記事公開日: 2022年2月28日   
記事更新日: 2022年3月20日

うつ病で休職!判断基準や期間、手続きや注意点など対応方法を徹底解説

うつ病で休職!判断基準や期間、手続きや注意点など対応方法を徹底解説
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近年、職員のメンタルヘルスの問題は深刻化しており、その中でもうつ病を原因とする心身の不調により、職員が断続的に遅刻・早退・欠勤を繰り返したり、長期間欠勤してしまう事例が増加しています。

様々なストレスにさらされている現代では、うつ病は他人事ではありません。

うつ病に罹患し、明らかに業務に支障を来している職員がいるにもかかわらず、これを放置すれば、当該職員自身の病状の悪化の他、他の職員の業務にも支障が発生し、いずれに対しても安全配慮義務違反を問われる可能性があります。

そのため、介護事業者としては、うつ病に対する基本的な知識を学び、職員がうつ病になった場合の対応等を理解しておく必要があるのです。

この記事では、うつ病に関する基本知識を解説した上、うつ病に罹患した職員への対応方法として休職に関する基本的な知識と、実際に職員を休職させる場面における具体的な手続きや注意点について解説します。

さらに、休職中に職員が守るべき点、休職中の職員の対応時に法人が気を付けるべき点についても解説し、実際に復職する際のプロセスについても、その概要を説明します。

最後まで読んでいただくことで、うつ病による休職から復職までの一連の流れについて知ることができますので、職員の精神疾患に悩んでいる介護事業所の方は、参考にして見てください。

 

【筆者「弁護士 畑山浩俊」のワンポイントアドバイス】

 

この記事は、あくまで私傷病休職、すなわち、業務上の原因によらないうつ病を理由とする休職について解説したものです。

 

業務上の原因によるうつ病の場合には、療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇が制限されるなど(労働基準法19条1項)、私傷病の場合とは異なる規制があります。

 

この点については、また別の記事で解説します。

 

 

この記事の目次

1.うつ病とは?

うつ病とは、精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなる気分障害です。

例えば、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。

うつ病と判別が必要な病気として、双極性障害(躁うつ病)があります。うつ病はうつ状態だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気であり、うつ病と双極性障害とでは治療法が大きく異なることから、専門家による判断が必要です。

うつ病の発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じることが原因であると考えられています。

うつ病の背景には、精神的ストレスや身体的ストレスなどが指摘されることが多いですが、辛い体験や悲しい出来事のみならず、結婚や進学、就職、引越しなどといった嬉しい出来事の後にも発症することがあります。

なお、体の病気や内科治療薬が原因となってうつ状態が生じることもあるので注意が必要です。

 

▶︎参照:厚生労働省「知ることからはじめよう おとなのメンタルヘルス(総合サイト)」

 

 

2.うつ病患者は増加している?

では、うつ病の患者は、増えているのでしょうか。

以下では、うつ病に関する統計を見ていきましょう。

 

2−1.うつ病の患者数の推移について

厚生労働省の統計によると、うつ病や双極性障害を含む気分障害の患者は、1996年には約43万3000人でしたが、2008年には100万人を超え、2017年には約127万6000人に達するなど、統合失調症や神経性障害に比較して年々増加しています。

以下のグラフも参考にご覧ください。

 

「こころの病気の患者数の状況」のデータ

▶︎引用元:厚生労働省「図表1-2-9 こころの病気の患者数の状況」

 

2−2.なぜうつ病の患者数が増えているのか?

うつ病などの気分障害は、特に就業世代については、長引く不況や経済状況の悪化、失業率の上昇などを背景にうつ病を惹起する種々の社会・心理的要因が増加していることが患者数増加の原因の1つと言われています。

また、うつ病の後発年代であり高齢者層の人口の増加、若年者層のうつ病有病率の増加の他、うつ病についての啓発活動で、自らうつ病を疑って受診する人の数が増えたことも患者数増加の原因です。

これらに加え、近年の新型コロナウイルス感染症による経済状況の悪化や自粛生活により、仕事や収入の急減などのストレス要因の増加、孤立の深刻化などが原因で、特に交流機会が減少した高齢者に、うつ傾向の増加が懸念されています。

 

3.うつ病になるとどうなるの?

では、実際にうつ病になると、どのような影響があるのでしょうか。

 

3−1.うつ病の症状

うつ病の症状には、

 

  • 表情が暗い
  • 自分を責めてばかりいる
  • 涙もろくなった
  • 反応が遅い
  • 落ち着かない
  • 飲酒量が増える

 

のような心理的な症状の他、

 

  • 食欲がない
  • 性欲がない
  • 眠れない、過度に寝てしまう
  • 体がだるい、疲れやすい
  • 頭痛や肩こり
  • 動悸
  • 胃の不快感、便秘や下痢
  • めまい
  • 口が渇く

 

など身体的な症状も発現します。

 

3−2.うつ病が仕事に及ぼす影響

例えば、うつ病を原因とする身体的な症状として、睡眠障害が発現すれば、遅刻や、業務中の居眠りに繋がりますし、疲れやすくなる症状が発現すれば、集中力の低下などにより作業効率の低下します。

さらに、さまざまな心理的な症状が原因で、他者とのコミュニケーションを図りづらくなると、協力して業務を行うことが難しくなるなど、業務にも多大な影響を及ぼします。

このようなことから、うつ病が仕事に及ぼす影響は決して小さくありません。

介護現場は常に命と隣り合わせの現場であることから、重大な事故につながる可能性が高くなったりなど、安全を脅かすようなリスクが発生します。

その他にも、うつ病が原因のパフォーマンス低下により、他の職員の業務負担やストレスが増える等の影響で、職場環境の悪化につながり、最悪の場合、退職する職員が増加する、というようなことにもなりかねません。

 

4.うつ病による休職は増えている?

厚生労働省による実態調査によると、令和元年11月1日から令和2年10月31日までの期間で、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合は全国で7.8%です。

一見すると小さな割合に見えるかも知れませんが、実は平成28年11月1日から平成29年10月31日までの期間を見ると、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合は全国で0.4%であり、実に19倍以上に増えています。

厚生労働省の実態調査は、以下からご覧いただけます。

 

▶参照1:令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

▶参照2:平成30年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

▶参照3:平成29年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

 

 

もっとも、実際にはメンタルヘルス不調を抱えているにもかかわらず、職員本人にその自覚がなく、心療内科等への受診を求めてもこれを拒否し、問題行動を繰り返す職員もいます。

例えば、うつ病の事例ではありませんが、勤務実績不良、適格性欠如を理由に解雇された元職員が、その後高次脳機能障害であったことが判明し、障害に配慮すべきであったのにしなかったことが違法であるとして解雇の無効が争われた事案では、当該職員には、就労中に突然意識が飛ぶなどの問題行動があり、職場が受診を求めたにもかかわらず「私に知的障がい者のレッテルを貼るんですか」などと言って、受診を拒否する姿勢を見せていました。(参考:大阪府・府知事(障害者対象採用職員)事件(大阪地裁 平31.1.9判決労判1200.16))

このような場合に、事業所として、どこまで受診を求めるべきか、様々な配慮が必要となります。

 

5.休職とはどのような制度か?

休職とは、ある従業員を労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対し、雇用契約関係そのものは維持させながら、労務への従事を免除すること、または禁止することです。

雇用契約の内容として、労働者は使用者に対して「労務提供義務」を負っています。

そうすると、業務外の傷病を理由に労働者が労務を提供できない場合、それは労働者の債務不履行になりますので、本来であれば雇用契約の違反を理由に解雇になり得ます。

しかしながら、休職制度は、労働者が労務を提供しないことを、一定期間「債務不履行」と扱わず、労務への従事を免除するのです。

 

6.休職に関する規定

 

6−1.法令

公務員については国家公務員法(61条、79条、80条)や地方公務員法(28条2項)で休職制度が設けられていますが、民間企業については法律上の規定はありません。

民間企業では、休職制度は以下に記載するとおり、就業規則で定める必要があります。

 

▶参照:「国家公務員法」や「地方公務員法」の条文は、以下をご覧ください。

「国家公務員法」の条文はこちら

「地方公務員法」の条文はこちら

 

 

6−2.就業規則

民間企業における休職制度は、それぞれの企業が就業規則等で独自に定める必要があります。

具体的には、休職制度を定める場合には、労働契約の締結に際し労働者にこれを明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則5条1項11号)。

そして、事業所の全労働者に適用されるものである場合には就業規則に記載しなければなりません(労働基準法89条10号)。

休職制度はあくまで企業が任意で定める制度ですので、それぞれの企業によってその内容は異なります。

休職制度が事業所の実態に応じたものになっていなければトラブルのもとです。

この記事の中で注意点にも言及しますので、皆様の事業所の就業規則の見直しにお役立て下さい。

 

▶参照:「労働基準法」や「労働基準法施行規則」の条文は、以下をご覧ください。

「労働基準法」の条文はこちら

「労働基準法施行規則」の条文はこちら

 

 

6−3.就業規則に定めがない場合

就業規則に休職の規定がない場合、企業側は一方的に労働者に対して休職を命じることはできません。

もっとも、労働者とも話し合った上で会社が任意に休職に類するような措置をとることは可能です。

労働者にとっては病気に対する改善の機会が付与されることになるので、応じる労働者が多いと考えられます。

 

6−4.なぜ休職制度が必要なのか?

就業規則に定めがないと、労働者と話合いの上で休職に類するような措置をとることになりますが、それでは、どうしても個別具体的な判断になりがちであり、労働者間に不公平が生じる可能性があり、労務管理上好ましいとは言えません。

具体的には、以下のような内容を予め就業規則で定めておくことで、労働者に予測可能性が立ちます。

 

  • どのような場合に休職事由に該当するのか
  • 休職する場合、その期間はどの程度か
  • 休職期間中は職員としてどのような点に留意すべきなのか
  • どのような場合に復職できるのか
  • 休職期間が満了した時点で治癒していなければ雇用契約はどのようになるのか

 

また、労務管理を行う立場にある経営者や管理者も一律に運用することが可能になり、公平な労務管理が実現できます。

就業規則に定めが無ければ、仮に労働者が休職に応じなかった場合、一方的に休職を命じることはできず、単なる欠勤と取り扱わざるを得なくなります。

欠勤が続くと、企業は普通解雇を検討せざるを得なくなり、労働者との間でトラブルが生じる可能性が高くなってしまいます。

就業規則で予め休職制度を定め、その内容を労働者に周知することにより、私傷病で通常の労務提供が困難になる場合であっても、一定期間治療に専念できることを労働者に伝えることができます。

そのような制度があることを知った労働者は「きちんと治療に専念できる」と安心感を持ち、結果として、離職防止にも繋がるといえるでしょう。

福利厚生的な意味合いもあるので、職場の心理的安全性を高めることに注目が集まっている現代では、休職制度は必要不可欠な制度と言えるでしょう。

 

7.うつ病による休職のメリットとデメリット

うつ病の場合に、休職制度を利用するにあたっての、メリットとデメリットを見ていきましょう。

 

7−1.メリット

休職制度は、労働者にとって、一定期間解雇・退職が猶予され治療に専念することができる点でメリットのある制度です。

現代のストレス社会においては誰しもがうつ病に罹患するリスクを負っています。

うつ病に罹患した職員の特徴としては、感情障害、思考障害、意欲・行為障害、身体症状などがありますが、いずれの症状も労務提供に支障を来すものです。

具体的には、断続的に欠勤する、頻繁に遅刻・早退を繰り返す、勤務時間中もケアレスミスが増え、仕事が手についていない状態が散見されるなど、通常の労務提供が困難になります。

この場合に、休職制度が存在していると、企業は、「一度、医師の診断を受けてきて下さい。今の〇〇さんの状態で仕事を続けることは職場としても心配です。休まないといけないと医師が判断した場合は、休職制度があるので、一度治療に専念して下さい。」と伝えることができます。

休職期間中も労働者の立場は失われませんので、労働者も安心して休むことができます。

また、事業所の側にとっても、休職制度を運用することが適正な労務管理に繋がるので、結果として労働トラブルの防止に繋がります。加えて、休職期間中に労働者の立場が失われないことで人材不足で苦しむ介護現場においては、労働者の離職防止にも繋がります。

さらに、ここまでにもお話したように、うつ病により、職員が労務提供が困難な状態となった場合には、本来事業所は、普通解雇を検討する必要があります。

しかしながら、解雇が有効になるハードルは非常に高く、解雇事由があることに加えて、解雇することがやむを得ないといえるのかどうかという相当性の判断を満たす必要があります。

普通解雇については、詳しく以下の記事で解説していますので併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:普通解雇したい!無効とならない事例や手続きをわかりやすく弁護士が解説

 

 

休職制度を利用することで、後述するように、解雇をしなくても職員に退職してもらうことが可能になる場合があり、さらに、仮に解雇をするとしても、解雇の相当性を判断するための一助になり得ます。

このようにうつ病による休職を認めることは、労働者と企業の双方にメリットがあると言えます。

 

7−2.デメリット

休職制度を利用することのデメリットは、休職期間満了時に当該労働者を復職させるか否かの判断が非常に難しいという点です。

うつ病に罹患した労働者の中には、「何が何でも復職しないといけない」と考え、実際にはまだ症状が改善していないもかかわらず、主治医に「復職可能」という趣旨の診断書を依頼するケースがあります。

主治医としては労働者を救済する意味で、内心、まだ復職は難しそうだと思いながらも「復職可能」と書く場合があります。

また、主治医が労働者が具体的にどのような就業環境に置かれているのかを正しく理解した上で診断書を作成していることは稀です。

そのため職場としては、主治医に面談した上で本当に復職可能かどうかを確認したいところですが、主治医が面談を拒むケースも多くあります。

このような問題はあくまで一例ですが、うつ病に罹患した労働者の休職は、その復職の判断が非常に難しい点に、運用の難しさがあります。

 

8.うつ病による休職の制度設計

うつ病による休職の制度設計

では、実際にどのような休職制度を設計すれば良いでしょうか。

 

8−1.就業規則による制度設計をしよう!

休職制度は、「6−2.就業規則」で解説した通り、就業規則において具体的に定め、運用をする必要があります。

うつ病が原因で通常の労務提供が困難な状態に陥った場合、適切な対応ができるように以下では就業規則による休職の制度設計について詳しく解説します。

 

8−2.検討事項

 

(1)休職の条件

休職制度は、就業規則で定め、それに基づいて企業が発令する形で運用しますので、休職の条件の定め方が非常に重要になります。

まず、企業がもっとも気を付けなければならないことは、就業規則に、うつ病などの精神疾患を原因とする労務提供不能・不十分な場面を想定した休職事由を設けているかどうか、という点です。

「弁護士法人かなめ」では、就業規則に、うつ病などの精神疾患を原因とする場面を想定した休職事由が制定されていないために、休職の発令の段階で頭を抱えてしまう介護事業者をよく目にしてきました。

具体的には、私傷病休職の事由として、以下のような長期間の欠勤を条件とする休職事由だけしか制定されていない介護事業者は要注意です。

 

▶参考例:

・業務外の傷病及び通勤災害により欠勤1ヵ月を超えた場合、又は、欠勤が2ヵ月間に通算して30日を超えたとき

 

 

休職の発令の事由として上記の規定しか無い場合の問題点は、うつ病などの精神疾患では、通常、上記のような長期間の欠勤が連続して続くことは無く、結果として休職の発令が困難になってしまうという点にあります。

うつ病に罹患した労働者は、もちろん2、3日連続して欠勤することもありますが、遅刻や早退はするものの一応出勤してくるケースが目立ちます。

また、遅刻や早退はなくても、業務時間中、集中力を欠きケアレスミスが増えたり、気分が悪くなり休憩室で休む時間が増え現場を離脱することが増えるなど、通常の労務提供が不十分な状態になることがあります。

企業としては、通常の労務提供が不十分な状態がうつ病などの精神疾患が原因である場合、しばらくは治療に専念させるために休職を発令したいと考えますが、上記のような「欠勤1か月を超えた場合」や「欠勤が2か月間に通算して30日を超えたとき」のように「欠勤」を条件とする規定しか存在しない場合、休職命令を出す条件を満たしていないため休職を発令できないのです。

もとより、このような長期間の欠勤を前提とした休職事由は、歴史的には交通事故による長期間の欠勤や肺結核による長期間の欠勤を想定して設けられた規定であり、現代社会にマッチしていません。

8−3.就業規則の条項案」で推奨例を記載しますので参考にして下さい。

もっとも、就業規則の中には、以下のような「特別の事情」による休職発令を認める条項が定めてあることが多く、これを元に上記のような場面でも休職を発令することは可能です。

 

▶参考例:

・前号の外特別の事情があって休職させることを適当と認めた場合

 

 

しかしながら、うつ病などの精神疾患が原因で通常の労務提供が不十分な状況を「特別の事情」と判断しても良いのか、という点に争いが生じる可能性があります。

休職制度は民間企業の場合、法律上義務づけられた制度ではなく、あくまで企業が任意で設定する制度ですので、休職命令の発令の場面においても企業側の判断が尊重される傾向が高いです。

とはいえ、現に、「何故今回のケースを『特別の事情』があると判断したのか」と労働者側が争ってくるケースが実際にありますので、無用の紛争を回避するためにも、うつ病などの精神疾患の場面を想定した規定を定めるようにしましょう。

具体的には、以下のような条項を設けることをお勧めします。

 

▶参考例:

・精神又は身体上の疾患により労務提供が不完全なとき。

精神疾患の場合は、勤怠状況等(断続的な欠勤・早退・遅刻がありかつ業務遂行に明らかに支障をきたしている場合)を判断し、当該職員とも協議のうえ欠勤が1ヵ月等継続しない場合でも休職を命ずることがある。その場合、当該職員は、協議の前提となる情報の提供、必要に応じ専門家による相談又は医師による受診等について、同意・協力するものとする。

 

 

(2)休職の期間

休職事由に該当していると企業が判断した場合、次のステップは、どの程度の期間の休職期間を付与するのか、という点です。

休職期間も予め就業規則に制定していなければ、労働者ごとに休職期間の長さが区々になる可能性があり、適正な労務管理が困難になります。

また、休職期間の長さにも留意する必要があります。

例えば、就業規則上、勤続年数が例えば1年未満の労働者に半年間の休職期間を付与すると規定している企業もありますが、果たして、そこまでの長期間の休職期間を付与すべきでしょうか。

たしかに、休職制度は、労働者にとって福利厚生的な意味合いを有する側面もあるため、労働者にとって有利な条件は好ましいと言えます。

しかしながら、企業にとっては、その間、当該労働者の雇用を維持しなければなりませんし、当然、社会保険料等の法人負担分が発生し続けます。

やはり、勤続年数の長さに応じて、付与すべき休職期間も比例的に調整すべきと言えるでしょう。

また、休職制度は、多くの企業では、期間の定めのないフルタイム勤務の正社員に向けて制定されています。

有期雇用契約者や、期間の定めのないパートタイマー職員に休職規定を適用すべきかどうか、という点については、企業の実態に応じて慎重に判断する必要があります。

有期雇用契約者は、通常、半年や一年間という期間を定めて雇用契約を締結するので、原則として雇用期間の満了をもって雇用契約は終了します。

そうすると、長期間の雇用を前提とする休職制度には馴染まないと言えますので、有期雇用契約者については、休職制度を設ける必要性は乏しいと考えます。

もっとも、期間の定めのないパートタイマー職員については、勤務日数・勤務時間はフルタイム職員に比べると少ないですが、長期間勤務することを前提とした職員である点では共通しています。

そうすると、期間の定めのないパートタイマー職員については、休職規定を設けることが合理的だと考えられます。

もちろん、フルタイム職員とパートタイマー職員との間で、勤務日数や勤務時間のみならず、求められる業務内容や責任の軽重に差があると考えられますので、付与すべき休職期間に差を設けることは合理的な区別として許容されるでしょう。

 

【筆者:「弁護士 畑山浩俊」のワンポイントアドバイス】

 

有期雇用契約者は、更新回数やその態様によって、1年以上の長期にわたって勤務を続けたり、これに伴って必ずしも容易に雇止めができなくなるケースもあり、そのような場合に、休職制度を適用しないことが必ずしも適切ではない場面もあり得ます。

 

雇止めについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

 

▶︎参照:雇止めしたい!有効と判断される理由や雇止め法理を解説【判例付き】

 

そのため、事業所によっては、例えば有期雇用であると無期雇用とであるとを問わず、勤続年数のみを休職制度利用の条件として就業規則に定める事業所もあります。

 

どのような制度設計にするかについては、一度弁護士などの専門家に相談してみましょう。

 

(3)休職中の義務

休職中は労務提供義務を免除されますが、労働者の地位が無くなるわけではありません。

したがって、当然、休職中であっても労働者は守らなければならないルールがあります。

以下の項目はあくまで一例ですが、休職中に労働者が守るべきルールについても予め就業規則で制定するようにしましょう。

 

1.私傷病休職の場合、職員は当該傷病の治療に専念しなくてはならない。

いわゆる療養専念義務です。就業規則で明記するようにしておきましょう。

裁判例では、休職中の労働者が会社に週1回程度出社して労働組合の活動等を行ったり、ブログで会社の社長・役員・職員らを過激な表現を用いて批判したりしたことは、療養の趣旨に反し会社の信用・名誉を害する言動に当たるとして、当該労働者に対してなされた解雇が有効と判断された事例があります(マガジンハウス事件:東京地判平成20年3月10日)。

ただし、上記の裁判例では、療養専念義務について、企業側が注意すべき点についても指摘しています。

具体的には、企業側は、私傷病欠勤期間中に、オートバイで頻繁に外出していたこと、ゲームセンターや場外馬券売場に出かけていたこと、飲酒や会合への出席を行っていたこと、宿泊を伴う旅行をしていたこと、趣味でSMプレイに興じていたことなどしていたことを療養専念義務に反する行為であると主張していました。

しかしながら、裁判所は、「うつ病や不安障害といった病気の性質上、健常人と同様の日常生活を送ることは不可能ではないばかりか、これが療養に資することもあると考えら れていることは広く知られていることや、原告が、連日のように飲酒やSMプレイを行い、これが原告のうつ病や不安障害に影響を及ぼしたとまで認めるに足りる証拠もないことからすれば、原告の上記行動を特段問題視することはできないというほかない。」と判示しています。

つまり、企業側から見て、休職中の労働者の行いが感情的に反発を招くものであったとしても、直ちに処分すべきかどうかは慎重に判断する必要があります。

あくまで主治医や産業医がどのような療養をすべきと指示していたのかを踏まえ、企業は、療養の内容についても労働者と話し合っておくことが大切です。

 

2.休職期間中に法人から状況の報告を求められた場合、職員はこれに応じなければならない。

休職期間中の労働者は療養に専念する義務があります。

休職期間が満了した段階で復職できるか否かは、当該労働者の病状の回復の程度により判断することになるため、企業側としては、休職期間中の労働者の病状や生活状況等の情報を収集する必要があります。

そのため、就業規則において、休職中の労働者の義務として、療養状況、生活状況、その他企業側が定めた事項を報告する義務に関する規定を設けておきましょう。

 

(4)復職の条件

休職中の労働者がどのような場合に復職できるのか、についても就業規則で予め定めておきましょう。

うつ病に罹患した労働者との間では、特に復職させるか否かの場面でトラブルが生じるケースが多いです。

労働者は、症状が寛解したので復帰したいと主張するものの、事業者は本当に復職できる程度にまで症状が良くなったのか信用できないとして復職を認めないと主張が対立することがあるのです。

復職の条件を予め就業規則に制定しておくことで、どのような状態になれば復職が可能になるのかを明確にしておきましょう。

復職時において企業が具体的に注意すべき点については「10.復職の具体的な流れ」で詳しく解説します。

 

(5)復職できない場合の効果

休職期間の満了時までに「治癒」しなければ、労働契約が終了することになりますが、「普通解雇」か「当然(自然)退職」かは、企業ごとの就業規則の規定によって異なります。

休職規定は企業が任意に定める制度ですので、休職期間満了を「普通解雇事由」とするか、「当然退職事由」とするかを自由に選択して制度設計することができる為です。

ここでは、「当然(自然)退職」の規定を推奨します。

仮に、普通解雇事由として規定していれば、労働基準法20条に基づく30日前の解雇予告手続が必要になります。解雇予告していない場合は、休職期間満了の時点で30日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。

これに対して、当然退職事由として規定していれば、休職期間満了とともに労働契約も当然に終了することになり、解雇予告手続は不要です。

また、普通解雇であれば解雇権濫用法理(労働契約法16条)の適用を受け、解雇が社会通念上相当ではないと判断された場合、解雇の有効性が否定される可能性があります。

これに対して、当然(自然)退職であれば、「治癒」の有無によって退職か復職かが判断され、解雇権濫用法理の適用は受けません(もっとも、近年の裁判例では、企業側に一定の配慮が求められる傾向があることについて、「10.復職の具体的な流れ」で詳しく解説します)。

 

以上の理由から、復職できない場合の効果は普通解雇事由ではなく、当然退職事由としておくべきでしょう。

 

8−3.就業規則の条項案

次に、うつ病など休職における就業規則の条項案について、規定例を以下で紹介していますので参考にしてください。

 

▶参考:就業規則の規定例

 

(休職)

第●条 職員が、次の各号のいずれかに該当したときは、休職とする。

(1)業務外の傷病により欠勤が、継続、断続を問わず日常業務に支障をきたす程度(おおむね1ヵ月程度を目安とする。)に続くと認められるとき。

(2)精神又は身体上の疾患により労務提供が不完全なとき。
精神疾患の場合は、勤怠状況等(断続的な欠勤・早退・遅刻がありかつ業務遂行に明らかに支障をきたしている場合)を判断し、当該職員とも協議のうえ欠勤が1ヵ月等継続しない場合でも休職を命ずることがある。その場合、当該職員は、協議の前提となる情報の提供、必要に応じ専門家による相談又は医師による受診等について、同意・協力するものとする。

(3)略

 

(休職期間)

第●条 前条の休職期間(第1号及び第2号にあっては、法人が指定した日を起算日とする。)は次に定める期間を上限として、法人が必要と認める期間とする。なお、当該期間は、法人が特に必要と認めた場合には、更新することができる。

(1)前条第1号及び第2号の場合

勤続年数 休職期間
3年未満の者 2か月
勤続3年以上5年未満の者 3か月
勤続5年以上10年未満の者 6か月
勤続10年以上の者 12か月

 

(2) 略

2 同一又は類似の事由による休職の中断期間が6ヵ月未満の場合は前後の休職期間を通算し、連続しているものとみなす。また、前条第1号及び第2号の休職にあっては症状再発の場合は、再発後の期間を休職期間に通算する。ただし、休職期間の残期間が無い場合、または、短期に過ぎる場合、法人が定める休職期間を付与する。

 

(休職期間の取扱い)

第●条 休職期間中の健康保険料(介護保険料を含む。)、厚生年金保険料、住民税等であって、職員の月例給与から通常控除されるものについては、法人は職員に対しあらかじめ請求書を送付する。職員は当該請求書に記載された保険料、税金等を法人が指定する日までに法人に支払わなければならない。

2 休職期間中は、無給とする。

 

(私傷病休職中の服務)

第●条 私傷病休職の場合、職員は当該傷病の治療に専念しなくてはならない。治療目的から逸脱する行動及び法人の信用を失墜させるような行為が認められた場合は、休職を打ち切り、懲戒処分にすることがある。

2 休職期間中に法人から状況の報告を求められた場合、職員はこれに応じなければならない。法人からの請求があるにもかかわらず、職員が正当な理由なく状況報告を怠り又は拒否した場合は、休職を打ち切り、休職期間が満了したものとみなすことがある。

3 法人は、必要があると認める場合、本人の同意を得たうえで、法人が指定する医師に主治医の復職等に関する意見を求めさせ、法人に報告させることがある。

4 主治医、家族その他法人外の者からの情報収集又は情報提供は、原則として本人の同意を得て行うものとし、同意のあった目的以外に使用しない。ただし、次の各号のすべてに該当する場合は、この限りでない。

(1)人の生命、身体又は財産の保護のために個人情報を取得する必要がある場合
(2)個人情報の取得について本人の同意を得ることが困難である場合
(3)個人情報の取得が急を要する場合

 

(復職)

第●条 職員の休職事由が消滅したと法人が認めた場合、又は休職期間が満了した場合は原則として、休職前の職務に復帰させる。ただし、旧職務への復帰が困難な場合又は不適当と法人が認める場合には、旧職務とは異なる職務に配置することがある。この場合、労働条件の変更を伴うことがある。

2 休職中の職員が復職を希望する場合には、所定の手続により法人に申し出なければならない。
3 休職期間が満了しても復職できないときは、原則として、休職期間満了の日をもって退職とする。

 

(私傷病休職の場合の復職)

第●条 第●条(休職)第1号及び第2号の休職に係る前条第1項の「職員の休職事由が消滅したと法人が認めた場合」とは、休職者から復職の申出があったときかつ休職期間満了時において、傷病等が治ゆ(休職前に行っていた通常の業務を遂行できる程度に回復すること又は見込まれることをいう。以下同じ。)したものと法人が判断したときとする。

2 法人は、前項の判断を行うために、主治医の診断書の提出、休職者との面談及び法人が指定する医師の診断を指示することがある。当該指示を拒否した場合であって、復職の判断が不能であるときは、休職期間満了による退職となることがある。
また、当該指示を遂行したうえでなお法人が特に認めた場合は、休職期間を延長することがある。

3 復職日は、第1項の判断に基づき法人が決定するものとする。この場合において、主治医の意見と法人が指定する医師の意見が異なるときは、法人が指定する医師の意見を優先する。

4 復職した者については、本人の健康状態、業務の都合等を勘案し、その就業場所、職種又は職務を転換することがある。この場合、労働条件の変更を伴うことがある。

5 休職満了日までに復職日が決定できないときは、第●条(退職)の規定により退職とする。

 

(診断書等の費用負担)

第●条 休職手続きの運用に必要な診断書等の費用負担の帰属は、以下のとおりとする。

(1)法人の負担

職員本人の主治医以外の園指定医への受診やこれに必要な旅費、診断書の発行や医療情報の提供にかかる費用、法人への諸報告等の提出にかかる郵送費など、休職や復職に関する本規程の運用上、法人が必要として求めるもの

(2)職員・本人の負担

休職制度の適用に要する当初の診断書・発行に必要な費用、主治医による診断や治療、そのための通院等の旅費や入院にかかる費用、職員本人の治療や健康回復のために必要で、その利益がまずは従業員本人に帰するもの並びに前号に該当するものがなく、他に特段の定めがないもの

 

 

また、うつ病と休職制度についての基礎知識をはじめ、就業規則による規定の注意すべきポイントなどを以下の動画で詳しく解説していますので、ご参照下さい。

 

 

 

9.うつ病による休職の具体的な手続きの流れ

では、うつ病に罹患した職員に対する、具体的な休職の手続の流れを見ていきましょう。

 

9−1.職員との事前面談

 

(1)対面面談

うつ病等の精神疾患が理由で職場において不調が続いている職員がいる場合、まずこの職員の体調をできるだけ正確に把握する必要があります。

対面面談時に、職員から、「実はメンタルヘルスクリニックに通院しています。」と治療を受けていることが自己申告される場合は「9−2.診断書の提出」のステップに進みましょう。

これに対して、職員からは、精神疾患に関して申告が無いケースも多々あります。精神疾患に関する自己申告が無いことを理由に、企業側は何ら対策を講じなくてもよいのでしょうか。

結論は、ノーです。

参考例として、東芝(うつ病・解雇)事件では、精神的健康(いわゆるメンタルヘルス)に関する情報は、神経科の医院への通院、その診断に係る病名、神経症に適応のある薬剤の処方等を内容とするもので、労働者にとって、自己のプライバシーに関する情報であり、通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報であると言えると判示しています。

その上で、精神的健康に関する情報について労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で、必要に応じその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があると判示しています。

 

▶︎参照:「東芝(うつ病・解雇)事件(最高裁 平成26年3月24日判決)」の判決内容はこちら

 

 

企業が対面面談を実施するということは、当該職員の勤務実績・勤務態度が何らかの理由により不調に陥っている状況が続いているはずです。

したがって、企業側は対面面談の際、職員に対し、医師の診断を促す等、必要な措置を講じる必要があります。自己申告が無いからといって、決して放置しないようにしましょう。

なお、例えば、職員が特定の上司との間の人間関係を理由にうつ病を発症していると発言してるような場合には、面談を実施するメンバーを慎重に検討するようにしましょう。

漫然と当該上司を面談の場に同席させるなどした場合、うつ病がより悪化したとして、後日、企業側の安全配慮義務違反を理由に損害賠償請求などの紛争に発展することがあるので注意が必要です。

 

(2)電話、WEB面談

すでに体調不良を理由に欠勤が続いている職員や職場における人間関係を理由に精神疾患になったと主張する職員、その他の理由で対面での面談が困難な職員との間では、電話面談やWEB面談を活用して、当該職員の体調をできるだけ正確に把握するように努めましょう。

 

(3)事前面談ができない場合

対面、電話、WEB面談のいずれの方法でも事前面談ができない場面は大きく分けて2つの場面があり得ます。

 

1.職員が出勤しているものの、企業からの面談の一切を拒絶するというパターン

この場合は、話合いに応じなければ、休職規定の適用等の判断ができず、単なる債務不履行として普通解雇になる可能性があることを示唆した手紙やメール、チャットを当該職員に送り、面談に応じるよう促すことが大切です。

 

2.職員が既に欠勤を開始しているというパターン

企業側としては、手紙やメール、チャット等の手段を用いて情報把握に努めるようにしましょう。

対面、電話、WEB面談が実施できないという理由で、直ちに、企業側の情報収集の義務が無くなる訳ではありません。

手紙やメール、チャット等の「面談」以外の手段を講じても職員から全く反応が無い場合、企業としては職員の体調について情報の収集することは不可能です。

この場合は、単なる労務不提供と扱わざるを得ず、普通解雇を検討していくことになります。

また、就業規則において、一定期間職員と連絡がつかない場合が継続する場合を当然退職事由と規定している企業では、当然退職と扱うことができるかを検討していくことになります。

 

9−2.診断書の提出

 

(1)医療機関を受診させる

職員との面談が実施できた場合、まずは、医療機関を受診するよう促しましょう。

事業所としては、職員から提出される診断書の内容を踏まえ、職場としてどのような配慮ができるか具体的に検討していくことになります。

業務内容の軽減措置・時短措置を図るようなケースでは当初の雇用契約で想定された労務提供ができない訳ですから、賃金内容の見直しも必要になる場合があります。

後日の紛争を避けるためにも、業務内容の軽減措置・時短措置を実施する場合は、その時点で、改めて雇用契約書を締結し直すことが重要です。

事業所側が、労務不能もしくは通常の労務提供が困難であると判断した場合は、休職規定に基づき、休職手続きに移行しましょう。

もっとも、実務では、主治医の診断書の記載が正しいかについて疑念がある場合があります。

そのような場合、職員の同意を得た上で、当該診断書を出した主治医と面談をして話を聞くことも大切です。

また、主治医面談以外にも、産業医面談を実施し、産業医の意見を聞くというプロセスも検討に値します。

 

(2)診断書の発行費用の処理

職員がうつ病に罹患した原因が業務上に無いのであれば、私傷病扱いになります。

私生活上において精神疾患に罹患した訳ですから、主治医による診断書発行費用は職員の自己負担です。もちろん、通院継続する際の治療費、その通院に要する交通費も職員の自己負担です。

これに対し、職場から主治医以外の法人の指定医・産業医への受診の場合、それに伴う諸費用は法人負担です。

費用負担の点でトラブルが生じないように、予め、以下のような規定を就業規則に設けておくことが望ましいです。

 

▶参考:規定例

休職手続きの運用に必要な診断書等の費用負担の帰属は、以下のとおりとする。

 

(1) 法人の負担

職員本人の主治医以外の園指定医への受診やこれに必要な旅費、診断書の発行や医療情報の提供にかかる費用、法人への諸報告等の提出にかかる郵送費など、休職や復職に関する本規程の運用上、法人が必要として求めるもの

 

(2)職員・本人の負担

休職制度の適用に要する当初の診断書・発行に必要な費用、主治医による診断や治療、そのための通院等の旅費や入院にかかる費用、職員本人の治療や健康回復のために必要で、その利益がまずは従業員本人に帰するもの並びに前号に該当するものがなく、他に特段の定めがないもの

 

 

(3)診断書が提出されない場合

職員が診断書を提出しない場合は、欠勤・遅刻・早退等が断続的に続いている状態を単に労務提供が不完全であると判断せざるを得ません。場合によっては、勤務態度不良を理由とする懲戒処分を検討することも必要になります。

もっとも、診断書が提出されない場合であっても、職場における言動が何らかの精神疾患ないし心身の不調に基づくものであると客観的に明らかなような状況では、周りの職員の意見や、職員本人の同意が前提ですが職員のご家族などからのヒアリングに基づき、法人の判断で休職命令を発動することも可能です。

 

9−3.休職命令

次に、休職命令についての対応方法や注意点を見ていきましょう。

 

(1)休職命令の条件の確認

休職命令の条件は就業規則に制定しておきましょう。

実務では、そもそも休職になる際に、休職事由に該当していたのかどうかが争いになるケースがあります。また、休職命令を適正に発していたのか、という点が争いになるケースもあります。

無用の争いを避けるためにも、以下で記述するとおり、休職命令は必ず書面で実施しましょう。

 

(2)休職命令は必ず書面で!

実務上、事業所側が、休職制度を正しく理解せず(場合によっては、企業の担当者が休職制度自体知らないケースもある)、職員からうつ病に罹患したと記載のある診断書を提出してきたことを受けて、漫然と口頭で休職を発令しているケースが目立ちます。

これは最もトラブルになりやすい典型例です。

上述してきたように、休職制度は、企業の実態に応じて、予め就業規則で制定しておくべき制度です。

どのような場合に休職命令を発出するのか、休職期間はいつまでなのか、休職期間中に治癒しなかった場合の効果はどうなるのか、をきちんと職員に説明しなければトラブルになって当然だと思います。

後の紛争予防の観点から、

 

  • 1.休職事由と就業規則上の根拠規定
  • 2.休職の始期と終期
  • 3.休職期間中の処遇(給料は出るのか出ないのか、社会保険料等の職員自己負担分の支払い方法、傷病手当金の申請の可否等)
  • 4.休職期間中に提出を求める予定の書類(例えば、診断書)
  • 5.当該休職期間満了前に職員が取る必要のある手続(例えば、復職願いの提出等)

 

の5点を明記した文書を交付する必要があります。

 

(3)休職を拒否されたら?

ここまでは、「休職命令を発出する」といった表現を用いてきましたので、休職はあくまで企業側が一方的に命令を下すものだ、という印象を受けた読者も多いかもしれません。

しかしながら、実際の休職手続きの場面では、企業担当者と該当職員が面談を実施し、医師の診断書に基づいて、いつからいつまで休職期間を活用しましょう、と双方同意の上で手続を進めることが多いです。

職員にとっても、治療に専念することが可能になる訳であって、企業側の休職制度の打診について肯定的に捉える職員が多いのです。

もっとも、中には、何が何でも休職には応じないという職員もいます。そのようなケースでは、休職事由を満たしていると法人が判断した場合、休職命令を発令することになります。

 

(4)休職命令書の記載例と雛形ダウンロード

休職命令書の記載例については、以下を参考にご覧ください。

 

休職命令書の記載例

 

また、雛形もダウンロードしていただけますので、あわせてご参照ください。

 

▶参照:「休職命令書」の雛形ダウンロードはこちら(Word)

 

 

9−4.休職中の注意点

次に、休職中の職員によるSNSへの投稿などについても、「職場に関するものであった場合」は、注意が必要ですので、以下で解説しておきます。

 

(1)SNSへの投稿に要注意

SNSへの投稿は、基本的には職員の日常生活に属する事柄であり、企業側が必ずしも制約すべきものではありません。

その根拠として、マガジンハウス事件では、裁判所は、「うつ病や不安障害といった病気の性質上、健常人と同様の日常生活を送ることは不可能ではないばかりか、これが療養に資することもあると考えられていることは広く知られていることや、原告が、連日のように飲酒やSMプレイを行い、これが原告のうつ病や不安障害に影響を及ぼしたとまで認めるに足りる証拠もないことからすれば、原告の上記行動を特段問題視することはできないというほかない。」と判示しています(マガジンハウス事件:東京地判平成20年3月10日)。

しかしながら、投稿内容が職場に関するものであった場合、内容次第では、職場の秩序を乱す可能性があります。

そのような場合には、職員としての服務規律違反を理由に注意指導・懲戒処分を実施することを検討する必要があります。

企業としては、休職に入る前に、該当職員に対し、療養期間であることを踏まえてSNSへの投稿については一定の配慮をすることを伝えておくことが大切です。

 

9−5.「労働災害である」と主張された場合の企業の対応

企業側としては事実関係を調査した結果、パワハラの事実は無く、うつ病は私傷病であると考えているにもかかわらず、職員からうつ病に罹患した原因は職場にあると主張されるケースがあります。

例えば、「うつ病になった原因は、上司がパワハラをしたからだ」と主張するようなケースです。

このように企業側と当該職員で、うつ病に罹患した原因が「業務上」か「業務外」かで意見が対立するケースも珍しくありません。

この場合、企業側は、私傷病を前提とした休職制度の活用と共に、当該職員の主張を踏まえて労働災害の申請に協力するようにしましょう。

労働災害の申請を行った場合、労働基準監督署が調査を実施します。

労働基準監督署は、厚生労働省が制定した「心理的負荷による精神障害の認定基準」に基づき、調査し、労災か否かの判断をすることになります。

仮に、労災認定を受けた場合、労働基準法19条1項の解雇制限が類推適用され、休職期間満了時に治癒していないことを理由に当然退職と扱うことは禁止されることになるので注意が必要です。

以下では、職員が精神疾患につき労災主張をする場合のフローチャートを掲載しておきますので、こちらも参考にしてください。

 

▶参考:職員が精神疾患につき労災主張をする場合のフローチャートの素材

職員が精神疾患につき労災主張をする場合のフローチャート

 

9−6.早期に弁護士に相談を!

これまで見てきたように休職制度は初期対応が非常に重要です。また、予め就業規則で定めた休職制度のプロセスを的確に履践していくことが何よりも大切です。

しかしながら、休職制度は法的な素養が無ければ使いこなせない制度で、法律知識に明るくない方が見よう見まねで運用することはリスクが高いと言わざるを得ません。

中には、自身の事業所に設置されている就業規則の内容を読んだことが無い、休職制度について「知らない」と回答する企業担当者も存在します。

休職制度を運用する場面では、すぐに相談ができる労働法や労働問題に強い弁護士のサポートがあることは重要です。

初期対応の段階から弁護士へ相談することで、休職制度を正しく理解した上で、うつ病等の精神疾患に罹患した職員に対し正しく向き合うことができます。それがひいては、適切な労務管理の実現に繋がり、紛争の予防になります。

弁護士に相談しながら休職制度を運用するように心がけましょう。

 

10.復職の具体的な流れ

次に、うつ病で休職していた職員における復職について、主な流れとポイントを解説します。

 

10−1.復職に関する主なフロー

最初に、復職に関しての主なフローを紹介しておきます。

 

工程1:休職中の病状の報告

  • (1)主治医への診療情報提供依頼、主治医面談、産業医面談
  • (2)定期的な面談・報告
  • (3)診断書の提出

工程2:復職要件の検討

工程3:復職に向けた活動

  • (1)試し出勤
  • (2)リワークプログラム
  • (3)復職後の勤務条件の変更

工程4−1:復職

工程4−2:復職が困難な場合

  • (1)休職の延長の検討
  • (2)自然退職(退職勧奨)

 

 

10−2.復職の流れにおけるポイント

どのような場合に復職できるのか、というと、うつ病が寛解し、職場復帰しても問題無く働くことができる状態になった場合です。

このように記載すると、単純明快に思えるのですが、実際の復職の場面はここまで単純ではありません。

まず、休職中に、休職中の職員がどのような状態にあるのかを定期的に情報収集する必要があります。主治医から診療情報を提供してもらったり、主治医・産業医の面談を実施するなど、医療情報を踏まえて復職の可否を検討していくことになります。

また、「復職」の可否を巡って、様々な裁判例の積み重ねがありますので、裁判例を踏まえた対応も重要です。

さらに、いきなり元通りの職場に復帰させることでトラブルが生じるケースもあるので、試し出勤、リワークプログラムなどを導入する企業も増えてきています。それらを実施する場合は、法的な問題点や注意点も踏まえる必要がありますし、そもそも休職期間中にそれを行うのか、それとも復職させた後にそれを行うのか、についても整理しておく必要があります。

うつ病など精神疾患における復職については、以下の記事で職場復帰のプロセスや注意点などを詳しく解説していますので、こちらも必ずご参照ください。

 

▶参照:うつ病・適応障害からの復職!職場復帰のプロセスや注意点を解説!

 

 

11.休職中の職員のケア

休職中の職員のケア

休職中の職員は、満足に働くことのできないことに自分自身、罪の意識を持ったり、将来のキャリアに悩んだり等様々な不安を有しています。

職場としても休職中の職員にどのようなケアができるのか考えてみましょう。

 

11−1.休職中の職員は不安だらけ

休職中の職員は、精神的な孤独、復職できるかという不安、今後のキャリア 形成に関する不安、金銭面に関する不安等、多くの不安を抱えています。

企業としては、本人が不安に感じていることに関して、十分な情報を提供することが重要です。

 

11−2.精神的な不安

うつ病などの精神疾患に罹患した職員は、多くの精神的な不安を抱えています。

うつ病で休職することに対し、「周りから怠けていると思われないだろうか」「周りに迷惑をかけてしまうのではないか」といった不安を抱えています。

安心して療養に専念できるように、不安や悩みなどを相談できる場を設けることも重要です。

事業場内の相談体制や事業場外の相談機関、地域の相談制度等で利用できるものについて、情報提供をすることも考えておきましょう。

 

(1)復職できるかどうかへの不安

うつ病で休職している職員は、自身が果たして復職できるかに不安を持っていることが多いです。

職場としては、公的又は民間の職場復帰支援サー ビスなどの利用について、関係機関等が作成している パンフレットを渡したり、利用への支援を行うことなどを通じて、復職へ向けて具体的なサポートを行うことを検討しましょう。

復職へ向けた具体的な道や、実際に復職した経験談を知ることを通じて、復職への不安は減るはずです。

 

(2)他の職員との人間関係

休職中、しばらく職場を離れたことから、復帰した時に他の職員とうまくやっていけるだろうか、という不安を感じるケースも多くあります。

他の職員に「怠けているのではないか」と思われているのではないか、などと疑心暗鬼になってしまうこともあり得ます。

そこで、職場としては、うつ病などのメンタルヘルス不調に関する知識、休職制度に関する知識などを研修を通じて職場全体に周知することが大切です。

正しい知識を職場全体で共有することで、休職した職員が戻ってきやすい職場の人間関係を構築することに繋がります。

また、場合によっては試し出勤を行うなどして、周りの職員の理解も得ながら復帰を促すことで、徐々に職場に慣れていくことも大切です。

 

11−3.金銭的な不安

休職に伴う不安の最たるものは、金銭的な不安です。

働くことができない場合の給料はどうなるのか、税金はどうなるのか、社会保険料の負担はどうなるのか、様々な金銭的不安が生じますので、職場としては、休職することになる職員に対して、事前に休職期間中の給料・税金・社会保険料の点について、充分に説明しておくことが望ましいでしょう。

 

(1)休職中は原則無給!

休職中は労働義務が免除されています。そうすると、ノーワーク・ノーペイの原則により、給料は支払われません。

もっとも、例外的に、企業によっては私傷病休職期間中の給料も支払われる場合があります。就業規則を確認するようにしましょう。多くの企業は、就業規則において、休職期間中の給料は無給とする旨定めています。

休職中の賞与についても就業規則の定めによります。

多くの企業では、賞与は、その算定期間中の職員の勤務実績を踏まえて支給する制度設計になっている関係で、休職期間の長さに応じて賞与の額が変わる可能性が高いです。

賞与の算定期間の全てを休職しているような場合は、賞与が支給されないケースも珍しくありません。

 

(2)税金関係

休職期間中、給料が会社から支払われない場合でも、住民税や社会保険料等の負担が無くなるわけではありません。

 

1.社会保険料

企業や労働者に関係のある社会保険は、「厚生年金保険」「健康保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5種類です。

休職期間中は、無給であれば雇用保険料はかかりません(なお、傷病手当金の支給を受けている場合であっても、当該手当金は賃金ではありませんので、それに対する雇用保険料はかかりません)。また、労災保険料は全額事業主負担です。

厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料(40歳以上)は、休職前と同じ額を負担する必要があり、これらの保険料は労使折半で負担します。

休職期間中、無給であったとしても、これらの保険料の職員負担分は発生しますので、その旨を休職に入る前の段階で十分に説明するようにしましょう。

その上で、これらの保険料の支払い方法についても予め就業規則で定めた上で、職員に周知するようにしましょう。

 

2.住民税

翌年5月までの支払額が決まっている住民税については、「(1)引き続き特別徴収を継続して会社からの立替払いを続けてもらい、その立替分を後日清算する方法」か、又は「(2)普通徴収に切り替えて職員自身で支払うか」を選択することになります。

 

(3)受けられる公的扶助

 

1.傷病手当

健康保険に加入している職員は、以下の要件を満たすと傷病手当金の支給を受けることができます。

 

(1)要件

  • ① 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • ② 仕事に就くことができないこと
  • ③ 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • ④ 休業した期間について給与の支払いがないこと

 

(2)支給期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から通算して最長1年6ヵ月です。

治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により健康保険法等が改正されました。

この改正により令和4年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されます。

傷病手当金については、以下の全国健康保険協会のホームページでも詳しい情報をご覧いただけます。

 

▶︎参照:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

 

 

11−4.事業所からの情報提供が重要!

上記のとおり、休職期間中、無給であったとしても社会保険料の自己負担分や住民税の負担は発生します。また、健康保険の傷病手当金を受けることが可能です。

職員は、休職期間中の金銭に関する不安を抱いているのが通常ですので、事業所からの積極的な情報提供が重要になります。

 

12.介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

介護業界に特化した弁護士法人かなめによるサポート内容のご案内!

弁護士法人かなめでは、介護業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)休職、復職手続への助言、指導
  • (2)労働災害申請がされた場合の助言、対応
  • (3)職員から何らかの法的措置を取られた場合の対応
  • (4)労働判例研究会
  • (5)顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

12−1.休職、復職手続への助言、指導

休職制度は初期対応が非常に重要です。また、予め就業規則で定めた休職制度のプロセスを的確に履践していくことが何よりも大切です。

休職命令の発令の場面、休職期間中の対応、復職の際の対応等、それぞれの局面において、数々の裁判例の積み重ねがあるように、休職制度は法的理解が無ければ適切に運用することができません。

初期対応の段階から弁護士へ相談することで、休職制度を正しく理解した上で、その運用が可能になります。

弁護士法人かなめでは、皆様の事業所で、うつ病等の精神疾患を理由に労務不提供になっている職員が発生した場合、弁護士に速やかに相談し、指導を受けながら休職制度を運用できる状況を作り、労務管理を行う担当者の負担軽減のための助言や指導を行います。

弁護士からの的確な指導を受けながら運用することで法的リスクを下げることが可能になり、ひいては無用の紛争を回避することが可能になります。

 

12−2.労働災害申請がされた場合の助言、対応

職員が、うつ病に罹患した原因は職場にあると主張する場合、企業側は労働災害の申請を行うようにしましょう。

労災申請に伴い、労働基準監督署や労働局から調査を受けることになりますが、その調査への対応方法についても、弁護士法人かなめがよく受ける相談の1つです。

事業所としては、慣れない調査等により、困惑し、十分な準備ができないまま回答などをしてしまい、伝えなければならないことを伝え損ねて事態が悪化するということも珍しくありません。

弁護士法人かなめは、これまでに多くの労働基準監督署対応を行っており、事業所が実際に労働基準監督署に対応する際の助言の他、事業所に変わって労働基準監督官に事情を説明したり、労働基準監督署での聞き取り調査に同行するなど、きめ細やかなサポートを行っています。

 

12−3.職員から何らかの法的措置を取られた場合の対応

職員が、うつ病に罹患した原因は職場にあると主張するようなケースでは、休職規定を適用する前後のタイミングを問わず、当該職員が労働組合や弁護士に相談に行くケースがあります。

そして、労働組合から、団体交渉の申入れがなされたり、弁護士から内容証明郵便が届き、うつ病に罹患した原因が職場にあることを前提とした損害賠償請求などの法的措置が取られることがあります。

近年、こういった労働組合や弁護士からの対応が取られることは珍しくありません。

もっとも、事業所としては、突然の事態にどのような対応を取れば良いかわからず、早期解決だけを考え、とにかく要求を安易に飲んでしまう場合もあります。

しかしながら、うつ病に罹患した原因が業務に起因するのか否か、また、それを超えて事業所側が安全配慮義務に違反したといえるかどうかは、具体的な事実関係を踏まえて慎重に議論する必要があるところであり、安易に相手の要求を飲むことは危険です。

全く事業所が悪く無いケースもあり、そのようなケースで相手方労働組合や弁護士の言い分をそのまま受け入れてしまうと、それを知った他の職員も不満を感じるでしょうし、何より、トラブルの相手方の職員がさらに過大な要求を突き付けてくることもあり得ます。

弁護士法人かなめでは、このように労働組合や弁護士から法的な要求を提示された場合でも、事業所の代理人として交渉業務を代行し、適切な法的反論を展開することが可能です。法的に根拠の無い主張に対しては安易に屈すべきではありません。弁護士法人かなめに相談することで、事業所の皆様も、安心して本来の業務に専念することができます。

 

12−4.弁護士費用

まずは、一度、弁護士法人かなめにご相談ください。

 

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。

※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせて頂いております。

※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.ZOOM面談によるご相談」に限らせて頂き、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

法律相談の申込みは、以下のお問合わせフォームから受け付けしております。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

※介護事業所の経営者側からのご相談に限らせて頂き、他業種の企業様、職員等一般の方からのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

12−5.労働判例研究会

弁護士法人かなめでは、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する労働判例研究ゼミを不定期に開催しています。

ゼミの中では、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをすることで、事業所に戻ってすぐに使える知識を提供しています。

詳しくは、以下のページをご覧下さい。

 

▶参照:弁護士法人かなめ「労働判例研究ゼミ」開催情報はこちら

 

 

12−6.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、事業所内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と介護事業所の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応しています。

直接弁護士に相談できることで、事業所内社内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参照:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

また以下の記事や動画でも顧問弁護士について詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参照:介護施設など介護業界に強い顧問弁護士の選び方や費用の目安などを解説

 

 

 

(1)顧問料

  • 顧問料:月額8万円(消費税別)から

 

※職員従業員の方の人数、事業所の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

13.まとめ

この記事では、うつ病に関する基本知識を解説した上、うつ病に罹患した職員への対応方法として休職に関する基本的な知識と、実際に職員を休職させる場面における具体的な手続きや注意点について解説しました。

さらに、休職中に職員が守るべき点、休職中の職員の対応時に法人が気を付けるべき点についても解説し、実際に復職する際のプロセスについても、その概要を説明しました。

そして、最後まで読んでいただくことで、うつ病による休職から復職までの一連の流れについて知ることができますので、職員の精神疾患に悩んでいる介護事業所の方は、参考にして見てください。

休職制度の利用は、計画的に行う必要があります。

職員の精神疾患に悩んでいる介護事業所の方は、まずはできるだけ速やかに、弁護士に相談するようにしましょう。

「弁護士法人かなめ」のお問い合わせ方法

介護事故、行政対応、労務問題 etc....介護現場で起こる様々なトラブルや悩みについて、専門の弁護士チームへの法律相談は、下記から気軽にお問い合わせください。
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介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

弁護士法人かなめが運営する「かなめねっと」では、日々サポートをさせて頂いている介護事業者様から多様かつ豊富な相談が寄せられています。弁護士法人かなめでは、ここで培った経験とノウハウをもとに、「介護業界に特化した経営や現場で使える法律セミナー」を開催しています。セミナーの講師は、「かなめ介護研究所」の記事の著者で「介護業界に特化した弁護士」の畑山が担当。

介護施設の経営や現場の実戦で活用できるテーマ(「労働問題・労務管理」「クレーム対応」「債権回収」「利用者との契約関連」「介護事故対応」「感染症対応」「行政対応関連」など)を中心としたセミナーです。

弁護士法人かなめでは、「介護業界に特化した弁護士」の集団として、介護業界に関するトラブルの解決を介護事業者様の立場から全力で取り組んで参りました。法律セミナーでは、実際に介護業界に特化した弁護士にしか話せない、経営や現場で役立つ「生の情報」をお届けしますので、是非、最新のセミナー開催情報をチェックしていただき、お気軽にご参加ください。

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弁護士法人かなめではトラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入しています。他にはない対応力で依頼者様にご好評いただいています。

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法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応します。 現場から直接、弁護士に相談できることで、社内調整や伝言ゲームが不要になり、業務効率がアップします!

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この記事を書いた弁護士

介護業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
認知症であった祖父の介護や、企業側の立場で介護事業所の労務事件を担当した経験から、介護事業所での現場の悩みにすぐに対応できる介護事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、介護業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「介護事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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