家族、行政機関など、連絡先を整理しておくだけでも、落ち着いた行動をとることができます。

例えば、福岡県庁のホームページには、介護事故防止及び介護事故が発生した際の対応をマニュアルとしてまとめる際の手引きが公開されています。

 

▶参照:福岡県庁「介護事故防止対応マニュアル作成の手引」

 

 

これらの手引きを参考に、各事業所の状況に応じたオリジナルのマニュアルを作ってみましょう。

 

9−4.弁護士に速やかに相談できる環境を作ろう

介護事故が発生してすぐは、事業所は病院やご家族への対応に追われると思います。

混乱の中で、冷静な判断が難しいこともあり、初動段階から、ご家族への対応について悩むこともあると思います。

そのような場合に、職員が安心して、自信を持って対応ができるように、介護業界に強い弁護士に初動段階から相談できる環境を作ることは重要です。

特に、利用者のご家族との対応に関し、どのような場合に紛争となるのか、どのような場合に責任を負うのかについて、わかった状態で臨むのと、わからない状態で臨むのでは、職員の精神的負担は大きく変わります。

このような有事にこそ、すぐに対応できる窓口が必要なのです。

 

【弁護士 畑山 浩俊からのコメント】

 

弁護士法人かなめでは、顧問契約プラン「かなめねっと」を通じて、介護業界に精通した弁護士が、介護事業所からの様々な相談に対して、迅速かつタイムリーに回答できる体制を構築し、初動段階からのきめ細やかなアドバイスを実施しています。

 

介護事故の防止対策サポートなどをご検討中の方は、以下のページをご覧下さい。

 

「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

 

10.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1) ヒヤリハット研究会の開催
  • (2) 理不尽な要求への対応
  • (3) 介護事故についての裁判への対応
  • (4) 顧問サービス「かなめねっと」
  • (5) 料金体系

 

以下で、順番に説明します。

 

10−1.ヒヤリハット研究会の開催

弁護士法人かなめでは、介護事業所の方々と共に、実際に生じた事例、裁判例を元にゼミ形式で勉強する機会を設け、定期的に開催しています。

実際に介護事業所の現場から得た「気づき」を参加者で共有し、それぞれの参加者の介護事業所の現場にフィードバックができる機会として、ご好評を頂いています。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶参照:「ヒヤリハット研究会」の開催情報・参加方法はこちら

 

 

10−2.理不尽な要求への対応

介護事故発生時の利用者の方やご家族との対応については、初動が肝心です。初動を誤ることで、利用者の方やご家族との信頼を失ってしまうケースもあれば、仮に理不尽な要求をしてくるような場合、要求の激化等につながり解決が困難となるケースもあります。

最も重要なことは、「ややこしくなってきたから」相談するのではなく、「おや、何か変だぞ?」というタイミングで専門家の意見を仰ぐことです。

そして、相談、回答、実践、反省、というサイクルを回していくことで、事業所自体にも有事の際の利用者の方やご家族への対応へのノウハウが蓄積され、組織として成長することが出来ます。

弁護士法人かなめでは、対応の初期段階から、現場の責任者から相談を受け、初動からきめ細やかにサポートすることで、円滑な対応を実現します。

また、どれだけ気を付けた対応をしていても、どうしても要求がおさまらない場合や、職員従業員が既に疲弊しており、すぐにでも対応窓口を変えたいという場合もあります。

弁護士法人かなめでは、介護事業所では対応しきれない相手方への窓口となり、交渉等を行います。これらの対応を専門家に任せることによって、職員従業員のストレスが軽減し、本来の業務に専念することができます。

 

10−3.介護事故についての裁判の対応

介護事故発生後、不幸にも利用者の方や利用者のご家族との間で、責任の所在、賠償金の金額等で折り合いが付かない場合は、裁判手続に発展することもあります。

このような場合、介護業界に明るくない弁護士に事件処理を依頼すると、1から介護サービスやその業務内容について説明をしなければならず、介護事業所としては、せっかく弁護士に依頼したのにストレスが軽減されない、という事態もあり得ます。

弁護士法人かなめは、介護業界に特化した法律事務所ですので、ご相談の際にも、介護業界特有の前提知識の説明なく、スムーズに本題に入ることができます。

 

10−4.顧問契約プラン「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「10−1」ないし「10−3」のサービスの提供を総合的に行う顧問契約プラン「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入しています。事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。

いつでもご相談いただける体制を構築しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

 

▶参照:「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

 

10−5.料金体系

現在、弁護士法人かなめでは顧問契約サービス「かなめねっと」のみのご契約のみ受け付けています(ヒヤリハット研究会については、別途参加可能です)。

 

1,顧問料

  • 顧問料:月額5万円(消費税別)から

 

※職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

また、弁護士法人かなめへの法律相談料は以下の通りです。

 

2,法律相談料

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※法律相談は、「1,弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2,ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承くださ い。

※また、法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けおります。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方か らのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

11.まとめ

この記事では、介護事故について、その原因や、事故発生時に介護事業所が負うべき責任、その対応方法を事例を通じて解説しました。

そして、事故報告書、ヒヤリハット事例の検討を通じた、日々の事業所運営の中でできる具体的な予防策について紹介をしました。

さらに、介護事故発生時の職員に対するサポート体制の構築方法についても解説していますので、介護事故に強い事業所を作ろうと苦心されている経営者、管理者の方は是非参考にしてみてください。

そして、自社で解決できなければ、必ず弁護士に相談するようにしてください。

 

「弁護士法人かなめ」のお問い合わせ方法

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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