記事公開日: 2021年5月5日   
記事更新日: 2021年6月14日

懲戒解雇したい!有効になる理由や事例・手続きをわかりやすく弁護士が解説

懲戒解雇したい!有効になる理由や事例・手続きをわかりやすく弁護士が解説
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「何度注意をしても全く聞く耳を持たない問題職員がいる」
「職員が傷害事件を起こして逮捕された。他の職員への影響が心配」
「職員が何日も欠勤していて、連絡さえしてこない状況が続いている」

 

事業規模が拡大し、雇用する職員の人数が増えてくると、このような職員の悩みも増えてきます。

中には、事業所として、注意指導等の様々な措置を講じたにもかかわらず、やはり解雇以外に方法がないという結論を出さざるを得ないこともあります。

解雇には、大きく分ければ普通解雇と懲戒解雇の2種類があり、それぞれの解雇の趣旨の違いから、原因や要件が異なります。

それぞれの詳しい解雇原因については、以下の記事をご覧ください。

 

▶︎参照:具体的な解雇理由から学ぶ!違法にならない解雇の条件や要件とは?

 

労働契約法は、16条で以下のように定め、解雇を制限しています。

 

▶参照:労働契約法16条

(解雇)

第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

「労働契約法」の条文

 

裁判所は、このいわゆる「解雇権濫用法理」を、原則として解雇は無効、といっていいほど厳しく運用していますが、懲戒解雇については、よりその要件やプロセスが厳しく見られています。

解雇が無効になると、いわゆる「バックペイ」と呼ばれる、解雇時から無効が確定するまでの間の給与の他、無効な解雇がされたことに対する慰謝料まで支払わなければならなくなります。

そこで、この記事では、懲戒解雇の根拠や、懲戒解雇とその他の手続との違いなどを紹介した上で、懲戒解雇を適法に行うために必要な解雇の理由や手続を具体的な事例を元に解説します。

そして、最後まで読んでいただくことで、懲戒解雇を選択する際のメリットやデメリットを理解でき、問題のある職員に対する処分の選択肢として、懲戒解雇を有意義に利用することができるようになります。

それでは、見ていきましょう。

 

【関連情報】解雇関係でお困りの方へ!介護業界に強い弁護士をお探しの方は以下の情報もご覧ください。

介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

この記事の目次

1.懲戒解雇とは

懲戒解雇は、懲戒処分の1つであり、使用者が従業員の企業秩序違反行為に対して科す制裁罰です。

つまり、使用者が、企業の存立と事業の円滑な運営のために必要不可欠な権利として有している「企業秩序を定立し維持する権限」に基づいて、この企業秩序に反する行動をとった労働者に対して与えられる刑罰のようなものです。

懲戒処分というと、懲戒解雇をイメージすることが多いかもしれませんが、懲戒処分には、戒告、譴責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇などの様々な程度や効果の処分があり、懲戒解雇はこれらの懲戒処分の中の「極刑」に当たります。

 

2.懲戒解雇の根拠

それでは、懲戒解雇の根拠について、法律上の根拠や就業規則上の根拠を順番に説明します。

 

2−1.法律上の根拠

懲戒解雇を含む懲戒処分については、法令上の根拠はありませんが、裁判所は、企業秩序定立権の一環として、当然に使用者が有する権利であると考えています。

 

参考:最高裁 昭和54年10月30日判決

 

事案の概要

労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の物的施設を利用して組合活動をしたことが懲戒事由にあたり得るかどうかが問題となった事案。

 

判例の内容

労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、当該施設を管理利用する使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであり、正当な組合活動にあたらない。

 

▶参照:「最高裁 昭和54年10月30日判決」の判決内容

 

 

参考:労働契約法15条

また、労働契約法15条は、使用者が懲戒処分をする権限があることを前提として、以下のような定めをしています。

 

▶参照:労働契約法15条

(懲戒)

第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

 

・参照:「労働契約法」の条文はこちら

 

 

2−2.就業規則上の根拠

しかしながら、裁判所は、懲戒処分については、あらかじめ就業規則に懲戒の種別及び事由を定めておくことが必要であると考えています。

これは、懲戒処分が、使用者が従業員に対して課す「制裁罰」であるという観点から、あらかじめその懲戒事由と制裁罰の内容を就業規則に規定し、従業員の予測可能性を確保する必要があるという点にあります。

 

具体的な就業規則への規定例については、以下の記事をご覧下さい。

 

(1)就業規則の規定例

  • (1)正当な理由なく、欠勤したとき
  • (2)正当な理由なく、遅刻、早退もしくは就業時間中無断外出したとき、又は職場を離脱して業務に支障をきたしたとき
  • (3)勤務に関する手続き、届出を偽り、又は怠ったとき
  • (4)業務上の書類、伝票等を改変したとき
  • (5)報告を疎かにした又は虚偽の申告、届出をし、事業所の正常な運営に支障をきたしたとき
  • (6)業務に対する誠意を欠き、職務怠慢と認められるとき
  • (7)素行不良で園の秩序又は風紀を乱したとき
  • (8)就業時間中に許可なく私用を行ったとき
  • (9)業務上の指示、命令に従わないとき
  • (10)事業所の運営方針に違背する行為のあったとき
  • (11)酒酔い運転又は酒気帯び運転をし、検挙されたとき
  • (12)接客応対態度が悪いとき
  • (13)不法又は不正の行為をして職員としての体面を汚したとき
  • (14)事業所内において業務上不必要な火気、凶器その他これに準ずべき危険な物を所持していたとき
  • (15)タイムカードの打刻、出勤簿の表示を他人に依頼し、又は依頼に応じたとき
  • (16)事業所の車両を私用に供し、又は他人に使用させたとき
  • (17)協調性に欠け不当に人を中傷する等、他の職員等とそりの合わないとき
  • (18)事業所の発行した証明書類を他人に貸与し、又は流用したとき
  • (19)許可なく事業所の文章、帳簿、その他の書類を部外者に閲覧させ、又はこれに類する行為のあったとき
  • (20)規則、通達、通知等に違反し、前各号に準ずる程度の不都合な行為があったとき
  • (21)過失により業務上の事故又は災害を発生させ、事業所及び利用者に損害を与えたとき
  • (22)事業所内で暴行、脅迫、傷害、暴言又はこれに類する行為をしたとき
  • (23)事業所に属するコンピューター、電話(携帯電話を含む)、FAX、インターネット、電子メールその他の備品を無断で私的に使用したとき
  • (24)過失により事業所の建物、施設、備品等を汚損、破壊、使用不能の状態等にしたとき、又はハードディスク等に保存された情報を消去又は使用不能の状態にしたとき
  • (25)服務規定に違反した場合であって、その事案が軽微なとき
  • (26)安全衛生規定に違反した場合であって、その事案が軽微なとき
  • (27)事業所が定める各規定に違反した場合であって、その事案が軽微なとき
  • (28)法令違反等の不正行為の真偽を確認せず又は公益通報者保護法第3条第3号に規定する要件に該当することなく外部通報を行った結果、法人・事業所の信用を害し、損害を与えたとき
  • (29)他の職員をして前記各事項に違反するよう教唆し、もしくは煽動したとき
  • (30)前号までの事項において懲戒した後も、改悛の状が認められなかったり、繰り返したりして、改善の見込みがないと園が認めたとき
  • (31)その他前各号に準ずる程度の不都合な行為があったとき

 

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

例えば、「犯罪」と「刑罰」との関係については、罪刑法定主義という大原則があります。

 

罪刑法定主義は、国家が国民に刑罰を科す際には、犯罪と刑罰をあらかじめ法律に定めておかなければならないという原則であり、法定されていない犯罪によって罰せられることはないというものです。

 

これは、国民に対して、どのような行為をすれば犯罪になり、どのような刑罰が科されるかについて、国民の代表である国会が定めた法律によって予測可能性を与えることで、それ以外の行為については自由に行うことができるという、民主主義、自由主義という観点から生み出されたものです。

 

懲戒処分も、使用者と従業員という特殊な関係の中で、使用者から従業員に与える「刑罰」の意味合いが強いことから、このような刑罰は、就業規則により「法定」されている必要があるというのが、裁判所の考え方なのです。

 

なお、この見解からすれば、諭旨解雇と懲戒解雇については、どのような原因が解雇に結びつくかがはっきりするよう、就業規則上、他の懲戒処分とは分けて懲戒事由を定めるという方法あります。

 

 

3.懲戒解雇と他の解雇との違い

「解雇」には、懲戒解雇以外にも「普通解雇」や「諭旨解雇」と呼ばれる解雇の種類があります。

以下では、懲戒解雇と普通解雇、諭旨解雇との違いについて解説します。

 

3−1.普通解雇との違い

懲戒解雇と普通解雇の大きな違いは、懲戒解雇が従業員への「制裁」を根拠として解雇をするのに対し、普通解雇は、従業員が労働契約の本旨に従った労務を提供しないこと、つまり、債務不履行を理由として労働契約を解約する点にあります。

そのため、普通解雇の解雇理由としては、能力不足、私傷病による心身の疾患、勤労意欲や協調性の欠落等により、職務の遂行に支障を来していることが、内容の主たるものとなります。

また、普通解雇の中には、使用者が経営不振などの経営上の理由により、人員削減の手続として行う解雇である整理解雇もあります。

この整理解雇は、労働者側の事由を直接の理由とした解雇ではないことが特徴的です。

普通解雇について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

▶参照:普通解雇したい!無効とならない事例や手続きをわかりやすく弁護士が解説

 

 

3−2.諭旨解雇との違い

諭旨解雇は、懲戒解雇と同様に、懲戒処分の1つであることから、その根拠は従業員への「制裁」にあります。

また、諭旨解雇をするためには、懲戒解雇相当の解雇事由があることが求められています。

しかしながら、懲戒解雇と異なるのは、懲戒解雇相当の事由がある場合でも、本人に反省が認められる時に、解雇事由に関し本人に説諭し、退職届を提出するよう勧告する点にあります。

そして、当該従業員が退職届を出さない場合には、懲戒解雇をすることになります。

諭旨解雇は、本人に退職届を出させるものの、あくまで懲戒処分の中の「解雇」です。そのため、退職勧奨による退職合意の場合とは異なり、例えば退職金の支給金額等に差が発生することもあります。

したがって、事業所としては、退職金の支給金額等に疑義が出ないよう、従業員に対して、諭旨解雇の趣旨や手続の説明をしっかりと行う必要があります。

 

4.懲戒解雇を行うことのメリットとデメリット

懲戒解雇を選択するにあたっては、事業所側、職員側それぞれのメリットとデメリットをしっかりと把握する必要があります。

以下では、懲戒解雇を行うことによって発生するメリットとデメリットを、事業所側、職員側の双方から解説します。

 

4−1.懲戒解雇を行うことのメリット

 

(1)事業所側

懲戒解雇の一番のメリットは、職員の意思によらず、職員の労働者の地位を失わせることができることです。

また、例えば懲戒解雇を行う理由が、職員による不正行為(利用者に対する虐待、利用者から預かった利用料の横領、事業所のお金の使い込みなど)の場合、これを行った職員を懲戒解雇にすることで、事業所として、不正行為に対して厳とした態度を取ることを示すことができ、事業所内の規律を守ることにも繋がります。

 

(2)職員側

職員側にとっては、通常、解雇をされることのメリットとしては失業保険の受給期間があります。

職員は、「自己都合」で退職をした場合には、離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から通算して7日間の待機期間及び2か月の給付制限を経て支給されるところ、解雇は、「会社都合」の退職(特定受給資格者)として、離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から通算して7日間の待機期間を経て支給されます。

しかしながら、懲戒解雇のように、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇となった職員は、特定受給資格者の要件を満たさず、「自己都合」退職と同様に給付制限を受けることになります。

 

▶︎参照:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

 

 

そのため、懲戒解雇を受けることで、職員にとって有利になることはありません。

 

4−2.懲戒解雇を行うことのデメリット

 

(1)事業所側

事業所側にとって、懲戒解雇をすることの最大のデメリットは、解雇無効のリスクです。

後述するように、懲戒解雇は、そのプロセス等をしっかり履践しなければ、無効となってしまいます。

解雇が無効になれば、バックペイや慰謝料請求などの危険に晒されることになり、このような事情から、事業所は解雇をできる限り避けるべく、退職勧奨等による解決を図るのです。

また、懲戒解雇が有効な場合、もう1つのデメリットは、「会社都合」退職をさせることによる助成金の支給要件に抵触です。

事業所が受けている助成金の支給要件の中には、6ヶ月以内に会社都合による離職者がいないこと、という要件のあるものが多数存在します。

助成金の内容や詳しい支給要件は、以下のページをご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「平成31年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(詳細版)」(PDF)

 

 

懲戒解雇は、事業所にとってやむに止まれず行う手続ですが、助成金の受給の可否は事業所運営に影響を与えることが予想されるので、この点の確認も解雇のプロセスの中には不可欠です。

 

(2)職員側

職員にとっては、懲戒解雇をされた場合、解雇予告や退職金の関係で、自己都合で退職した場合、普通解雇された場合に比較して不利に扱われる可能性があります。

これは、懲戒解雇の「制裁罰」としての性質からですが、自らの正当性を主張している職員であれば、納得がいかず、紛争が再燃することになるでしょう。

また、懲戒解雇をされた場合、再就職の際になかなか再就職が決まらないケースもあります。

就職活動の際には、採用の際の書類として、履歴書の他、解雇理由証明書等の提出を求められることもあります。

そうなれば、当然懲戒解雇の事実やその理由についてもわかることとなってしまい、そのような職員を雇用することには当然躊躇をすることになるのです。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

このように、事業所側、職員側のいずれにとっても、懲戒解雇をすることのデメリットは大きいことがわかります。

 

そのため、事業所側としては、このような職員側のリスクを頭に入れた上、退職勧奨の際の説得材料として有効に用いるようにしましょう。

 

 

5.懲戒解雇の要件【事例付き】

懲戒解雇の要件【事例付き】

次に、懲戒解雇の要件として、その判断基準について詳しい事例や判例を紹介しながら解説します。

 

5−1.有効性の判断基準

2−1.法律上の根拠」で紹介した通り、労働契約法は、懲戒について以下のように規定しています。

 

▶参考:労働契約法の規定

(懲戒)

第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

 

 

労働契約法が、このような包括的・一般的な規定の仕方をするのみで、具体的な考慮要素を上げていないのは、懲戒処分には、懲戒解雇以外に様々な種類があり、その程度も千差万別であることから、一般的な事情を事前に示しておくことが難しいからです。

そのため、労働契約法15条や懲戒処分の趣旨からすると、以下のような観点から有効性が判断されることになります。

 

  • 1.就業規則の懲戒規定の有無・誓約書の有無・規定の合理性
  • 2.企業秩序違反行為があるか
  • 3.懲戒規定で定める懲戒事由に該当するか
  • 4.懲戒権の行使に相当性があるか

 

これらの観点からは、さらに以下のような点に注意をする必要があります。

 

  • 就業規則に懲戒事由を定めていたとしても、職員の具体的な行為が企業秩序違反行為に当たらなければ、懲戒処分することができない。
  • 懲戒事由に該当する企業秩序違反行為があったとしても、懲戒処分の内容が相当でなければ無効となる。

 

このように、懲戒処分、さらには懲戒解雇をするためには、懲戒事由該当性のみではなく、どのようなプロセスの下、懲戒解雇に至るかという手続的観点が非常に重要になります。

 

5−2.具体的な解雇理由

ここでは、まずは懲戒事由となり得る具体的な事情について見て行きたいと思います。

解雇理由については、以下の記事も合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:具体的な解雇理由から学ぶ!違法にならない解雇の条件や要件とは?

 

 

(1)職務怠慢

介護事業所の職員として、本来行うべき職務を果たさない、例えば、夜間に利用者のナースコールが鳴っているのに駆けつけない、利用者の送迎の際に必要な声かけをしない、十分な介助をしないなどといった職務怠慢行為は、企業秩序を大きく乱すものです。

このような行為に対して、通常は口頭注意を行う介護事業所が多いと思いますが、そのような注意指導をしても改善されず繰り返し同様の行為が繰り返されたり、反抗的な態度が取られている場合には、懲戒処分を検討しても良いでしょう。

 

(2)素行不良

遅刻、居眠り、業務中の私物のスマートフォンの利用など、日常の素行不良や、これに対して、注意指導をしたことに対する態度が、威圧的、反抗的であったり、注意指導を全く聞き入れない態度を繰り返すなどした場合も、懲戒処分の理由となり得ます。

 

いわゆる「モンスター社員」による各種ハラスメントも、素行不良の類型の1つです。「モンスター社員」への対応方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:モンスター社員!特徴と対応方法を事例付きで弁護士が解説【放置厳禁】

 

 

また、「ハラスメント」については、以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

 

▶︎参照:逆パワハラって?判断基準や事例・正しい対処法をわかりやすく解説

 

 

(3)犯罪行為

職員による犯罪行為としては、大きくわけて2種類があり得ます。

 

  • 1.業務に関係する犯罪行為
  • 2.業務外での犯罪行為

 

3−1.業務に関係する犯罪行為

例えば、事務所のお金を横領する、事業所の備品を盗む、利用者を故意に殴ったり怪我をさせるなど、まさに業務にかかわる犯罪行為は、深刻な懲戒事由として扱う必要があります。

業務に関する犯罪行為として、住居手当や単身赴任手当などの不正受給を理由に行った懲戒解雇が有効となった裁判例として、「KDDI事件(東京地判平成30年5月30日判決労判1192.40)」があります。

 

参考:KDDI事件(東京地判平成30年5月30日判決労判1192.40)

 

事案

3年以上にわたり、「1.住居手当、2.単身赴任手当の不正受給、3.社宅使用料の不正な不払い、4.自宅賃料の不正支払い、5.本人赴任手当の不正受給、6.帰省手当の不正受給等を繰り返し、判明しているだけでも400万円を超える損害を会社に与えた従業員を懲戒解雇としたことに対し、解雇の無効が争われた事案。

 

判決の概要

各不正行為に対して、以下の通りに認定をした上、雇用を継続する前提となる信頼関係を回復困難なほどに毀損する背信行為を複数回行ったとして、懲戒解雇を有効とした。

 

1.住居手当の不正受給(9か月間、損害額18万円)

→不作為であり、短期間であって、害意も明確でないため、懲戒事由には該当しない。

 

2.単身赴任手当の不正受給(3年以上、損害額148万円)

→申請システムにより支給基準を満たさないことを認識できたのに虚偽申告をし、刑事犯にも該当しうるから、懲戒事由に該当する。

 

3.社宅使用料の不正不払い(3か月間、損害額1万5500円)

→申請システムにより支給基準を満たさないことを認識できたのに虚偽申告をし、刑事犯にも該当しうるから、懲戒事由に該当する。

 

4.自宅賃料の不正不払い(約3年間、損害額約243万円)

→社宅の返還義務を認識しながら返還せず、故意に会社に損害を与えたから、懲戒事由に該当する。

 

5.本人赴任手当の不正受給(損害額5万円)

→申請システムにより支給基準を満たさないことを認識できたのに虚偽申告をし、刑事犯にも該当しうるから、懲戒事由に該当する。

 

6.帰省旅費の不正受給(損害額約16万円)

→支給基準を満たさないことを認識できたのに虚偽申告をし、故意に損害を与えたから懲戒事由に該当する。

 

3−2.業務外での犯罪行為

例えばコンビニで万引きをした、電車内で痴漢行為をした、喧嘩で人を殴って怪我をさせたなど、様々な行為が考えられます。

事業所としては、このような業務外での犯罪行為をした職員が、他の職員や利用者への影響を与えることを恐れ、何らかの措置を講じたいと思うのは自然なことです。

しかしながら、「3−2.業務外での犯罪行為」の場合は、必ずしも懲戒事由とはなりません。

なぜなら、雇用主が懲戒処分ができるのは、雇用主が事業所において、事業所内の秩序を維持する権限を有しているからであり、そのような権限を行使できるのは企業秩序義務違反があった場合に限られるからです。

逆に言えば、もし職員が事業所外で、業務とは関係のない犯罪を行ったとしても、事業所内の秩序に対しては必ずしも悪影響を与える訳ではありません。

そのため、企業秩序義務違反に当たらない業務外での犯罪行為に対しては、事業所が何らかの処分ができる立場にはないのです。

 

参考:横浜ゴム事件(最高裁昭和45年7月28日判決)

例えば、タイヤ製造・販売会社の従業員が深夜に酩酊して他人の住居に侵入し、罰金刑を受けたため、雇用主が、就業規則上の「不正不義の行為を犯し、会社の体面を著しく汚した者」に当たるとして、同人を懲戒解雇した事案において、裁判所は、「会社の体面を著しく汚した」とまでは言えないとして、懲戒解雇を無効と判断しています。

 

▶参照:横浜ゴム事件(最高裁昭和45年7月28日判決)

 

 

しかしながら、他の職員からすると、業務外といえども、犯罪行為を行った職員と一緒に仕事をすることに嫌悪感や不安を感じることは当然です。

また、事業所外の犯罪であっても、その犯罪行為による事業所への影響が大きい場合には、事業所内の秩序に悪影響を与えたと言える場合もあります。

 

参考:加古川市事件(最高裁平成30年11月6日判決)

例えば、職場の近くのコンビニで、女性従業員に対し、市の制服を着たまま、わいせつな行為等を行った市の職員が、このような行為に及んだこと、さらに、これが報道されて市長が記者会見で謝罪するなどして世間を騒がせたことなどから、停職6か月の懲戒処分を受けたことにつき、処分の取り消しを求めた事件では、当該職員の行為が公務一般に対する住民への信頼を大きく損なう行為であることが重視され、懲戒処分は有効とされました。

 

▶参照:加古川市事件(最高裁平成30年11月6日判決)

 

 

(4)経歴詐称

入社時に経歴を偽ったり、不実の陳述をして採用された職員が、その経歴を詐称していたことがわかった場合、懲戒解雇事由となります。

もっとも、仮に経歴を詐称していたとしても、それによって業務に支障がなかった場合は、それ自体は著しい非行とは言えないことから、あくまで「労働契約に基づく義務履行の上で支障を発生させるような重大な経歴詐称」があった場合に、懲戒解雇が可能となリます。

例えば、以下の裁判例のように、懲戒解雇が認められた事案があります。

 

参考:炭研精工事件(最高裁平成3年9月19日判決労判615-16)

 

事案

採用面接を受ける際に、会社に提出した履歴書には、学歴・高等学校卒業、賞罰・なしなどと記載し、面接の際にも、代表者からの質問に、履歴書のとおり間違いはなく、賞罰はない旨を述べていた原告が、実は大学中退の学歴、2度にわたって逮捕、勾留され、保釈中であり、かつ、右2件の刑事事件の公判係属中であったことが判明したことから、懲戒解雇とされた事案で、解雇の無効が争われた試合。

 

判決

雇用契約は、継続的な契約関係であって、それは労働者と使用者との相互の信頼関係に基礎を置くものということができるから、使用者が、雇用契約の締結に先立ち、雇用しようとする労働者の経歴等、その労働力の評価と関係のある事項について必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合には、労働者は、信義則上、真実を告知すべき義務を負っているというべきである。

また、雇用しようとする労働者が刑事裁判の公判係属中であって、保釈中であるという場合には、保釈が取り消され、あるいは実刑判決を受けて収監されるなどのため勤務することができなくなる蓋然性の有無、公判に出頭することによって欠勤等の影響が生ずるか否か等を判断することは、当該労働者の労働力を評価し、雇用するか否かを決する上で重要な要素となることは明らかである。

このことは、当該労働者がその事件について無罪の推定を受けていることとは関わりのないことである。

そうすると、原告は、会社の採用面接を受けた当時、現に保釈中であり、2件の刑事裁判の公判継続中であったのであるから、そのような経歴にいくらかでも関連することについて被告会社から問われた場合にはこれに真実を申告すべき義務があったということができる。

そして、会社が、採用面接に当たって申告を求めた「賞罰」とは、公的なものに限らず、原告を雇用するか否かを決するために必要かつ合理的なもの、例えば、前科に限らず右のような経歴も含む趣旨であることは容易に推測できることであって、また、原告もこのことを知り得たと解される。

したがって、原告が、大学中退の学歴及び公判係属中であることを秘匿して、会社に雇用されたことは、懲戒事由に当たるとして、解雇は有効とされた。

 

(5)業務命令違反

例えば、正当な理由なく会社が命じる転勤、職種変更、出向等を拒んだ場合、懲戒事由となる場合があります。

配置転換などの人事の問題は、原則として使用者側に裁量権があります。実際に事業者側は、様々な状況を総合的に考慮した上で、人事命令を出しています。

それにもかかわらず、職員が相当な理由なくこれを拒否されば、事業所運営に支障をきたしてしまいます。

一方で、人事命令も無制限に許されるわけではなく、具体的には、人事命令の必要性、対象従業員の選定に係る事情、その他の事情を考慮して、人事権の濫用がないか否かを検討する必要があります。

片方の皿に従業員側の事情、他方の皿に会社側の事情を乗せた天秤をイメージしてみると、わかりやすいと思います。

 

片方の皿に従業員側の事情、他方の皿に会社側の事情を乗せた天秤のイメージ図

 

このような事情を考慮した上で、もし人事命令自体が違法であるとすれば、当然これを拒否したことを理由に行った懲戒解雇も無効となります。

例えば、以下のような事案があります。

 

参考:国立研究開発法人国立循環器病研究センター事件(大阪地裁平成30年3月7日判決)

 

事案

被告から独立行政法人が運営する病院への異動命令(本件異動命令)を拒否したことを理由として懲戒解雇となった原告が,被告に対し,同解雇は無効であるとして,労働契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めた事案。

 

判決

被告からの本件異動命令は、転籍出向に該当するにもかかわらず,原告の同意を欠き,人事権の濫用に当たるから、懲戒権の濫用にあたり、懲戒解雇は無効である。

また、仮に原告の同意が不要であったとしても、原告の妻が精神疾患に罹患し、原告の出向によって多大な影響が出ることが推測され、そのことを原告が被告に繰り返し伝えていたこと、人事異動の必要性がさほど高くなかったことなどから、いずれにしても人事権の濫用があると判断した。

 

・参照:「国立研究開発法人国立循環器病研究センター事件(大阪地裁平成30年3月7日判決)」の判決内容

 

 

6.懲戒解雇の具体的な手続

懲戒解雇の具体的な手続

次に、懲戒解雇を実施する際の正しい進め方について説明していきます。

以下で具体的な手順ごとに解説していますのでご覧ください。

 

6−1.懲戒解雇はプロセスが命!

懲戒解雇をする場合には、そもそも懲戒事由があるか、そして、懲戒事由があるとして、懲戒解雇の手段を取ることが相当かという2つの面から検討をする必要があります。

懲戒事由によっては、その事由をもって直ちに懲戒解雇の判断ができる場合(事業所内での犯罪行為など)もありますが、多くの場合は、懲戒処分に至らない注意指導からのプロセスを1つ1つ積み重ねていく必要があります。

このプロセスを怠れば、仮に懲戒事由があったとしても、懲戒解雇が無効となる可能性が著しく高まります。

ここからは、懲戒解雇の手段を取る場合のプロセスを、順を追って見て行きましょう。

 

6−2.懲戒解雇に至るまでのプロセス

 

(1)粘り強い注意指導

懲戒解雇に至るまでの出発点となるのは、事業所から当該職員への注意指導です。

事業所としては、まずは問題行動を繰り返す職員に対して注意指導し、自らの言動や態度を反省させ、行動の改善を促すことが重要です。

 

1.口頭

何らかの問題行動が見られた際、最も簡易で且つすぐにできる注意指導の方法は、口頭での注意指導です。

注意指導の目的は、もちろん職員の行動の改善を促す点にありますが、必ずしも客観的な証拠が残るものではない職員の言動について、「○○の行動に対して注意指導をした」という形で証拠を残すことで、職員の言動を記録するという目的もあります。

そこで、口頭での注意指導を行う際には、できるかぎり指導の状況を録音しておく、または、指導内容やその際の職員の態度などを継続的に記録しておくことで、問題行動をとった証拠を残していきましょう。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

注意指導は、職員の問題行動を現認した後は、すぐに行うようにして下さい。

 

なぜなら、問題行動を現認したにもかかわらずその時にはこれを放置し、時間を置いてから注意すると、「あの時何も言わなかったのに急に今なんでそんなことを言うんですか?」「言いがかりです」などと、逆に反撃を受けるだけでなくよほど客観的な証拠が存在している場合でない限り、「私はそんなことはやっていません」と言い逃れをする可能性すらあるからです。

 

録音機器がない場合であっても、形式な点にとらわれずに、まずはしっかりと、タイムリーな注意指導をすることを心がけましょう。

 

 

2.メール、Line等のチャットツール

最近は、事業所内での連絡方法として、メールやチャットツールを利用している介護事業所も多いと思います。

メールやチャットツールの良いところは、比較的速やかに注意指導ができることと、送った日付、時間、内容が記録され、それに対する相手からの返答内容も同時に記録されることです。

口頭で注意指導をした後、確認事項として改めてメールやチャットツールを利用して注意指導をしておくこと有効です。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

突発的な状況で注意指導をした場合には、録音を残すことが難しい場合もあります。

 

このような場合、例えば、注意指導の記録を、自分宛のメールやチャットに打ち込んで送信しておくと、その日に注意指導をした記録を作成したことが明らかとなるので、証拠としての価値が高い記録を残すことができます。

 

または、注意指導をした職員から管理者に報告を上げさせる形でメールを送信させる方法も有効です。

 

なお、LINEやその他のチャットアプリ等を利用する場合は、送信取消し等により証拠の隠滅が図られる可能性がありますので、トーク履歴を保存したりスクリーンショットをとるなどして保存しておきましょう。

 

 

3.書面

口頭やメール、チャットツール等での注意指導を繰り返しているにもかかわらず、職員の問題行動が改善されないような場合、次の手続を想定し、書面での注意指導を行いましょう。

これまでに口頭やメール等で行ってきた注意指導や、その注意指導の際の態度を含めて改めて注意指導を行います。

書面での注意指導の際には、注意指導の内容の他、当該問題行動が就業規則の服務規律に違反している旨を付け加えておくと、注意指導の理由が明確となります。

具体的には、以下のような記載です。

 

▶参考:書面での注意指導の参考例

○年○月○日、利用者の食事介助中であるにもかかわらず、スマートフォンを見るなどして利用者の見守りを怠っていたことから、「業務中にスマホを見るのはやめなさい」と注意すると、「見ていない」「注意されて気分が悪くなった」などと不貞腐れた態度で言い捨てると、態度を改めないばかりか、そのまま離席して控室に帰ってしまった。

これは、就業規則○条○号に定める○○に該当する。

 

 

このような注意指導書を交付する際には、これらの注意指導に対し、自らの行動をどう改善するかについて検討させ、期限を決めて提出するよう指示することも有益です。

実際に提出されれば、職員の態度も明らかになりますし、提出を拒否したとすれば、その態度自体が次の手続への根拠となります。

 

(2)懲戒解雇以外の懲戒処分

懲戒処分には、戒告や譴責(けんせき)といった、職員への影響が比較的小さいものから、減給、出勤停止、降格処分、諭旨解雇、懲戒解雇といった、職員の地位や労働契約の本質部分に影響のある重い処分まで順番に定められています。

懲戒処分をする際には、これまでに行ってきた注意指導や他の懲戒処分の存在も考慮の上、その内容を決めることになります。

そのため、事業所としては、注意指導によっても態度が改まらない職員に対しては、まずは戒告や譴責などの懲戒処分を行い、回数を重ねて行くようにしましょう。

このプロセスを丁寧に行わなかった場合、懲戒解雇は無効となる可能性が高くなります。

 

▶参考:国立大学法人群馬大学事件(前橋地裁平成29年10月4日判決労判1175.71)

例えば、セクハラやパワハラを理由として、職員を諭旨解雇処分、引き続いて懲戒解雇処分とした事案において、当該職員が、この時までに他の懲戒処分を受けていなかったことを理由に、懲戒解雇処分は相当性を欠くとして無効と判断されています。

 

 

(3)退職勧奨

注意指導や懲戒処分によっても態度が改まらない場合、事業所としては、退職勧奨により、職員の自主的な退職を促すことも考えられます。

退職勧奨は、解雇とは異なり、なんらの強制的な手段も伴うものではありませんが、退職時のさまざまな条件の取り決めができるなど、うまく利用ができれば非常に効果的な手段です。

退職勧奨については、以下の記事をご覧ください。

 

▶︎参照:退職勧奨とは?具体的な方法や違法にならないための注意点を弁護士が解説

 

 

6−3.懲戒解雇の際のプロセス

ここでは、ここまでに解説をしたプロセスを踏んできて、いざ懲戒解雇をするとなった場合の具体的な手続について説明します。

 

(1)懲戒解雇の通知

懲戒解雇の通知は、職員に到達をしなければ効果が発生しません。

そこで、職員に対して、懲戒解雇の通知をするためには、通知書を職員本人に手渡すことが確実です。

具体的には、懲戒解雇とする日に職員本人を呼び出し、口頭及び書面の両方で懲戒解雇をする旨通知し、さらには書面を受領したことについて、事業所側の控えに署名や押印をもらってください。

また、このような署名押印を貰えない時に備えて、通知の様子は、動画や録音に残しておくようにしましょう。

なお、録音は、相手に了解を得る必要はありません。録音の際の注意点は、以下の動画をご覧ください。

 

 

 

 

 

懲戒処分の通知書の内容としては、以下のようなものを骨子に、肉付けをしていきましょう。

 

▶︎参考:通知書の記載例

1 通知の趣旨

貴殿を、当社就業規則○条○項に基づき、○年○月○日付で懲戒解雇とする。

2 通知の理由

貴殿は、○年○月○日、●●の行為をしました。

このような 貴殿の行為は、当社の就業規則○条○項に該当する重大な非違行為です。

よって、当社は貴殿を、当社の就業規則○条○項に基づき、本日付で懲戒解雇いたします。

 

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

直接の懲戒解雇通知が可能な場合は問題ありませんが、例えば懲戒事由の内容が無断欠勤であり、さらには、当該職員と全く連絡がつかない場合は非常に深刻です。

 

もし、連絡が取れない状況であれば、解雇の意思表示を当該職員に到達させること自体ができず、厳密に解雇の意思表示を当該職員に到達させようと思うと、民法98条による公示による意思表示という手続を取らなければならなくなります。

 

 

▶︎参照:「民法」の条文

 

 

そのような場合に備えて、就業規則には、一定期間連絡が取れないまま行方不明になった職員について、当然退職の規定を設けておくことが重要です。

 

具体的には、以下のような規定です。

 

 

「従業員が、会社に連絡がなく30日を経過し、会社が所在を知らない時は、30日を経過した日の翌日を退職の日とし、その翌日に従業員としての身分を失う。」

 

 

「会社が所在を知らない時」と言えるためには、可能な限りの連絡手段を全て講じ、それでもなお連絡がつかず、所在もわからないという状況を記録化しておく必要がありますが、このような規定を利用することで、退職手続を円滑に行える場合もあります。

 

まずは、皆さんの事業所の就業規則を確認してみてください。

 

 

(2)本人への弁明の機会の付与

懲戒解雇は「制裁罰」であることから、適正なプロセスを踏むことが重要です。

そのため、職員に対して、懲戒解雇事由に当たる事実について、弁明の機会を与えている必要があります。

これは、懲戒解雇を通知する前に、懲戒事由に当たる事実を調査し、その中で当該職員本人からも直接聴取をし事実確認をする中で行います。

面談の様子は録音や録画をしておき、後日「弁明機会を与えられていない」などといった反論を許さないよう、準備しておきましょう

 

6−4.解雇予告

 

(1)懲戒解雇でも原則として解雇予告が必要

懲戒解雇も、解雇の1つであることから、30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当を支払うことが労働基準法上義務付けられています(労働基準法20条1項)。

 

▶︎参考:労働基準法20条1項

(解雇の予告)

第20条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

③ 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

・参照:「労働基準法」の条文はこちら

 

 

しかしながら、1か月前に解雇予告をすると、懲戒解雇の通知をしてから1か月もの間、当該職員には職員の地位が残り続けることになります。

懲戒解雇をされるほどの懲戒事由がある職員を、そうだとわかっていながら1か月間もの間職場で働かせ続けることは、他の職員にとっても好ましいことではありません。

そのため、このような場合には、解雇予告手当てを支払ってでも、即日解雇をすることも検討すべきでしょう。

 

(2)解雇予告の除外認定

労働基準法第20条第1項但書は、解雇予告の例外として、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」をあげています。

つまり、労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合であれば、解雇予告をすることも、解雇予告手当を支払うことも不要となるのです。

そして、このような解雇に当たる場合には、労働基準法第19条2項により、行政官庁の認定を受けなければなりません。

これが、労働基準監督署が出す解雇予告除外認定です。

 

(解雇制限)

第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

 

この解雇予告除外認定の申請のための書式は、以下の厚生労働省のホームページに掲載されていますので、合わせてご確認下さい。

 

▶︎参照:厚生労働省「解雇予告除外認定の申請のための書式」

 

 

厚生労働省は、事前申出が望ましいとしつつ、事後申請も認める取扱いをしていますが、労働基準監督署によっては、事後申請を受け付けないところもあるようです。

そのため、懲戒解雇を円滑に進めるためには、事前に労働基準監督署と調整し、確認をしておく必要があります。

 

6−5.退職金の支払いの有無

就業規則に懲戒解雇について定めるにあたっては、以下のような定めをおくことがあります。

「懲戒解雇となる者には、その状況を勘案し、退職金の全部または一部を支給しない」

このような定めは、就業規則に定めたからといって、必ずしも有効とはなりません。

なぜなら、退職金は、賃金の後払いという性格の面が強く、退職金の減額没収規定が有効に適用できるのは、労働者の従前の勤続の功労を抹消または減殺するほど著しい背信行為がある場合だと考えられるからです。

例えば、先に紹介をしたKDDI事件(東京地裁平成30年5月30日判決労判1192.40)では、就業規則で、懲戒解雇の場合には退職金を支払わない旨の規定があり、使用者は、実際に退職金を支払っていませんでした。

これに対して、裁判所は、使用者に対して、退職金のうち4割の限度で、支払い義務を認めています。

 

【弁護士畑山浩俊のコメント】

退職金の有無や多寡については、懲戒解雇をする以前に、退職勧奨等をするにあたっての交渉カードとなり得ます。

 

具体的には、懲戒解雇をすれば退職金の額が減ることを説明し、今合意に至るのであれば、通常通りの退職金を支払うなど、条件として提示することもあり得ます。

 

なお、会社から直接退職金を支払う場合でなく、中小企業退職金共済事業などを利用して退職金の積み立てを行っている場合、積み立ての期間によっては退職金の支払いができなかったり、職員自身による手続が必要となる可能性もあります。

 

事前に、しっかり確認の上、交渉材料とするようにしましょう。

 

 

6−6.懲戒解雇後の手続

以下では、懲戒解雇をした後、事業所が行うべき手続について説明します。

 

(1)離職票の作成

退職者は、失業保険の受給申請をするために、「離職票」をハローワークに提出する必要があります。

そのため、職員からは、「離職票」を出して欲しいとの申し出がされること多いため、事業所は、職員の離職後、離職票をハローワークから交付してもらう必要があります。

具体的には、事業所は、ハローワークに対して、職員が被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内に「離職証明書」を提出します。

この離職署名所は、3枚1組の複写式となっており、その中に、「離職票」が含まれています。

事業所が、離職証明書を作成してハローワークに提出すると、この「離職票」の交付を受けられるため、これを職員に交付し、職員からハローワークに、必要事故を記載の上提出するという流れになります。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

 

▶︎参照:厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」(PDF)

 

 

(2)解雇理由証明書の交付

以下では、解雇理由の通知義務について説明します。

 

1.解雇理由の通知義務

使用者は、労働者から退職の理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付する必要があります(労働基準法22条1項)。

この、いわゆる「解雇理由証明書」は、解雇や解雇の予告を通知する書面とは異なるもので、事前に発行する必要はありませんが、請求されれば遅滞なく交付する必要があり、もし請求があったにもかかわらず発行しなかった場合には、30万円以下の罰金に処される可能性があります(労働基準法120条1号)。

 

2.解雇理由の通知の仕方

解雇の際に交付する解雇(予告)通知書には特段の決まりはありませんが、解雇理由証明書については、労働者の請求しない事項を記載してはいけないことになっています(労働基準法22条3項)。

労働者から、解雇理由証明書が請求される趣旨としては、解雇に納得ができず、何らかの法的措置を考えている場合の他、新たな雇用先へ提出するために請求をする場合もあります。

後者の場合に、労働者にとって不利益な事項が記載されていると、再就職等に支障をきたすことから、不必要な記載はしてはいけないことになっているのです。

これに関連して、労働者が解雇の事実のみの記載を請求した場合は、解雇理由を記載してはならないこととされています。

 

▶︎参照:厚生労働省「平成11年1月19日基発45号、第3、2号」

 

 

3.解雇理由証明書の記載例

具体的な解雇理由証明書の記載すべき事項としては、労働基準法22条1項に記載のある「使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由」のうち、労働者が求める事項となります。

解雇理由証明書の記載方法については、宮城労働局のホームページに書式が掲載されているので、参考にしてみてください。

 

▶︎参照:厚生労働省 宮城労働局「各種様式 ~ 労働条件・労働契約」

 

 

7.懲戒解雇の公表

ここでは懲戒解雇を実施した際の公表について、注意点や方法などを説明しておきます。

 

7−1.懲戒解雇を公表する趣旨

懲戒解雇をする事業所側の意図としては、事業所内部の秩序維持のため、非行を行う職員に対して厳格な態度を取ることを示すという目的があります。

例えば、利用者から預かった金銭の使い込みや、利用者への虐待、事業所内の金品や備品の窃盗や横領など、事業所内で起きた犯罪行為については、これが刑法上の犯罪に当たる場合には、刑事告訴または刑事告発をすることも、厳格な態度を示す方法です。

しかしながら、刑事告訴については、事実上警察の協力を得られなかったり、立件できる程度の証拠を揃えることは困難なこともあり、奏功しないこともあります。

そのような場合に、事業所が行える制裁が、懲戒処分であり、その中での極刑が懲戒解雇なのです。

 

7−2.懲戒解雇を公表することのリスク

このような懲戒解雇の趣旨から、事業所としては、懲戒解雇とした職員の氏名や解雇理由等を細かく公表し、他の職員に知らしめたいと思われるかもしれません。

中には、事業所として、犯罪行為に対して厳格な態度で臨んでいることを対外的に示すため、ホームページや事業所が運用するSNSに掲載したいとの希望をお持ちの場合もあります。

しかしながら、懲戒解雇の事実を公表する際に注意すべきなのは、「名誉毀損」との関係です。

名誉毀損は、民法、刑法の両方に以下のような定めがあります。

 

▶︎参考:民法

(名誉毀損における原状回復)

第723条 他人の名誉を毀き損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。

 

(不法行為による損害賠償)

第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

▶︎参考:刑法

(名誉毀損)

第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
(2項省略)

 

 

この名誉毀損は、公表した事実が真実であるかどうかに関わらず、具体的な事実を摘示して、これにより社会的評価等が低下すれば、原則としては成立することになります。

例えば、ジャパンビジネスラボ事件(東京高裁令和元.11.28 労判1215.5)では、職員が就業規則違反を行った事実等を、得意先に対してメールで送信するなどしたことについて、会社側に不法行為に基づく損害賠償が認められています。

 

▶︎参照:「ジャパンビジネスラボ事件」の判決内容

 

 

7−3.具体的な公表方法

もし、ある職員を懲戒解雇にした事実やその内容を、対外的に公表することは控えた方が得策です。

もっとも、虐待事案等で、例えば先にマスコミ報道がされるなどして、何らかの説明を求められる場合には、当該職員の氏名等の個人情報は避け、懲戒解雇の事実のみを公表することに留めておきましょう。

もちろん、警察や行政の捜査にはしっかり協力をしてください。

このような社会的影響がある事情以外での懲戒解雇の場合は、社内で公表をする限りでは、職員への注意喚起と合わせて、職員を懲戒解雇にしたこととその理由を説明しても問題はないと思います。

もっとも、他の職員から、事業所外に懲戒解雇のことが流布されることがないように、例えば説明文書の最後に「事業所外でみだりに開示しないこと」というような一文を入れておいたり、文書等を交付せず、会議の際に口頭で話すにとどめ、さらにその話した内容を口外しないよう注意を促すようにしましょう。

懲戒解雇の公表については、このようにデリケートな部分も多いので、公表の際には必ず、弁護士と相談をしながら、その文面や公表方法を、精査しましょう。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】

虐待事案が発覚した場合、事業所としては、警察に通報をする前に、まずは利用者のご家族に連絡、報告をするようにしてください。

 

これは、先に警察に通報してしまうと、警察からマスコミなどに情報が漏れ、事業所がご家族に連絡、報告をする前に、マスコミから情報が入ってしまうことがあり得るからです。

 

虐待を受けていたことが発覚するだけでも相当の精神的ショックを受けるご家族にとって、何らの確実な説明や報告を受けないまま報道で虐待の事実を知ってしまった場合、その驚きや衝撃は計り知れません。

 

そうなれば、ご家族との信頼関係を修復することは非常に難しくなります。

 

必要な通報や報告をすることはもちろん必須ですが、その手順については、必ず弁護士と相談の上進めていくようにしましょう。

 

 

8.懲戒解雇が違法となったら?不当解雇を回避するためには?

ここでは、万が一懲戒解雇が違法となった場合にどのようなリスクがあるのかを説明した上で、懲戒解雇を検討する場合は必ず弁護士に相談をしたほうがよい理由を解説します。

 

8−1.懲戒解雇が違法となった場合のリスク

懲戒解雇が無効になることにより、次の3つの問題が発生します。

 

  • (1)職員が職場に戻ってくる
  • (2)バックペイの支払い
  • (3)慰謝料の発生

 

以下、順に見ていきます。

 

(1)職員が職場に戻ってくる。

懲戒解雇が無効ということになれば、当該職員は労働者の地位を失っていないことになります。

その場合、実は最も恐るべきことは、当該職員が職場に戻ってくることです。

事業所として、解雇の判断をした職員が職場に戻って来れば、これによる職場環境の悪化は避けられません。

通常は、一度解雇された職場に戻ってくる職員は少ないですが、事業所にとっては最も避けたいことの1つです。

 

(2)バックペイの支払い

懲戒解雇が無効になるということは、職員は労務を提供できる状況であったにもかかわらず、事業所側が理由なく労務提供を拒否していたことになるため、事業所側の賃金の支払い義務は無くなりません。

そのため、事業所は解雇をした時以降の賃金を支払わなければならなくなります。

 

(3)慰謝料の発生

さらに、解雇が違法とされた場合、このような解雇をしたことに対する慰謝料請求も発生します。

特に、その解雇理由が不当なものであった場合、行為の悪質性から慰謝料額が増額される可能性もあります。

また、解雇の無効を主張しながら、職場復帰を望まない職員からは、「(2)バックペイの支払い」の相当額を加味した損害賠償請求がされる可能性があるため、事業所としては、職員が職場復帰することは避けられたとしても、結果として紛争が終了するまでの期間の給与相当額を支払わなければならなくなります。

 

8−2.懲戒解雇を検討する場合は必ず弁護士に相談を!

懲戒解雇をするためには、相当の準備や検討が必要であり、1つでもプロセスを誤れば無効となるリスクは高くなります。

すなわち、懲戒解雇という選択肢をとるためには、初期対応時からの計画的な準備が必要なのです。

このような時に、すぐに相談ができる労働法に強い弁護士がいることは重要です。

初期対応の段階から弁護士へ相談することで、必要な証拠を揃えていきながらも、プロセスを確実に履践することができます。

事業所として対応が難しくなるよりももっと以前に、取るべき手段がまだ数多く残されているうちに、弁護士に相談することを心がけましょう。

 

【弁護士 畑山浩俊のコメント】
初めてご相談をお受けする時、弁護士として非常に悩ましいのは以下のような状況です。

 

 

・既に解雇してしまい、労働者側の弁護士から通知書が届いている。

・職場環境の悪化により、解雇に向けて時間的猶予がない。
・解雇手続の前提となる注意指導をしていなかったり、そもそも就業規則が整備されていない。

 

このようなご相談をお受けすると、「もう少し早くご相談をお受けしていれば…」ともどかしい気持ちになります。

 

どのような問題であっても、早くご相談を頂ければ頂けるほど、複数の選択肢から解決方法を選ぶことができ、選んだ解決方法を適法にとるための準備も十分に行うことができます。

 

例えば、「解雇しか方法がない!」という事態になる前に、注意指導を粘り強く続けることで、自ら退職をしたり、退職勧奨によって合意の上退職をしてもらうことも可能な場合があります。

 

「こんなことで…」と思わずに、気になることがあれば、すぐに相談ができる弁護士の存在は重要です。

 

 

9.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)懲戒解雇に至るまでの手続に対する指導、助言
  • (2)懲戒解雇に関する就業規則の策定に対する助言
  • (3)懲戒解雇について職員から争われた場合の法的対応
  • (4)労働判例研究ゼミ
  • (5)顧問サービス「かなめねっと」

 

9-1.懲戒解雇に至るまでの手続に対する指導、助言

従業員を解雇するためには、求められるプロセスを確実に踏んでいくことが重要です。

しかしながら、既に事業所内で、当該職員に関する問題が顕在化している場合、このようなプロセスを踏んだ対応が難しく、無効な解雇をしてしまうことが避けられません。

そのため、解雇を検討するかなり初期のタイミングから、専門家の意見を仰いでおくことが重要なのです。

早期に相談を受けられれば、証拠の残し方、注意指導をする際の準備などを、計画的にサポートした上、実際に解雇を行うタイミングも含め、指導することが可能です。

 

9-2.懲戒解雇に関する就業規則の策定に対する助言

懲戒解雇はもちろん、懲戒処分は就業規則に規定がなければ行うことができません。

社会保険労務士に就業規則の策定をお願いしている事業所もあると思います。

もちろん、社会保険労務士が策定した就業規則の内容は、法的には適法かもしれませんが、それだけでは、必ずしも事業所の規模や実態とあった内容となっていない可能性があります。

事業所の実態にあった、使い勝手のいい就業規則を策定し、運用していくためには、社会保険労務士だけでなく、弁護士とも連携する必要があります。

弁護士法人かなめでは、介護事業所の労務管理に精通した弁護士が、社会保険労務士と協力の上、就業規則の策定をサポートします。

 

9−3.懲戒解雇について職員から争われた場合の法的対応

懲戒解雇は、その性質上、職員から無効の主張がされることを、ある程度織り込み済みで対応をする必要があります。

そのため、事業所としては、懲戒解雇に至るまでの対応の記録の保管や、職員本人からの無効主張への対応、職員が駆け込んだ労働基準監督署からの聴取への対応など、通常業務と異なる事務対応に疲弊してしまいます。

弁護士法人かなめでは、懲戒解雇に至るまでの対応からサポートをしていますので、記録の整理の他、労働基準監督署、職員本人との対応、交渉業務をスムーズに代行することができ、事業所の皆様が、安心して本来の業務に専念できる環境作りをサポートできます。

 

9−4.労働判例研究会

弁護士法人かなめでは、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する労働判例研究ゼミを不定期に開催しています。

ゼミの中では、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをすることで、事業所に戻ってすぐに使える知識を提供しています。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶参照:弁護士法人かなめ「労働判例研究ゼミ」開催情報はこちら

 

 

9−5.顧問サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「9−1」、「9−4」のサービスの提供を含めた総合的なサービス提供を行う顧問契約プラン「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

そして、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。

現場から直接弁護士に相談できることで、事業所内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

 

▶参照:「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

 

9−6.料金体系

現在、弁護士法人かなめでは顧問契約サービス「かなめねっと」のみのご契約のみ受け付けています。

 

(1)顧問料

  • 月額5万円(消費税別)から

 

※職員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

また、弁護士法人かなめへの法律相談料は以下の通りです。

 

(2)法律相談料

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※法律相談は、「1,弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2,ZOOM面談によるご相」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

※また、法律相談の申込みは、お問合わせフォームからのみ受け付けおります。

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

10.まとめ

この記事では、「懲戒解雇」について、その趣旨や特徴の他、普通解雇や諭旨解雇との違い、具体的にどのような場合に懲戒解雇ができるかについて、裁判例を参照しながら事例を紹介しました。

また、「懲戒解雇」にあたって、即時解雇をする場合の解雇予告手当と除外認定の関係や、実際に懲戒解雇を進める際の手順についてもご紹介しました。

さらには、「懲戒解雇」をした後の公表の際の注意点についても紹介しておりますので、「懲戒解雇」の公表を考えている事業所の方は参考にしてみて下さい。

その上で、実際に「懲戒解雇」を進める場合には、なるべく早期に弁護士へ相談するようにして下さい。

 

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弁護士法人かなめでは、「介護業界に特化した弁護士」の集団として、介護業界に関するトラブルの解決を介護事業者様の立場から全力で取り組んで参りました。法律セミナーでは、実際に介護業界に特化した弁護士にしか話せない、経営や現場で役立つ「生の情報」をお届けしますので、是非、最新のセミナー開催情報をチェックしていただき、お気軽にご参加ください。

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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